『最初から決まってた』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
60歳が近くなると、産まれた時から何もかもが
決まってたのかなと思う。
学校も結婚も住まいも子どもも、違う道を選びたかったけれど、無理な話で、このまま死ぬまで、
つき進むしかないのか。今からでも方向転換は、
できないものかと思ってしまう。
最初から決まってた
このことが起こるって最初から決まってたんだ。
だから仕方ない。ってことはないと思うんだよね。
今までの行動でその結果になったのだと。
行動したから上手く行った。上手くいかなかった。
【最初から決まってた】
「最初から決まってたからね、ひっくり返すのは難しいよ?」
「『できない』わけじゃないんでしょ?」
尋ねると、「あ〜」とも「う〜」とも言えない声で唸って、不味いものでも呑み込んだような顔になる。出来レースは嫌いじゃなかったの?
「無理だって言わなかったよね?」
「揚げ足取んないでよ。『難しい』と『無理』は同じ意味なんだよぅ。知ってるでしょ?」
「でも、できないわけじゃないよね?」
できるの知ってるからね。考え込むフリをしてもだめだよ。
しばらくして「しょうがないなぁ」のニュアンスで小さく息を吐いて、真っ直ぐこちらを見る。
「まあ、やるからには……やるけどね。あんま期待しないでよ?」
「またまた」
「もう。『またまた』じゃないよ。プレッシャーに弱いんだよ?」
「またまた〜」
「任せなさい」って言ってくれて、大丈夫だよ。
「信頼してるからね」
そう言ったら、下手くそなウィンクを一つ寄越した。
最初から決まってた。何をしても無駄と。だから最後まで宙ぶらりんなのだ。
ある日、母は私にこう言った。
「あら。いたの。」
なんの気ない一言だったと思う。実際、なんの意味もない一言だ。それでもその一言は、私の胸には黒鈍くのしかかった。
それより幾日か前、私は道端に落ちた鳩を見た。死んだそれの目は脆く、只〃そこに落ちているだけだった。しかし、そんなモノに私はどうしても惹かれてしまうのだ。
それよりずっと前、初めて人と交えた。薄く伸ばされた様な肌に手を重ね、波打つ髪を抱きしめた。
「このまま殺してくれ」 と、切に願った。
ある日は西登る竹分けの日であった。祖母の連れた小熊と一緒に、悴んだ弟の手を飲み干した。ひの屋に横たわった藁を、私はこうして首にしめている。
あぁ。なんとも。では、また。
「最初っから決まってたことさ」
てるてる坊主はそう呟いた。
たしかに、数年早くなろうと大して変わらない。
最初から決まってたんだ。この恋が実ることはないと。
だって、君が見ていたのは違う誰かなんだから。
僕に笑いかけるのと、あの男に笑いかけるのとでは目の
奥に見える感情の違いに気付いてしまった時、叫びたく
なる衝動にかられた。どうして、どうして。そう叫んでしまえたら良かった。けれどそれでどうにかなる訳では
ない。仕方がなかったのだ。そういう風に最初から決まっていたんだ。そう思うしかない。
「…ふっ、あはは。」
告白する勇気ももうない。今は早くこの恋心を忘れなければと考えるたびに虚しくて一人泣き続けた。
『最初から決まってた』
【最初から決まってた】
夜雨は、いつか春歌とは離れることになると確信している。
理由はない。けれど、ただただ確信している。
いつか、が決まっているのなら、今でもいいのではないか。
離れるべきか、まだ離れずにいるべきなのか。
終えるか、終えないか。
毎日は選択の連続で、決断したくない夜雨は、天に託してみたりする。
どちらにしようかな
神様の言うとおり
「ヨウ!」
手をぶんぶんと振りながら駆け寄ってくる春歌に、ひらりと軽く上げて返す。
今日もまた、こうして春歌と共にいる。
天が言うのだから仕方ないのだ。
──結局のところ二択なら、初めに指差した方が選ばれるのだと決まっていたとしても。
「最初から決まっていました」
紳士然とした若い男は優雅に微笑むと、傍らに抱えていた大きなバラの花束を片手に持ち直す。
「私の伴侶となるべく人は貴方です」
ゆっくりとした足取りで一人の女性の前に立った若者は、戸惑う彼女の前に堂々と跪く。
「どうか私の妻になっていただけませんか?」
バラの花束を差し出した若い紳士に、相手の女性はおずおずと視線を向け、躊躇いがちに口を開いた。
「あの・・・・・・、私と貴方は今日初めてお会いし、会話をしたばかりです。お付き合いをするくらいならともかく、貴方みたいなお方が私のような者に結婚の約束をするのはいささか早計なのでは・・・・・・?」
若者は俯きかけていた顔をあげ、にっこりと満面の笑みを浮かべた。
「貴方を一目見て、私の心は決まりました。貴方から見れば私の判断はまるで一瞬の出来事のように感じられるでしょうが、ここに至るまで私の頭脳は目まぐるしいほど途方もない演算を繰り返し、そしてようやく辿り着いた結果なのであります」
こうして人類史上稀に見るほどの天才と謳われた資産家は、彼にとっては永遠とも思えるくらいの長い数分を経て、後に語られる一世一代のプロポーズを果たしたのである。
【最初から決まってた】
甘い甘い視線、弾ける様な鼓動。
どうしようもない胸のときめきに締め付けられる。
きっと最初から決まっていた。
貴方は私を好きにならない。
これから先どんなに素敵な恋をして、愛を見つけられてもずっと呪いみたいに苦しめられる。
金に装飾された額縁に縁取られた貴方をひと撫でした。
きっと何処かにいると、信じて。
最初から決まってたんだろうな。
君とはこうなるって、ずっとはないってわかっててもそれでもまた君を求めてしまう。
最初から決まっていた
学校からの帰宅途中に個人店のケーキ屋があった。家から徒歩20分間でいくつかの道路を超えて公園の向こう側にあった。
母が甘いものが好きなのと、そのケーキ屋作るケーキは美味しく彩り豊かで、小さなイベントがあると姉と弟を連れて買いに行ったものだ。
月に3回は買っていたので向こうにとっては常連客だろう。若い夫婦が経営していたが、当時の私は、おじちゃん、おばちゃん、と呼んでいたはずだ。
母と私は季節のもの、姉はチョコレート、弟はチーズケーキを良く選び、父は甘いものが苦手なため甘さ控えめのシューばかり食べていた。
私にとってはご褒美であり、イベントがあればいつでも食べられる甘味だった。
そのうち、姉が大学ため家を出てそのまま結婚。弟は野球の強豪校に入学し寮生活のため家をでると、イベントがみるみる減ってしまった。しかし残念とは思わなかった。成長により私の味覚が変化したため甘い物よりも苦い物を好むようになったからだ。母にケーキを勧められもあまり手をつけなかった。
私は自宅から大学に通っていたが、就職をすると同時に家を出ることになった。しばらく返ってこないから、といつものケーキがでてくる。1年ぶり食べたらやはり甘かった。苦い珈琲で口を潤す。
それからあっという間に時間が経ち、私も所帯をもった。仕事の多忙に加え、実家までの距離は5つの県を越える。そのため頻繁に帰ることが出来ず、今回の帰宅は実に五年ぶりであった。
馴染みのある道を通る。あの道を曲がり、ここを真っ直ぐ進んで、公園が見えてきて、その途中にあるケーキ屋…………の看板がなくなっていた。人気はなく雑草が玄関脇に生えている。
閉店したのか、と私に衝撃走る。幼少期記憶脳裏をよぎり不意に目頭が熱くなった。とはいえ私はもう大人である。閉店をすんなり受け入れると、何事もなかったように家族を引き連れ実家へ向かった。
「ようきたね」
母が出迎えた。顔を見た時に母があのケーキ屋が好きだったことを思い出す。さぞかしガッカリしているだろうと胸が少し痛かった。
茶でも用意しよう、と台所に行った母を追う。
私は後ろ頭を掻きながら、
「あの店閉店したんだね。残念だ」
と告げると、母が冷蔵庫からホールケーキの箱を取り出した。ロゴを見て私はあわてる。閉店したはずの、あのケーキ屋だった。
「なにいっとん。移転しただぁけ」
笑いながら、母が箱をあけた。15センチのフルーツケーキが出てくる。真っ白い生クリームの上にツヤツヤしたフルーツが乗っている。
「ほら。季節のフルーツケーキ。美味しそうだなぁ」
「あーっ ケーキだー」
「おおおすっげーっ これがばーちゃんのいってたオススメケーキかーっ」
タイミング良く子供達やってきて、遅れて妻もきた。
「お義母さんありがとうございます。一度食べてみたくて。とても美味しそう」
「こちらこそいい理由ができたわ。早速切って食べましょうや」
あれ? と私が首を傾げると、母はにやっと笑った。
「ケーキがあるのはあんただけ秘密にしたんよ。移転前のケーキ屋みると思ったから、驚かせようと思ってな」
「ばーちゃん早くきってーっ」
「きってーっ」
「はいはい、まっとれ」
母がケーキを切り分けていく。
みんなグル? と聞くと妻は頷いた。私は苦笑する。
実家についたらすぐにケーキを食べること。これは最初から決まっていたそうだ。
子供達が頬張りながらケーキを食べている。妻は母と談話しながら食べている。私は苦い珈琲を片手に、懐かしい甘さと再会した。
私の人生なんて最初から決まってた
孤独で自由がなくて醜くて
最悪な人生
いじめられても誰にも相談できない
信じられる人もいない
家族は仲はよくないし
友だちになんていない
生きてる意味ってあるかな?
考えてるだけ無駄
私は今生きてる世界を
どう生きるか考えるのみ
幸せになるためにはどうすればいいか
考えても考えてもわからない
誰か教えて
わたしはどう生きればいい?
この世界で生きるには何をすればいい?
悔いのない人生にするにはどうしたらいい?
あの子と居たら私まで悪い方に行く、そんなこと最初から決まってたよね。それでもあの子の事が大好きで離れられないの
どうかしてるわ
最初から決まっていた
ショーケースに並べられたケーキたちをじっと見つめ、どれにするかをしかと吟味する。別に特別な日では無いが深夜にスイーツ特集なんて見てしまってからどうしても甘いものが食べたい衝動が止められなかった。
久しぶりに立ち寄ったケーキ屋は記憶の中にあるよりもきらきらと煌めいており、何でもない日を特別なものへと変える不思議な力を感じさせた。
チョコレートにしようか、季節のフルーツをあしらったケーキも魅力的だ、いっそチーズケーキとか、王道のショートケーキも悪くない。見れば見るほどどれも最高に美味しそうでひとつだけを選ぶのなんて到底無理なことに思えた。
うんうんと頭を抱え、ふと気づく。
何となく、ケーキはひとつだけしか買えないという思い込みをしていたが、自分にはそんな縛りがないことに思い至ったのだ。幼い頃の自分も今と同じようにケーキ屋に来てはどれにしようか何時までも悩み、両親に急かされたものだった。
あの時は親からケーキはひとつだけね、という言いつけに従うしか無かった。しかし今、自分は好きなだけケーキを買い、食べる権利がある。
そこからの自分の行動は早く、店を後にした自分の手にはそこそこの重みのあるケーキの箱が握られていた。
大人になるのも悪くない。
随分と軽くなった財布からは目を逸らし、ケーキの入った箱を抱え直し、家へと足を進めた。
「最初から決まってた」
君はとても可愛らしい
愛おしくて愛くるしい
もっと早く会いたかった
君と会うことは
最初から決まっていたから
幸せだった
この時間がいつまでも続けばいいと思ってた
でも、
【最初から決まってた】
✂ーーーー⚠ーーーー✂
元々好きだった人から相談を受けた
「元カノが自殺しようとしてるらしくt......」
でも、貴方はその人のことを
"推しの話ばかりするから''
という理由で別れてる
「自分で言ったのに気になっちゃうんだよねー」
私が貴方に
「貴方の返信が約1年も読まれないのは
ブロックされてるから、振られたのに
ずるずると引きずってる人はそうそういない
手を引くべき」なんてことを言えばきっと彼女は
元彼のことで今日も悩まなくて生きていたのに
【最初から決まってた】物事の全ては最初から決まってた
ものではないかと・・・。それを知らないだけで・・?
最初から決まってたのなら、神よ!なぜ、私は
この道なのかをお教えてくださいませ。どうして、
叶わぬあの方を追いかけていくのかー。運命以外の
答えでお教えくださいませ。そして、私にどうか
ささやかな奇跡をー
3年後のpure
人間は必ず死ぬ。最初から決まってる。
それまでは何も決まってないけどね。
最初から決まっていた
あなたとの 出会い
遅すぎず 早すぎス
良いタイミングで 出会った
目があったときこの人だと思った。
少し茶色っぽく蜂蜜を連想させるきれいな目。
すらっとした体型。
私を夢中にさせるには十分で、
きっと最初から君を好きになることが決まってた。
一生手の届かないところにいる。
画面のなかで踊っている君に。