『梅雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷらんらんらん
「このお歌のかし、なんだっけ。
ねえ!あなたはしってる?しらない?」
大木は何も答えず、身体についた葉たちをそよ風に揺らす。
そりゃあ、木なんだから仕様が無い。
口も無ければ目も無い(あるのか?)。
「…こたえてくれないんだ。
やっぱりあなたも、みんなも…わたしが邪魔なんだ。
もういいよ。わたしが怖がったらみんな嫌いにならないよね?
友達もできるよね?
きゃー。こわーい。
たすけてー。ほんとにくるしいのー。
…だれかが手を握ってくれたらなー。」
棒読みな一人芝居を終え、1人長いため息が響く。
「心底きらいになってきたわ。
謝るなら今のうちよ。」
#2024.6.1.「梅雨」
創作大木と少女(?)。
テストが迫ってるので頑張ります。
【妄想する。止まない雨の日】
そういえば雨が好き
「嫌いじゃない」じゃなくて「好き」
なかなか降り止まぬ雨に
このまま沈んでしまうのもいいかもしれないと
悲壮感にたっぷりと浸かるのが好き
でも、そんな妄想に安心して浸れるは、
心のどこかで止まない雨はないと信じているから_
梅雨
癖毛だった私は、この時期が来るたびに憂鬱だった。ストレートの貴方は、頭痛を装って学校休めるから好きだと言っていた。会えない日が増えて余計に好きになれなかった、六月。
卒業して縮毛矯正をした私はもう、憂鬱な理由がなくなってしまった。貴方と会えないのももう、梅雨は関係していない。
雨の日はいつも憂鬱。
傘は邪魔だしどこにも出かけられないし。
大好きな本だって買えない。
だけど、雨の音は好き。
聞いてると気分が落ち着くの。
だから梅雨の日はお休み。雨の音を聞いて、ゆっくり過ごして夏の訪れを待とう。
「梅雨」
雨降り続きはうんざりだけど
この時期の花は好き
薔薇 紫陽花 つゆくさ
藤の花が終わる頃に現れる
雨傘 かたつむり 田んぼのかえる
何故だか子供の頃の記憶にも直結している
大好きな漫画の中に
傘に関する台詞があって
(著作権など考慮して記述しませんが)
古今東西 数多のお話の
雨の場面を思い出しながら
部屋の中で
そぼ降る雨を見ている
休日の午後
「ジュリエット」
''嗚呼、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの''
私達は絶対に離れないわ。この身がどうなろうと。
たとえ悲劇の結末を迎える運命だとしても、私達の愛は永久に消えないわ。
ねぇロミオ、私達はあの世でもまた、巡り会えるのかしら?
また巡り会って、あの世で幸せになりましょうね。
約束よ。
梅の実が熟す頃に降るから梅雨
調べたらそうあった
梅雨に梅を思い出すこともなければ
梅干しとお花見の梅が
結びつくこともなかったのだけれど
時間に追われない日々の中で
梅の木をよく見るようになったら
裸だった木に蕾ができて
花が開いて葉が出て
小さな実がなって大きくなるんだなと
いまさら当たり前のことに気づいて
梅雨って洒落てるなと
ちょっと楽しみになる
失敗と残業続きで周囲の変化に鈍感になってきた頃、梅雨が始まった。傘を差さなければびしょ濡れになるため、否が応でも意識を現実に引き戻される。
耳を澄まし雨の音に集中すると、少し心が和らいだ。この勢いで五感に身を任せて体と心を回復させたいところである。
あたりを見回すと黄色い看板のネパールカレー屋が目についた。梅雨の時期はスパイスカレーを食べると良いらしい。この雨の中でも漂ってくる最高に食欲を唆る香りに吸い寄せられ、迷わず入店した。
スーツにスパイスの香りが染み付き、次の日の朝焦ることになるのはまた別の話。
雨は好きじゃない。
梅雨が明けたら夏が来るけど
暑いのもあまり好きじゃない。
6月って、憂鬱なんだ。
それでも
雨が降ると聞きたくなる曲があって。
梅雨の季節に
これ以上似合う曲はないから。
雨が降ったら「Rain」を聞く。
どしゃぶりでもかまわない。
「梅雨」
梅雨
紫陽花が微笑んで、雨に濡れる情景が浮かぶ
それは確かに、明るい未来に包まれてる紫陽花
いつかの君と相合傘をしたのもこんな季節だった
肩が濡れてたって、君となら良いんだよ
わたしたちだけの、2人だけのその季節は、もうどこに消えたかわからないけれど
好きだっていう気持ちはすぐそこにあるんだ
また雨が降って、2人傘をさして、君だけの世界に浸りたい 雨が上がって、虹が橋をかけて。
2人で指をさして微笑みたいね
土砂降りの雨の音を聴きながら、四肢を投げ出した布団の上
何をする訳でもなく、天井の白を眺めてる。
このまま時間を潰して、今日を無為に過ごすんだろうか
空の優れない色の様な心で、ぼんやりと秒針の音を聞く。
がむしゃらに頑張ってきた自分が嘘みたいに思える
僕はなんの為に頑張ってたっけ?
分からない、こういう時間があると一気にそれが曖昧になる
誰に褒められるでもなく、誰からも認められる訳じゃない
じゃあ、何のために?
…分からない、なんで僕は努力して来たっけ?
答えのない問いは、雨の降りしきる音にかき消されて、
かすんでく。
梅雨
6月そろそろ梅雨入りが始まる。
毎年の事だ。
分かって居たはず
だけどじめじめと湿気が多くなるこの季節
髪の毛の寝癖は、直らないし
雨が多くて 洗濯物は溜まる一方だ。
おまけに梅雨が明けたと思ったら
今度は、猛暑と来た。
本当にこの季節は、私にとって鬼門だ。
あ~あ早く涼しい秋とかになってくれない
かなあと雨上がりの虹を見ながら思った。
紫陽花が似合うあなたはいつでも冷たい雨に打たれている。濡れそぼった髪が額にはりつくのをどこか気だるげにかき上げる、その仕草がうつくしいと思う。
頬を伝う雨にどれだけの涙が隠れているのか、わたしたちが知ることはけして許されない。あなたはいつも曇り硝子の向こうにいる、雨はあなたの本当を洗い流す。足元には群青色の海がたまる、波は穏やかできれいだ、けれどいつもすこしだけ濁っている。
降りつづける雨がせめて暖かければいいのにと願う、けれど横殴りの雨が降る嵐の中で磨かれ続けた正しさが、その正しさがけして報われないことが、わたしちの胸を穿つ雨だれとなる。
あなたが六月に生まれると決めたのは誰だろう。
あなたには雨が似合う、哀しくてやりきれない。
(梅雨)
「梅雨」
先輩達と下らない話をしていたあの雨の日は、今でも僕にとって、大切な思い出の一つだ。
だから梅雨が近づいて来ると、あの時の空気、匂い、色などが鮮明に蘇ってくる。
センチメンタルな気分になりながら、僕は空を見上げる。
《無垢》《梅雨》
澄み切った瞳だ。
そう思った。
こんなにも世界は穢れているというのに、そのどれにも染まっていないと感じたのだ。
お世辞にも澄んでいるとは言い難い、灰色の雨の振る中で。
美しいだとか、綺麗だとか、陳腐な表現しか思い浮かばない。
然れど、ただ当たり前のことでもなく特別な瞳だと思えるのだ。
現象に反して、言葉はありきたりなもの。
それは往々にしてあることであろうが、この瞬間においては外れるべきことだった。
同時に生まれた衝動——情動と呼ぶべきものも、この瞬間においては在らざるべきだ。
『穢したい。汚したい。堕としたい』
無垢なものを見て思ったのは、それが初めてだった。
今までは苦手なものだと避けてきた。だと言うのに、近付き、穢そうとしている。
それは不可思議なことだったが、矛盾している訳ではない。
穢してしまうのもまた、一種の、自分のモノにして苦手な存在でなくしてしまおうという、独占欲やら支配欲やらに起因すると考えられるからだ。
だからと言って、この衝動を肯定する訳にも行かないだろう。
嗚呼、どうか。雨よ、情動を洗い流してくれ。
などと不毛なことを願うのも、可笑しい話しだ。哂えてきてしまう。
いや、声は漏れていたのか。
ふと、見遣れば、澄み切った瞳の瞳孔が開いている。
それでもなお、その瞳の清らかさは減りもしない。寧ろ、黒を多く伴ってその色彩を隠す様は月食の如く。
その魅力に拍車が掛かっただけである。
衝動にも。
『殺したい』
灰色の雨が世界を包む。
世界が始まりを知って、終わりを知って以来、降り止まぬ雨が。
平たく言えば、梅雨の開け切らぬ世界で。
少し別に捉えるならば、灰色の雨に閉ざされた世界だろうか、に。
無垢な瞳は、ただ、そこに在った。
それを護りたかった筈の青年も、また。
けれどその願いは潰える。
何故か?
青年が、望んだからだ。
『殺してくれ』
無垢な瞳は、何も知らず。
青年に導かれるがまま引鉄を引いた。
そうして口から、胸から血を吐いた青年は地に伏した。
どうして願ったのかさえも、吐かぬまま。
『 』
澄んだ瞳は青年を捉える。
最期の言葉に、笑って頷いた。
そうして世界に光が差し込んだ。
世界が灰に濡れる時。
ヒトは生を受けられず、世界に死は訪れない。
世界がヒトを殺す時。
世界は灰を淘汰して、青に包まれヒトは生ゆ。
ヒトが世界を殺す時。
世界はヒトを殺せず、ヒトに死は訪れない。
そんな世界の起こりで結ばれた約束を知る者は、青年と無垢な瞳の持ち主だけだ。
それを思い出したからだろう。
心做しか、青年も晴れやかな表情をしていた。
ありがとう、これで二人きりじゃないね
寂しかったのは、世界かヒトか。
ザーザーと降る雨。
憂鬱な気分だが少し楽しみがある。それは外に出なくて良いということ、つまり自分の時間が出来ること。
まぁ、家事などはやらないといけないが…
やることがすべて終わったら、おつまみと共にテレビやゲームをしてもいいし趣味である読書や刺繍をするのもいい。何をするのも自由だ!
雨の日じゃなかったらできない(と思う)、のんびりとした時間を過ごすのはどうだろう?
雨の日こそ自分を休ませてあげられると
自分は思う。
「ゆ〜ぅき〜や こんっ こんっ あ〜られ〜や こんっ こんっ ふって〜も ふって〜も ま〜たふ〜りや〜まぬっ」
ザーザーと降りしきる雨の中、合羽に長靴を身につけて傘を差す娘が口ずさんだ。道端の紫陽花が花を開いて、青や紫の鮮やかに彩られた六月の今日。今朝のニュースではそろそろ関東も梅雨入りするのではないかと取り上げられていた。
私の前を歩く年少の娘は、最近幼稚園で童謡を歌うらしく、習った歌を口ずさむようになった。まだ雪も降らない季節からなんで雪の歌を習ったのか、幼稚園の方針は分からないけど娘が楽しそうなので良しとする。
幼稚園は大人が歩くと十分くらいで、近さと評判だけで選んだが正解だったようだ。天気の良い日は飼育している動物たちと触れ合ったり、アスレチックで遊んだり。工作やお遊戯ごとも子供たちが飽きないように非常に工夫されていた。昨日はプランターにトマトとインゲンの種を植えたらしい。娘が早く食べたいと豪語していた。
ただ、幼稚園が近いといっても娘の歩幅では相当な距離がある。なるべく危なくない道を選んで登園しているが、興味のある方へフラフラ歩いていく娘から目が離せない。今日は特に傘を持たせていて、両手で傘を握る娘の手を引くことが難しい。周りをチラチラ見つつ、娘の後を追っていた。
「あっ!」
前を歩く娘が、生垣の方を向いてしゃがんだ。私は危うく踏み出しそうな足を戻して、たたら踏んだ。
「おかあさん、みて! かたむつり!」
娘は生垣の葉っぱを指差して、私を見上げた。私も隣でしゃがみ、娘の言う"かたむつり"を覗き込んだ。葉っぱの上をのしのしと這う、背に殻を乗せたカタツムリがいた。
「カタツムリさんだね」
「かたむつり、かわいい!」
「かわいいね」
正直、虫系統が苦手な私は同じような生き物に見えるカタツムリを可愛いとは思えなかった。でも娘が「かわいい」と言うので、娘の感性を尊重するために「かわいい」と賛同していた。
娘はそっとカタツムリの殻を撫でた後、手のひらを器にしてカタツムリのそばに差し出した。その行動に私は目を剥いた。いや、そんな、まさか。
「かたむつり。いっしょにね、ようちえんね、いこう!」
マジかよ。
私の本音はどうにか心の中に止まった。
カタツムリは娘の声に応えるかのように、ゆっくりと手のひらに乗った。娘は立ち上がって「やったー!」大喜びした。娘が嬉しそうに笑う姿はとても微笑ましいが、手のひらで大事に乗せているカタツムリにどうしても目線がいく。
「本当に幼稚園、連れて行くの?」
「いく! いっしょがいい!」
「もしかしたら先生がダメって言うかもよ?」
「やだ! いっしょ! いく!」
先生、ごめんなさい。
私は心の中で幼稚園の先生方に謝った。
*
幼稚園の先生方はとても優しい。
娘を幼稚園へ入園させてすぐの頃。娘が幼稚園の門の前で大号泣して駄々を捏ねていた。母親の私から離れることは生まれて初めてのこと。不安で心配で仕方なかった私の心を察したように、娘は泣きじゃくった。私もどう泣き止ませようかと焦っていると、娘をひょいっと抱き上げた人がいた。その人はこの幼稚園の副園長先生で、大泣きする娘の背中を慣れた手つきでトントンと叩き、あやしてくれた。
「お母さん、大丈夫ですから。めげずに明日も連れて来てくださいね」
泣いてしまった娘をあやすことも叱ることも何もできなかった私にも、声をかけてくれた。その心遣いに鼻の奥がツンとした。
その後約十日間、娘は教室の外で副園長先生と一緒にいた。初めての環境に同年代の子供たちに囲まれて人見知りを発揮したらしい。迎えに行くたびに「今日は私と一緒にうさぎさんのお世話をしました」「今日はアヒルさんと仲良く遊びました」と聞いて、娘は果たして馴染めるのか気が気じゃなかった。
それでも毎日ぐずる娘の手を引き、心を鬼にして幼稚園へ連れて行った。
その甲斐あってか、娘は幼稚園へ行くことに抵抗がなくなった。年少クラスにも行って、同年代の子供たちとも馴染んでいるようだ。お友達もできたと聞いた。毎日毎日幼稚園で何をして過ごしたか、聞くのが楽しみになった。
*
娘が捕まえたカタツムリは変わらず手のひらの上でのしのしと動いている。でも娘の手が小さいからか、時折落ちそうになっては娘がカタツムリに合わせて手のひらを返していた。
今はまだ登園途中。残念なことに箱やカゴは何一つ持ち合わせていない。でもいい加減、幼稚園へ向かわないといけない。
「あっ、かたむつり、いた!」
そうこうしていると、新しいカタツムリを見つけたらしい。娘はトコトコ駆けて行って、また手を差し出していた。その背を追いかけながら、私もカタツムリを持つことになるのか気が気じゃなかった。
「ねぇ、みーちゃん。お母さん、カタツムリさんを入れるお箱、持ってないよ。これ以上捕まえても、もう持てないよ」
「だいじょーぶ!」
どこがだ。
娘は私に対してえへん、と自信満々な顔した。すると、なんと手のひらにいたカタツムリを自分の傘の上に乗せたのだ。新たな仲間が加わり、合計五匹のカタツムリが、娘の傘の上を這っていた。葉っぱよりも滑りやすいビニール生地の傘で、滑り落ちないか見ているこっちがハラハラしてしまう。
ここまでしてカタツムリと登園したいのか。
娘の本気を感じた私は、ここでカタツムリと別れる選択を諦めた。もう一層のこと、子供たちのプロである先生方にカタツムリの行方をお任せしてしまおう。本当に先生ごめんなさい。
「じゃあ、みーちゃん。両手でしっかり傘持ってね。落としたり、振り回したらダメだよ。カタツムリさん乗ってるから、大事にね」
「うん!」
元気よく返事した娘は、次の瞬間には精悍な表情を浮かべていた。そんな真剣な顔もできるのかと驚きながら、娘の後ろをゆっくりと歩く。娘の両手でぎゅっと握られた傘には、変わらず五匹のカタツムリが各々好き勝手動いていた。
*
迎えの時、てっきり幼稚園で飼うのだろうと思っていたカタツムリが、娘の手にしたプラスチックの容器に収まっていることに気がついた。先生が大変良い笑顔で「カタツムリさんとお友達になったそうなので、お家にも一緒に行くとみーちゃんが」と言われて、思わずめまいがした。
朝とは打って変わって夕日が眩しく輝く中、娘と手を繋いで歩く。
「あ〜め あ〜め ふ〜れ ふ〜れ かーぁしゃんが〜 じゃ〜のめ〜で お〜むか〜え う〜れし〜いな〜 ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランっ ランっ ランっ!」
大きな声で歌う娘を横目に、必死に頭を動かした。カタツムリを飼育したことないんだけど、一体何を食べるんだろう。ナメクジと一緒で塩は近づけない方がいいのだろうか。虫かご、買って帰ろうかな。ホームセンター行けば分かるかな。
夜帰宅した夫が嬉々としてカタツムリの飼育方法を語ってくることになるとは、この時は想像できなかった。
『梅雨』
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母からよく語られる、私の記憶にない思い出話。
(をフィクションにアレンジしております)
どんよりした天気の中、生まれた息子
喜びよりも不安が大きかった
それでも、どんな手を使っても守るべき子どもだと絶対的な味方を得たと自信を持っていた
あれから30ねんを過ぎて
息子は家庭を持った
そうか私の役目はここまでかと思う
それでも困ったら頼られることに
まだ味方として役目があることにちょっと安堵してる
孫の世話を積極的にしたいわけでもない
手伝える所だけすればいいかな
味方として
ジメジメした外を窓から覗くと床のカーペットも濡れているように感じた。しっかりと窓は閉めてあるはずなのに、その後しばらくして私は珍しく晴天となった時に急いでカーペットを干した。ベランダには1匹のカエルがいた。最近運動を全くしていなかったので、少しで歩いてみることにした。久しぶりの散歩は実に爽快だ相変わらず外はジメジメしているがそれでも今はそれすらも心地よいと思えた。
私は水無月十六代、難しい漢字でしょ、みなずきいざよって読むの。私は二年前に田舎から出て今は都会暮らし。さっき書いてあったことも今朝のこと。今日は憧れの先輩との用事がある。それなのに動きたくないそんなふうに思う。きっと低気圧のせいでこうなったんだわ。私は必死になって体を動かした。朝はあんなに爽快な気分だったのに、それでもなんとか支度を終わらせ出発した。念には念をということで一応傘を持って来た。張り切りすぎたかしら?私は予定よりも二十分早く来てしまった。でも後悔はしていない。すると少し奥から先輩が慌てて走って来た。こういう時はいつも遅刻をする先輩が早く来ていたことに私は驚いた。腕時計を見るとやはり予定の八時よりも早い時間だ。すると先輩は私のところに来るや否や急に謝って来た。私は困惑して落ち着くためにスマホを見た。すると時計が八時十五分を指しているではないか!私の腕時計は壊れているらしい。早く新しいのを買わなければ、まぁ、先輩が謝って来た謎も解決したことだし私たちはショッピングモールへ向かった。とは言ってもただ文化祭の準備物を買いに来ただけなんだけども、それにしても文化祭が六月なんておかしな学校よね。それはさておき私たちは買い物へ行った。すると私が緊張していることを勘付いたのか、先輩が話しかけてきた。
「その腕時計どこで買ったの?」
私は驚きながらも答えた。
「あぁえっと、パパがお誕生日祝いにって二年前買ってくれたんです、、今は壊れちゃってますけど」
「へぇ、誕生日プレゼントか。ねぇお誕生日っていつなの?」
「えっと、今月です、六月十六日。十六代って名前もここから来てるんです。」
「へぇー、結構近いんだね。そうだ!帰りに何か買ってあげるよ」
「い、良いんですか?」
「うん、お祝いくらいさせてよ」
私は心の底から舞い上がった。わたし達はさっさと準備物の買い物を終わらせて時計屋に来た。先輩曰く腕時計を買ってくれるらしい。私はずっと前から欲しかった時計があったので、私は思い切ってねだってみたところ先輩は快く承諾してくれた。その後もいろんなところをまわって気づけばもう十六時をまわっていた。今日は楽しい一日となったなーと思いながら外に出ると雨の匂いがした。田舎者特有の特技だ。するとしばらくして雨が降って来た。私は傘を持って来てはいたが、先輩は持って来ていなかったらしい。なんてラッキー!思いもよらぬ相合傘に私の胸は大きく高鳴った。先輩と別れた頃にはもう時計は十七時をまわっていた。今度は先輩に買ってもらった時計だから間違いない。私は傘貸そうか?と言ったけど先輩は断って雨に濡れながら帰って行った。今度はわざと壊れた時計を持っていこう、そのほうがたくさん遊べるから
【梅雨】
「『愛してるよ』とかじゃなくて
君ともっとひとつに溶け合って、今夜も(自主規制)」
そんな事口ずさんで君としたのは
あの日雨が降ってた君の部屋
今日もあの日の雨と似た空と匂い
「『愛してるよ』とかじゃなくて
もっとずっと従順に盛って(自主規制)」
貴方の匂いはもう嗅ぐことは無いけれど、
あの日と同じ匂いに触れながら
今日も。
-- ''梅雨'' by「ノックブーツ - Chevon 」一部引用