『梅雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
梅雨入りすると
決まって、調子を崩す
農家さんにとっては、恵みの雨で
たまには、雨に感謝する
好きな人の近くに居れるから
1つの傘に入って、相合い傘・・
お互いの肩に雫が落ちて、
冷たいねって、言いながら・・
縮まっていく、2人の恋
『梅雨』
雨が嫌いって言う人は多い。
私もそう。
でも晴れの日より雨の日の方が、
エピソードも多い。
子供の頃、傘を振り回して、逆さまにして遊んだ。
やり過ぎて壊して怒られた。
学生頃、好きな人と相合傘して緊張した。
靴が浸水してても気にならないくらいに。
バイト終わり、電車の時間ギリギリで猛ダッシュ。
駅に着くと"大雨の為、5分遅延しております" ラッキー。
大人になって、車を運転中、ワイパーのゴム切れてた。
ショック、、あ、虹出てる。
気づくと雨の日エピソードは増えていく。
ちょっとした会話のネタに、
雨トークなんていかがでしょう。
梅雨
私は梅雨の時期が嫌いだ。雨が嫌いだから。髪はうね
るし、頭も痛くなる。おまけに登校するときだってど
れだけ気をつけても水たまりを踏んでしまう。勿論中
はぐっちゃぐちゃ。げちょげちょしていて気持ち悪
い。傘を持たないといけないから片手は塞がるし、雨
なんていいことない。
「佐藤さん」
びっくりした。
「どうしたの?朝倉くん」
「ごめん。傘入れてくれない?」
前言撤回。雨様!大好きです。好きな人と相合傘出来
るきっかけくれるとか感謝です。
「え、あ、いいよ。」
「ありがとう」
その時、私は彼と恋人になった。だから、梅雨が好き
になったのに。なんで、なんで貴方は、今、他の女の
子と一緒の傘にいるの?どうして恋人みたいに肩を寄
り添いあって笑いあっているの?こんな時にも、雨は
冷めきった私の心をあたためようとするんじゃなく、
どんどん冷やしてくる。ああ、でもいいかも。泣いて
るのが気付かれない。
「だーから言ったろ。アイツはやめとけって」
急に視界が黒く覆われる。暖かい。アイツの声が聞こ
えた。幼なじみだけど私が嫌いな雨の文字を持ってる
男。時雨、時雨青磁。雨を持ってる。だから私はコイ
ツが大嫌い。ずっとずっと私をからかってきて。バカ
にしてきて。だけど、私が本当に辛い時そばに居てく
れるコイツ。嫌いなのに。嫌いなはずなのに。なん
で、こんなほっとしてるのよ。
『梅雨は異世界ゲートが開きやすい時期だ』
掲示板にあったスレを信じた男は、ハイテンションで水たまりの中に飛び込んだ。
しかし。
パシャッ
まぬけな音が小さく響くだけで何も起こらない。
スニーカーが水に浸かっただけで異世界転移は起こらない。
それでも男は諦めない。
水たまりを見つけるたびに、両足ジャンプでかすかな希望に身を投じるのだった。
それから数日後、水たまり男と呼ばれる都市伝説が巷を少し騒がせたらしい。
おわり
〜梅雨〜
「どうしたの、変な顔してるよ」
調べ物をしている時の難しい顔、お昼ご飯を食べている時の美味しそうな顔、誰かとおしゃべりしている時の楽しそうな顔……普段からよく百面相をしている彼が、あまり見たことのない顔をしている。
「……あ、え、そんなに変な顔でしたか?」
「うん、初めて見る顔だよ」
あえて表現するなら、ムズムズを我慢しているような、解けない問題をずっと考えているような、個性的な味の食べ物を口にしたような……とにかく複雑な顔。彼はえへへと気まずそうに笑い、しかし正直に答えてくれた。
「ぼく、この時期がどうしても苦手で」
「この時期……ああ、雨がよく降る」
「そう。じめじめしたまとわりつくような空気とか、何となく身体がだるい感じとか……」
机に突っ伏し彼は続ける。両腕の下では数枚の書類が少し皺になる。
「極めつけは髪の毛です。普段からそんなにこだわってはいませんが、髪がどうしてもバクハツしてしまうんですよねえ。本当にこれには参ります」
「わあ、それは大変そうだ」
一本一本が細くて、人より量もあるのだろう。ふわふわと軽そうな髪が、なるほどいつにも増してあっちにこっちに跳ねていた。自分は短くしているからあまり影響は受けないが、これなら確かに愚痴だって零したくなる。
机に乗るその頭に思わず手を伸ばした。そっと触れた髪の毛はやはり柔らかくて、気の毒に思う気持ちよりも癒される気持ちのほうが勝ってしまう。たくさん触ると嫌がられてしまうかもしれないので、早めに手を引っ込める。
「とっても素敵な髪だと思うけどね」
断りもなく触ってしまったことへの言い訳めいた感想も添えながら。
「……ありがとうございます。今だけは素直に喜んでおきましょう」
僅かに顔を上げ、こちらを見てふにゃりと笑ったのを見て、あ、いつもの彼が戻ってきたと感じた。
「だとしても、この時期がしばらく続くのはちょっと……あなたは苦手じゃないんですかぁ?」
「んん、どうだろう?」
うんざりといった表情で問われる。長い雨は好きでも嫌いでもない。けれど、彼のこんな一面が見られるのだから、どちらかというと。
【梅雨】
僕は梅雨が好きだ。
梅雨に咲く花はどれも美しい。
僕は梅雨の花が好きだ。
雨に打たれながらも強く咲く姿が美しい。
しとしとと降り続く雨を窓際で見つめ、キミは盛大なため息を吐く。
「雨、止まないね」
ため息の原因がわかっている俺は、うらめしそうに雨を見つめるキミに苦笑する。
「洗濯物は乾かないし、雨だと、外に出るのが億劫なんだよね」
「あー、それはあるかも」
俺は窓際に佇むキミに近づき
「でもさ、外に出ないってことは、家でキミと一緒にのんびり過ごせるってことでしょ。それは嬉しいな」
背中からキミをギュッと抱きしめる。
「梅雨の時期は始まったばかり。俺と一緒に、梅雨の楽しい時間の過ごし方、探そうか」
キミは俺の方に顔を向けると、笑って頷く。俺はキミに笑い返すと、唇にキスをしたのだった。
「梅雨」
一定のリズムを刻む雨音
木の葉からこぼれた大きな水滴の音
鮮緑の谷間を流れる白い霧
紫陽花とアイリスの華やぎ
天使のはしご、きらめく水滴、ペトリコール
雨上がりの満天の星空
※梅雨というより、雨の話になってしまいました。
雨は嫌われがちですが、日本では水が豊富なのも雨のおかげですし、好きなところを。
梅雨について
・梅雨になると、湿度を求める生き物たちが外に出てくる。そして、シャワーを浴びているかのように雨粒を浴びて、湯船に浸かるかのように水溜まりに浸かっている。
・窓に雨粒がたくさん、一日中付いている。梅雨が来た。
梅雨になると身体は何となくだるくなるが、なぜか嫌いではない。
雨の音が、癒される。梅雨は恐らく、家でゆっくりしなさいというメッセージなのかもしれない。
・世界に、梅雨のある国はどのくらいあるのか。少ないのだろうか。
雨の全く降らない国にとっては、梅雨を羨ましく思うだろうか。彼らの気持ちは分からないが、私が彼らだったら、多分梅雨を羨ましく思う…かもしれない。
・…ところで、なぜ梅雨は"梅"雨と書くのか。
今日のテーマ
《梅雨》
電車を降り、駅を出ようとしたら外はザーザー降りの雨。
梅雨の真っ最中、朝から雨も降ってたから傘は当然持ってるけど、こんな降りの強い中を歩くのは避けたい。
少し待てば小降りになるだろうか。
電車が遅れるかもしれないからと早めに出て来たからまだ少し時間の余裕はある。
このままここで様子を見るか、それともどこかで時間を潰すか。
人の通行の妨げにならないよう端に寄りつつ空を見上げていたらポンと肩を叩かれた。
「おはよう、そっちも雨宿り?」
「お、おはようございます」
声をかけてきたのは同じ部活の先輩だった。
同じ中学出身という縁もあって、こうして気さくに話しかけてくれる。
もっともそれはわたしにだけじゃない。誰に対しても同じ。男女問わず親切で優しいみんなの兄貴分みたいな人。
特に際立ったイケメンではないけど、わたし以外にも憧れてる子は多いらしい。
そっか、先輩ってこの時間の電車なんだ。
それともわたしと同じで、雨での遅延を見越して早く来ただけだろうか。
何にしても、こうして朝から会えて言葉を交わせるのは幸運以外の何ものでもない。
梅雨に入って雨の日が続くのは憂鬱でしかなかったけど、こんな恩恵があるなら雨も悪くないな、なんて調子のいいことを思ってしまう。
「しかし、朝からよく降るよなあ」
「ほんとですよねえ」
話しながら、先輩は何やらスマホを操作している。
あ、もしかして彼女か誰かと待ち合わせとか?
そういう話は聞いたことないけど、噂に疎いわたしが知らないだけという可能性も大いに有り得る。
せっかくの浮かれた気持ちが瞬時にぺしゃんと凹んだけど、横目で覗き見たスマホの画面はメッセージアプリのトーク画面じゃなくて水色や青や緑で埋め尽くされた画像のようなものだった。
「何見てるんですか?」
「天気アプリの雨雲レーダーなんだけど……これは暫く小降りになりそうにないな。しょうがない、バス使うか」
「バス?」
「あれ? 知らない? 学校のすぐ近くってわけにはいかないけど、ちょっと行ったとこにバス停あるんだよ」
「そうなんですか!? 全然知らなかった!」
驚きに目を丸くしながら、そういえば入試の時の学校案内にバスで来るルートも載ってたかもし思い出す。
入学して2ヶ月もしてそんなことも知らないのかと呆れられちゃったかな。
恐る恐る隣を見上げれば、先輩は得意げな顔で笑ってた。
ああ、そういう顔も大好きです! 朝からいいもの拝めました! 神様ありがとう!
「じゃ、せっかくだから教えてやるよ。あ、でも混むと嫌だからあんまり広めるなよ」
「はい!」
元気よく頷いたわたしに先輩はくすくす笑う。
そのまま強雨の中をバス停まで早足で移動すると、ちょうどバスが来たところだった。
降車場で人を降ろした後らしくバス自体には運転手さん以外誰も乗っていない。
バス停で待ってる人の姿もまばらだった。
今の時間帯だと住宅街を循環して通勤客を駅まで乗せてくるのがメインなのだろう。
バス停にも申し訳程度の屋根はあるけど、この降り方じゃ足元で跳ね返る雨水までは避けられないから、すぐに乗れたのはラッキーだった。
先に乗った先輩は迷わず奥まで進んで、後ろから2番目の2人掛けの席に座った。
え? これは隣に座っていい流れ?
躊躇したわたしに、狭いと思ってるとでも思われたのか、先輩が少し身を縮こまらせるようにして詰めてくれる。
「あっ、大丈夫です! お隣お邪魔します!」
「そんな畏まらなくていいのに」
またもくすくす笑われながら、こっちもできる限り身を縮めて隣に座る。
あわよくば先輩とぴったり寄り添って座れたら、なんて欲望が頭を掠めたけど、図々しくそんな真似する度胸はないし、太ってるとか思われたら凹みきって死ねる。
「そんなガチガチだと学校着くまでに疲れちゃうだろ」
「いや、ちょっと緊張してるだけなんで」
「なんで? もしかして、俺、怖い?」
「全然そんなことないです! ただちょっと畏れ多いというか烏滸がましすぎて死ねそうというか」
「え?」
「いえ! ほんと全然何でもないんで!!」
ああ、これ絶対、挙動不審な変な女だと思われたやつ!!
時間巻き戻せるなら今の会話全部なかったことにしたい。
だって仕方ないじゃん!
中学時代から憧れ続けてた人と心の準備もなく密着イベントなんか発生したらテンパりもするでしょ!?
動揺のあまり誰にともなく心の中で言い訳をしてしまう。
恥ずかしさで居たたまれず、ますます身を縮ませていると、先輩がどこか悪戯な笑顔で覗き込んできた。
「緊張してるのは、俺にセクハラされる心配とかじゃないよね?」
「は!? 逆ならともかく先輩がセクハラとかマジ有り得なくないですか!?」
「逆ならともかく?」
「あ、いえ、その、何でもないです」
シャツ越しに伝わってくる体温だとか、仄かに香る制汗剤の匂いだとか。
そういうものを意識しすぎて心臓バクバクさせてますなんて口が裂けても言えないし知られたくない。
というか、これは口にしたら絶対駄目なやつ! まさにセクハラじゃん!
のぼせたように熱くなっていく顔を手で仰ぎながら、誤魔化すように笑う。
「その、蒸し暑くて、ちょっと汗の匂いとかしちゃったらやだなーって」
「ああ、確かに。俺、匂わない? 大丈夫?」
「全然っ、いい匂いしかしないので問題ないです! ……あっ」
ああ、またやってしまった。
もう駄目だ。
先輩とこんな風に話せたのも、並んで座ってバス乗れたのも、心の底から幸運だと思うけど――たぶんわたしはそこで運を使い果たしちゃったんだろうな。
だからこんなにも墓穴を掘りまくってるんだろう。
情けなさのあまり涙目になってるわたしを余所に、先輩が笑いを堪えるように手で口元を覆いながら肩を揺らす。
その横顔を盗み見ながら、やっぱり好きだなあ、と、わたしは密かに自覚を強くする。
こんなに挙動不審な後輩に対しても、呆れたり気持ち悪がったりするでもなく、面白がってくれるなんて、どれだけ心が広いんだろう。
「嫌われてたり、気持ち悪がられたりしてないなら良かった」
「そんなの絶対絶対有り得ませんよ」
「じゃあさ――もしかして、少しは脈あるのかなって期待してもいい?」
「え?」
膝に乗せた鞄の上で頬杖をつきながら、先輩が首を傾げてわたしを見つめる。
その瞳に、何かを期待するような、甘やかな熱が灯っているように思えるのは、わたしの自惚れ?
まるで時間が止まったかのような沈黙に耐えられなくて、でも何も言えなくて。
止まっていたエンジンが掛かって、運転手さんの「発車します」というアナウンスが聞こえて、現実に引き戻される。
まるで白昼夢でも見ていたかのよう。
あまりに現実感がなくて、もしかして今のはわたしの妄想か何かかなと思っていたら。
「全然脈がないわけじゃなさそうだし、意識してもらえるように気長にいくか」
思い掛けない言葉が聞こえてきて慌てて隣を凝視する。
そこには、挑戦的ににやりと笑う先輩の顔。
そんな顔もまた素敵すぎて、ときめきのあまり頭もクラクラし始めて。
今まで大嫌いだった梅雨が、今年から、少しは好きになれるかもと、単純なわたしはそんなことを思ってしまうのだった。
あれからの日々は
まるで梅雨のようで
ジメジメと
カビてしまった心は
そろそろ
陽の光を求めてる
無意識に
触れてきた人に
少しだけ
力を貰った
でも
やっぱり
違うんだ
やっぱり
駄目なんだ
違うんだよ
駄目なんだよ
君じゃなきゃ・・・
「梅雨」
雨音を耳に馴染ませ30分
タオルが回るのを眺めている
お題:梅雨
今日も外は雨が降っていた。
連日雨で気が滅入る……なんてこともない。わたしは雨がそこまで嫌いではなかった。彼はそうでもないみたいだけど。
#梅雨
とうとうやってきたな
日本で、梅雨が好きな人は何人いるだろう
雨の恵みも大切なことだけど、
ほどほどにして欲しいな
災害が、起こらない程度で頼みます。
天の気まぐれさん
20℃50%。
ピアノにとって理想の数字だ。
つまり、紫陽花が雨にしとど濡れるこの時期は
音が狂いやすくなる。人間も同じようなものだ。
たとえば雨の日にばかり、遠い昔にやめてしまったピアノを弾きたくなることとか。湿ったピアノは鈍く響いて、私の指ものろのろと、思い出を探るように動くばかり。
低気圧で死にかけの私と、憂鬱なピアノの音色。
その不調の重なりが妙に心地よくて、薄ら暗い曇天の心模様にマッチするんだ。
だから梅雨なんて、まるで生きた心地がしないよ。
そういいながら、あなたは今日もピアノを弾いている。ほとほと参っているような力ない微笑みを浮かべ、それでもあなたの繊細な指は、正確に音を叩く。
雨の日のあなたのピアノを聴くたびに、私は胸の高鳴る想いがする。「梅雨だからね。君の調子も狂ってるのかもしれない。」なんて、あなたは笑って返すんだろう。
特に何の思い入れもない
ただ雨が続くだけの憂鬱な梅雨。
朝目覚めて片頭痛に重い体を起こして
そのままリビングへ
薄暗さを覗くように開けたカーテン。
雨音にほんの少しだけ耳を傾けてながら
部屋中に広がる生乾きの洗濯物と
入れたてインスタントコーヒーの香り
そこにMaroon 5 のSunday Morningのイントロが聴こえてきたら
それだけで少し胸が騒ぐ雨の日。
- rainy day -
・短めver.・
この季節になると僕はいつも
紫陽花がよく似合う貴女を思い出す
・長めver.・
雨がしとしと降っている。
この時季、雨が続くのは仕方ないとはいえ毎日毎日雨ばかりだと気分は少し憂鬱になってくる。
そんな憂鬱気分で帰路につく途中、傘も差さず空を見上げながら雨に濡れる一人の女性を目にし、思わず僕は
「風邪ひきますよ」
そう声をかけて差していた傘を女性に差し出した。
女性は一瞬驚いた表情を見せたがすぐに穏やかな笑顔へと変わり、そして空へと視線を移す。
「私、雨が好きなの」
「そうですか……僕は雨苦手です。今も少し頭が痛くて」
そう言いながら僕もまた視線を空へと向ける。
降り止む気配のない雨に気分は下がる一方だ。
「それは大変ね」
「いえ、いつもの事なので」
「じゃあ……今度は私が」
ありがとう、そう笑った彼女の頬には見慣れた絆創膏。
確かあれは数日前に妹から貰った絆創膏と同じ柄だ。あれ?僕はその絆創膏をどうしたんだっけ?
思考をグルグルと巡らせていると女性に抱きつかれ、驚きに僕の頭は真っ白になり、
何も考えられなくなって力の抜けた手からは傘が離れ、地面へと落ちていった。
「もう一度貴方に会えて良かった」
本当にありがとう。そう言ったのが最後だった。
気付けば彼女の姿はなく、いつしか雨は止み、雲の隙間から日差しが見えている。
そして彼女の居た背後には雨に濡れた色とりどりの紫陽花が咲き誇っておりその中で一つ、見慣れた絆創膏が巻かれていたのだった……
嗚呼、そうか。
僕はその絆創膏を貴女の為に、
『梅雨』#7
【梅雨】
梅雨どきは、自宅にいる時間が長くて
お昼は手軽な即席め〜んってこと、
ありがちですよね?
でも、カップ麺1個じゃ何か物足りない…
これもまたありがちでしょ?
そんなあなたにお届けしたい!
【チカラがワクワク 力杯麺】
材料は、どこのご家庭にもよくある
即席カップ麺とパック切り餅&熱湯
5ミリ程度にスライスした切り餅を
フタを開けたカップ麺の中にin!
あとは表示された量の熱湯を入れ、
指定された時間を待つのみ。
たったこれだけで、お餅も柔らかくなって
餅同士まったくくっつきません!
これはなかなかの感動もの。
提案者である母と私は、これにハマって
最近は週1ペースで食べています。
誰?「カロリーが…」なんて言ってるのは。
「美味いは正義」なので全てに勝ります。
1度お試しあれ♪
【梅雨】
正直、私はあまり梅雨が好きじゃない。
視界は悪くなるし、空気はジメジメするし、ぬれるし、独特な匂いがするし、傘を差すのはめんどくさいし……
なにより青空を見られないことが残念なのだ。
ただ「梅雨」というものに“美”を見いだしてきた人々の感性や作品に触れると、梅雨も悪くはないよなぁ~~と思うことがある。
梅雨特有のジメジメとした湿気には毎年うんざりする。
それに毎日雨でどんどん気分は暗くなる。
「はぁーっ。」
靴を履き傘を差そうと鞄の中から取り出しながらため息をついていた時にふと肩を叩かれる。
「なあ、ちょっといい?」
「え、は、はい!」
「ごめん、驚かせた?」
そこには私の想い人である彼が笑って立っていた。
「い、いや別に。ていうかどうしたの。」
「実はさ、傘忘れちゃって。」
「珍しいね、こういう時はいつも準備してるのに。」
「まあ俺だって完璧じゃないから忘れる事くらい
あるよ。そこでお願いなんだけどさ一緒に入れてもらってもいいかな?」
迷惑なのはわかってる、と彼が手を合わせながら頭を
下げてくる。迷惑じゃない。むしろ嬉しさでいっぱいになる。だってそれはつまり一緒に帰れると言うことでは
ないか。ああ、でも好きな人の隣なんてとても緊張するしどうすればいいだろう、と悶々としていると
「やっぱり、迷惑だよな。ごめん。」
「ううん、違うの。いいよ、一緒に帰ろう。」
「いいのか! ありがとう。」
彼の笑顔を見て今まで梅雨で憂鬱としていた気分が一気に晴れる。今日は雨で良かった。そう思いながら二人で学校を出た。
『梅雨』