ここまで冷徹な奴だとは思わなかった。
本当に人の血が通っているのだろうか。
これ以上、コイツの言葉を聞きたくない。
プラスドライバーを置く余裕もなくコイツの口を塞いだ。
工具だらけの窓のない部屋で、熱気を帯びながら肩を抑えつけた。
抵抗されないよう上に跨り、滴る汗に目もくれず必死に次の言葉をせき止めた。
─────あぁ、頭のネジなかったのか。
そりゃ仕方ないか。だからと言って許さないけど。
固い床から動かず、流石に何も言わなくなったコイツを一瞥してタバコを手に取る。
うっすら滲む涙をみてコイツにも一応感情はあるのだなと冷めた目で見下ろした。
転がるドライバーを拾い、先が錆びないよう布切れで拭きとる。
床のシミ、落ちるだろうか。
一服終わったらすぐ取り掛かった方が良さそうだ。
「やっぱ頭蓋骨って固いんだな」
【束の間の休息】2024/10/09
10/9/2024, 3:39:28 AM