『枯葉』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
枯葉が風に吹かれてどこか遠くへ飛んでくのを横目に
失恋ソングなんか聴きながら
私は今日もあなたのもとへ足取りを早める
私が突然どこか遠くへ行ったら
あなたは悲しんでくれるのかな
なんて
枯葉を踏みながら帰るのが好きだった。
カラカラに乾いた葉を踏んだ時にしか、
あの良い音はしない。
カシャッ
品定めしつつ、
枯葉から枯葉へ飛ぶ。
カシャッ
でも、公園の隅の、
枯葉の山に飛び乗ったりはしない。
あくまで成り行き。
私は平静。
カシャッ
枯葉ゾーンが終われば
普通に歩く。
もうすぐ家だ。
補足:枯葉の山で焼いた焼き芋を食べてみたいです。
枯葉
「枯葉も山の賑わいって言うけど、あれ本当かなぁ」
足元の枯葉をざっざっと蹴りながら俺は呟く。
「賑わいっていうか薬の方が合ってると僕は思うよ」
「どーいうこと?」
賢い君の言うことが分からず聞き返す。
「枯葉は落ちたあとは肥料になるんだ。腐葉土ってあるでしょ?あれって枯葉を使ってるんだよ。肥料ってことは薬みたいだよねって思って」
「なるほどね…」
君は俺と違う視点で世界を見れるんだな。そう思ったら少し哀しくなる。
「…どうかした?」
そんな思いが漏れてしまったのか、君が顔を覗き込む。哀しいなんて悟られないように、慌てて誤魔化す。
「んー?なんもねーよ?」
多分、賢い君は俺なんか置いて広い世界に行っちまう。そんな確信がどこかにあった。その時が来るまでは、君の近くにいたい。そんなことをどこにいるかも知れない神様に願った。
最近は枯葉を見ることが少なくなってきた。
もうすぐで冬も終わってしまうのが少し寂しく思う。
でも春はかわいい後輩が来るからそれに向けて、
乗り越えて行こうかな
【206,お題:枯葉】
枯葉を集めて火をつけた
パチパチと鳴る火の粉に新聞紙とアルミホイルで巻いた"それ"を放り込む
枯葉追加したり小枝を入れたりして火の勢いを見ながら
"それ"を転がして全体をよく火にあてた
十分焼いたら"それ"を取り出し邪魔な新聞紙とアルミホイルを取り除き
何度か息をふいてから頬張った
「あーやっぱり焼き芋は最高!」
カラカラと
音を立てて、
風に転がされる枯葉。
踏むと
パリッと
音を立てて壊れる枯葉。
そんな音を聴きながら、
もうすぐやってくる
冷たい風を
肌で感じる。
あの哀愁漂う
季節が好き。
因みに、
枯葉を集めて
焼き芋を焼くのを
経験したことある人は、
田舎暮らしには
そこそこいるんじゃないかって
思ってる。
「枯葉っていいよね」
「え?なんで?」
「君に告白したのは枯葉がいっぱいある時期だったからね。」
枯葉
それは、儚い
もう今年の枯葉は散ってる
...そろそろ僕達も行こうか
木の枝も、もう折れるだろう
重さに耐えられなくなる
そのクッションになるのが
俺らの仕事だからな
彼のもとを離れて約半年。
花の配達を終え、公園の路肩に軽トラを停めた。11月に入ってから一気に冷え込むようになった。エンジンをかけたまま軽く暖房をつけ、煙草を取り出す。窓の隙間から外に向かってフゥっと煙を吐き出すと、一瞬で寒空に消えた。
ふと見上げると、ほとんど裸になった木に枯葉が一葉、揺れている。ほんの少しでも風が吹けば飛んでしまうそうなほど頼りない。
自分の気持ちも、あの枯葉のようにみっともなくしがみついている。
早く落ちてしまえばいいのに。
そしてそのまま、土に還ってしまえばいいのに。
頭ではわかっていても、心はまだ追いついていない。
思わず舌打ちをした後、まだ残る煙草の火を無理やり消した。
この気持ちが枯れるまで、あともう少しだと言い聞かせながら。
「う゛......寒...」
買い物帰り、突然吹いた風に彼女はスーパーの袋を持って身を縮こませている。
「...あ、見てみて~」
彼女はしゃがむと一枚落ちた葉っぱをつまみ上げる。
「玲人(れいと)とおんなじ色~」
そうやって見せてきたのは茶色の乾燥した葉っぱ。俺の髪色と似ていた。
「似てるね~」
「でしょ~持って帰る」
そう言って彼女は葉っぱをコートのポケットに突っ込んだ。俺が気づいた時には遅く、彼女のポケットから、クシャッと音がした。
「ん?」
ポケットから手を取り出すと、それはまぁ粉々でばらばらと溢れ落ちてきた。
「...!......!...!」
あまりにもショックだったのか口をぱくぱくとさせるだけで、なんだか可哀想に見えてきた。
「せ...折角拾ったのにっ......」
「あ、はは......」
「うわぁ、コートのポケットが......」
次にコートのポケットを見て絶望していた。
「乾燥した落ち葉は割れやすいんだよ」
「......忘れてた...」
「こういう乾燥した落ち葉で焼き芋とか焼いてたよね」
「あぁ、懐かしい」
「懐かしいっていつの時代だよ」
「弥生」
「そこは縄文じゃないのかよ」
軽口を叩きながら並木通りを歩いた。
そこで再び風が吹く。
「うぇっ、寒」
「うぐっ」
マフラーに顔を埋め、また身を縮めている。この時だけ、俺は身長で彼女に勝てる。
「......寒い」
「そうだね」
「.........手繋いで帰った方がいいんじゃない?」
「......え?」
驚いて俺が向くと、頬を赤くした彼女がいた。じっ、とこっちを見つめてくる。これは、稀に見る彼女のデレ隠し。普段こんな風に甘える事がないからちょっと嬉しい。
「...そうした方がいいかもね。はい」
「え、本当?わーい、寒いからポケットに入れるね~」
彼女は嬉しそうに俺の手を取ってポケットの中に二人分の手を入れた。
ガサッ、と音がした。
彼女は静かにポケットから二人分の手を出し、俺のコートに入れた。
「わーあったか~」
「今無かったことにしたよね?」
「ん?」
「いやおい」
ツッコミを入れて、俺達はそのまま並木通りを歩いていった。
お題 「枯葉」
出演 玲人 葉瀬
枯葉
枯葉舞い散る 舞い落ちる
見ればシワシワ 色とりどり
カサカサパサパサ
クルクルリ
風に遊ばれ連れ去られ
土に還って肥やしになって
種を育てて ヌクヌクリ
パッと双葉を産んだなら
ニョキニョキ伸びて若葉になって
嬉しや嬉し花盛り
頑張り実がなり
食べられる
美味しく食べたその後は
種をまたまた植えてくれ
増えて生まれて楽しいな
秋ごろにみる紅葉
とても綺麗で感動する
紅葉は好きだけど
その先の枯葉の方が好き
枯葉の儚い感じが美しい
風に靡いて流れていく様は
まるで人間の人生のようだ
枯れるとさ色が変わるじゃん、?
そんで、地面に落ちて
養分になってまた次の季節で
歯を咲かせる
いいなあ、かれたあとも役に立てるなんて
【枯葉】
とある友達は3次元の推しは少ない。この次元の者たちは意思を持っているから、知りすぎてしまうと「解釈不一致」というものができてしまうらしい。
最初は彼女の想いも青々とした葉のようだったが、
今や枯葉のような状態である。
夏頃から夫が行方不明で、その妻の美貌も失われた秋の暮れの話だ。
枯れ葉をブロワーで庭の隅に追いやる。それくらいの元気は、彼女にあった。
夫婦は所得が高い……いわゆる上流階級で、住居を都会から郊外へと移す段階で広い家と庭と備え付けプールを手に入れた。
広い分、不可視の場所も増える。
言ってみれば秋ごろにしか、夫婦が庭全てを見て回る時期はなかったと言えよう。
「こんなところに、溜めたかしら」
彼女は盛り上がった落ち葉の山に首を傾げる。
無論、そんなことはなく、ずっと向こうの方に落ち葉の蟠りが望める。向こうの山こそが、彼女がためたものだ。
……ブロワーを吹き付ける。
嫌な予感がしていた。
……なかなか落ち葉が飛ばない。
焦燥感は募る一方だ。
やがて、彼女がこの落ち葉の山が作り物であると気づいたのと、彼女が贋物を蹴り飛ばしたのはほぼ同時だった。
ああ、かれは――
【枯葉】2024/02/19
はーいはい、所詮俺は屑ですよ
彼は言った
枯葉みたいに枯れてるってことしょ?
いやー、枯葉になれたら、苦労しないだろうね笑
彼は消えた
枯葉
「あの木の枝についてる枯葉が落ちる頃にはきっともう、私はいないわ。」
なんかの聞き間違いかと思った。だって、そんな漫画の中の病弱なヒロインなんかが言いそうな典型的な言葉が知り合いの口から発せられるなんて誰か想像するって言うんだろう。
しかも、よりによって天真爛漫、お転婆だなんて形容詞がぴったりな彼女の口からそんな言葉が出るなんて、以下同文。
そんな、ちょっとした動揺に見舞われてたせいだろうか、気づいたら僕は枯葉が散る頃に云々といったセリフの次には相応しくない言葉をついつい吐いてしまっていた。
「…ちょっと、胡散臭すぎない??」
――――――
僕は彼女の枯葉云々だとかいう言葉をまともには受け取っていなかった。
だって、気まぐれなあの子の事だ、どうせああいった事もどうせ冗談なんだと思って、考えないようにしていた。
でも、そんな話をした数日後、寝過ごした朝に隣のベットがもぬけの殻になって片付けられてた時、僕は心臓を縮み上がらせた。
そして、最悪の事態が頭に浮かび上がった。
彼女の死という最悪の事態が。
――――――
ナースステーションに向かう途中で、頭の中は後悔でいっぱいだった。
なんで、あの時真剣に話を聞いてあげなかったんだろう。
盲腸での入院だとは言ってたけど、本当は重い病気を持ってたのかもしれない。
彼女はあの時の僕の言葉の後、冗談ぽく笑ってはいたけど、本当は強がりだったかもしれないのに。
たった数週間の仲ではあったけど、友達の少ない僕にとって、彼女の存在というのは否が応でも自分の中では大きいものとなってしまっていた。
せめて本当のことを知ってたかった。
なのに僕は、それを、胡散臭いだなんだって、
そんな溢れだしそうな後悔で泣き出しそうな、そんな時、
「あれ、メガネくん!慌てちゃってどしたの。」
背後から聞き覚えのある声がした。
振り返ると、そこにはいつもの笑顔の彼女が立っている。
彼女の姿を目にした時、僕は安堵すると同時に少し責め立てるようにして彼女に勢いよく問うた。
「っ…!!なんで、病室にいなかったの!どれだけ、、心配したか。」
そんな、顔をくしゃくしゃにしながら、今にも泣き出しそうな顔をする僕を前にして、彼女は軽く慌て始めた。
「ごめん、ごめん!!君があまりにも気持ちよさそうに寝てたから、全部退院の準備が終わってから起こそうと思ってたの。」
彼女の予想外の言葉に僕は目を見開いた。
「た、退院??」
「そう、退院!ただの盲腸だからね。抜糸も終わったし、今日退院出来ることになったの。サプライズしようと思って君には黙ってたんだけど、もしかして驚かせちゃった?」
「本当は重い病気とかが、あるとかじゃなくて??」
「何言ってるの、元は健康体よわたし。」
「じゃあ、枯葉が散る頃にってやつは、、」
「あぁ、あれね。 初めての入院だし、人生に一度は言ってみたいセリフだったの」
「はい?」
思わず間抜けな声が出る。
とんだ拍子抜けだ。いや、そもそも最初から僕の思い違いだったのだ。あんなセリフを真に受けて、勘違いするとはとんだ赤っ恥だ。
あれだけ、会いたかった目の前の彼女だが、さっきとは打って変わって、今僕は彼女の間から今すぐにでも消えてしまいたかった。
――結局木から枯葉が落ちる頃、僕は彼女を失わずに済んだが、自分の面目は失ったのだった。――
――あの木の枯葉が落ちる頃
お題【枯葉】
ひらひらと、1枚、2枚、風と共に舞って
赤、黄、茶、道に敷かれて
枯れ葉の上を歩いて行く。
時折、強く風が吹いて、僕の頭上も
木々が騒いで、足元の枯れ葉も踊る。
少し寒い。
早く帰ろう。
枯れ葉が積もってしまう前に。
好きになっても良いのと
自問自答して
ひとつ枯葉を くしゃりと踏む。
くしゃり くしゃり くしゃり
右に左に 揺れながら
踏み終わる事なく 続く道。
自分の気持ちを、ひとつ潰していく
儀式のような。
それでも、諦められない
悪あがきのような。
くしゃり くしゃり くしゃり
いつのまにか、じわじわと…
溢れたものが涙になった。
【お題:枯葉】
ロザリオ
ガルシア大修道院の裏手にある小さな墓地。偶々、私はそこに迷い込んでしまった。墓石がちらほらと見えるその場所で、私はよく見かけるフードの後ろ姿を見つけた。
墓石の前で彼は膝をついていた。
「スピカ」
その後ろ姿に声をかけると、彼は振り返り赤と青の色違いの瞳と合う。
「ミル。どうしたの?」
「その、迷って……」
「何処へ行くつもりだったの?」
「中庭。ついさっきまで聖堂で司祭様と話していたの。それでふらついていたら、ここに……スピカは、誰かのお墓参り?」
「うん」
彼は頷いて墓石を振り返る。綺麗に保たれた墓石の前には彼が供えた白い薔薇の花束が置かれている。
「ここに、俺の母さんが眠っているんだ。俺を産んですぐに死んじゃったから」
「……そう、だったの」
沈黙が落ちる。秋の終わりが近く、近くの木にあった枯葉が一つひらりと落ちてきた。かさかさ、と音を立てて枯葉はスピカの足元に落ちる。
スピカは胸から下げたロザリオを指先で触れた。
「枯葉が全て落ち、雪が降り始める頃に俺は母さんの命と引き換えに産まれた。物心がついた時、母さんと親しかった一人のシスターがこのロザリオを渡してくれた。母さんの形見だって」
「お母様の……」
「うん。俺の大事な宝物なんだ」
小さく笑って彼はロザリオから手を離すと、その手を私に差し出した。
「中庭に行こう。話の続きはそこで。……じゃあ、母さん。また来るよ」
中庭には誰もいなかった。寒いから皆、外に出たくないのかもしれない。近くのベンチに腰掛けると、ひゅうっと冷たい風が吹いた。
「お母様はどんな方だったの?」
「シスターたちによると、病弱だったんだって。でも、誰よりも心優しくて敬虔なシスターだったと。それからこの頃の季節が好きだったんだって。とても静かで、枯れ葉がかさかさと立てる音が好きだったと。その後に来る冬も好きで、雪を見てはいつもはしゃいでいたって」
「とても純粋な方だったんだね」
「うん。だから、俺もこの季節が好き。静かで時折聞こえてくる枯れ葉の音が好き」
スピカは小さく笑うと、目を閉じて胸の前にあるロザリオを両手で握りしめた。
「母さんは命が終わる時まで、俺のことを愛してくれていたんだと思う。だから、俺は母さんに約束したんだ。母さんが繋いでくれたこの命を、俺は大切な人を守る為に使い、そしてその人たちと共に生きていくと」
「スピカ……」
「俺に出来る約束はそれくらいしかない。でも、来年もこの季節を迎えられるよう、全力は尽くす」
「……私もその約束を一緒にしても良い?」
「えっ?」
少し目を見開いてスピカがこちらを見る。
「私も大事な友達と一緒に約束をしたい。来年もこの季節を共に迎えられるよう、生きていくと」
スピカは少し呆気に取られたように目を丸くしていたけど、やがてまた小さく笑った。そして、私の手を掴むとその手をロザリオの方へ導く。
ロザリオを握ると、彼の両手が上からそっと握ってくる。
「なら、約束。この枯れ葉の季節を、また来年も一緒に迎えよう」
「うん、約束だよ。スピカ」