『桜散る』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#桜散る
満開の桜の木下
あんなにイキイキしていた新社会人の彼は、今では死んだ魚の目で電車のつり革にしがみついてた。
桜散る季節だね。
はらり
ちらり
ひらり
ふわり と
風も無いのに
静かに情緒たっぷりに散る桜
サクラチルとは悲しい響きだけれど
緑の葉が茂ると木漏れ日清々しく
秋の桜紅葉もまた素敵に映える
四季の美しさそのものの姿に惹かれる
#桜散る
『桜散る』(桜の森の満開の下)
ずっと探しものをしている。桜の花びらを掻き分け、腐った落ち葉の混じる土を掻き分けると好いた女の死に顔に行き着くのだが、瞬きをすればまた目の前の地面は花びらで埋め尽くされている。
冷たい風に頬を撫でられて顔を上げるとおれ自身が花びらに変じ、気づいたときにはまた地面を掻き分けている。手を止めて爪の間に入った土を眺めていると遠い昔のことを思い出しそうになるのだが、落ちてくる花びらに気を取られてまた地面を掻き分けることになる。
ずっと同じことの繰り返し。気が狂う間もないほどに満開の桜から花びらが散り続けている。
「桜が散る理由は意外と色々あるのな」
塩害、虫害、キノコ、自然な時の経過。ソメイヨシノに関しては、満開になったあたりで散るための手順が実行されて、ゆえに一斉に花が落ちるとか。
某所在住物書きは桜を書くにあたり、ネット検索の結果をスワイプで確認しながら、ぽつり。
「ソメイヨシノが一斉に咲くのは全部クローンだから、ってのは知ってたが、
そのソメイヨシノの花びらが一斉に散るの、そういう『一斉に散る仕組み』を持ってるからなのか……」
じゃあ他の桜は?
物書きはふと疑問を、持って、検索をかけようとして、面倒になって文字入力をやめる。
「散る、っていえば」
物書きは言った。
「例の桜問題、『ソメイヨシノが咲かない地域が出る』の他に、『ソメイヨシノが一斉に咲いたり、一斉に散ったりしなくなる地域がある』ってハナシも、あったような、無かったような……」
――――――
まさかまさかの前回投稿分に繋がる物語。
最近最近のおはなしです。都内某所のおはなしです。
某稲荷神社は比較的深めな森の中。木々が日差しを適度にさえぎって、都内にありながら、そこそこの涼しさを保っています。
稲荷の神様のご利益か、ここに住む狐のまじないか、ともかく在来種や日本固有種の花多いそこは、今まさに、盛春の花があちこちで、顔を出し花びらを開き、ミツバチやチョウチョを待っています。
さて。
この稲荷神社、「ぼっち桜」とか「夢見桜」とか言われている、今となっては本当の品種名もそれが在る事実自体もだーれも分からなくなってしまった、「ひとまず桜の仲間」ということしか知られてない桜がありまして、ソメイヨシノ散った今が丁度花盛り。
多分遅咲き品種なのでしょう。
ソメイヨシノほどの華麗さも、シダレザクラほどの豪華さもありませんが、
ぽつぽつ5枚の花びらを、勿論ぼっちなので受粉して実を結ぶこともありませんが、
ぼっちなりに、咲かせておりました。
「……結局何の品種なんだろうな?」
そこにやって来たのが稲荷神社の参拝客。
「一斉に咲かないからソメイヨシノではないし、八重咲きっぽいのはよく見れば雄しべと雌しべだし?」
名前を藤森といいます。
花と風と雨を愛する、雪降る田舎からの上京者。
今日は在宅でリモートワークをしておりまして、休憩時間に、ちょっと花でも撮りにきたのでした。
「神主さんは『夢見桜』と言っていたが、検索をかけても該当品種が出てこない。……愛称かな」
ポン、ポン。
立派に育った幹に触れ、かわいらしく咲いた胴吹きに気付き、スマホでパシャリ。
ふと、木の下に視線が向きました。
桜の花が、花びらではなく、花そのものとして、ポトリ、いくつも落ちています。
「スズメかシジュウカラの犯行だな?」
あーあー、綺麗にこんなに、落としてしまって。
桜散る木の下、緑と薄桃色の中に片膝をつき、
藤森、根本からポトリ落ちている桜の花をひとつ、拾い上げました。
きっと、ここの桜の蜜はとっても甘くて、美味しくて、絶品なののでしょう。
それを知った小鳥たちが春の甘露を堪能して、しかしメジロやヒヨドリのように蜜を上手に吸えないスズメは、プチリ、花をこうして落としてしまうのです。
しゃーない、しゃーない。
「夢見桜か」
ぼっち桜の木を見上げて、藤森、呟きました。
「いい夢でも、見られるのか?……まさかな?」
チラリ右見て、チラリ左見て、ぐるり周囲を再確認。
参拝客が自分以外居ないのを見てから、藤森、スマホで20分のタイマーをかけます。
桜散る通称夢見桜の下で、ちょいと昼寝してやろう。
どれどれ。
藤森は比較的キレイなあたりに汗拭き用のロングタオルを敷いて、すぅすぅ、幸福に寝息をたてます。
藤森が桜散る夢見桜の下でどんな夢を見たか、そもそも20分程度じゃ何も見てないかは知りませんが、
少なくともこの十数分後、神社在住の子狐が縄張り巡回、もといお散歩で歩いてきて、
寝顔さらす藤森のドテッ腹にドンと飛び乗り咳き込ませるのは、前回投稿分の物語で明らかなのでした。
【桜散る】
「散っちゃったねー桜」
「気づいた時に咲いてて、いつの間にか散るのが桜」
「言えてる」
「花見とかしたかった?」
「また、来年でもいいでしょ」
「また散った頃に、こんな会話して忘れてるかもよ?」
「それは良い」
「何が?」
「来年も、この先ずっと、俺ら一緒ってこと」
「……確かに、良いな」
どうしても連れて来たかったんだ。
可愛い×可愛い=正義だろ
なら
儚い×儚い=尊いだ。
クソ可愛い恋人が
ふーん、て顔で散ってしまった桜の絨毯を見てる。
儚い、可愛い、尊い
「ね、可愛い?」
「可愛い。」
眩しくて目が潰れそうだ。
[桜散る]
少し前までは、満開だった。
もう、散ってしまった。
桜は散るのが早いな。
なんか、切ないな。
新生活が始まったけど、まだ不安な気持ち。
どうしてだろう。
ワクワクしてるはずなのに...
過去のことがまだ気になっている...
「桜散る」
散った桜の花びらは
どこに行ってしまうのでしょうか
満開の桜を見て楽しみ
散り桜を見て楽しみ
水たまりに浮かんでいる桜を見て楽しむ
どこまでも桜を愛してしまう
わたくしたちが悲しまないよう
散った桜の花びらは
そっと姿を消しているのでしょう
もう今年も季節が動いてしまいました
また会える日を心待ちにしております
「桜散る」
桜が散るときは、何故美しくて胸が締め付けられるような気分になるのだろうか。
満開の桜より、音もなく雪のように目の前が花びらで何も見えなくなる、あの瞬間の気持ちは、この世に私と桜の花びらだけになったようなしんとした美しさがある。
私の名前が桜子だからだろうか、以前恋人の裕也にそう言ったら意外にも真面目な顔で「そうかもしれないね、僕は毎年この季節は桜子が、桜の花びらと共に消えてしまうのではないかと不安になる時があるよ」と言ったので驚いてしまった。
きっと、一笑に付されてしまうだろうと思っていたからだ。
見渡す限り続く桜並木の桜が一斉に散るのだ。それは壮観だろう、立ち止まってみてゆく人も何人か見る。
思わずうっとりと目を閉じる。
「ねえ」どうやら私は眠ってしまっていたらしい。不意に声をかけられ目が覚めた。
「何か夢を見ていたの?あなた微笑んでいたわよ」
そう言われはっと気づく、そうだ、私は桜の樹だった。
この季節になると、毎年同じ夢を見る。
もしかしたらうんと昔、人だった事があったのだろうか。
桜の樹も夢を見るのだ。
特に散り際は眠くてたまらない。
声を掛けてきた隣の樹も眠そうにしている。
「見てみなさいよ」と、また話しかけてきた。
「あそこの老木なんてずうっと寝たままなのよ」
無理もない。これだけの花を咲かせるのにはとても体力を使うのだから。
陽射しが心地良いのでまた眠くなってきた。
私はおしゃべりな隣の樹に「私も眠いの、少し寝るから邪魔をしないでね」というと
隣の樹も「そうね、私も眠いから少し寝るわ」と言って静かになった。
私はうとうとしながら、さっきの夢の事を考えていた。私は桜子と名乗っていた。
恋人は裕也といった。
本当にただの夢だろうか。
そういう時が昔々、ずうっと昔に本当にあったのではないだろうか。
それにしても、と思い返す。人が桜の樹になるなんて事、あるのかしら。
でも絶対にないなんて神様だって言い切れないわ、と思い直す。
ああ、眠い、もう起きてられない。
ふと見ると、さっきまでお喋りしてた樹もよく寝ている。
私も寝よう、そう思い心地良い眠気に身を任す。
ほとんどの桜の樹は、疲れてはらはらと雪のように花びらを舞い落としながら眠りについている。
人々は思い思いに写真を撮ったり、子供ははしゃいで降りしきる桜の花びらを掴もうと躍起になっている。
そんな賑やかな音を微かに聞きながら、私は深い眠りについた。
ピンクの花咲く木があると言う噂を
人づてに聞いてやってきた国
今までに見た事のない景色が広がっている
老爺姿の兄とその妹は
景色を見ながら歩いていると
教えてもらった満開に咲いている場所が見えてきて
妹が走り出す
たくさんの木々あるためか
地面がピンクの花弁で
絨毯が広げられているように染っている
妹の感動する声が兄の耳に届くと
兄もその景色に驚きのあまり目を見開いてしまう
あぁ、この景色を絵におさめられたらと
はしゃいでいる妹の声と心地よく吹く風に
撫でられながらひと時の時間を過ごす
こんなに満開で綺麗でも
あっという間に散ってしまうと聞いて
少しばかり哀しい気持ちにもなるが
それがいいのかもしれないとも思うのだった
[桜散る]
仕事で、新しい環境に慣れるのに大変だった頃に、
桜は散ってしまった。
葉桜もほとんど見ていない。
暖かくなってきた時期に、もう初夏を思わせる青々しい葉が姿を見せ始めている。
そのアンバランスな季節に、消えていった春の芽吹きを思い出す。
「桜散る」
“桜散る 眠い眠いと 猫が鳴く”
春だけは、寂しい季節になりませんように。
桜が散るのを唄にするなら花弁を踏まずに歩いてほしい。
夢見心地の桜雲
晴れし夏先、徒桜と知る
「桜散る」1
桜よ散れ、もっと散れ、一面に散れ
私の散った🌸も、🌸も全て隠しておくれ
「桜散れ」2
「桜散る」
この時期は、桜が綺麗なとき
でも、今は桜も散りだし葉桜となり、青々した風景
私は、桜の満開が大好き。桜が散ると寂しさがあふれる。
来年の桜が早く逢いたくなる。まるで彼氏に逢いたい気持ちと
同じ。って感じ。
あぁ、今年も桜散る。
桜吹雪の中、白昼夢みたいな景色を見た。
その世界は、春の盛りみたいに暖かくて花がたくさん咲いていて綺麗だった。平安時代の貴族みたいな服を着た人がたくさんいた。とても綺麗な景色だった。
でも、それと同時にあちらに行ったら駄目だと本能的に感じた。あちら側に行ったら帰ってこれないと。
きっとあの景色は神様の住む世界だったんだろう。だから、こちらは見たあと気づかれないうちに離れなければいけなかった。
もし、あの時気づかれていたら、どうなっていたんだろう。
テーマ:桜散る
桜散る
受験失敗の時なんかに使う言葉らしいね。というかもう春が終わろうとしてるのか。はえーな。もう五月目前とか信じられん。
五月ってことは正月からもう五ヶ月たったってこと?いやまだ四月ではあるけどほとんど五ヶ月たったのか。ちょっと理解に苦しむ時の速さだな。
最近は毎日小説を書いてるけど正月からどれくらい書けたかな。毎日書いてると言っても一日数百文字くらいしか書けてないからな。
ひどい時にはその数百文字も書けないからな。理想としては毎日数千文字書きたいんだけど難しい。
とはいえなげいてもしかたがない。自分にできることを一つ一つやるしかない。がんばろう。
「桜散る」
春になった。
桜の木々は、桃色の絨毯を広げた。
散りばめられた花びらの一枚一枚が私の記憶に思えた。
たくさんの回想の欠片が道を抽象で覆い、コンクリートを私の視界から遠ざけてくれた。
でも、歩く私は知っている。
この桜並木は途切れる。アーチをくぐればすぐに具体の上を歩く日がくる。
思春期の無限の可能性や、全能感に満たされているこの淡いレッドカーペットは、決して私をカンヌへ連れていってはくれない。
進路は枝分かれしていて、どれか選ばないといけない。
それなのに、どの枝も茨だらけで、躊躇する。
選ばない枝は剪定しないといけない。
それが怖い。選べない。間引けない。
まだ蕾のままいたい。どんな花を咲かせるか、空想しているままいたい。
でも、選ばねば枯れる。みんなは選んだ。
17歳の私。思い出に縋る私。
選びきれず、花びらの束の上に立ち尽くしていた青臭い葉桜の私だ。
桜散る
「懐かしいね」と語りかけても君は無視をする。
私はそれが可愛くて撫でてしまう。
そうすると、君は私の方を向いてくれる。
ちょっと不貞腐れているけど...。
「今日お散歩行こ?」って言うと、君は不貞腐れた顔をしながら、付き合ってくれる。
一緒に歩いていると、桜散る道に着いた。
「おぉ!見て見て!
凄い桜散ってるけど、桜吹雪だよ!」と私がはしゃいでいると、君は花弁を取ろうとして必死だった。
頭の上にいる花びらの存在気づいていないみたいだった。その仕草が可愛くて笑っていたら、君は私の方を向いて首を傾げる。
何に笑っているのか分かっていないみたいだ。
それが可愛くてまた笑ってしまう。
笑っているとだんだん君は構って欲しくなってきて、私にグリグリと頭を擦り付ける。
「はいはい。ごめんね」と言いながら君の黒い頭を撫でる。
君は嬉しそうに鳴く。
「にゃあ」
桜散る別れもあり、出逢いもある学生の頃に戻ったような、一生一転の時期。
また逢う日まで、この桜散る街で過ごした。新しい自分になるために、転職または新社会人として、人それぞれの成長の一歩な青春やライフが待ち遠しい。
あなたは、桜散るとはどんな思いがありますか?
思いや感情は人それぞれ違っていい、それが人間で良かったと思える瞬間。。