Mimi

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彼のもとを離れて約半年。
花の配達を終え、公園の路肩に軽トラを停めた。11月に入ってから一気に冷え込むようになった。エンジンをかけたまま軽く暖房をつけ、煙草を取り出す。窓の隙間から外に向かってフゥっと煙を吐き出すと、一瞬で寒空に消えた。

ふと見上げると、ほとんど裸になった木に枯葉が一葉、揺れている。ほんの少しでも風が吹けば飛んでしまうそうなほど頼りない。

自分の気持ちも、あの枯葉のようにみっともなくしがみついている。
早く落ちてしまえばいいのに。
そしてそのまま、土に還ってしまえばいいのに。

頭ではわかっていても、心はまだ追いついていない。

思わず舌打ちをした後、まだ残る煙草の火を無理やり消した。
この気持ちが枯れるまで、あともう少しだと言い聞かせながら。


2/19/2024, 1:37:35 PM