『束の間の休息』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
仕事ではお昼休憩の他に10分休憩がある。10分あればそこそこ休めるかと思えばそうでもない。お手洗いに行ったり休憩室への移動を入れたら10分なんてあっという間だ。まさに束の間、休んだ気がしない。せめて15分にしてもらえれば一息休めるのにと思う。
今は、待合室などで、老若男女、スマホ見ているひとがいます。昔は、本、雑誌、など見てるかたがいました。スマホは、生活スタイルを変えてきた。
「どうしても、休みたいのか?」彼はデスクトップから顔を上げた。
「はい」「やりたいことがあるので」私は彼の目を見つめた。彼は上司であり元恋人だ。
束の間
空を仰いで
息をつく
私の中の
何かを吐き出す
雨音に耳を澄ます昼下がり ジャムクッキーには紅茶が似合う
「束の間の休息」
【束の間の休息】
「ふぅ…」
コーヒーを飲み、徹夜明けの身体をほぐしながら机に戻る。
私は小説を趣味で書いているのだが、そのアイデアが溢れ出てきたから書きとめている最中だったのだ。
これが、私の休息。
これが、私の現実逃避でもあったのだ。
クタクタになるまで踊りきった私の体は疲れきっていた。やっとの思いでグループのセンターを取れた私は日々体が限界を迎えるまでダンスレッスン・歌のレッスンに番組収録。どれも私がこの業界に入ってから憧れていた世界。楽しさが1番あるけど、この業界は表では宝石の輝きのように明るい世界に見えるが実際は習字で使う墨汁よりも黒色の世界。ネットでのアンチはもちろんスタッフやメンバーからの私に対しての愚痴は聞こえないふりができるまでになっていた。
特に私が所属しているグループは人数も多いし、揉め事も大して大きい問題でなければマネージャーも見て見ぬふりがほとんど。マネージャーは私たちの恋愛については一切何も言わない。週刊誌に撮られても何かしらのコメントを出すだけで自分たちでどうにかしないといけないし、バレるとメンバーから冷ややかな目で見られる。ただでさえ、今の状態でもメンバーからは良く見られていないのにバレたらさらに状態が悪くなる。
そんな世界にいる私に束の間の休息をくれるのは、私がこの業界に入る前から付き合っていた彼との時間。私がこの業界に入ってからも普通に接してくれる所が好き。あの業界の人達には内緒の私と彼との束の間の休息の時間。
~束の間の休息~
雑踏、車のクラクション、踏切の音、鳥の声、選挙カー、街の音という音が僕の耳を突き刺してくる。そんな音の暴力からの解放、つかの間の休息。僕は今日も真夜中にベランダで耳を休めている。
「束の間の休息」
コーヒーを飲む
クッキーをつまむ
伸びをする
布団にゴロン
お題『束の間の休息』
働き詰めだった一週間が終わり、土曜日がやってくる。
とはいえ、深夜まで仕事しかしておらず、寝て過ごすつもりだ。
なにも考えずに動画配信サービスのドラマを寝ながら一気見する予定だった。
だが、土曜日の昼頃、仕事用スマホの電話が鳴った。
「君がリリースしたツールでエラーが起きた。今すぐ調べてほしい」
「承知いたしました」
俺は電話を切った後、舌打ちをして社用PCの電源を入れた。
くそ、せっかくの『休』日がパァじゃねぇかよ。
私にとっては特別な日でも
いつもと変わらず
今日も今日とて仕事は忙しい
膨大なタスクを前に目が回りそう
でも今日は
在宅ワークする傍らで
夫の家族から届いた
誕生日プレゼントの花束を眺めていられる
10月らしくかぼちゃが入っていて
とっても可愛い
束の間の休息に
幸せに浸る
♯束の間の休息
ここまで冷徹な奴だとは思わなかった。
本当に人の血が通っているのだろうか。
これ以上、コイツの言葉を聞きたくない。
プラスドライバーを置く余裕もなくコイツの口を塞いだ。
工具だらけの窓のない部屋で、熱気を帯びながら肩を抑えつけた。
抵抗されないよう上に跨り、滴る汗に目もくれず必死に次の言葉をせき止めた。
─────あぁ、頭のネジなかったのか。
そりゃ仕方ないか。だからと言って許さないけど。
固い床から動かず、流石に何も言わなくなったコイツを一瞥してタバコを手に取る。
うっすら滲む涙をみてコイツにも一応感情はあるのだなと冷めた目で見下ろした。
転がるドライバーを拾い、先が錆びないよう布切れで拭きとる。
床のシミ、落ちるだろうか。
一服終わったらすぐ取り掛かった方が良さそうだ。
「やっぱ頭蓋骨って固いんだな」
【束の間の休息】2024/10/09
『束の間の休息』
私の中に蠢く心臓は刺されても潰されても時を置けばまた元通りに動いてしまうので、夜眠り朝目覚めるように私は死んでは生きてを繰り返している。難儀な体に造られてしまったものだ。
きょうは人体実験の代用として致死量の見極めに参加した。外傷で死ぬのは痛いものだが一瞬で終わる。薬物で死ぬのは苦痛が長く続きがちとなるので嫌な予感はしていたが、点滴の滴下を何千何万と受けるさなかには予想通りに様々な反応に苦しめられた。
ようやく意識が遠のいたとき、何にも苦しまない時間がひととき訪れる。人ではない私が感じるこれは人が感じることはできるものなのだろうか。人になることのできない私はふとそんなことを思いながら、もう目覚めなくなることをほんのりと願いながら安寧に包まれていった。
昼休み
束の間の休息に食べるおにぎりは
至福の味がする。
具は自分の大好きな梅干しと鮭で
全体を海苔で包んだおにぎり二つ。
午後からが大変だとわかっていても
このおにぎりを食べるとホッとする
目覚ましのつもりでコンビニで買った
濃いお茶も飲んだけど
ちょっとだけ、うたた寝することにしようか
ほっとする
ホットなミルクを飲んで
さぁ がんばろうか
ほっとする
ホットなミルクを飲んで
さぁがんばろうか
束の間の休息
うーん、あまり縁のない言葉かな。バイトだからだらだら働いてるだけだし。
それよりこの前届いた冷蔵庫がさぁ。前のやつより大きいから広々と使えてさぁ。冷蔵庫の大きさは心の余裕だってわかるんだよね。
ただ以前のやつより上に大きいのが少し誤算だった。上に大きいのはわかっていたけど予想以上に大きくて電子レンジを置くことができなかった。
以前のやつは上に電子レンジを置けてたんだけどね。冷蔵庫を設置した場所の上に棚があってそれが邪魔をして今回の冷蔵庫には電子レンジを置けなかった。
しかたないから電子レンジの場所を変えて運用することにした。この場所がちょっとめんどうな場所で問題はないけどいろいろとめんどうな感じになった。
まぁそういう問題もあるけど今回の冷蔵庫には満足してる。冷蔵庫が大きいと快適でいいわ。
まるで戦場のような仕事の束の間のティータイム
お菓子とお気に入りのお茶を手にして、だれも介入できない場所へ
甘いお菓子と、濃い紅茶の香りが鼻腔をくすぐる
毎日忙しくて目が回りそうだけど、この時間だけはなんとしても守っていきたい
束の間の休息を君と二人
私は布団の中
君は布団の上
中と外でくっついてる
あったかいね
君は中には入らないけど
束の間のぬくもり共有
「渡り鳥の旅」
「今夜、何としても山を越えるぞ」
数時間におよぶ参謀会議の末、リーダーのタングは重々しく言葉を吐き出した。
これまでの長旅で仲間たちの疲労は積もりに積もっていた。
しかし、明日からは天候が崩れそうだ。今日を逃すと数日間
の待機を余儀なくさせる。冬の寒さがくる前に目的の地に辿り着くためには今日しかない。
伝達係のムファが仲間たちを集めて宣言した。
「今夜、山越えを実行する。それまでゆっくり休み体力を回復してくれ」
仲間たちにどよめきの声が湧き上がる。
今年産まれたばかりの3羽の兄弟たちが口々に話し出す。
「やった〜、早く行きたい!今日のためにいっぱい飛ぶ練習をしてきたんだ」
「一番高く飛べるのは僕だよ」
「あんなに高く飛べるかな。こわいよ。僕一人だけ置いていかれたらどうしよう」
興奮している2人の兄弟を後目に、産まれた時から体が小さい末っ子のミカキが泣き言を言う。
母親は3羽を集めて話して聞かせる。
「私たちのリーダーは優秀なの。リーダーの指示に従って群れから離れることがなければ大丈夫よ。絶対に群れから離れてはだめよ。さあ、出発まで休みましょう」
タングも仲間の輪に入り休もうとした。しかし、気分が高揚して目を閉じても眠ることができない。目の前にそびえ立つ猛々しい山々を見上げる。
言葉通り今夜が『山場』だ。みんなの体力を考えると短時間で一気に渡り切らなければならない。優秀な参謀たちと隊列も段取りも綿密に計画をたてた。「大丈夫だ」タングは自分に言い聞かせた。
日が沈みあたりが暗くなった。風もなく静かな夜だ。
まずタングが飛び立つ。それを合図に仲間たちが後に続く。
壁のような山々がどんどん近づいてくる。山越えがはじまった。
高度が増していく。突然横から強い風が吹く。風に煽られ体勢を崩すものがいる。「出来るだけ山肌に沿って飛ぶんだ!決して群れから離れるな!」
随分飛んできた。仲間たちの疲労もピークに達しているはずだ。だが、再び飛び立つには何倍もの体力が必要だ。飛び続けるしかない。「がんばれ!大丈夫、飛び続けるんだ!」声を張り上げ仲間たちを励ます。
目の前から壁がなくなり、真っ暗な空間が広がる。ついに山頂を越えた。必死で飛んできたミカキも周りを見渡す。星空の中にいるようだ。はじめての眺めに感嘆の声をあげる。今までに見たことのない景色だ。
タングは仲間たちの顔を見ながら言う。
「私たちほど高く飛べるものはいない。みんなよく頑張った。降りも気を引き締めて飛ぼう」
高さ8000メートル、時間にして8時間。
全員無事に山を越えることができた。
疲弊した体を休め、食事を摂る。
誰一人脱落することなく山を越えることができた。
なんとかリーダーの責務を果たせたとタングは安堵する。
これからまだ数千㎞の旅は続く。ただ今だけは何も考えず深い眠りにつきたい。
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お題:束の間の休息
インドガンは繁殖地のモンゴルやチベットから越冬地のインドへ渡りをします。その際、8000mのヒマラヤ山脈を越えて行きます。世界で最も高く飛ぶ鳥と言われています。