ピンクの花咲く木があると言う噂を
人づてに聞いてやってきた国
今までに見た事のない景色が広がっている
老爺姿の兄とその妹は
景色を見ながら歩いていると
教えてもらった満開に咲いている場所が見えてきて
妹が走り出す
たくさんの木々あるためか
地面がピンクの花弁で
絨毯が広げられているように染っている
妹の感動する声が兄の耳に届くと
兄もその景色に驚きのあまり目を見開いてしまう
あぁ、この景色を絵におさめられたらと
はしゃいでいる妹の声と心地よく吹く風に
撫でられながらひと時の時間を過ごす
こんなに満開で綺麗でも
あっという間に散ってしまうと聞いて
少しばかり哀しい気持ちにもなるが
それがいいのかもしれないとも思うのだった
[桜散る]
4/18/2024, 2:20:34 AM