桜散る』の作文集

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桜散る』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

4/18/2023, 6:45:12 AM

お題 『桜散る』


 桜散る。君が死ぬ。
 またね。

4/18/2023, 6:34:22 AM

※ほんのりBL要素がありますので、苦手な方はご注意ください。


 覚悟を決めていつもの桜の木を訪れる。
 遠目からでも薄桃色の花たちはすっかり跡形もなくなり、代わりに葉が若々しい緑色をまとっているのがわかる。
 だが、恐れていた光景はなかった。

「こんにちは。私の言った通り、消えなかったでしょう?」
「あれ、君……いつもの、君?」
「はい。ただ、歳を少し遡っておりますが」

 つまり若返ったということらしい。


 最愛の恋人を、春を迎えたと同時に失った。
 胸に深く暗い穴をつくったまま、俺はいつも恋人と訪れていた一本の桜の木に、縋るように毎日足を運んだ。
 人目を避けるようにひっそりと、けれど確かな存在感で生えているこの木を、俺たちは毎年見守っていた。
 その想いがきっかけだと、「彼」は言った。
 桜の木の精だと名乗り、突然目の前に現れた「彼」。

『このようにお会いするつもりはありませんでした。ですが、心配で。あなたまで、そのお命を失ってしまいそうで、黙って見ていられなくなりました』

 夢としか思えなかったが、このときはそれでもかまわないと、彼の存在をとりあえず受け入れた。
 そうでもしないと――恋人がいないという現実に、耐えられなかったから。
 今は、違う。
 彼の包み込むような優しさと雰囲気に、空いたままの穴が少しずつ小さくなっていくのを、確かに感じていた。
 だから、怖かった。
 桜が散ってしまったら、彼の姿は消えてしまうのではないかと。
 二度と、会えなくなってしまうのではないかと。


「先日も申しました通り、私たちは新緑の時季を迎えるとこのように若い姿となります」
「じゃあ、あの薄ピンクで長い髪の状態は二週間くらいしか続かないんだ?」

 彼はひとつ頷く。耳のあたりまで短くなった、絹を思わせるような白髪がさらりと頬を滑る。

「そうか、って納得するしかできないけど」

 俺と同じ人間ではないから、疑う余地も当然ない。面白いなと感じるほどには余裕はできた。

「姿は見えなくとも、毎年あなた方にお会いしていましたから消えることはありませんよ」

 少し笑って彼は告げる。そうだとしてもやっぱり、この目で確認するまでは心配で仕方なかったのだ。

「……でも、完全に枯れたら、会えなくなるよね?」

 木に触れながら、気になっていた疑問を口にする。
 この桜の木は彼そのもの。
 今はまだ、大丈夫だと信じられる。太陽の光を存分に浴びている葉はどれも生き生きとして、生命力に満ちているのが素人目でもわかる。
 それでも、いつまで無事かはわからない。
 ――突然この世を去った、恋人のように。

「ご心配なく。あなたがこうして足を運んでくださる限り、私は生き続けておりますとも」

 隣に立った彼は、優しく頭を撫でてくれた。まるで子どもにするような手つきなのに、反抗する気になれない。

「私に会えなくなると、そんなに寂しいですか?」
「そ、それは……まあ」
「そうですか。……ありがとうございます。私もあなたに会えなくなるのは、たまらなく苦しく、悲痛で、耐えられないでしょう」

 ほとんど変わらない位置にある茶と緑のオッドアイが、長い睫毛の裏に隠れた。
 どくりと、覚えのある高鳴りが身体を震わせる。
 いや、これは彼があまりにも美しすぎるゆえだ。人ならざる者の優美さにまだ慣れていないせいだ。

「俺も、大丈夫だよ。簡単に死んだりしたら、あの世であいつに怒られそうだし。今はそう思うよ」

 視線を持ち上げた彼は、心から嬉しそうに微笑んだ。
 喉の奥が、変に苦しい。


お題:桜散る

4/18/2023, 6:14:55 AM

桜散る
よく聞くのは
高校受験や大学受験で
合格しなかったことを
桜散るとか言う

私も高校受験
不合格で
1年浪人したことかをある

予備校通って
必死に勉強したな

あんなに勉強したのは
初めて
予備校の先生方も
厳しいかったしね

希望の高校で
希望の科に入れた

でも高校入ってからは
あまり勉強しなかった

少し後悔してるし
学費出してくれた
兄や父に
申し訳ない
本当にごめんなさい

もう40年以上前だけど
その当時の
同級生数名とは
ラインで今もつながっています

亡くなった
同級生もいる

たくさんの
孫もいたりする同級生もいるし
みんなそれぞれの人生
歩んでいるんだなと
思う

4/18/2023, 5:53:27 AM

桜散る。
私は今日も生きる。
桃色の明日を夢見て。

4/18/2023, 5:32:49 AM

桜が散り始めると
水面には、美しい花いかだ。

その、流れていく様を見て
来年も、見れますようにと
願いを込める。


【お題:桜散る】

4/18/2023, 5:13:21 AM

桜。

 菊と同じ日本の国花。桜と広く言う場合ソメイヨシノを指すことが多い。
 江戸の染井村、元東京都駒込に多くいた職人達に生み出された品種である。現在駒込は多くの武家屋敷が公園へと整備され、春に行われる桜まつりは結構盛大。

 桜散る。桜吹雪は美しいさま。江戸のお祭り好き共が酒が飲みてぇ一心で山ほど植えた。川沿いの堤防に桜が多いのはそういう奴らに土手を踏み固めてもらう為。
 桜散る。今年散った桜は夏に向かい沢山の葉をつけ、品種改良された小さな実をつける。

 受験云々に絡められるのは時期と散り様から。
 散った花びらは踏まれて来年咲く為の養分になるやつ。

4/18/2023, 5:04:40 AM

桜散る

可憐に咲いた桜だって
春が過ぎれば跡形もなく散っていく。
それでも、また春がやってくると
可憐に咲き始める。
終わるから始まる。
始まるから終わる。
終わらない自分はどうやって始まればいい?
始まらない自分はどうやって終わればいい?
窓の外から見える桜は
淡く、可憐に
力強く咲き誇っていた。

4/18/2023, 4:58:54 AM

#75 鈍感

雨に濡れて
踏まれた桜が
白く浮かぶ夜の道
君に告げられた「さよなら」で
やっと気づいた。

とっくに春は終わっていたと__

お題「桜散る」

4/18/2023, 3:49:56 AM

合格を「桜咲く」と言ったりするけれど、なら不合格は何と言うのだろう。「桜散る」? 咲いてもいないのに?
 黄色い声を上げて抱き合う集団や、その場に崩れ落ちる女子、両腕を天に伸ばし吠える男子。そんな集団を前に、どうでもいいことを考えた。自分の桜が咲かなかったことなど他人事のように。3月の風はまだ、冬みたいに冷たいのに、花びらだけは春みたいに舞っていた。
 
 4月、既に葉が混じった桜の下を、まだ身体に馴染まない制服を着て歩く。滑り止めといえど、入ってしまえば中学とは違う環境や今までより難しい勉強についていくのがやっとで、志望順位なんて忘れてしまいそうだった。
「その高校で1番になりなさい」
 受験でお世話になった塾の先生は言う。もっと偏差値の高い高校を狙っていたのだから、滑り止めの学校で1番になれるはずって。その理屈には納得しそうだったけど、たぶん周りも同じような考えで、私の成績は結局ず〜っと真ん中あたりをウロウロしていた。

 そこから10年。高校で出会った親友とは、今でも毎年旅行に行く仲だ。彼女のテスト勉強を3年間手伝わされた経験から、気づけば私は教職に進んでいた。たぶん、ここで彼女に出会わなければそうはなっていない。

 思えば桜が散ったところから、私の物語は始まった。あの頃の私みたいな、馴染んでいない制服を着たふわふわした顔の新入生が、今日からまたやって来る。
 今では違う花が大きく咲いている。

4/18/2023, 3:29:03 AM

桜吹雪の中

 全てが散る

 その中で

 君も消えていく

 それは夢現か

 全ては近く遠く

 儚く散っていく

 それは泡沫の物語

 でも

 確かに君は笑っていた

                  『桜散る』より

4/18/2023, 3:24:44 AM

【桜散る】
盛大に咲き誇っていた庭の桜が散り、一抹の寂しさを覚える今日この頃…などと感傷に浸る時間などまったくない。実際、庭では入れ替わるように栃の木の葉が生い繁り、白躑躅もひしめき合うように咲いている。

そして私は、部屋の片付けの真っ最中だ。

そもそも、桜が散りゆく少し前のこと。
長年勤めていた店が移転するのに伴い、
私の仕事も半ば強制的に終了してしまった。

これはこれで私の中の「桜散る」だったが、見方を変えれば「新たな花を咲かせるチャンス」でもあった。元々、複数の仕事を抱える多忙な日々だったので、自分自身の「働き方改革」を進めるためには絶好の機会だった。

とはいえ、今までとは違う生活のリズムに戸惑い、掛け持ちしていた仕事先でも×0年目にして新たな業務を覚えることとなり、思い描いていた改革とはまた違う方向へ歩むこととなった。

仕事で気を張ってる分、家事は「死なない程度」にこなすだけでほぼ手付かず同然だった。特に、夜寝るためだけに入る自室の現状は悲惨だった。精神的にも肉体的にも片付けや掃除を余裕は全くなく、その結果ありとあらゆるモノが増え続けることとなった。

そして、今。私は大変困っている。
探しても探して見つからない失せ物たちが
溢れかえるモノたちの中に潜んでいるのだ。
ゆえに本日、私は朝から自室にこもり、
部屋の清掃並びに失せ物を大捜索することとした。

片付け、というよりも埋められた…いや、勝手に埋没してしまった財宝を探す「宝探し」に近いのかもしれない。そう考えると、これから夕方まできるであろう捜索作業も何とか乗り切ることができるだろう。

「桜散る」ことで、新たに得られたこの機会を、
私は私なりに大切にしていこうと思っている。

とりあえず、最近失くしたスーパーのポイントカードと使い慣れたマイバッグを見つけることが今の私に与えられた最重要課題だ。

4/18/2023, 3:22:11 AM

「サクラサク、だって」
「知ってる。A判市内校だからな」
「こっちはサクラチル?」
「わざわざ受験生煽る文言書くかよ」
「機嫌悪いねぇ、お腹空いた?今日は唐揚げがいいな」
「第一志望に落ちたから落ち込んでんだよ、合格出てんだから今日は俺のお祝いに決まってんだろ、何リクエストしてんだ」
「そんなに怒んないでよ。いーじゃん、春からも一緒の学校だよ?」
「だから市内より偏差値低い県外を第一志望にしたんだけどな。これで向こう三年までお前に振り回される未来が確定したわけだ、くそ」
「振り回してませーん。好きなことしてるだけなのに止めたり突っ込んだり助けたりフォローしたり勝手にしてるのはそっちでーす」
「お前の好きなことはもう人外の域なんだよ」
「その人外を目の届かない所に放ったところで、心配で胃に穴があく未来しか見えなくない?」
「どの口が」
「あっ、あの子もあの子も合格だって!みんないっしょ!」
「………おい」
「うん?」
「大人しくしとけよ」
「……どうかな。楽しいことがなければ、オトナシクしてられるよ」
「くそつまらねぇ学校生活を祈るよ」
「そこは寺の子なんだし仏さまに一発祈っとこ。なーむー」
「おいやめろ」

 コイツの前では神も仏もいない。何度目かに思い知るのは、二週間後の入学式。
 満開の桜が一陣の風で全て散り去る怪事件。薄気味悪さと重苦しい空気が校内を駆け抜け全校生徒がザワつく中、無邪気に目を輝かせ「残念だったね」と俺に言ってのけたあの憎たらしい顔を、生涯忘れないだろう。

#桜散る

4/18/2023, 3:09:03 AM

#桜散る


上京して漫画家を目指し、頑張って来たけど気づけば夢見る年齢は過ぎたていた。
後悔のないような人生を送って来たつもりでいたが気付けば後悔しかない

スーツを着て並木道を歩く
桜散る歩道、昨日はずいぶん雨が降っていたな
俺は桜を踏まずに道を歩いた。

4/18/2023, 3:06:18 AM

題.桜散る


 桜の木の下。筆を構えて、持ってきた短冊をにらみつけてもそこに文字が現れる気配は一向に無い。
 この脳内の創作意欲が枯渇していた。表現のかけらさえ浮かびそうにはない、せっかくこんなところまで来たのに。

 喉の奥につまるものが苦しくなり、あきらめて、天を仰いだ。見えるはずの青空を桜が覆い尽くしている。
 よく見ると枝先のほうはもう、若い青色の葉になっていた。
 桜が散っている。舞っているようにも見えるし、踊っているようにも見える。

 今のわたしには、それだけしか浮かばない。
 どんな文章が生まれたとしても、既に先人の文豪たちに奪われていた気がする。ありったけの言葉を並べても足りない。
 苦しい。この身に、この心に、溢れる感情をはやく形にして、楽にしてあげないと。
 そう思うのに、筆が動かない。せっかく浸した墨も行き場をなくしている。



 後日。わたしは遠くに行った、二度とあの桜に邂逅を遂げられないところまで。
 お医者さまは原因不明でただの自尽だったと判断したが、わたしの恩師は「倦怠期」という病にかかっていたと話したそうな。

4/18/2023, 2:55:44 AM

桜は散り際が1番綺麗だ。
初めて会った時、君はそう言った。
今年も桜が散った。
毎年この時期になると君のことを思い出す。

どこで間違えたんだろう。

風に揺られた桜が舞う。
あんなに好きだった桜と君との思い出が、今は鬱陶しくてしかたない。
散った桜を今も追いかけてしまっている。



『桜散る』より

4/18/2023, 2:51:33 AM

#桜散る……

春の足音が
聞こえてきたかと思ったら…
嵐のように
走り去って行ってしまった
桜の花弁を雨で打ち
嵐で舞いあげながら
後に残るは
地を覆う無惨な薄紅の絨毯

次の春は
穏やかに
艶やかに
薄紅の花びらの舞う中を
ゆっくりと愛でながら…
あの約束を思いながら…

4/18/2023, 2:39:10 AM

今日、第一志望だった大学の合否通知書が届いた。結果は、不合格。
 居ても立っても居られなくなった私は自然とその足を近所の桜並木へと向けた。

 しかし、気分を晴らしたくて見上げた桜は既に散り始めていて、不安を増す以外に意味をなさなかった。
 
 同じ大学を受けたから一応、と報告を送った友人からは、文字通り「桜」が散ったか、という彼らしくもない、実にあいつらしい煽り文句が返ってきた。
 これが私を傷つけぬようにと考え抜かれた励ましの言葉だと理解するのに時間が掛かる仲ではないけれど、なんとなく癪に障ったので既読はつけなかった。
 
 自分の名前に桜がついているせいか、この時期は無性に悲しくなる。

 ましてや今は、桜が舞い落ちる様が晴れ晴れとした空から遠ざかっているような気がして。


「桜散る」

4/18/2023, 2:29:49 AM

桜が美しいのはなぜ?

光が射す淡いピンクだから
先達が美しさを表す時、桜を描いたから
はたまたあの言の如く数多の死体が埋まっているから…

否定はしない
けれど、散りゆくから美しいと言いたい
なにかが誕生する美しさではない
何かが終わりゆく美しさは人にいたみをくれる

あぁ、だからサクラは美しい


#桜散る

4/18/2023, 2:05:39 AM

桜散る 木々を愛でども 我が心 満たされぬまま 去り行く春よ

4/18/2023, 1:40:31 AM

昨日、浪人が決まった、今日は予備校を探しに行く。

 説明会に参加し話を聞いた。端的にここへ来れば来年度は大きく飛躍すると話していた。

 終わった後に俺の心の中で感じたのは、もっと勉強すれば良かったと悔やまれただけだった。来年は頑張りたいという思いもない。

 家に帰ると母がいつものように夕食を用意していた。焼き鮭と味噌汁といったいつもの食事だったが、母の眼差しからは普段以上に熱意を注いでくれているように感じられた。

「…できた…」

 母が俺に話したいことがあるのは明らかだったが、優しく俺を見ているだけだった。俺の中で込み上げてくるものがある。思いを押さえ込もうとするのを止めた。

「なぁ…」

俺は話すことを決意した。

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