秋月

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Q.あなたにとっての楽園とはなんですか?

「楽園? ……そうだなぁ、会いたい人に、会える場所……とか?」

「楽園っていったらそりゃあ、好きなことやりほうだいな場所だろ!」

「うーん……。誰も苦しむことのない場所、でしょうか」

「自分にとっての最愛がいれば、既にそこが楽園なんじゃない?」

「楽園かぁ、欲しいものが欲しいだけ手に入ったら、楽園かもね」

では、楽園へ行くにはどのようにすれば良いと思いますか?

「えぇ……? そりゃあ、死んじゃった人に会う方法なんて一つじゃない?」

「まぁ、この世に無いってんなら……あの世だろーな」

「極楽浄土、というものがありますでしょう?」

「簡単さ、自分にとっての最愛を見つければいい。どこかの誰かにとってのエリス。俺にとってのあの子みたいにね」

「二度と目覚めないくらい、深ぁく眠ったら行けるんじゃない?」





「て、言うか。別に俺たちの意見なんてどうでもいいんでしょ?」

「自分のやりたいことが間違ってないか、確認したかっただけ」

「そうでもなきゃあ、こんなとこまで来ねーよな」

「ましてや、怪しい人影に声をかけたりもしない」

「つまりさ、」






「誰かに死んでもいいよって、言ってもらいたかったんでしょ?」

「その背中を押してほしかったんだ」

「まぁ別に、物理的に押したりはしないけどね」

「まだ勇気がでねーのか?」

「なら、もっと直接的に言って差し上げます」



「トんじゃっていいよ!」

「ほら、あと一歩」

「こんなところまで来れたんだから、出来るって!」

「大丈夫、きっと楽園に行けますよ」

「かわいこちゃんが待ってるんじゃない?」


『さぁ、ほら、もう一歩!』

4/30/2023, 11:46:21 PM