『楽園』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
運命とは。(2話
バスに乗るまで少し時間があった。話す会話は特になく、お互いとも緊張していた。数分経ったあとにバスが来た。1番後方の席に座った。
彼女がなぜか自分を見つめていたが、自分は見れなかった。彼女を見ると緊張してしまって、真っ赤になっているような気がしたからだった。でも少し経ってから彼女は反対を向いた。向かなかったから嫌われたのかと思った。だから直ぐに自分は彼女の方を向いて、
“なんかあった?”
と聞いた。すると彼女は、
“見るとにやけてしまうので、”
と言った。可愛くて、仕方がなかった。思わず自分は、顔が赤くなった。自分でもわかるくらい顔が熱かった。なぜか、意地悪したくもなった。そして、その日が彼女を好きになった日でもあった。
バスに乗っているといつも駅まで着くのがすごく長く感じるのに、今日に限ってとても早く感じた。そして、すぐ彼女とわかれる時間となった。だから帰り際になって彼女にダメもとで聞いてみた
“夜かまってくれませんか、”
と、そしたら彼女は
“え、話しましょ!”
と言ってくれた。その日の帰りは死ぬほど嬉しくて、彼女とわかれたあともニヤけが止まらなかった。その日の夜は楽しみで仕方なく、いつもより早くお風呂に入って、彼女からの連絡を待っていた。
数分経った後に、彼女から連絡が来て初めて電話したのに寝落ちをした。ドキドキと、惚気がとにかく止まらなかった。大好きが止まらなくなった。好きだなって感じた。また明日になって欲しい。そう思った日だった。
その日から彼女を見つけると、なぜか顔を隠してしまう。でも通り過ぎると友達にいつも惚気けてばっかりだった。自分たちの日常は、放課後部活が終わったら部室で話すのが日課だった。彼女といられる幸せがいつの日か日常となっていった。
好きだと思う日がどんどん日に日に増える。
話し始めて1ヶ月ほど経った時、彼女に好きだと伝えた。すると彼女も好きだと伝えてくれた。こんな幸せな日があっていいのかって何回も自分に問い直した。でも素直に嬉しくて仕方がなかった。こんなに好きになれたこと良かったと思った。だけど、不安あった。心配性になりがちなところがあったから、別れたらとすぐ考えた。だから、来年の体育祭まで待って欲しいとそう伝えた。あなたにその時告白したいとそう伝えた。
だが、会う度に抱きついたり、距離感が近くなることが増えた。彼女といると幸せだと、なんでも頑張れる自信しかなかった。正直なところ今すぐでも告白がしたくなった。でも自分はどうしたらいいかわかんなくなることが多かった。
その時、彼女は
“いつ告白してくれるんですか?”
と言った。もう安心しかなかった。涙が出そうなくらい自分をこんなにも必要としてくれてるんだと感じた。そんな彼女に自分は、
“なら、今伝えてもいいかな、”
と、聞いた。すると彼女は、
“はい、いいですよ”
と言ってくれた。だから自分は、
“自分が幸せにします。だから付き合ってください”
と伝えた。すると彼女は暗い場所でもわかるくらい顔を赤くしながら、
“はい、お願いします”
と言ってくれた。分かっていたものの、安心に満ち溢れて、つい感情が溢れて泣いてしまった。そんな自分を暖かく抱いてくれた。初めて、生きててよかったと思えた瞬間だった。
次の日から会う度に“自分の彼女だ”って思うようになった。周りに惚気けたくなるくらい、好きが溢れた。いつも素直になれない自分が、毎日のように好きだと言い続けていた。こんな感情初めてだった。
小説 『箱庭の楽園』
*少し長いです。
昔から続けている趣味がある。
それは、楽園のような箱庭を作って、自分が作った生命体を住まわせるというもの。
幼い頃自分が想像した創作キャラを、現実世界でふれあいたくて、愛でたくて創造したのだ。そして、その現実世界へ呼び寄せた創作キャラたちを、天敵や災害、食料不足など、不快なものが一切ない、何不自由ない楽園のような箱庭に住まわせたいと思ったのだ。
計画は順調で、箱庭の環境はバッチリ。キャラたちも増え、仲良さそうに暮らしている。幸せそうで何より。こちらも見ていて幸せ。
そんなある日、いつものように朝起きてすぐに箱庭を覗いた。
何ということだ、創作キャラたちが大分消えてる…。居るのは数名だけ。
どうりで静かだと思った。昨日まではいつも通りみんないたのに。
みんなで遠足でも行ってるのだろうか、最初はそう思った。でも、夕方、夜になっても帰ってくることはなかった。
残った数名にきいても、全員知らないと言う。
どこへ行ったのだろう…。
急な展開に、愕然とした。
❇️ ❇️ ❇️
創作キャラたちは、足早に元いた場所から離れていた。
よくよく見るとみんな解放されたと言わんばかりの笑顔。
やがてそれぞれ自分の好きな場所に行き、創作キャラたちはばらばらになっていった。
創作キャラの一人、ギラはとある人間の家の軒下に辿り着き、そこに住む小人たちと仲良くなった。
小人の一人がギラにきいてきた。
どうして故郷を出たのか?と。
ギラは少し黙り、重い口を開けた。
何不自由ない園で暮らしていたが、過剰に資源を取る奴らが出てきて争うようになったと。残りの人たちは貧困になって資源を毎日取り合っていたと。資源を多く持つ奴らはどんどん力がついて園を治めようとか言い出したらしい。そうなればますます自由に暮らせなくなるため、そうなる前に一致団結してみんなで逃げたのだという。
「あの園は楽園じゃない。今いるこの場所みたいに、気の合う仲間たちと資源を分け合って、みんな一緒に幸せに暮らせる場所こそが、本当の意味での楽園だよ」
ギラは何不自由ない幸せを噛みしめていた。逃げた他の仲間も、今同じように幸せを感じながら生きているのだった。
楽園。現代の日本はそれなりに楽園よな。底辺と呼ばれる人でも食うに困らず住む場所に困らない。
そりゃ選り好みすれば食うにも住むにも困るだろうが身の程ってやつをわきまえれば生きるに困ることはない。
今は無料の娯楽でいくらでも時間を潰せますからな。生活費とわずかなこずかいがあれば死ぬまで楽しく生きていける。
特に実況動画なんかは貧乏人の娯楽としてうってつけだな。漫画や小説は無料では最後まで見れません、なんてのもあるけど実況動画は無料で楽しめる。
正直ユーチューバーという職業に思うところもあるが、現代においてああいった職業はもはや必要不可欠な職業だろう。
楽に楽しく生きられる。現代日本は楽園と呼べる環境にあるんじゃないだろうか。
最も今の時代に生きる我々にとっては今の生活が普通なのだから楽園とは思えないけども。苦しみも多いからね、現代というものは。
息が上がり、汗が首筋を伝う。額から流れ顎へと溜まった雫は重力に従って床へ落ち、足を滑らせる。ベンチに敷いたタオルはすでに多量の汗を含んで重く濡れ、来ている服もグローブもまた水気を帯びている。履いているシューズの中では、靴下もインソールも溢れ出て、伝い降りてきた汗を吸い混み続けている。
分割法を用いるようになって、早6年を迎えただろうか。時に多忙が故に追い込むことはおろかこの重みを感じることも出来なかった時間がある。しかし三分割や四分割でのメニューを立ててからは、一回あたりの向き合う時間、追い込む時間がより濃密になったように感じる。全集中で追い込まれパンプしてくる筋肉もまた、その事実をダイレクトに伝えてくれる。
ワークアウト1時間前にプロテインを飲み、気持ちを高めるために動画投稿サイトにてこの日行う部位のトレ動画を漁る。視聴するチャンネルは、登録しているものから選ぶ。その日その時の気分次第で決まるが、どのような追い込み方をするのか、どのように終えるのかをイメージする。そのイメージに沿って視聴チャンネルを決める。つまり、クリエイターにはそれぞれの個性やトレーニング方法がある。考え方も違えばセットの組み方も違う。自分の行いたいものにマッチする動画を見ることで、アドレナリンを放出させるのだ。ある程度気分が高まってくれば、作っておいたワークアウトドリンクを少量ずつ摂取しながら、しっかりと動的ストレッチを行う。筋肉の繊維と会話をするようにストレッチをすることで、更なる意識向上を図る。
ストレッチを終えれば、メニューの作成だ。レイズ系やプレス系など同じ部位でも様々な種目が存在する。私はフリーウェイトでは、全部位では概ね五十程の種目から都度メニューを決めている。さて、今日は胸と背中、肩と腹の日だ。胸はBP、DIP、DDP、DF、PO を各6セット。背中はDL、HDL、SLDL、DDL、BOL(H/L)、SS を各6セット。肩については本日はレイズ系種目メインの為、FR、SR、RRの他にプル系種目としてFPを加えて、各6セット。腹はLR、MC、クランチ、プランク、SB を各6セット行う。ワークアウトの予定時間としては、2時間が目安だろうか。ワークアウトドリンクはリッターシェイカー2本を用意してある。
滾る気持ちも、疲労が溜まっていくにつれて挫けそうになってくる。脚トレに比べればこんなものまるで気にしない程度のものでしかないが、辛いものは辛い。血管運動性鼻炎の私にとって、ワークアウトの時間が長ければ長いほど、運動量が多ければ多いほど鼻をかむ回数も増える。否応なしに鼻水がとめどなく溢れてくるからだ。何度かんでも鼻がつまり息が苦しくなる。そのストレスで集中力も傾き始めるのだが、これも私にとっては毎度の試練である。多いときで一度のワークアウトで五十回ほど鼻をかむのだが、時に血が滲む。摂取するドリンクが鼻水で放出されているのではないかとさえ思えてくる。しかし、気持ちが折れた瞬間に集中力はどこかへ飛び去っていってしまう。必死に自分を鼓舞して、今という時間、この苦痛という喜びにしがみつくのだ。この厳しく苦しい時間を乗り越えた先に、自己満足というゴールデンタイムが待っているのだから。
私はワークアウトの前後で、摂取するプロテインのメーカーやフレーバーを変えている。ワークアウト前はなるべくあっさりしたフレーバーで溶けやすいものを選び、ワークアウト後は溶けずらいものでもなるべく甘く美味しく満たされるものを選んでいる。理由は簡単だ、ブレンダーに水を注ぎプロテインやバナナ、ブルーベリーや卵、サプリメントを投入しスイッチを押すからだ。どんなに溶けずらいプロテインでもドロドロのシェイクになってくれる。このシェイクは容量としては最終的に700ml程になる。これを一気に飲み干すのだ。この時が生きていて一番の満足感を得られる。苦しくとも、どんなに辛くとも鞭打って頑張って頑張って耐え忍んだ後に、最高の褒美が待っている。それが、私にとってこれほどに素晴らしい幸福感をもたらしてくれるのだ。アイスやスイーツスラも敵わぬ至極で至高の瞬間だ、この瞬間なくしては生きていくことは出来ないだろう。
さて、ここまでワークアウトやその後のプロテインという褒美の話をしたが、実はもうひとつ褒美があるのだ。それは、「筋肉痛」という普通であれば苦痛や不快と感じるものだ。私にとっては何よりもの褒美でしかない、それは追い込んだ証だからだ。ただ追い込んだからという訳では無い。普段から追い込んでいるにもかかわらず、更にしさ新たな刺激を与えられたのだという結果を知ることができる方法だからだ。だからこそ、褒美と言える。鼻水にストレスを覚え、疲弊しながら耐えた先に甘い褒美がある。そして、ワークアウトが無駄ではなかったのだという事実を痛みを伴って認識できる。もちろん、酷い筋肉痛になってしまった時は褒美でもなんでもない。なぜならワークアウトが出来なくなってしまうからだ。しかし、基本的にはワークアウトを朝行えば、昼過ぎから夕方には筋肉痛がやってくる。それも、一日二日で去っていくのだから素晴らしいものだ。
一般的に、トレーニーはドMと言われる。これは適当であるとも、間違いであるとも言える。なぜなら、自分自身で嫌という程追い込むという鬼畜の所業を強行する頭のおかしい気概。そして、苦しみを気持ちいいとさえ感じる精神。これはトレーニーやアスリートなど当事者にしか分からない部分かもしれないが、つまり言い得て妙といえる表現はずばり「変態」だろう。これこそ、最高の褒め言葉であり自身を誇り自信をつける究極のワードだ。
簡潔に言おう。ワークアウトとはトレーニーにとって至福の時間であり、そのフィールドはまさに地獄と天国の両極端にある場所だ。そして、感じる苦痛も痛みも全てが幸せになるためのエッセンスであり、スパイスである。つまるところ、楽園のようなものだ。
#楽園
くたくたの体を沈める湯船
この世界は楽園か?
否
安寧の世は有りはしない
だからこそ楽しいのだろう
お題「楽園」
「楽園ってなんだろうね?」
全ての始まりは、彼が発したその一言からだった。
それは彼とその友達がお菓子をつまみなかがらそんなことを話していた。始めはただの雑談だったのだが、彼が何を思ったのかふとそんなことを口にした。
「え?」
彼の意味深な言葉に首をかしげるその友達。いつもだったら絶対に止めるはずのないチョコ菓子をつまむ手を止めて彼の方を見つめる。ガラス細工のような空色とレモン色の瞳を見つめ返す彼。そんな彼から目をそらし一つため息を付いてから友達は再び話し始める。
「やっぱり人それぞれなんじゃない?天国を楽園を捉える人、この世を楽園と捉える人とかさ、見方が違えば意見だって違うでしょ?」
そう言ってソーダに口をつける彼の友達。星空のようなソーダの中に浮かぶ氷。その氷に反射して映る自分を少し見つめてから彼に視線を送り、彼女はこう聞いた。
「あんたは?あんたはどうなの?」
彼は少し窓の外の景色に視線を移す。外では小鳥達がさえずり、子ども達がキャッチボールをして遊んでいる。
それから、少し悩んでからこう答えた。
「ん~、分かんない。」
「そう。」
短いやり取りだったが、彼らにはそれで十分だった。
夏の夕方の日差しが彼らを優しく包み込んだ。
そしてゆっくり、のんびり、日は沈んでいった。
あなたがいれば そこが楽園
たとえそこが地獄でも
あなたには楽園しか似合わない
わたしのことを覚えていてくれさえすれば
それでいいの
あなたが楽園(そこ)にいるためならば
わたしは地獄の業火にさえ焼かれるわ
だからお願い
あなたの夢にわたしをいさせて
そこがわたしの楽園
/『楽園』
〜の扉が1/5くらい。逸れてしまった。
神の手から解き放たれて
ぼくは飛んでいく
行き先はわからない
風に乗って
風の向くまま
ぼくはどこへ行くのだろう
たどり着いた先に何があるのだろう
しばらく飛んでいくと
白いはこの中に足がついた
「あら、紙飛行機だわ
どこから飛んできたのかしら?」
窓辺に落ちた白い紙飛行機を女性は手に取った
/『風に乗って』
昨日分
無題
あなたを失って、いったいどれだけぼくの心は傷ついたのだろう。
あんなに長い時間を過ごしたのに、もう姿もはっきりとしない。
顔もあやふやになり、何よりあなたの素敵な声がどんなだったか、思い出せない。
あなたは本当に存在していたのか?
ぼくの造り出した幻想じゃないのか?
でも、手元にあるあなたの写真は、どうやら本物みたいで……
何の悩みも苦しみもない場所だというのなら、
私が行くそこにきっと君はいないんでしょう。
楽な園?楽しい園。楽園。
私の楽園、それは家。
君の楽園、それは街。
彼の楽園、それは学校。
彼女の楽園、それはライブ。
なら、あそこで泣いてるあの子の楽園、それはどこ?
どこか一つ、この世にあなたの楽園を。
どこか一つ、この世にあの子の楽園を。
誰もが安心して幸せだと感じられる
そんな場所があるらしい
夜の街にあるのは知ってるけど
一時的なモノだからそれは置いておこう
あったら一度は見てみたい
どういう仕組みで成り立つっているのか
興味しかない
現実で考えるとどこかで問題が出ると思う
価値観が違うから
もうバルタン星人じゃないと無理
オメラスの街だか国だかがいいところな気がする
あれはあれで嫌だしなぁ
現実に作れないから
楽園とか理想郷ってあるんだろうな
ちなみに自分の楽園は暖かい湯が沸いてるところ
お手軽にリラックスできて幸せになれる
出来ればあまり混雑してないと最高なのよ
お題: 楽園
宝塚大劇場、、、
それは、私にとって、楽園であった。
秘密の花園と言われる、宝塚歌劇団。女子だけで構成されている劇団だ。
私が初めて出会ったのは、高校の芸術鑑賞の時だった。
宝塚が地元なこともあり、昔から名前くらいは、聞いたことがあった。しかし、実際にその演技を観たことはなかった。
#楽園
それぞれの楽園がある。
苦痛しかない環境から抜け出したそことは正反対の所
平等・食べ物が豊富・気候・戦争がない等
ただ単に、好きな物で溢れて、欲望にまみれている所
趣味、食・色・物
一時的に、解放感を味わえる所。
テーマパーク、高級リゾート地
楽園を作るには、誰かが労働して支えている。
痛くて熱くて苦しくて辛くて。
毎日毎日憂鬱な日々を過ごしていた僕は、気がつくとどこまでも真っ白な空間に立っていた。
「こんにちは」
戸惑う僕に自分より背が高いお姉さんが声をかけてくる。
「一緒にあそぼうか」
あいさつも返せない僕を気にすることもなく、お姉さんはかたまる僕の両手を引いた。
真っ白な世界にはいつの間にかブランコやすべり台が現れていて、お姉さんに促されるままに僕は1つ1つの遊具で順番にあそんだ。
「…たのしい」
「ふふ、よかった」
ぽつりと呟いた僕の声にお姉さんは嬉しそうに笑う。こんなにあそんだのは生まれて初めてだった。
「ちょっと休憩しようか」
流れるような動きでお姉さんの膝の上に座らされる。知らない間に息が上がる程あそんでいたらしい。お姉さんの膝はとても気持ちがよくて、気を抜くとねむってしまいそうだった。
「…」
けれどここで寝てしまったらこの幸せな空間が終わってしまいそうで。目が覚めたらいつもの苦しい日々が始まるかと思うと怖くてしかたなかった
「大丈夫大丈夫…起きてもここにいれるよ。貴方が望むならいつまでもいていんだよ」
僕の頭を優しく撫でながらお姉さんが囁いた。強ばっていた気持ちがゆるゆるととけていく。
いいのかな。いいんだよね。だって疲れちゃったんだもん。
遠くから聞こえる大好きな人たちの声に耳を塞いで、柔らかく暖かい白いお姉さんの膝の上で僕は眠りについた。
「…残念ながら…ご臨終です…」
「…ーっ!!!」
ごめんね、おかあさん。おとうさん。
ばいばい。
楽園
おめでとう!君は死後楽園へ招待されることになった。えーっと、君のことはこの神に事細かく記載されているよ。今回は生前の善行が神様に認められたみたいだよ。特に!ボランティアに積極的に参加して社会貢献したことが得点が高いねぇ。わー、これなんてすごい。不自由な人をサポートしながらキャンプ泊だって。いーなーうらやましーなー。案内人に人間の言う休みなんて無いんだよ。自然に囲まれてバーベキューとかしたーい。あぁ、話がそれちゃった。とにかく、君は楽園でのんびりしたり、遊び尽くしたりできる権利をもらったみたいだ。もちろん、楽園に行かないで次の人生を待ってもいいよ。選択は君の自由だ。
……楽園へいくんだね、もちろん大歓迎さ!すでに多くの人間がそこで暮らしているよ。君はどんな風に過ごすのかな。
ああでもその前にね、
次はこっちの紙を読んでいこうか。うわあ、君小さい頃好き嫌いしてたの?食材は無限じゃないんだからちゃんと食べなきゃ。あ、信号無視もしてる。人から借りたものを返さないでいるしおかあさんに反抗的な態度もとってたんだね。極めつけはこれ。ボランティアって名目の場所で見つからないように暴力、窃盗、その他諸々……あはは、こんなのを善行とか呼んでる人間ってほんと面白いよね。ああまたそれちゃった。僕の癖なんだよね。案内人って用紙に従って案内するだけでほんっと暇なわけ。だからなるべく人間のことを知っていこうと思って。まあそんなことしても特別意味ないんだけどさ。
で、楽園へいくにはこの悪行を悔いて修行しなきゃいけないの。お寺の修行みたいなやつじゃなくて、えーっと人間で言う「地獄」?ここに死の概念はないから何度も何度も修行を行えるんだ。ああ、痛みはちゃんと感じるみたいだよ。生存本能である痛みを感じるなんて人間って不思議だね。小さな悪行も大きな悪行も全てを悔い改めるほどの修行が行えたら無事に楽園へ行けるよ。この前の人間は途中で転生を選んだけどね。
君は楽園へ行くことを選んだもんね。何度も何度もすり潰されて燃やされて砕かれて刺されて絞められて苦しんで苦しんで苦しんでね。それが君の罪であり人生だったのだから。ふふ、君はどれくらいもつかな
楽園
考えてみる
衣食住そろってるところ
人間として最低限の生きる権利
なんか足りない
心配事悩みのないところ
どうだろう。そういう起伏があるから楽しくもあり辛くもあるのかな。マイナスごとはできればゴメンだけど。
俺の108の煩悩を満たせればいいのか?他の人が辛くなるかもだからちがうか。
もっと簡単にイメージしてみる。楽園はきっと暖かい所だろうな。
今日は天気がいいし暖かいから、今はここが楽園
願いは叶った。
雲のようなベッド。
きめ細かいシルクの衣。
柔らかなパンと美しいミルク。
愛する人と肩を並べ、
きらきらと光を返す湖を眺める。
小鳥の囀りに耳を傾け、
そよ風に揺れる花を愛でる。
夕陽にささやかな美酒。
夜空に浮かぶ星たちを祝し、
安らかな眠りに心からの口付けを。
繰り返される日々の楽園。
これ以上ない幸福には感謝するばかりだ。
※
どんな気分なんだろう。
サイボーグAは思った。
視線の先には、電極の刺さった脳が無数に並んでいる。
今や1人当たりの幸福値は1万を下らない時代。
それを幸福値10の世界で満足するなんて。
まるで想像がつかないや。
サイボーグAはボチを去る。
1000年前、世界の滅亡を前に、
人類は二つの選択を迫られた。
人体改造による未知の世界での生存か、
肉体を捨てた永遠の楽園か。
誰がどちらを選んだか、正確な数はわからない。
お題
楽園
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この世には楽園あるか?
あなたにとっての楽園は?
ある人物はいった
楽園というのは、剣の陰にあるものだと
ある少年も言う────
人生において不要というものはない
これまで作ってきたものは不要ではないと
ある生き物は言う
愚かな人がいても愚かじゃない人がいてもいいじゃないか
私達が作ってきた楽園は、いつか滅びるけど、またいつか
楽園ができる
その日を祈る
それは私たちがやることではない
私たちは作らなければいけないのだ
今日もクラフト
今日も建築
色々なことをし
やっとできたこの楽園を
いつか手放さなければならないけど
すれば惜しくはない
新しい楽園を作れる喜びを私達は知っているのだから
愛する人に 愛され続ける
それが ココロの楽園。
どこにあるのーーーーー!
#楽園