クタクタになるまで踊りきった私の体は疲れきっていた。やっとの思いでグループのセンターを取れた私は日々体が限界を迎えるまでダンスレッスン・歌のレッスンに番組収録。どれも私がこの業界に入ってから憧れていた世界。楽しさが1番あるけど、この業界は表では宝石の輝きのように明るい世界に見えるが実際は習字で使う墨汁よりも黒色の世界。ネットでのアンチはもちろんスタッフやメンバーからの私に対しての愚痴は聞こえないふりができるまでになっていた。
特に私が所属しているグループは人数も多いし、揉め事も大して大きい問題でなければマネージャーも見て見ぬふりがほとんど。マネージャーは私たちの恋愛については一切何も言わない。週刊誌に撮られても何かしらのコメントを出すだけで自分たちでどうにかしないといけないし、バレるとメンバーから冷ややかな目で見られる。ただでさえ、今の状態でもメンバーからは良く見られていないのにバレたらさらに状態が悪くなる。
そんな世界にいる私に束の間の休息をくれるのは、私がこの業界に入る前から付き合っていた彼との時間。私がこの業界に入ってからも普通に接してくれる所が好き。あの業界の人達には内緒の私と彼との束の間の休息の時間。
~束の間の休息~
10/9/2024, 3:47:00 AM