『柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
彼女が行けばいつもぱらりと雨が降る。
入る時と帰る時。
いつもは一人で自然を感じたい時に来るだけだけど。
今日は報告があるの。
「私、結婚しますっ。」
いつもの神社で、いつものように言うだけ言って礼をして帰る。
その日の雨は忘れられない程
柔らかい雨だった。
#柔らかい雨
電車 馬が尾をふっている。傘 どこを他人のように拭き取る。あ、雨 ひそかに思いこんでいるのが何人もいる。
あなたは私を柔らかい雨で包んでくれた。
優しい、とても優しい雨に打たれるように、
私を苦しみから、救い出してくれた。
ありがとう…
柔らかい雨
シトシト
雨が降る
乾いている地面を湿らせていく
砂は濃い茶色へと変化していく
私は泣いた、
静かに静かに
あなたのせいで人生が変わった
ほんとうにどうしてくれるのよ
〜柔らかい雨〜
2月。
ご飯が食べられなくなっていて
寝てばかりいた飼い猫が逝った。
苦しさから解放されて良かったと思った。
5月。
突然、一人では動けない体になり
最終的に機械に生かされているだけ
の状態になっていた父が逝った。
それこそ何重苦かも分からない状態から解放されて
良かったねって思った。
猫は荼毘に付し納骨堂に入れ、
父の葬儀も兄と二人でなんとかやりきった。
そんな中。
妻が自分の携帯に届いた長女からのメールを見せてくれた。
『パパがしんぱい。』
柔らかい雨は唐突に僕の上に降り注いだ。
慌てて後ろを向きしばらく前を向けなかった。
強がっていたわけじゃない。
自分でもそう思っていた。
でも、不意に自分に向けられた言葉に、
心が大きく動揺してしまったのは事実で、
不覚にも後ろを向いてやり過ごすことしか出来なかった。
優しく甘やかで柔らかい雨に心が溶かされた。
そんな感じだった。
『連絡してあげてね。』
妻から促されて娘へメールを送る。
「俺は大丈夫。」ただそれだけが伝えたかった。
柔らかい雨
気づけば肩がじんわり濡れているほどの柔らかな雨は、ここ最近すっかりご無沙汰だ。
昨日の雨はかなり勢いがあった。
傘に当たるたびにボツ、ボツと大きな音が鳴る。
そう考えると柔らかい雨は罪悪である。
気づかぬうちに濡れてしまう。
私は濡れるのは嫌いではないが、あくまで雨が降っていると認識した上で自分から濡れるのがいいのであって、気づかぬうちに濡れているのは不愉快だ。
自由意思に柔らかな雨が水を差す日がくるまでには、もう少し時間が掛かりそうだ。
雨が傘へ当たる音
優しいな 涙溢れてる私の姿
傘が隠して
空からまるで 私にあなたが
抱きしめている雨ですか
あなたがいなくなった世界で
小さく生きてる私は
些細な物事に戸惑ってます
もう、あなたに悩みは言えない
甘えていい場所ひとつを失った
迷い迷い 迷路
アスファルト路から
草が多年草などが咲いていて
雨に濡れていても綺麗に移った
そうだきっとあなたがくれた
愛を私が育むと戸惑いは消える
あなたの愛を私記憶なか手繰る
それでシンプルに迷いは消え
また歩んでく あなたは
いない世界でもあなたがいたから
私も愛を覚えてきた
雨まだ 傘に当たる 傘を
少したたみたい 濡れたい
あなたが抱きしめてくれた
記憶を私なか思いだしたいから
この季節、柔らかい雨なんてある!?(?)
【柔らかい雨】37
音もなく降る細い雨は
まるで
あなたのようです
緩やかに
わたしの心を潤し
満たし
穏やかで
優しい気持ちにさせてくれる…
きっと今日は
柔らかい雨になって
逢いにきてくれたのですね
# 柔らかい雨 (324)
柔らかい雨。
柔らかい雨って、一体どんな雨のことなのだろう。
君に柔らかい雨って、どんな雨だと思う?と聞いたら、君はなんて答えるのだろう。
✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵✵「涼(りょう)君」
「うん?どうした〜?」
私は同棲をしている恋人の涼君とソファに並んで座り、映画を見ているときに聞いてみた。
「柔らかい雨って、どんな雨の事だと思う?」
「柔らかい雨?」
「うん」
涼君は、校閲の仕事をしている。涼君の部屋には色々な種類の辞書がいっぱい置いてある。言葉のプロに、存在しない言葉を聞いてみたかったのだ。
「柔らかい雨っていう言葉自体はないよね?」
「うん」
「……でも、柔らかい雨っていうくらいなんだから、きっと、雨自体は冷たいけれど何処か温かくて、静かに降ってるんだろうね。ま、あくまで想像だから、人並みくらいしか出来ないけれど」
私は、あまり想像力豊かな方ではないと思う。だから、恋人が校閲という仕事をしているのに私は読みながら想像する事に疲れてしまい、小説を読むことはないに等しい。
けれど、涼君の言葉からは端々に温かさが滲み出ていて、涼君の作る物語は、どんな物語なのだろうと思う。
「けど、以外にバイオレンスな物語だったりして……」
「えっ?何?」
「!ううん。何でもない!ありがとう!!」
私はそういうと、珈琲おかわり、といってソファーから立ち上がり台所へ行く。
何だか腑に落ちない、という顔をソファーから覗かせている涼君は、何だか可愛かった。
空を見ていると、1粒の雨が降ってきて、だんだん雨が強くなってきて、でも、私にとっては、違うふうに、思えた、それは、何故かとゆうと、目を閉じて、耳をすめせば、ほらね。
音楽のように聞こえるでしょ。
私は、それを聞いた時に、心が気持ちよかった。
雨はさわさわと、あるかなきかの音を立て、あなたの頬を静かに濡らした。
綻び始めた桃の蕾、駐車場の車の列、斎場の灰色の建物、そして傘も持たず佇むあなたを、霧に似た雨が包みこむ。
真っ白な喪服を纏い、あなたはひとり空を見上げている。旧式の煙突は今では使われなくなって、そこから煙が排出されることはない。今頃は白々と焼けた私の骨を、年老いた両親や親戚たちが骨壺に納めていることだろう。ただ血が繋がっているというだけの他人たち。まだ何も分からない幼い姪が、形ばかり私の骨を箸で掴むことを思えば、そればかりがくすぐったい。
あなたは、長年私と共に暮らし連れ添ってきたあなたは、その場に居合わせることを許されなかった。通夜にも葬式にも出席を許されず、黒い喪服の群れに追い出されたあなたは、ただひとり雨の中に佇んでいる。この国では同性間の結婚が許されず、ささやかに、けれど確かに営んできた私たちの日々に、何の法的な保証もなされない。
桃の蕾に溜まった雨が雫を結び、あなたの肩に落ちる。雨ばかりがやわらかに、あなたと私の怒りに降り注ぐ。
柔らかい雨
しとしと降り注ぐ
紫陽花から雫垂れ、
カエルやカタツムリは嬉しそう
「絶対雨女やろ」って君がいつも言うから
「違う!絶対雨男なんやろ」って返して
目を合わせて笑う時間が好きだった。
私も君も頭が痛くなるから雨が嫌いだったのに、一緒に遊ぶ時は半分ぐらい雨だった。
初デートだったイルミネーションも雨だったね。最悪だって思ってたけど、傘をさした君が「おいで。」って相合傘にしてくれた。
あのときの雨すごい大雨だったけど、私には幸せな記憶として残ったよ。すごく寒くて、風が吹いてて、強い雨に打たれたはずなのに、心が暖かかったせいで暖かくて柔らかい思い出になったよ。
もう期待なんてしないからさ、
私のこと忘れていいからさ、
次の女の子はちゃんと幸せにしなよ。
私も頑張るからさ。
柔らかい雨がさあ、と降る。その音に耳を澄ませている時だけは、心が清らかでいられる気がする。嫌なことを忘れて、雨音に身を委ねると、やがて暖かな微睡みがやって来る。
その微睡みに負けて昼寝をするか、打ち勝っておやつにするか。悩むところである。
今日のお題は柔らかい雨、
今書いてるこの時間、
ちょうど私の地域では土砂降りの雨が降っている。
とても柔らかいとは言えない。
私は今日、とても辛いことがあった、
辛くてしんどい心境を
天気がそのまま表しているようだ。
深夜2時、夜の深い時間、
私も布団にくるまりながら寝る時間。
明日の朝はどんな天気だろうか、
まだこの雨は止まずに振り続けるかもしれない、
もしかしたら、雷すらも降るかもしれない、
天気予報を見ればそんなことすぐに分かる。
けど今日はあえてそれをしないでおこう、
明日の天気は
綺麗な虹の架かる、柔らかな雨だと信じて。
頰を被う産毛が生えていて、柔らかい雨はその一本一本さえ小さな水滴でコーティングしていく。柔らかい雨が優しく覆った産毛の生えた顔はしかし、大きな水滴一つ落ちただけで呆気なく、産毛の奥の肌を濡らすのだ。
あの日柔らかい雨が降っていた
私にとってあの日の雨は空に帰ったお父さんが泣いているだろうなと思いながら自分の小さい体いっぱいに、1歩1歩駅へと歩く…。
『ねぇ…お父さん、どうしていないの?』
『何で?、どうした?ってお父さんの優しい声が聞けないの?』『何で傷づいてたりして泣いてるのに私の名前を呼んでくれないの?』
『お父さんごめん私好きな人と結婚出来なくて』
『お父さんの夢は私が好きな人と結婚して家庭をもつ事だった。でもそれは私も同じで自分が好きな人と結婚してお母さんになる事だったな…。』『お父さん本当に私男嫌いで』と思いながら電車に乗って乗り換えて…。
地元に帰って来てかも涙を堪える私。
その代わり空から柔らかく悲しく切ない雨が降る
そういえば、私が好きな人と上手くいかなった時周りが否定した時空からいつも雨降ってる
お父さん、空からいつも私の代わり泣いてくれてありがとう…。
でもまた家族の言いなり周りの言いなりで別れたり、新しい人と恋愛をしたくない。
これ以上自分が汚れてしまうのが嫌だから…。
やっぱり私の好きな人はね…。
言葉にできないくらい〖好き…。〗なんだ。
「雨」
私が笑えば清々しい雨が降る
私が怒れば荒々しい雨が降る
私が泣けば暗然たる雨が降る
私が泣いた時はきまって柔らかい雨で包み込んでくれる
そんな雨が私はだいすきだ
「これじゃ帰れないね」と君は言った。
止まない雨、暮れゆく空。
「どうする?」と僕。
柔らかな檻のような雨に閉じ込められた僕らは、まるで世界で二人ぼっちになってしまったようで。
「どうしよっか」
「どうしたものかね」
同時に呟いて、笑い合って。
嗚呼、
「二人でこのまま雨に溶けて消えてしまえばいいのに」
どちらともなく呟いた言葉は、お互いの唇の中に溶けて、消えた。