『柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
心に 雨が降る
いつも 心は晴れない
でも 時々
わたしには 柔らかい雨になる
あなたのことを 考えると
わたしの心は 温かくなるの
柔らかい水滴が頬を伝う
雨なのか涙なのか分からない
とても冷たくて寒かった
雨でよかった
君にこんな顔は見せられない
慰めや傘なんていらないから
今は1人にさせてくれ
優しい目でこっちを見ないでくれ
今頬を伝っているのが涙だとばれてしまう
雨よどうか涙を隠しておくれ
【柔らかい雨】
ぽたんぽたんと降り出した
大切な日の空模様
誰かの息吹でそこに種が植って
地面に染み込んで色を変え
時が経てきっと大きな大きな花を咲かせて
ここら一体がお花畑になるのでしょう
きみがくれたあの音色で育った花は
また誰かのために歌うのです
2024-11-06
雨といえば、弓道部の最後の大会を思い出す。
ひどい記憶。
あの日はひどく土砂降りで、傘を差しても道着が濡れた。
私は補欠だった。
大会には、出られなかった。
何かに、怒っていた。
どうして怒っていたのかは、もう思い出せない。
それでもただ、憎かった。
あの日降っていたのが、柔らかい雨だったなら
顔が濡れることもいとわずに、受け入れて、みんなを応援できるような
そんな雨だったならば
こんな記憶にはならなかったのに。
私が怒っていたのは、過去の自責でも、恨みでもない。
団体戦は、5人でひとつ。流れも、中りも、ひとつになってチームとして成功する。それがわかっていたから、他のなにより、弓道そのものに拒絶されたことが悲しかった。
弓道は私を待ってくれなかった。私も弓道が嫌いになった。
そこに立つべきは私ではないと知りながら、これまでの時間がそこに立ちたいと思わせるから、私は怒るしか仕様がなかった。
仲間と呼ぶべきだった人達を、私はどんな目で見ていたのだろう。
いつか、あの日の私が救われますように。
アラフォーとなった今、「柔らかい雨」というものが若干都合悪く感じるようになってきた。
強い雨降りの日には何故か感じない、体にこれでもかとまとわりつく湿度の暴力…
雨上がりにも心地よくグッと下がってくれない気温…
気圧が右往左往すると、一緒に右往左往するメンタリティと頭痛の波…
ああ、しとしと降る雨音を聴きながら沸き上がるアンニュイを楽しむ、乙女の時代は終わってしまったのか。
あの頃の心、そして体(調)に戻りたや……。
夜空を走る一筋の光。
それを皮切りに、次々と光が走る
流星群である
人々は、暗闇のカーテンで行われる光のショーに目が釘付けだ。
だが人間は気づかない。
流れ星の一つが、不自然な軌道を描いている事を。
それは地球外生命体――宇宙人の来訪を意味していた。
人知れず地球にやってきた宇宙船は、誰もいない山に降り立つ
宇宙船の扉は音もなく開き、その中から宇宙人――タコのような形をした二人の火星人が出てくた
「うまくいったな」
「はい、銀河連邦に動きはないようです」
銀河連邦……
この宇宙の平和を守る治安組織である。
地球人は知る由もないが、地球は『未開の星』として、許可のない渡航を禁止されている。
しかし、この火星人たちは許可を得て地球に来たわけではない。
流星群に紛れて、銀河連邦の目を欺きこの地球にやって来た
火星人たちは密航者なのだ。
彼らはなぜ許可を取らないのか……
それは彼らには、口に出すのもおぞましい目的があったからだ。
絶対に許可が下りないことを分かっての、密航なのである。
「タイムリミットは、流星群が離れる8時間後です。
手早く済ませましょう」
「そう急かすな。
『アレ』は逃げたりはしない」
上官と思わしき火星人が、獰猛な笑みを浮かべる。
その飢えた目は、人間が見たならば腰を抜かして失神するだろう。
彼の顔は、自身の悪意をそのまま表したようだった。
しかし、このまま目的地に向かえば、騒ぎになることは明白。
その騒ぎは察知され、すぐさま銀河連邦がやって来るだろう。
そうなれば目的どころではない。
彼は地球人に擬態するため、プログラムを作動させる。
「翻訳システム起動、擬態システム起動。
動作チェック、オールグリーン
……これで、どこからどう見ても地球人にしか見えません」
「よろしい、では行こうか」
そして彼らは目的にに向かって歩き出す。
「ですが少し遠いですね。
現地の交通機関を使いましょう」
「そうだな」
地図を確認し最寄駅へ向かう。
そこから新幹線に乗り、乗り継ぎで電車を乗る……
そうして辿り着いた場所は――
「ついに来たぞ、道頓堀。
食の聖地!」
上官の火星人が感極まって、喜びの声を上げる。
周囲の地球人に不審な目を向けられるが、二人は気づかない。
ついに念願の物が手に入る高揚感でいっぱいだからだ。
そして火星人は冷静さを装いつつ、目的地で合言葉を発する。
「大将、二人分くれ」
「あいよ」
そうして火星人たちは、作り立てのたこ焼きを受け取った。
そして鰹節が踊るたこ焼きに少し息を吹きかけ、火傷しないよう口に放り込み――
「うまい!
やっぱり同族の共食いは最高だ!」
#柔らかい雨
あなたは雨男
デートの約束をしても
次の日には雨が降る
私の前髪が決まらないのは
あなたのせいかしら…?
また会う日も、きっと雨
_今日は何をやってもダメ
わけもなく溢れる感情
いくらでも求める愛情
特別なものなんて何もいらない
ただ、あなたの声が聴きたい
あなたは雨男
涙の跡を消すように
それはまるでささやかな慈雨
どこか太陽に似た温もり
過去や未来なんて今は忘れて
この身を委ねてもいいのかな
柔らかい雨。
柔らかい雨は
2人で
相合傘をさそう。
柔らかい雨に
打たれて
「寒いね」と
言いながら。
夏より冬が
好きなのは
寒い時に
手を繋げるから。
君の
冷たいおててを
暖める為に。
柔らかい雨が瞼に落ちた
頬を伝って首をなぞる
触れる感覚は柔らかいのに、温度は酷く冷たくて、皮膚をツンと刺す。
やがてその雨粒は垂れていき、学ランに滲んだ
ハラハラと静かに音を立ててそれはやってきた。
数粒が重なりやがて一つの大きな音となり、俺の日常の背景となる。
そんなことを思っていると隣から、静かで柔らかい声が聞こえてきた。まるでこの雨みたいだな。
「ねぇねぇみっくん、あの蜘蛛の巣、雨粒がついて綺麗だよ。」
こう言って俺の目を見て、花がほころんだように微笑む彼女の名前は、内田 華(うちだ はな)だ。そして、俺の好きな人だ。現在付き合っている。
素敵な笑顔をする人だ。
「ホントだ。今日は米粒にも満たないような小さな雨粒だから、蜘蛛の巣についている雨粒も繊細な感じがするね。」
「…ふふっ」
「なに。」
「どこでそんな色んな言葉覚えてきたの?いつも単純明快な単語しか使わないみっくんが笑」
「…俺は元々こうだよ」
「うっそだぁ!」
「嘘じゃない。」
「まぁそういうことにしておいてあげるよ〜笑いつのまにか自分のこと{俺}って言うようになっちゃって!そうだよねーずっと{僕}じゃ恥ずかしいもんね〜!」
突然だが俺の名前は東野 海斗(とうの かいと)だ。
お分かりいただけるだろうか?彼女が呼んでいる「みっくん」という呼び名にはかすりもしない名前だ。
だが俺はみっくんということになっている。
みっくんというのはそもそも誰なのか、という話になるよな。
それは、内田さんの彼氏だ。
ん?俺が彼氏なんじゃないのかって?そうだよ。俺も内田さんの彼氏だ。だけどみっくんも内田さんの彼氏だ。
厳密にいうと、俺が内田さんの彼氏なわけではない。
みっくんとしての俺が、彼氏なのだ。
それは今日みたいな雨の日。
下校中の道路の片隅で、うずくまって雨に濡れている内田さんがいた。
傘をそっと差し出して、
「こんなところで何してるの?」
と声をかけた。
顔をゆらりと上げた内田さんは、鼻を赤くして目からはしきりに大粒の雨…涙が溢れ出ていた。
そんな彼女を前に、俺も自然と気持ちが沈む。
ついその涙を指で拭ってしまった。
内田さんの顔に触れてしまった…!
なんて思っていると、
内田さんは、
「そばにいて…」
と細々しく呟いた。
不本意ながらも隣に一緒に座り込み、彼女へ傘を貸し出しながら、そばにいた。
冷たい雨水がズボンに触れ、滲み広がった。
学校はこの話題でもちきりだったから、情報に疎い俺も知っている。
内田さんの彼氏の早見 道翔(はやみ みちと)が、内田さんとの下校中に突っ込んできた自動車から内田さんを庇って亡くなった。
この次の日。内田さんは事があった翌日から、相変わらず普通に登校している。
俺は内田さんを何かと気にかけ、できる限りの事をして寄り添った。
「東野くんは優しいね。」
内田さんからそんなことを言われ、少し照れくさくなる。でも、彼氏の死を悲しんでいる内田さんを前に、迂闊に喜べる気にはならない。
喜んではいけないだろう。
内田さんはやがて、悲しみ、悔しさ、罪悪感、喪失感、俺には到底分かりきれない色んな感情から、俺のことをみっくんだと思い込むようになった。
何度も何度も「俺はみっくんじゃない」と伝えた。
「俺はみっくんじゃない」同じようにまたそう伝えたある時、彼女が、心が張り裂けそうで穏やかな笑顔を浮かび上げた。
それは今にも消えてしまいそうで、彼女の腕を咄嗟に掴んだ。呼び止めようと思った。何から止めるんだ?そんなの分からない。分からないけど、今この手を放してしまえば、確実に消える。そう直感的に思ったんだ。
でも声が出なかった。少しでも音を出したら崩れ散ってしまうような脆さを感じた。
恐怖と緊迫感であふれ、自分が冷や汗でずぶ濡れになっているのに気付いたのは、
「もう、行こっか。」
と彼女がいつもの花がほころんだような、優しくて親しみのある、愛らしい笑顔で俺に話しかけた時だった。
俺はみっくんじゃないと伝えたのはこれが最後だ。
俺はみっくんだと肯定もしないが、否定することをやめた。
「みっくん」でいることにした。
「くん…みっくん!」
「えっ?」
「何ぼーっとしてんのー!バス来たよ。」
「ああ…」
「?」
内田さんが不思議そうな表情をして俺の顔をじっと見つめる。
その目はどこかあどけなさを感じる。
俺はあくまで内田さんの好きな人の代わりで、その目は俺自身を見ているわけじゃない。
俺を通して「みっくん」を見つめている。
俺は今内田さんの彼氏だけど、俺自身と内田さんでは、いつまでも恋人とは近いようで一番遠い場所にいる。
あぁ、なんでこんなことに。
なんて悲しき、運命なのだろうか。
柔らかい雨
あめにもまけずかぜにもまけず。
あの詩を全部読んでいる人はどれほどいるだろう。
まだであるなら是非ご一読を。
最後の一文が、僕に一つ勇気をくれる。
あめにもかぜにも負けそうな僕だけれど、
どんな僕になりたいか、そうなりたいと願い努力する事、それは誰にも否定できない僕の財産だ。
やさしいひとになりたい。
つよく、やさしいひとでありたい。
ただ、流されるままにいきているのであれば、それは、それでいい。
柔らかい雨
音もなく
空気を縫う
誰だか知らない人の
居場所を探している
気持ちになる
霧雨を纏う
家路に向う道すがら
「柔らかい雨」
柔らかい雨ってなんだろう?
小雨かな?
それとも暖かい季節の雨かな?
嬉しい時の雨かな?
柔らかい雨ってなんだろう?
柔らかい雨とは小雨、霧雨のような当たっても痛くなく、弱い雨のことだと考える。さらに気分が暗くならないような雨。例えば、お天気雨のように空が晴れていて明るい様子の雨だ。雨だと気分が下がる人が多いだろう。しかしこのような様子の雨だと気分が暗くなる人は少ないと考える。
今日は大雨がざんざか降っていた。こんな土砂降りも悪くないが、春先の暖かくやわらかな雨が好きだ。誰も傷つけなさそうな、濡れても不快にはならない。春特有ののほほんとした空気がそうさせるのか、真相は不明だ。幼い頃、友達と喧嘩をして帰り道も離れて歩いていた。その時、突然の降雨によって私たちは同じ場所に雨宿り。それがきっかけで仲直りができた。あれもやわらかな雨だったかもしれない。
雨音が心に染み入る時がある。
たとえば、誰かとお別れした後。
一緒に楽しく遊んで、お別れの時が来て、駅前で手を振って、離れてゆく電車を見送って。
そんなサヨナラの後の帰り道、柔らかい雨が降り注げば、きっとそれは心に染み渡る。
私にも、そんな経験がある。
雨は時に優しくて、時に冷たくて、時に痛い。
照りつける日差しより優しい雨。
肌を濡らし、心に染み入ってくる。
何故だろう、哀しい場面のはずなのに、世界に祝福されてる気がするのは。
きっと、自然の営みに、ほんの少しでも触れ合い混じり合うことが出来るから、なのかもしれない。
冷たく激しい雨に打たれても、きっといつかは乾くから、人生はいつだってやり直せるんだな。
すべてを洗い流して、新しい自分になって。
…まあ、そんなカッコ良くはいかないけど、柔らかい雨の音は、間違いなくリラックスを感じさせてくれるし、その香りには郷愁を覚える。
私の人生にとって、必要不可欠なものなんだ。
だから、天気予報に振り回されたりしない。
サイコロの目を見るように、何が出るかなのワクワク感で、朝を迎える。
はい、どうもこんにちは。
今、緊急で動画回してるんですけど、
柔らかい雨が降ってきました。
このあとは南風がふくのか、
雨は夜更け過ぎに雪へと変わるのかは、
全く予想できません。
取り急ぎみなさん、雨に歌いましょう。
〈柔らかい雨〉
激しい雨は柔らかい雨になる。
柔らかい雨。ずっと此処に居たいと思う。私のこの乾いた心を潤わせて、包んでくれる気がする。色々な植物が育って、穏やかにしてくれるこの雨にこの場所。忘れたくない、離れたくない。でも、いつかはこの場所、この恵みから離れないといけない時が来る。 嫌だなぁ。私はこの心地よさに頼ってしまっている。
柔らかい雨は激しい雨になる。
同じなんだって そんな風には 簡単に思えないけど
ずっと遠く離れた 青い芝生も 雨に濡れている
『柔らかい雨』
雨は嫌いだ。空がどんよりしているし、湿ってるし、寒いし。そんな今日は、嫌いな雨の日である。
「……あーあ。うっかり忘れてた」
暗めのリビングにて、電気代の支払いの書類を見て嘆く。この前、コンビニで必ずしなきゃと思ってて、やったのは新商品のカップラーメンを買っただけ。つまり、私は鳥頭。
「……行くかぁ」
雨の日に出かけたくないが、支払いは待ってくれない。軽く支度をし、ビニール傘をさして、徒歩で近くのコンビニへと出かけた。雨は小降りだが、嫌なのは変わりない。
「はぁ。憂鬱……」
落ちた気分で、約十分後。雨でも明るいコンビニに到着し、自動ドアをするりと通った。茶髪の女性店員の元気な「いらっしゃいませ〜」の声で、少しだけ心の曇りが晴れた。
「すみません。支払いをお願いします」
傘を持ったまま、店員さんに支払いの用紙を渡す。私の対応をしてくれているのは、さっき元気な声を出した茶髪の女性店員だ。
「支払いですね。少々お待ちください!」
女性店員はせっせとレジの操作をして、すぐに支払い代金を表示させた。財布の中の小銭が多いので、ちょうどよくする為に小銭を探していく。
「……小雨の日の空を眺めた事ってありますか?」
小銭探しの途中、女性店員が私に声をかけてきた。女性店員は、話を続ける。
「私、雨の日って髪がぐしゃぐしゃになるから苦手なんです。でも、小雨の日の空だけは違くて。雨の日の空って厚い雲なんですけど、小雨の日の雲は少し薄めなんです。あと、薄い雲には、隙間があって……あっ、ごめんなさい。喋り過ぎました」
どうやら、近くにいたベテランそうな男性店員が、彼女を睨んでいたらしい。彼女は私がトレーに乗せておいたお金をすぐに受け取り、レシートを渡してくれた。
「ありがとうございました〜」
彼女に一瞥して、コンビニを出る。入り口の前で傘をさし、一歩前へ。その時に、目線が上にいった。雲は灰色なのだが、どこか青色が混ざっているように見える。
「あっ、あれかな……」
たまたまあった、雲の隙間。覗いてみれば、雲の上にある青空が顔を見せていた。まるで、わずかな希望のようだ。
――言いたかった事、分かったかも。
雨の日を好きになるのは、まだ時間がかかりそう。でも、小雨だけは許せるかな、なんて。
「……ちょっとだけ、ゆっくり帰ろうかな」
歩幅を狭くして、道を歩く。嫌な心をほぐす、柔らかい雨の日の話。