最初から決まってたんだ。この恋が実ることはないと。
だって、君が見ていたのは違う誰かなんだから。
僕に笑いかけるのと、あの男に笑いかけるのとでは目の
奥に見える感情の違いに気付いてしまった時、叫びたく
なる衝動にかられた。どうして、どうして。そう叫んでしまえたら良かった。けれどそれでどうにかなる訳では
ない。仕方がなかったのだ。そういう風に最初から決まっていたんだ。そう思うしかない。
「…ふっ、あはは。」
告白する勇気ももうない。今は早くこの恋心を忘れなければと考えるたびに虚しくて一人泣き続けた。
『最初から決まってた』
8/8/2023, 8:06:17 AM