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 漂流して3日目

 謎の地図を手に入れた俺は、誰も到達していない島を目指して、家族を捨てて船で海に出た。しかし、船は氷山にぶつかり沈没。何とか救命ボートで脱出できたが、多くの仲間を見捨てた罪悪感に蝕まれていた。

 遂に飲み水が底をつきだした。食べ物はもちろん残っていない。ボートには助けとなるものは何もなかった。昨夜、貨物船が遠くを横切った時に発煙筒などすべての物資を使い尽くしていたのだ。

「奴らめ、なぜ気付かなかった…」

 単に気付かなかったのか、それともわざと俺を見て見ぬふりをしたのか、救うべき命と判断しなかったのか。

 俺の頭のなかでは、他者への怒りと憎しみが支配し始めていた。ずっと1人でいると、この有り様である。俺はボートの端で体育座りをして、うなだれた。

「助けてくれ…助けてくれ…」

 声にもならない声を1人発していた。

 

5/1/2023, 2:12:27 AM