『月に願いを』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#88 月に願いを
自分の力だけで
何でも叶えてきたけれど
今夜は特別
お月さま
どうかあの人を助けてください
冷たい月が涙に揺れる私を白く照らした
お題「月に願いを」
「え、うちもあのサービスやるんですか!?」
「しょうがないよー、上が急にやる気になっちゃってさ」
銀河にたゆたう星々を扱う事業者の中には、
「願いを叶えるサービス」を提供する物好きな組織もある。
下に付いている者はさぞかし手を焼いていることだろう。
「そもそもエネルギーに余裕あるんですか?」
当たり前だが願いを叶えるには膨大なエネルギーが必要だ。
そして、そのエネルギーは星に住む民衆による祈りによって集められる。
つまり、祈ってはもらうがギリギリ叶えられない塩梅で条件を設定する必要がある。
集めるエネルギーよりも叶えるエネルギーが多くなっては立ち行かなくなってしまうからだ。
最大手である流星サービスの「流れ星に願い事を3回言う」というのは、現実的ではないが夢のある絶妙なラインといえる。
条件を変えずに速度で難易度を調整できる点もよくできている。
「余裕あるわけないでしょ、カツカツだよー」
流星サービスが好調なのは、潤沢なエネルギーと手広いサービス、そして流れ星という大きな武器があってこそだ。
まず我々の管轄は月とその軌道、つまり白道の周辺である。
当然流す星なんてないし、月を扱うとなるとサポートは地球という辺境の星しかなくなる。
しかも聞いた話では、地球では願い事といえば星がメジャーになっていて、月の知名度はかなり低いといえる。
上手くいく通りがない。
我々は上の気まぐれ、ハズレくじを掴まされたわけだ。
「そういうわけだからよろしく」と上司ももういない。
とはいえ、報告ができるくらいには体裁を整えなくてはならない。
その後、新月限定で願い事を受け付け、定期的に抽選で叶えるという方法を採用し、知名度こそ低いが継続できる程度には上手く定着されることになる。
すぐ終わると思っていたのに、何だかんだ面白がってくれている。
回るだけの球体のどこに神秘性を感じるのか、この星の民衆の感性はよくわからない。
~月に願いを~
「月に願いを」
叶えたい願いは星に
届けたい願いは風に
ひそやかな想いは、月に
ーーーーーー
「いつまでも降り止まない、雨」
おそらのかみさま、あめをありがとうございます。
のうかのひとたちもよろこんでいます。
だけど、そろそろおひさまがみたいねって、
じいじもばあばもいっています。
すぎたるはおよばざるがごとしだって
(よくしっているでしょう、えっへん)
あめがやんだらきっと虹がみえるよって、
パパが言ってました。
かみさま、ぼくに虹をみせてください。
おねがいします。
【月に願いを】
窓から見える月は、相変わらず美しい。
月は、とある星に落ちてきた隕石によって、二つの惑星に別れたことで誕生したとされる説が有力らしい。
そして、月と一緒に生まれた双子の惑星が、地球だ。
二つの星は互いに寄り添い、くるくると回っている。
だからこそ、月を見ていると、離れた場所にいる友達と会えなくても、心は通じているような気がするのだ。
もしも月に願うことがあるとしたら、私は遠くで頑張る友達が幸せでありますように、と願うかもしれない。
数学のテストが62点だった日、18時過ぎに家に着いて自転車を停めると満月が見えた。「これからは80点以上取れますように。毎日欠かさず努力するので、神様、お願いします。」と小さな声で言って月に向かって手を合わせた。私は、都合の良いときだけ神様を信じるということが嫌いだった。普段は神様など意識しないのに、神社で何かを祈るときだけ神様を信じる私たちに嫌気が差していた。信じると信じないの2択にしようと思った私は、神様を信じることに決めた。信じる、信じないという行為そのものが自分にとって都合の良いことだからこそ、良いことがあったときには神様に感謝し、悪いことがあったときには神様の定めなのだと思うことにした。都合の悪いときでも、しっかりと信じることにした。私は、信じることで自分を安心させようとしているだけなのかもしれない。私は神様のノートでありたい。
中2の10月
ー月に願いをー
今は特にお願いごとはないから
お月様に感謝を。
【月に願いを】
この綺麗な月の下であの人と一緒に見れますように。
こんなしょうもない願い事ばかりが出てくる。
こんなこと思うくらいなら告白ぐらいしろって話だよね。
でも、付き合っていない今の関係の方が
1番好きかもね。
月に願いを-。
ハッピーターン食べたい.
【月に願いを】
昔、子育て真っ最中のころ、家事や仕事、子育てでいっぱいいっぱいになっていた。
姑からの些細な言葉にも傷つき、言い返せばさらにいざこざが大きくなり、それが一番の苦痛で耐えられない私は…夜、眠る前に祈っていた。
「なにごとも起きませんように」
自分が耐えればことは大きくならない。ならば耐えよう。そんな気持ちからだった。姑からの言葉よりも何か起きたときの姑の八つ当たり、暴言、家の中がギスギスして…そんな環境に耐えられなかった。
時は流れて、子どもも育ち私にも耐性ができてきたのか、夜、眠る前の祈りの内容が変わってきた。
「何か起きても耐えられる私でありますように」
それに気づいた時、自分の変化に驚いた。
これは成長なのか?単なる時の流れが変えてくれたことなのか?わからない。でも、そんな風に祈れるようになったことは小さな喜びだった。
そして今、祈ることも忘れて眠りにつくことも増えた。姑のことをここで吐き出し、駄文に♥️をもらうことで姑については祈ることも少なくなったが、かと思うと自分の親族のことで頭を痛めることが増えて、悩みの種がつきることはない。今の祈りは
「親族間の問題が解決しますように…」
である。
月に願うというよりは、心の中でそっと呟くような祈りだか、今度の満月には、あらためて月に願いを話してみよう。
#14
#月に願いを
「おはよう、らん」
目を開くと、黄色い瞳が映る
ゆっくりと身体を起き上がらせる
そして、目の前にいる恋人が言った言葉をくすりと笑って訂正した
「…朝じゃないでしょ?笑」
「そうだけど、起きたらおはようだろ?」
そう言われて、考える
「そうかな…、いや、うん。そうか。そうだね」
「おはよ」
にこりと表情を緩めると、頭を撫でてくれる
「今日ね、怖いの見たんだ」
撫でてくれていた手が離れた
「夢?」
「あのね、いるまが死んじゃったの」
「そっか、でも大丈夫。死んでないから安心しな」
頭から離した手をまた頭の上にのせる
「…嘘つき」
「…でも、ごめんね。そうだよね、俺のせいだもんね」
「ごめん、もうおはようって、しないと」
「おやすみなさい」
___
眩しい
「ん…」
「ぉ、はよ」
月明かりが眩しい
また、夢から覚めた
空に浮かぶ月はいるまと同じ黄色
もう、いるまに会えないのかなと思うと、いつもと同じ様に月を眺めて考えてしまう
また、いるまと逢えますように___。
月に願いを/2023.05.27
「何してるの」
「お願いごと」
空を見上げて目を閉じている彼女に話しかけると、そんな答えが返ってきた。
「あぁ、星に」
でも今日は流星群か何かだっただろうか。
「いや、月に」
「月?」
空を見ても月はない。それはそうだ、今日は新月だから。
「ないじゃん」
「わかってないね」
彼女はにやりと笑ってみせた。
「月は常に宇宙には存在してるからいいんだよ」
見えるものだけ見ちゃダメってことよ。不誠実の証なんて嘘だね。
そんな屁理屈をこねてみせる彼女に、やれやれとため息をつく。
「それなら月じゃなくてよくない?」
「いいじゃん何に願いをかけようと」
「えー」
だってさ、と月のない空に両手をかざす。
「叶えるのは自分、でしょ?」
ね!と笑う彼女に、
「いいこと言ってるのに納得いかないなぁ」
とつられて笑った。
月に願いを
私はゲームのし過ぎだと思い、ゲームを辞めてみようとしましたがどうしても辞めれませんそれを私は願っております。
月に願いを
突然だが、私は生まれた時から別の記憶がある。こことは別の世界での私でない私の記憶。
そこでの私は平凡で幸せな日々だった。最後は異世界転生モノみたいにトラックに轢かれて生まれ変わったようだった。
今は、世界を守る役割のひとつ“月”としてここにいる。
最初はなんというか、興奮していたのだと思う。平凡だった私が、特別な何かになれて。誰かの役に立てて。
でもだんだんと帰りたいって思うようになった。あの平凡な日々が恋しくなった。
でもそれはきっともうできないから。
せめて
私の大切な人たちが今日も幸せでいれるようにと。
月に願いを込めて祈っている。
月に願いを🌛
今夜は星にではなく月に願う。
なぜかって?月の方が大きく見えるし、月が夜空の星の中で一番近いからさ。
一番近い星に願い事をすると、より確実に願いが叶うのだろうか。
今実現させたい、挑戦したいことが山積みで、胸がドキドキしているのだが。
その機会がすぐ目の前にあるのに、自分はさせてもらえることができない。
自分は不器用で要領悪い、世間知らずだからやめとけと。
でも、やってみたい。そうでなきゃ勿体無い。葛藤が強く、涙が出そうになる。
月は大きいから、夜空の数多の星に埋もれることはない。宇宙ではちっぽけな存在だが、地球から見ると夜空を治める王様のようだ。
もしかしたら、地球で月にお願い事をすると、夜空の星中にもお願い事が届くかも。
そんな淡い希望を持っては、願い続けた。
月に願いを
現在61歳
あと2カ月すると
62歳になる
だんだん歳を重ねると
健康でずっといたいと
思う
月に願いをするなら
最後の時まで
介護されない人生を
送って
ピンピンコロリを
願う
モンブラコン*
~~~~~~~~~~~~~『月に願いを』
「クショボーズば、早よ寝ろぉ」
そう言って、夜の山へと出勤した姉と兄。
モンスターである彼らは夜勤です。
まぁ、オレも一応その末っ子なんだけど、学生なもんで、学業優先なもんで。
仕事内容は野生動物から畑を守る事。と、ゾンビ熊討伐…だけど、コレを出すとこの物語の主軸である“田舎の怪物のスローライフ”が屈折しかねないので、コレは伏せよう。目指せ牧場○語。
満月の夜ってゾンビも動物も狂暴になるって、姉さん言ってた様な…。
…眠れない。
薄暗い居間で、テレビをつける。深夜アニメがやってる、子供には観て欲しくない系の、汚い言葉と派手なバトル。実は苦手だ。
人のキズつけ方を見せられてる様で。
オレ達姉弟には、人間の倍の再生能力があって、痛覚も鈍いけど、だからといって無謀な行動をしようとは考えたことは無い。
でも、姉さん達はどうだろう。強いのは解ってるけど、かすり傷だってイヤだよ。
磨りガラスに、ぼんやり浮かぶ月に願う…。
「わしゅれもんっわしゅれもんっっ」
その磨りガラス窓を盛大に開けて、姉が上半身を乗り出し、引き出しから卵形の玩具を掴み、
「ちゃまごっつがな、もうしゅぐすんかするで」
…と言って、月明かりに照らされながら、山に跳んでった。
「……またオヤジっちだろ」
内から込み上げたものに耐えられず
私はこっそり1人になって泣いた
優しい涙だった
今までのことが報われたような
気づかないうちに鎖となっていたものが
ほどかれたような
清々しい気分
ああ、
一方通行な思いじゃなかったんだなぁ
あなたは何気なくかけた言葉だろうけど
私は確かに救われたよ
3
嗚呼、
私が姫でなかったら
月の者でなかったら
さようなら、
ずっと貴方と、
いたかった———
君と肩を並べて見る月は綺麗だった。
金色の満月。蠱惑的な光。
じっと見つめていると、月は徐々に大きくなって、僕を飲み込んでしまう。琥珀色の海。僕は静かに溺れていく。どここらか君の声がする。綺麗だ、とても。僕の八重歯が伸び、尻尾が生え、爪が鋭くなっている。ウルフになった僕は、君の手をとって月を渡る。遠く、遠く、誰も手の届かないところへ。
「__ねえ」
僕は我に帰る。
君が月のように笑っている。「何考えてるの?」
「月が綺麗だ」
「月並みね」
「月と肩を並べられたら僕は幸せだよ」
君は上機嫌に脚をぷらぷらして、
「月の裏側、見たことある?」
「ないよ」
「見てみたい?」
真ん丸な目が僕を覗き込んでいる。
僕は目を逸らして月を見上げる。
君がくすくすと笑っている。
月夜が僕を揶揄っている。
お題「月に願いを」
最初に思ったのは
星じゃないんだ、と
願いをかける対象に月というのは
あまり耳慣れないと思った
しかし調べてみればあるもので
曲の題名だったり居酒屋名だったり
しっかり月は溶け込んでいた
月にはもう人類が足を踏み入れ
謎めいたその存在感は随分と薄らいで
ウサギもお餅をついてなく
願いをかけるには少し現実的に見える
それでも月に願わくば
きっと昔はいたに違いない
ウサギがついたお餅を食べてみたい