『桜散る』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
桜が散り始めると
水面には、美しい花いかだ。
その、流れていく様を見て
来年も、見れますようにと
願いを込める。
【お題:桜散る】
桜。
菊と同じ日本の国花。桜と広く言う場合ソメイヨシノを指すことが多い。
江戸の染井村、元東京都駒込に多くいた職人達に生み出された品種である。現在駒込は多くの武家屋敷が公園へと整備され、春に行われる桜まつりは結構盛大。
桜散る。桜吹雪は美しいさま。江戸のお祭り好き共が酒が飲みてぇ一心で山ほど植えた。川沿いの堤防に桜が多いのはそういう奴らに土手を踏み固めてもらう為。
桜散る。今年散った桜は夏に向かい沢山の葉をつけ、品種改良された小さな実をつける。
受験云々に絡められるのは時期と散り様から。
散った花びらは踏まれて来年咲く為の養分になるやつ。
桜散る
可憐に咲いた桜だって
春が過ぎれば跡形もなく散っていく。
それでも、また春がやってくると
可憐に咲き始める。
終わるから始まる。
始まるから終わる。
終わらない自分はどうやって始まればいい?
始まらない自分はどうやって終わればいい?
窓の外から見える桜は
淡く、可憐に
力強く咲き誇っていた。
#75 鈍感
雨に濡れて
踏まれた桜が
白く浮かぶ夜の道
君に告げられた「さよなら」で
やっと気づいた。
とっくに春は終わっていたと__
お題「桜散る」
合格を「桜咲く」と言ったりするけれど、なら不合格は何と言うのだろう。「桜散る」? 咲いてもいないのに?
黄色い声を上げて抱き合う集団や、その場に崩れ落ちる女子、両腕を天に伸ばし吠える男子。そんな集団を前に、どうでもいいことを考えた。自分の桜が咲かなかったことなど他人事のように。3月の風はまだ、冬みたいに冷たいのに、花びらだけは春みたいに舞っていた。
4月、既に葉が混じった桜の下を、まだ身体に馴染まない制服を着て歩く。滑り止めといえど、入ってしまえば中学とは違う環境や今までより難しい勉強についていくのがやっとで、志望順位なんて忘れてしまいそうだった。
「その高校で1番になりなさい」
受験でお世話になった塾の先生は言う。もっと偏差値の高い高校を狙っていたのだから、滑り止めの学校で1番になれるはずって。その理屈には納得しそうだったけど、たぶん周りも同じような考えで、私の成績は結局ず〜っと真ん中あたりをウロウロしていた。
そこから10年。高校で出会った親友とは、今でも毎年旅行に行く仲だ。彼女のテスト勉強を3年間手伝わされた経験から、気づけば私は教職に進んでいた。たぶん、ここで彼女に出会わなければそうはなっていない。
思えば桜が散ったところから、私の物語は始まった。あの頃の私みたいな、馴染んでいない制服を着たふわふわした顔の新入生が、今日からまたやって来る。
今では違う花が大きく咲いている。
桜吹雪の中
全てが散る
その中で
君も消えていく
それは夢現か
全ては近く遠く
儚く散っていく
それは泡沫の物語
でも
確かに君は笑っていた
『桜散る』より
【桜散る】
盛大に咲き誇っていた庭の桜が散り、一抹の寂しさを覚える今日この頃…などと感傷に浸る時間などまったくない。実際、庭では入れ替わるように栃の木の葉が生い繁り、白躑躅もひしめき合うように咲いている。
そして私は、部屋の片付けの真っ最中だ。
そもそも、桜が散りゆく少し前のこと。
長年勤めていた店が移転するのに伴い、
私の仕事も半ば強制的に終了してしまった。
これはこれで私の中の「桜散る」だったが、見方を変えれば「新たな花を咲かせるチャンス」でもあった。元々、複数の仕事を抱える多忙な日々だったので、自分自身の「働き方改革」を進めるためには絶好の機会だった。
とはいえ、今までとは違う生活のリズムに戸惑い、掛け持ちしていた仕事先でも×0年目にして新たな業務を覚えることとなり、思い描いていた改革とはまた違う方向へ歩むこととなった。
仕事で気を張ってる分、家事は「死なない程度」にこなすだけでほぼ手付かず同然だった。特に、夜寝るためだけに入る自室の現状は悲惨だった。精神的にも肉体的にも片付けや掃除を余裕は全くなく、その結果ありとあらゆるモノが増え続けることとなった。
そして、今。私は大変困っている。
探しても探して見つからない失せ物たちが
溢れかえるモノたちの中に潜んでいるのだ。
ゆえに本日、私は朝から自室にこもり、
部屋の清掃並びに失せ物を大捜索することとした。
片付け、というよりも埋められた…いや、勝手に埋没してしまった財宝を探す「宝探し」に近いのかもしれない。そう考えると、これから夕方まできるであろう捜索作業も何とか乗り切ることができるだろう。
「桜散る」ことで、新たに得られたこの機会を、
私は私なりに大切にしていこうと思っている。
とりあえず、最近失くしたスーパーのポイントカードと使い慣れたマイバッグを見つけることが今の私に与えられた最重要課題だ。
「サクラサク、だって」
「知ってる。A判市内校だからな」
「こっちはサクラチル?」
「わざわざ受験生煽る文言書くかよ」
「機嫌悪いねぇ、お腹空いた?今日は唐揚げがいいな」
「第一志望に落ちたから落ち込んでんだよ、合格出てんだから今日は俺のお祝いに決まってんだろ、何リクエストしてんだ」
「そんなに怒んないでよ。いーじゃん、春からも一緒の学校だよ?」
「だから市内より偏差値低い県外を第一志望にしたんだけどな。これで向こう三年までお前に振り回される未来が確定したわけだ、くそ」
「振り回してませーん。好きなことしてるだけなのに止めたり突っ込んだり助けたりフォローしたり勝手にしてるのはそっちでーす」
「お前の好きなことはもう人外の域なんだよ」
「その人外を目の届かない所に放ったところで、心配で胃に穴があく未来しか見えなくない?」
「どの口が」
「あっ、あの子もあの子も合格だって!みんないっしょ!」
「………おい」
「うん?」
「大人しくしとけよ」
「……どうかな。楽しいことがなければ、オトナシクしてられるよ」
「くそつまらねぇ学校生活を祈るよ」
「そこは寺の子なんだし仏さまに一発祈っとこ。なーむー」
「おいやめろ」
コイツの前では神も仏もいない。何度目かに思い知るのは、二週間後の入学式。
満開の桜が一陣の風で全て散り去る怪事件。薄気味悪さと重苦しい空気が校内を駆け抜け全校生徒がザワつく中、無邪気に目を輝かせ「残念だったね」と俺に言ってのけたあの憎たらしい顔を、生涯忘れないだろう。
#桜散る
#桜散る
上京して漫画家を目指し、頑張って来たけど気づけば夢見る年齢は過ぎたていた。
後悔のないような人生を送って来たつもりでいたが気付けば後悔しかない
スーツを着て並木道を歩く
桜散る歩道、昨日はずいぶん雨が降っていたな
俺は桜を踏まずに道を歩いた。
題.桜散る
桜の木の下。筆を構えて、持ってきた短冊をにらみつけてもそこに文字が現れる気配は一向に無い。
この脳内の創作意欲が枯渇していた。表現のかけらさえ浮かびそうにはない、せっかくこんなところまで来たのに。
喉の奥につまるものが苦しくなり、あきらめて、天を仰いだ。見えるはずの青空を桜が覆い尽くしている。
よく見ると枝先のほうはもう、若い青色の葉になっていた。
桜が散っている。舞っているようにも見えるし、踊っているようにも見える。
今のわたしには、それだけしか浮かばない。
どんな文章が生まれたとしても、既に先人の文豪たちに奪われていた気がする。ありったけの言葉を並べても足りない。
苦しい。この身に、この心に、溢れる感情をはやく形にして、楽にしてあげないと。
そう思うのに、筆が動かない。せっかく浸した墨も行き場をなくしている。
後日。わたしは遠くに行った、二度とあの桜に邂逅を遂げられないところまで。
お医者さまは原因不明でただの自尽だったと判断したが、わたしの恩師は「倦怠期」という病にかかっていたと話したそうな。
桜は散り際が1番綺麗だ。
初めて会った時、君はそう言った。
今年も桜が散った。
毎年この時期になると君のことを思い出す。
どこで間違えたんだろう。
風に揺られた桜が舞う。
あんなに好きだった桜と君との思い出が、今は鬱陶しくてしかたない。
散った桜を今も追いかけてしまっている。
『桜散る』より
#桜散る……
春の足音が
聞こえてきたかと思ったら…
嵐のように
走り去って行ってしまった
桜の花弁を雨で打ち
嵐で舞いあげながら
後に残るは
地を覆う無惨な薄紅の絨毯
次の春は
穏やかに
艶やかに
薄紅の花びらの舞う中を
ゆっくりと愛でながら…
あの約束を思いながら…
今日、第一志望だった大学の合否通知書が届いた。結果は、不合格。
居ても立っても居られなくなった私は自然とその足を近所の桜並木へと向けた。
しかし、気分を晴らしたくて見上げた桜は既に散り始めていて、不安を増す以外に意味をなさなかった。
同じ大学を受けたから一応、と報告を送った友人からは、文字通り「桜」が散ったか、という彼らしくもない、実にあいつらしい煽り文句が返ってきた。
これが私を傷つけぬようにと考え抜かれた励ましの言葉だと理解するのに時間が掛かる仲ではないけれど、なんとなく癪に障ったので既読はつけなかった。
自分の名前に桜がついているせいか、この時期は無性に悲しくなる。
ましてや今は、桜が舞い落ちる様が晴れ晴れとした空から遠ざかっているような気がして。
「桜散る」
桜が美しいのはなぜ?
光が射す淡いピンクだから
先達が美しさを表す時、桜を描いたから
はたまたあの言の如く数多の死体が埋まっているから…
否定はしない
けれど、散りゆくから美しいと言いたい
なにかが誕生する美しさではない
何かが終わりゆく美しさは人にいたみをくれる
あぁ、だからサクラは美しい
#桜散る
桜散る 木々を愛でども 我が心 満たされぬまま 去り行く春よ
昨日、浪人が決まった、今日は予備校を探しに行く。
説明会に参加し話を聞いた。端的にここへ来れば来年度は大きく飛躍すると話していた。
終わった後に俺の心の中で感じたのは、もっと勉強すれば良かったと悔やまれただけだった。来年は頑張りたいという思いもない。
家に帰ると母がいつものように夕食を用意していた。焼き鮭と味噌汁といったいつもの食事だったが、母の眼差しからは普段以上に熱意を注いでくれているように感じられた。
「…できた…」
母が俺に話したいことがあるのは明らかだったが、優しく俺を見ているだけだった。俺の中で込み上げてくるものがある。思いを押さえ込もうとするのを止めた。
「なぁ…」
俺は話すことを決意した。
桜散る
日本の季節は移り変わりが目に見える。
時間の経過を知ることで
忘れられない事が想い出にかわる
散る桜を見て
その想い出の時に聴いた曲と同じように
思い出す事がある。
悪い事を思い出すのではなく、
幸せを感じた時を思い出すように努めたい。
- 桜散る -
昔から
あまり良い意味で無いときに使う慣用句。
失恋、不合格、
達成叶わなかったときの
寂しいく哀しげな表現。
でも、
実は綺麗なんだよね。
桜がハラハラと散り落ちる様子は
何とも表現し難い、
儚くて、キラキラ・ふわふわと、
そのときでしか見られない
クライマックスのシーンのようで。
桜の花は散っても、
そこから力強い新緑が芽吹く。
人生の経験則と
ちょっと似ている。
散ってもまた、芽吹くんだよ。
そしてその葉もまた落ち、土となり…
だから、
美しい花がまた咲くんだよね。
私はあの頃に戻りたいと思っているが、
きっと私が求めているのはあなた自身ではなく、
あなたがくれたやさしさで、
きっと相手は誰だっていいのだ。
そんな恋とも未練とも呼べない感情を
私はなんと呼べば良いか分からず
1歩踏み出せる訳も、なく
『桜散る』
風が強い
庭の桜が散ってしまう
今日はあの人が帰ってくるというのに
天気は空気も読めないんだなぁ