『楽園』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
楽園へ
もう怖くない
人生は常にある
どんなセキュリティ
ロック抜け出た
ねじれた正義なんていらない
もう怖くない
誰も私にはなれない
すべて欺いて
駆け出せ
生きるんだ君と
(楽園)
漂流して3日目
謎の地図を手に入れた俺は、誰も到達していない島を目指して、家族を捨てて船で海に出た。しかし、船は氷山にぶつかり沈没。何とか救命ボートで脱出できたが、多くの仲間を見捨てた罪悪感に蝕まれていた。
遂に飲み水が底をつきだした。食べ物はもちろん残っていない。ボートには助けとなるものは何もなかった。昨夜、貨物船が遠くを横切った時に発煙筒などすべての物資を使い尽くしていたのだ。
「奴らめ、なぜ気付かなかった…」
単に気付かなかったのか、それともわざと俺を見て見ぬふりをしたのか、救うべき命と判断しなかったのか。
俺の頭のなかでは、他者への怒りと憎しみが支配し始めていた。ずっと1人でいると、この有り様である。俺はボートの端で体育座りをして、うなだれた。
「助けてくれ…助けてくれ…」
声にもならない声を1人発していた。
「楽園の定義や所在、生活の中で感じる楽園、現代に楽園なんて無ぇよの嘆き、楽園Aと楽園Bの比較。どの視点から書くか、まぁまぁ、迷うねぇ」
俺としては金と美味い食い物と最高のベッドとストレスフリーな安全地帯があればそれで良いや。某所在住物書きはポテチをつまみ、茶をカップに注いで笑う。
「そういや楽園って、『飽き』の概念有んのかな」
スマホを手繰った物書きは、途端はたと閃いて……
――――――
最大9連休の中の、月曜日だ。呟きアプリでは「電車空いてる」とか、「席座れた」とかが、ちらほら。
私の職場の同期同年代で作ってるグルチャでも、○○課長っぽいひとがエグい服着てバス乗ってたとか目撃例が。画像見たけどたしかにエグい。
「おはよう」
最大9連休だろうと、ウチはウチ。血は多分有るけど涙が無い、ブラックに限りなく近いグレー企業。
「今日と明日、後増利係長が急きょ有休だそうだ。『お孫さんが熱を出したらしい』」
大型連休is何だっけの精神で職場に行くと、20℃超えの気温にようやく少し慣れてきたらしい、雪国の田舎出身っていう先輩が、向かい側の席で氷入りのコーヒーと一緒にもう仕事を始めてた。
「不思議だなぁ?『お孫さん』は先々週、『新型コロナの中〜重症で、病院に入院中』だった筈だが?」
「おはよー」
先輩の机の上には、上司にゴマスリばっかりしてる後増利係長が押し付けてった、大量の仕事の山がある。
「『退院してから普通の風邪引いた』んでしょ」
今日は仕事だけど、これで登山でも楽しんで、ってハナシなんだろう。なにそのオヤジギャク笑えない。
「先輩3日から7日のどこか空いてない?」
山の中から、私が確実に、絶対にできる仕事をザッカザッカ抜いて、問答無用で自分の机に置き直した。
ゴマスリ係長は一度この量を本当に一人で片付けられるか自分自身で検証すべきだと思う。
「手伝うから、どっかで先輩の故郷観光連れてって」
「私の故郷観光?何故?」
「先輩言ってたじゃん。先輩の故郷、花と山野草と山菜いっぱいの楽園だって」
「楽園と言った覚えはない」
「絶対楽園だもん。森林浴し放題。今何咲いてる?」
「おそらくニリンソウとフデリンドウと、山桜と、そろそろ道端でオダマキ。菜の花は丁度見頃だろうな」
「それを人混みも騒音もナシで見れるんでしょ?」
「見れる。公園は祭期間以外はガラガラだから、川だの風だの、あと鳥の声も聞きながら」
「ほら楽園だった。ストレスフリー。デトックス」
「んん……?」
「無理ならランチおごり1回。この前行ったとこ」
田舎出身の先輩は、自然あふれる静かな街がどれだけ貴重で尊いか、あんまり分かってない。
「4月6日頃のテラス席か?低糖質バイキング?」
「そうそこ。星空リベンジ」
それが無くて苦しいから、一定数の都民がこの連休で、花とか水とか音とかに癒やしを求めるのに。
当たり前と感じてるものを、「実は当たり前じゃない」って気付くのは、意外と難しいのかもしれない。
私が小さなため息をひとつ吐くと、先輩は心底不思議そうな顔で、私を見て、首を傾けた。
んなもんどこにもあるわけねぇ、と思っているのできっとどこにもない。
「楽園」
もふもふ。もふもふもふ。もふもふもふもふ。
もふもふ。もふもふもふ。もふもふもふもふ。
もふもふ。もふもふもふ。もふもふもふもふ。
俺の周りは今、360度、全部もふもふな猫ちゃんでいっぱいだ。
もふもふ。もふもふもふニャー。もふもふもふもふニャーニャーニャー。
もふもふ。もふもふもふニャー。もふもふもふもふニャーニャーニャー。
どこを見てももふもふ、可愛い、可愛い、もふもふ!
あー、ここが楽園なのか……。
一生ここに居たい。
この幸せすぎる空間に、一生いたい。
猫パラダイス。あぁなんて、なんて最高なんだ。
気持ちが昂り思いっきり声が出た。
「さいっこう!!!!!」
と、同時に猫たちが雲散霧消し目が覚める。
夢だったのか……。
残念に思いながらもあの幸せを噛み締め、メガネを探す。
もふ。
ん?
もふもふもふ。
もふもふに顔を近づけると、
~楽園~
あの方にとってここは鳥かごです。
ですが、楽園なのかもしれませんね。
56文字の黒の史書
[楽園]
この絵には楽園が描かれているという。
実際タイトルにもそうある。
しかし、この絵は真っ黒だった。
ただ、黒一色で塗られた絵。
この作者の絵は大体そうだ。
「食卓」という真っ黒な絵。
「落日」という真っ赤な絵。
「水面」という_真っ青な絵。
そういうコンセプトなのだろう。
これもきっと、そうなのだろう。
「彼は自分の目に映るものをそのまま描く」
解説にもそう書いてある。
僕にはよく分からないけど。
彼の目に映った楽園は、きっとこの色だったのだ。
2023/05/01
今日から始めてみる。
自分を俯瞰するために。
チャレンジしてみようかなって思っていたことを、やらざるおえなくなる状況は、きっと神様が急かしてくれている、背中を押してくれたんだと思う。
「物は考えよう」
※BLです。苦手な方は飛ばしてください。
ふんわりと浮かぶ雲。柔らかな日差しが足元を照らしている。綺麗に色付いた花々が風に揺られて踊っているようにも見えた。
ひらひらと舞う蝶が、蜜を求めて彷徨っている。もしこの世界に楽園があるのなら、きっとこんな風に綺麗な景色が広がっているのだろう。
ゆっくり体を起こし、辺りを見回す。少し離れた先に見知った後ろ姿がいることに気がついた。
口を開きかけたと同時に振り向いたその人は、いつもと同じように口元に笑みを浮かべ、眩しそうに目を細めながらこちらを見る。
さくさくと草を踏み締め、ゆっくりと近づいてきたその人は、俺の傍にしゃがみ込んで視線を合わせてきた。
「なぁに、まだ寝ぼけてんの?」
くしゃりと優しく頭を撫でられ、その拍子に葉っぱがひらりと膝の上に落ちる。その葉っぱを少しの間見つめてから、まだ頭に乗っている腕を伝ってその人に視線を移した。
「ん?」
どうした?といつもより柔らかな笑みを浮かべる姿にトクリと心臓が跳ねる。優しげな声も手つきも、いつもとなにも変わらないのに、なぜだか泣きそうになった。
ああ、夢じゃないんだ。俺はここにいて、この人もここにいる。ずっと、手を伸ばしても届かないと思ってた。それでもこの人に追いつきたくて、隣に並びたくて。
やっと、やっと追いついたんだ。
「おはようございます」
俺もいつもと同じように笑い返す。この人の隣でこれから先もずっと笑っていたいと思うから。
傍にいられるのなら、それだけでいいんだ。他になにも望まない。周りにどんな言葉を投げかけられようが、どんな辛い場所に立とうが、この人が隣に居てくれるのなら、そこはもう俺たちだけの楽園だ。
下ろされた手を今度は俺から掴む。ぎゅっと強く握りしめて、温もりを確かめる。
俺よりも少しだけ冷たい手は、俺よりもずっと強く握り返してくれた。
君から言われた大好きは凄く嬉しい
だから私も大好きって答えた
でもさ、君と私の大好きの意味はまったく違うよね
私は恋愛として大好きなのに
君は友達としての大好きで
友達としての大好きは別に求めてない
『 楽園』
何かに縛られること無く自分だけの世界に入って自由でいられる
Q.あなたにとっての楽園とはなんですか?
「楽園? ……そうだなぁ、会いたい人に、会える場所……とか?」
「楽園っていったらそりゃあ、好きなことやりほうだいな場所だろ!」
「うーん……。誰も苦しむことのない場所、でしょうか」
「自分にとっての最愛がいれば、既にそこが楽園なんじゃない?」
「楽園かぁ、欲しいものが欲しいだけ手に入ったら、楽園かもね」
では、楽園へ行くにはどのようにすれば良いと思いますか?
「えぇ……? そりゃあ、死んじゃった人に会う方法なんて一つじゃない?」
「まぁ、この世に無いってんなら……あの世だろーな」
「極楽浄土、というものがありますでしょう?」
「簡単さ、自分にとっての最愛を見つければいい。どこかの誰かにとってのエリス。俺にとってのあの子みたいにね」
「二度と目覚めないくらい、深ぁく眠ったら行けるんじゃない?」
「て、言うか。別に俺たちの意見なんてどうでもいいんでしょ?」
「自分のやりたいことが間違ってないか、確認したかっただけ」
「そうでもなきゃあ、こんなとこまで来ねーよな」
「ましてや、怪しい人影に声をかけたりもしない」
「つまりさ、」
「誰かに死んでもいいよって、言ってもらいたかったんでしょ?」
「その背中を押してほしかったんだ」
「まぁ別に、物理的に押したりはしないけどね」
「まだ勇気がでねーのか?」
「なら、もっと直接的に言って差し上げます」
「トんじゃっていいよ!」
「ほら、あと一歩」
「こんなところまで来れたんだから、出来るって!」
「大丈夫、きっと楽園に行けますよ」
「かわいこちゃんが待ってるんじゃない?」
『さぁ、ほら、もう一歩!』
排水溝に何かいる。見た目にはぬるぬるとした質感で、例えるなら無脊椎動物と言ったらよいのか、或いは原虫のような、ぞっとしない何物かであった。
何故、わたしの浴室にこんな気味の悪い物体が沸然と現れたのか。
心当りと言えば、ないではなかった。わたしはその気味の悪い――“我が子”を摑み上げると、慎重に大口の硝子瓶へと容れてやった。透明な瓶の中でわたしの子供はまだ不完全な顔でわたしの方を見つめている気がした。
翌る日、わたしは早々と外出し、大きな水槽を買ってきた。この子が何を好むか分からなかったが、それからというもの、思い付く限りのものを与えてやった。彼もしくは彼女(或いはそれ以外)は小さな触手のようなものを伸ばし、フシュフシュと呼気(なのだろうか?)を洩らしながら、差し出された物を撫で回す。見ていて気持ちのよいものではなかったが、少なくともわたしにはそれでも可愛く思えたのだ。それに彼もこの快適な空間を楽園のように思ってくれたはずだ。
彼は、やはり生まれたばかりだからだろう、ミルクと離乳食を好んで食べた。ボーロに纏わりつくようにして吸収していく様などは、おぞましいとしか形容のしようがなかったが、少しずつ大きくなる我が子の成長は何であれ愛らしいものだ。
或る日のことだった。彼は生まれたままの姿で随分と大きくなり、ややもすると水槽から脱け出して、家の中を徘徊するようになった。わたしは、その度ごとに薄気味悪くも思いつつ、優しく諭すように声を掛けながら彼を持ち上げると水槽へ運んでやったものだ。しかし、今度は違った。彼に手を伸ばそうとした時だった。彼の未発達な口でわたしは噛まれたのだ。子の発達に反抗期は付き物だとは言え、わたしは驚きを隠すことが出来なかった。わたしが手の傷を押さえていると、彼は滴り落ちた血をさも旨そうに啜っていた。ピチャピチャという忌まわしい音が脳裡に焼き付いて離れなかった。
夜が更けた頃、わたしは恐怖と驚きと、或いは悲哀の入り雑じった感情を癒し切れず、ベッドの中で煩悶していた。すると、どうだろう、寝室の扉が開く音がした。彼が来たのだった――あの狂わしい音を立てながら。謝りに来たのだろうか?それとも“おかわり”だろうか?わたしは寝間着のまま家を飛び出した。
あれからというもの、わたしは親戚を頼り、あの家には帰らずにいる。もちろん、何があったのかは告げていない。或る日、わたしは自らの恐怖と向かい合うべく、試みにわたしに宛てて――というのはつまり、あの家の住所に宛てて、書留郵便を出した。
わたしの出した手紙は誰かがしっかりと受け取ったようだった。
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楽園
楽しみしかない
苦しみのない世界があった。
思い出の中にあるそれは
私を今も、生かしてくれる。
あの頃に戻りたいと言葉に出すことは
現状に満足していないから。
思い出だけで生きるのは
あまりにも苦しいけれど、
今はただ、その中に浸りたい。
テーマ「楽園」
――楽園――
花が咲き乱れて
白い鳩が平和を運ぶ
そこに人は居なくて
パステルな心だけが
ふわふわと空中に溶けている
空の楽園って知ってる?
そこは、みんなが幸せに暮らせて、何不自由ない生活ができるんだって。
何処にあるのかな?
雲の上?はたまた、もっと遠い空のどこか?
行ってみたいなぁ。
楽園
楽園というと平井堅
あれは私が大学生の頃流行った歌だった
あれから何年も経ったが、未だに一線級で活躍している平井堅
素晴らしい限りである
朝焼けの光り
鳥たちの羽ばたき
鮮やかな新緑
煌めく水面
真闇を彩る星星
耳を撫でる波音
それらを受け容れられる
心の安寧
―「楽園」―
住めば都
住めば楽園
楽園にするには
自分次第
お題
楽園
社会人生活は地獄だ。3月に大学を卒業して、4月から働き始めた私はそう思った。朝6時に起き、寝ぼけながら支度をして会社に行く。朝から夜までまで拘束され、会社のために動き続ける。この生活があと50年ほど続くと思うと憂鬱である。
しかし、この生活は本当に地獄なのだろうか。考えてみるといい面もある。例えば、学生の頃よりも多くのお金が手に入る、お金が貯まれば海外旅行にも行ける。週5日精一杯働くからこそ、休日の趣味の時間や家族、友人と過ごすことがより幸せに感じる。その他にもたくさん良いことがあるだろう。
この生活を地獄と考えるか楽園と捉えるか、それは自分次第だと感じた。私は、社会人として未熟だ。まずは自分のやるべきことに律儀に取り組み、この人生が光を放つよう努力しよう。