K より

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『桜散る』

 中学生最後の4月、桜が咲きほこる木の下で告白した僕の言葉を、君は泣きながら頷いてくれた。

 僕は必死になって君の涙を拭ってたのを覚えてるよ。


 君が大好きな桜の木の下での告白、少し卑怯かなって考えたけど、君には僕の事、忘れてほしくなかったんだ。


 よく小さい頃から一緒だった僕達は、毎日遊んだり、喧嘩したりしてたよね。

 あっという間の十数年、君と過ごしてると、時が過ぎるのを早く感じた。


 嫌な思い出もあったけど

 君と出会えて良かったなって思った事のほうが多かった


 白いカーテンの窓の外で桜の花がヒラヒラ舞っている。

 君が大好きな桜の木。

 とても綺麗だよ。見なくていいの?


 ふと、そう思って君の方を見ると、君の目から桜の花弁みたいに大きな涙がこぼれてる。

 君の涙をいつもみたいに、拭おうと思ったけど、



         僕の手は、もう動くことは無かった。

4/18/2024, 4:05:46 AM