『月夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
月夜
ある月夜のことだった。
悪夢に起こされ、君の寝顔を覗くことにした。
ピンクのルームプレートが微かに揺れ、音を立てた。ドアノブをひねる。
君は、いなかった。
窓が開いていた。
満月が不自然なほど大きく見えた。
肌を柔らかく撫でる風はまだ少し冷たかった。
僕は、回らない頭を殴るようにして無理やり動かした。そのうち、赤いランプとサイレンが僕の意識を占領した。
君が死んだのは満月の夜だけど、僕は月から迎えが来たなんて思わない。
君はたまたま今日死んだだけ。あるのは、昨日までそこにいたという事実だけ。
ただ、月を見ると君が思い出されてしまう。
「月夜」
月が綺麗な夜の私の癖
それは…
月の中にうさぎを見つける事…(笑)
昔から、なんかやってしまう
ほんと、子どもだなぁ…
そう…子どもなんだよ
まだまだ、子ども
だって月夜の時にさ
うさぎ…まだ見えちゃうんだから (⸝⸝ ´艸`⸝⸝)
夜中にふと目覚めると、カーテンの外がやけに明るくて、のぞいてみると暗い空に月が輝いている
…っていうことはときどきある
どんな月も好きだけど、どちらかというと、満月よりも三日月が好きかな
なんとなくロマンチックな気がする
「月がきれいですね」なんて言う相手はいないけど
曇天の頬を撫でるは夜の風 君がくれたる言葉こそ月
題目「月夜」
月夜
不思議と明かりひとつない街を、私はひとり歩きまわっていた。
ふと見上げた夜空は、息を呑むほど綺麗だった。
思わずスマホを取り出して……しまった。
こんな苦しい毎日なんて、どこにも残したくないのに……
猛烈な眠気によって、体が脱力していく。
ここ数日まともな睡眠など取れていなかったからか
ベッドに溶けるように眠る。
何時なのか時間を忘れるくらい、眠っていた。
体感では五時間位。でも実際は一時間後だった。
夕暮れ時から夜になり。月が出ていた。
大きな月の見える晩は新しい道が開かれる気がする。
考えてもキリのない堂々巡りから解放されるときがやってくる。そんな御伽話みたいな想像をする。
太陽よりも神秘的でパワーありそうだし、根っから陰キャの私は太陽よりも月派である。
何処かの戦士みたいに別人のように、変身して。正義の名のもとに
心の蟠りを作った元凶をぶっ飛ばせるのなら、どれだけスッキリするのだろう。
そんなことは現実的に無理な話なのだが。
月の照らす夜はそんな強い気持ちにさせてくれもするのだった。
寝ていたら眩しく感じた。
あぁもう朝か、一日の始まりかと思いながら起き上がると部屋は月で照らされていた。
丸くて大きく眩しい月
時刻は起きるのには早すぎて。
だからといってこの月を見ずに寝るのは惜しい。
1日ぐらい寝なくてもどうにかなるだろう。
そう思ってお気に入りのものと共に月を眺めた。
月夜
夜の月は
夜にはなく
月にもない
私達が見る物で
月はいつも月
夜に月は映えるけど
ここにはない
僅かに重なる
夜に月はなくても
月はいつでも空にある
月夜の空は濃い青で
月夜の街は銀色で
月夜の心は透明で
私はどこに行ったのだろう
青い月夜の中で君を求めて彷徨い歩く
君と繋がる私ならどこにいるかなんて余裕よ
でも君と繋がる鎖はどこか冷たいの
どうしてかな……?
何度も何度も悪夢にうなされてたの
ねぇ、君が必要なの
裸足だとしても駆け出すよ
やっと君に逢えた
ようやく見つけた、のに、
ねぇ、君の横にいる人は誰?
全てが蘇る
記憶が、鮮明に、蘇る
私と君は“別れた”の
最悪な別れ方をしたの
私は受け入れられなかった
到底受け入れられなかった
何度も何度も悪夢にうなされてたの
ねぇ、君が必要なの
なのに、どうして?
もうあの腕を掴めない
もうあの顔に触れられない
もうあの声は聴こえない
もう、二度と
これを“暴走”というのなら構わない
私の気持ちを考えて欲しい
1人うなされ続けた私の気持ちを
何度も泣いたから涙なんて枯れた
既に君との鎖は涙で錆び付いて壊れていた
これで君と“お別れ”だね
月の下で君との鎖が壊れた夜
私は忘れないから
■テーマ:月夜
月夜
怪しげな空気が漂う…
月夜
あなただけ…
他の誰にも姿を
見せない
安心して…
あなたの味方
あなただけの味方
月夜に想う。遥か彼方で夜を優しく照らし、夢と希望を明日へと繋ぐ。争いが治まり、助け合いの世の中になりますように。
月夜
私の部屋にはカーテンがない
だから毎晩窓を見なくしても
部屋を真っ暗にしたらそれは分かるんだ
月夜が輝いている日だ
きっと…
「ねえ?綺麗でしょ?」
って言ってるよね?
でもごめんね
私には明るすぎて眠れないんだ
君が眩しすぎて…
君ほどのものが私なんかを照らすのも
申し訳なく感じるんだ
出来るだけ目立ちたくはないのに
個性は譲れなくて…
私は普通じゃないから?
みんなと違うから?
どうやったって目立っちゃう
だからさ
私なんかを照らさなくていいよ
君は十分綺麗だよ!
私なんかとは違う
私なんか…とは…
月夜
月夜の晩には
空を見上げてみよう
優しい月が笑みを浮かべ
私たちを見守っている
夜のオーケストラと一緒に
月夜といえば、挙杯邀明月、對影成三人。
薬屋にあんなにされて、酷すぎる。
300字小説
月夜の登校
毎年、卒業式を終えた後の月夜に、学校の構内に生徒の影がさまようという。
新しい生活に希望とともに向かう生徒もいれば、これまでの学校生活に留まりたい生徒もいる。そんな生徒の想いが影となって現れるのだ。
クラスの隅に二、三人、肩を寄せ合いたたずむ生徒達。図書館でポツンと座っている生徒。思い切るかのように校庭をボールを蹴って走る生徒。そして……。
保健室のベッドの上に座る生徒の影。保健室登校で卒業まで教室には行けなかった生徒だが、それでも学校が好きだったのだろうか。
日を追うごとに生徒の影は薄くなり、一つ、また一つと消えていく。
最後に保健室の生徒の影が消える。月の光が誰も居なくなった校舎を白白と照らした。
お題「月夜」
夏の匂いが広がる月夜を眺めていた。雲ひとつない空を眺めては、彼氏の帰りを待った。
月が明るい夜、私の彼氏は森に帰る。
なにをしているのか、なぜ帰るのか。なにも知らないけど、きっとそこに愛する家族がいるのだろうと思う。その証に彼はいつも嬉しそうな、幸せそうな顔をしてこの家を出ていく。今日も、月が沈む頃に帰ってくるのだと思って、月が見える窓際で読書をしていた。
だが、この日は違った。途中で雨が降り出した。始めは小ぶりだったが、だんだんと雨足は強くなっていって風も強く吹き荒れた。大丈夫だろうかと心配していると、玄関のドアが開く音がした。風呂場からバスタオルを持って走った。玄関にいたは、熊と人間が混ざったような彼氏だった。顔の半分が人間で、もう半分は歯を剥き出しにした熊。身体も胴体は人間で家を出る時に着ていた服はそのままだったが、手足が毛だらけの太い動物の形になっていた。
「どうしたの、大丈夫? これで身体を拭いて」
なぜか、驚きはなかった。この辺りは熊が出没することが多い。森に帰る意味を私はどこかでわかっていたのかもしれない。
「家族が、撃たれたんだ。殺された、猟師に殺されたんだよ!」
感情が荒ぶると、人間の部分が少なくなっていく。
「落ち着いて、大丈夫だよ。ここだったら誰も追ってこない。誰も撃たないから。私も通報しない。落ち着いて、ゆっくり深呼吸して」
彼は膝から崩れ落ちた。動物の毛が体内に吸収されていく。守れなかった。そう言って泣く彼を抱きしめることしかできなかった。
その日から、彼は森に帰らなくなった。理由は明白だった。地元のニュース番組で「森の熊を三体仕留めることに成功した」と流れていたからだ。おそらく、全員彼の家族だったのだろう。
屍のようになった彼にできることはなにもなかった。愛しているのに、彼の本当の家族になれない苦しさを噛み締めていた。
ひとりきり
朧げに輝らされる
河川敷を歩く
春花のかおりと
遠目に映る水面が
仄かに光り
時の流れを
教えてくれる
などと感慨にふける
今だけな
「月夜」
田んぼ一面に雪が降り積もった月夜の晩には、山の方から愉しげな声が聞こえてくるよ。きっとタヌキの幻燈会だな。
「私、死んであげようか」
綺麗に照らされるのはにんまりと自信に満ちた顔。まだ言ってないのに返すんじゃねえ。
"月夜"