桜散る』の作文集

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桜散る』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

4/18/2024, 7:07:31 AM

「桜、散ってもうたな」
「へ?……あぁ、昨日の大雨でほとんどいかれてもうたな」

いきなり声をかけられて素っ頓狂な声が出た。
俺に対しての言葉なのかも定かでは無いが、
俺と違い独り言を言うタイプでもない。


「……なんやねん、ニヤニヤして」
「いんやぁ、別に?あんたにも桜を愛でる情緒があるんやなぁ思て」
「俺も大人になってもうたってことやな」
「なんでちょっと嫌そうやねんな」

俺からするとずっとあんたは子どもで、お兄ちゃんだった。
永遠のピーターパン。見た目もやけど、性格も変わらない。

「ガキの頃は動かんもん見て何がおもろいねんって思ってたけどなぁ、ちょっと切ななんもん」

「「なんでやろなぁ……」…ちょお、被らせに来んなやお前!」
「いややってあんた!フリがむちゃくちゃやもん!どこに接続してんねん!」
「いやでもあれですよ、桜が散ると寂しくなるのはほんまですよ。いつかは散るもんやけど雨風とか理不尽やんか。もうちょっと気ぃつこたってもええのになぁって」

ご自慢の唇をむにと突き出すと、お気に入りのコーヒーショップの一番大きいサイズのブラックを飲んだ。
そういうとこは変わったのかもしれへんな。かなり遠回しだとしても、この人は弱音を吐けるようになった。

「桜の花から葉桜なるだけやん。切り倒されたわけとちゃうやろ?また来年の今頃になったら大輪の花咲かせてくれるやんか。次咲かせるために散るねん、次の出会いのための別れや。必要な過程やがな」

実際は病気にかかる可能性もあり、来年拝めるかは微妙なところではあるが、今は必要な情報では無い。

「相変わらずポジティブやなお前は」
「そこが唯一のええとこやからな」
「なんでそこだけそないネガティブやねん、いっぱいあるわ!」

自分の事のように顔を赤くして、ムキになる。
でも、結局照れ屋やから言うてくれはせえへんねん。
嗚呼やっぱり変わらない。

『桜散る』

(咲いても散っても桜は桜、君は君)


作者の自我コーナー
いつもの。
なんでやろなぁ……桜見ると切ななんねん、です。
自分のことになると卑屈になる彼を全力で否定するあの人が好きです。輪廻と一蓮托生という裏テーマ。

4/18/2024, 6:57:18 AM

4月ももう半ば過ぎ。 早っ




----- 桜散る

4/18/2024, 6:52:53 AM

桜散り葉桜になってもまだ美しき、ツツジのピンクが鮮やかに映えていて、桜の次の出番を今かいまかと待ち構えていたかのようであり、
自然界の連鎖や連携力には心打たれる。晩春から立夏にかけて次つぎと色とりどりの姿を見せ、私たちの目や心を楽しませてくれる。自然界のお陰様でありがたいことである。

4/18/2024, 6:40:35 AM

桜散る
そんな頃には
いつかきっと貴方に届く
「サプラーイズ」ってね

4/18/2024, 6:39:39 AM

桜散る遊歩道を歩いた。遊歩道は桜の花びらで埋め尽くされており、ピンクのカーペットのようだった。満開だった桜は散ってしまったが、とても美しかった。来年もまた見たいなと思いつつも、遊歩道を後にした。

テーマ「桜散る」

4/18/2024, 5:42:19 AM

新緑が風にさわさわと揺られる。花は散り見物客もいなくなり、並木通りは平穏な週末を取り戻していた。隣で一緒に歩くこの人と、少し前に花見に来たのだ。今回はたまたま通りがかっただけだが、何故だろう。あのときと同じくらい嬉しそうにそわそわしている。どうしたのか尋ねたら「今日はずっと手を繋いでくれているから」だそう。別に手くらい普通に繋ぐのだが、改めて言われると何だか無性に恥ずかしい。他に人通りもないのに振り解きたくなって、しかしがっちり掴んで離してくれない。意味もなく頬が熱い。赤面を隠してくれそうな花もとっくにない。覗き込もうとする顔を何とかして避けながら、並木通りを早足で駆け抜けていった。


(題:桜散る)

4/18/2024, 5:33:21 AM

「今年もあっという間だな。」
「そうだね。」

いつの間にか咲いていつの間にか散っている。
暑さに耐え、寒さに耐え
やっとその時を迎えたのに
それはあまりに短すぎる。

「ちょっと寂しいけどまた咲くよ。だってこの子達は生きているからね。」

ふんわり。可愛くて儚げなこいつの笑顔は桜の花のようだ。そしてその芯は強く桜の木のようにしっかりと根を張っている。

「みんなお花見したのかなあ。」
「だろうな。俺は花見なんかしたことがない。」
「私もだよ。桜の下でお弁当広げて
お昼なのにビールなんか飲んで。いいなあ。」
「来年してみるか。花見。」
「うん。忘れないようにしなきゃ。」

俺たちが来年も共にいれる保証はどこにも無い。
けれどこうして未来の約束をする。来年もまた桜が咲くと信じて。

「来年もまた同じ会話をしそうだ。」
「ふふ。あり得るね。」


桜散る

4/18/2024, 5:23:00 AM

梶井基次郎の名を知る遥か以前
「桜の木の下には死体が埋まってるんだって」と、クラスメイトが怪談話のように小声で教えてくれた日、そうかそれで夜の鈍く光る満開の桜が怖いのだと、幼い私はいたく納得した
きっと、桜の木にはもれなく幽霊がついているのだと

あれから毎年桜を見るたび、クラスメイトの言葉とそれを信じた自分を思い出して苦笑する

今年もすっかり葉桜になった
もはや桜の妖しさはどこにも感じられない

だがしかし
幼い時に見た、妖しい光を放つあの桜の樹の根元には、やはり何かが埋められているのだろうか


お題「桜散る」

4/18/2024, 5:19:51 AM

桜散る春の夕暮れ。
会社から帰宅路にある公園の前で足を止める。
陽の光を受け返しながら散る花びらは、星の瞬きのようで思わず目を奪われる。

「…綺麗」
「そうですね」

いつの間にか、隣にいた学ラン姿の少年が呼応し頷いた。独り言を聞かれた恥ずかしさと、急に現れた少年に驚愕し、目を見張った。

「ここ、桜が綺麗なんですけど、あまり知られてないみたいで穴場スポットなんですよ。ほら、人も全然いないでしょう?」
「そう、みたいね」

落ち着いて話すその横顔に、桜以上に目を奪われた。
花束を握る手が汗ばむ。

「近くに線路があるから、電車が通ると叫んでも聞こえづらいんですよ。…この道を人が通らない限り」
「…っ!」

抑揚のない声が不気味に響く。何も答えない私を見透かしたように少年は続ける。

「1年前の今日、僕はここで刺されました。犯人は、学生を狙った愉快犯だったそうで、すぐ捕まりました。誰でも良かったんですって。」

少年の声と自分の鼓動が耳の中でぶつかり合う。

「そして、その現場を見ていた人がいたんです。
犯人はそれに気付かず、すぐに逃げて行きました。
けれど、僕はまだ生きていた。電車が通ったけど、
最後の力を振り絞って、叫んで、たすけを求めた。
……あなたに」

ゆっくりとこちらを向く少年。

「どうしてあの時助けてくれなかったんですか?その菊の花は、どういうつもりで持ってきたんですか?」

視線を落とすと少年の腹部は、学ランにシミを滲ませていた。

「あの日、あなたが僕の声を聞いて動いてくれたら、こんな事にならなかったのに…っ」

どうして、という恨み聲と共に風が強く吹いた。
目を閉じて、風が止むのをひたすら待った。
再び目をあけると、そこに少年の姿はなく、
ただ桜が静かに散るだけだった。

4/18/2024, 5:07:43 AM

咲いていないので
散ってもいない
蕾もまだまだ
骨張った桜の幹を見上げる
どの枝からどのように芽が出て
華やかに艶やかに
花ひらくのか
そして名残惜しげに
去っていくのか
それはもう少し先のこと
お楽しみは長く静かに味わいたい


#19『桜散る』

4/18/2024, 4:59:49 AM

桜が散る様子はとても綺麗で儚くて。
だけれども瞬きを一回しただけの短い時間で
さっぱりと終わる感覚だ。
散った桜は地面に横たわるだけ。
それもいつのまにか消えている。
季節が周るというのはこういうことか。

4/18/2024, 4:56:57 AM

桜散る
あの満開の華やいだ休日が夢のよう
若い緑の葉をつけ始めたユリノキが花を散らし切った風にうかれている

#桜散る

4/18/2024, 4:36:15 AM

今年も桜の季節はおしまい。
春は、あっという間に
薄桃色を残して、過ぎ去って
次の季節へ橋を渡す。


目に鮮やかに飛び込んでくる
緑の眩しさ、日差しの暑さに


飛び込む準備は。



桜が散る前の、絶好の準備期間

4/18/2024, 4:34:56 AM

桜散る景色を横目に、私は思う。
あなたとお花見をした時から何年が過ぎただろうか? 一体いつまで、美化されていくばかりのあなたとの思い出を追いかければいい?

4/18/2024, 4:25:40 AM

『桜散る』

1年に一度、たった数週間の
短い時間なのに 

誰よりも派手に空に咲いて

綺麗なまま散っていく

美しいまま人の心に残ってく

そうなりたいとか
時々思ったりもする

4/18/2024, 4:16:52 AM

『桜散る』

朝の支度を済ませ、そろそろ仕事へ‥のタイミングで息子から電話が来た。「俺のヘルメット、玄関に無い?」急いでいて忘れたのだろう、それは下駄箱の上にちょこんと置いてあった。

高所作業の息子にヘルメットは必需品だ。引き返すけど途中まで持って来て欲しいと懇願され、私は慌てて家を出た。急がないと私の仕事に間に合わない。川沿いの道を飛ばし、半分行った所でようやく息子に出合った。
「悪い!母さんありがとう!」ヘルメットを受け取った息子は車に戻りつつ「ほら、母さん上見て上」

そう言えば、川沿いの桜並木が満開だと聞きつつも中々来れずにいた。「俺のお陰で最後の桜に間に合ったね」と笑う息子を見送りながら、私は散る桜を暫く眺めた。

4/18/2024, 4:05:46 AM

『桜散る』

 中学生最後の4月、桜が咲きほこる木の下で告白した僕の言葉を、君は泣きながら頷いてくれた。

 僕は必死になって君の涙を拭ってたのを覚えてるよ。


 君が大好きな桜の木の下での告白、少し卑怯かなって考えたけど、君には僕の事、忘れてほしくなかったんだ。


 よく小さい頃から一緒だった僕達は、毎日遊んだり、喧嘩したりしてたよね。

 あっという間の十数年、君と過ごしてると、時が過ぎるのを早く感じた。


 嫌な思い出もあったけど

 君と出会えて良かったなって思った事のほうが多かった


 白いカーテンの窓の外で桜の花がヒラヒラ舞っている。

 君が大好きな桜の木。

 とても綺麗だよ。見なくていいの?


 ふと、そう思って君の方を見ると、君の目から桜の花弁みたいに大きな涙がこぼれてる。

 君の涙をいつもみたいに、拭おうと思ったけど、



         僕の手は、もう動くことは無かった。

4/18/2024, 4:03:16 AM

お昼ご飯を食べてから、桜散る中を書類を持って走り抜ける。ふと、スマホのアプリを起動すると君からの連絡、頬が自然と緩む。さて、もうひと頑張りしましょうか。

4/18/2024, 3:43:21 AM

咲いた桜になぜ駒つなぐ、
駒が勇めば花が散る~♪

てな唄がある。

私は落語ファンだが、落語には四季がある。

春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)にそれぞれ合う噺があるから、春になったら落語の枕に、よく上の文句を引用する噺家がいる。

駒と言えば、馬肉の事を「サクラ」と呼んだりする。切ったばかりの馬肉は綺麗なサクラ色をしているからそう呼んだのだとか、


或いは、「けとばし」とも称する。今は馬肉なんて高級食材だが、昔は安い肉の代表みたいなものだったようだ。


だいたい浅草辺りの古い人は「けとばし」と言った筈だ。他ではあんまり言わないのかな?

若い頃、落語にすっかり夢中になって、都内の寄席や落語会に足を運んだものだが、落語のテープも集めていた。当時はYouTubeなんてないですからね。

五代目古今亭志ん生、八代目桂文楽、六代目三遊亭圓生は古典落語のBIG3と言って良い(全員、明治生まれ)。

この3人を中心に、とにかく買いまくった。高かったけど、惜しくなかったし、それぞれ何回聴いたか分からないくらい聴いたから、充分元もとれたのである。

浅草のレコード屋で落語のテープを6巻くらい買った時、ついでを装って、どうしても訊きたい質問を店の人にぶつけてみた。

落語によく出てくる吉原の大門(おおもん)が何処にあるのか、その頃の私は知らなかったのである。

落語の中でも廓噺(くるわばなし)は特に傑作が多い気がする。

落語ファンを自認しているクセに、大門も知らないなんて、恥ずかしいと思っていた。

「あのぅー、吉原の大門って、どういうふうに行けば良いですかね?」

レジのオジサンが、目を丸くして一瞬絶句したかと思うと、まあまあ広い店内中に聞こえるような大声で叫んだ!!

「おおおーい!吉原の大門はどう行ったら良いですか?だってよ!!!」

よっぽど嬉しい質問だったのだろう。店に居る人全員からニコニコした顔を一斉に向けられて、私は驚くやら恥ずかしいやら、ただ赤面するしかなかった。(このリアクション、さすが浅草である)

もちろん、その後店の人は道順を丁寧に教えてくれたのだが。


無事、大門を見つけた私は、桜肉の店も発見したので、ついでに入ってしまった。

そこは吉原にある有名な「けとばし」の老舗で、昔の評論家 安藤鶴夫(彼も明治生まれ)の本でも私は既に存在を知っていた。

中は座敷になっており、客はまだまばらであった。

胡座をかき、ひとりで酒を飲み、「桜鍋」をはふはふやっていると、なんだか急にパアっと店の入り口が明るくなったかと思うと、

上がり込んで来たのが漫才の内海桂子・好江の桂子師匠だった。

ちょいとお忍びで、なんて奥ゆかしくではない、漫才師らしく、明るく、賑やかに、それでいて堂々としたボスの風格で圧倒していた、

桂子師匠が現れたら、誰もがそっちを見るだろう、彼女はただ食事しに来ただけなのだが、場の空気はすっかり彼女が支配していた。

師匠もほんの30分くらいの短い時間で、ぱぱっと飲み食いして、店の事をさんざん褒めて、サッと帰って行った。

粋な人であった。

4/18/2024, 3:41:57 AM

桜散る朝
気がついたら桜の木は萌葱色に染まり、爽やかな風を呼び寄せてくる。
過ごしやすい日になったのはいいけど、時の流れの速さにはいつも驚かされるなあ、と私は感慨に耽る。

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