『暗がりの中で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「おい、起きろ」
「んん…?」
「交代だ」
「あ、ロイ、見張りありがとう…」
「俺は寝る。明日も狩りだからな」
まだ少し眠い。そういえば今日はライラと一緒だったんだ。焚き火の前に座っている。
「ミリア、起きたのね」
「うん。大丈夫?」
「今のところ何もないわ」
わたしたちは6人で旅をしている。仲間といるのは楽しいけど大変なことも少しだけあって、そのひとつが野営だ。毎日宿に泊まれるわけではない。野営のときは二人一組で、火のそばで見張りをするのだ。
「ねえライラ」
「なに?」
「あのね、今日ルークがダジャレ言ってたとき、シオンたちはくだらないって言ってたけどわたしはちょっと笑っちゃった」
「あはは!実は私もよ。あの3人のツボには入らなかったみたいだけどねえ」
暗い森の中、この火のそばだけは明るくてライラの顔がよく見える。わたしが大好きな笑顔。一緒に見張りをするとき、ライラはいつもわたしの話をニコニコしながら聞いてくれる。リヒトは空を指さして星座の名前や神話を教えてくれるし、ロイは黙って弓の手入れをしているけど、わたしが寒そうにしてたら何も言わないで薪をくべてくれる。シオンの故郷のことを聞いたり、ルークと一緒に明日は何を食べるか考えたりする時間も大好き。みんなすごく優しい。わたしが一番年下なんだけど、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいたらこんな感じなのかな。そんなことを考えるころには、東の空が白みはじめていた。朝焼けを見ることができるのは、この時間帯に見張りをする人の特権だ。
暗がりの中で寝ようとしてるけど、なかなか眠れない。あの日の出来事が、声が、頭から離れない。いつかふたり、結ばれる日が来るのかな。何で好きになったのかはよくわからない。でも、初めてきみを見かけた日、不思議な気持ちになったのを覚えている。ずっと、この人を探していた気がする、って心のどこかで感じた。それからきみを見かけるたび、どんな人なんだろうってすごく気になった。ねぇ、知らないでしょ?運命を信じているのは、自分だけなのかな。でも、待ってる。ずっと待ってる。きみが振り向いてくれる日を、待ってる。待ってる間は自分を磨くよ。相応しい人になれる、その日まで。
あなたの名前を呼ぶ。
きっと助けてくれると信じて。
きっと気づいてくれると信じて。
希望を持って。
あなたの姿を探す。
きっと来てくれると信じて。
きっと手を取ってくれると信じて。
あなたの優しい声が耳に響く。
手を伸ばすと、あたたかい感触が伝わる。
あなたの香り。
いつだって希望を与えてくれる。
そう、信じている。
暗がりの中でも。
信じるものがある、私は強い。
暗がりの中で
最も暗い闇のなかにいるときこそ、光を見い出すことに集中しなければならない。
アリストテレス
すごくしんどかった時に、一日中聴いていたある歌手について、「この人の歌は暗いんじゃなくて、闇の中から光を求めてるように思う」というファンのコメントを見つけ、それがとても私の気持ちにぴたりと合っていました。ずっと心にかかっていたところ、この言葉に出会いました。
あきらめてないからこそ苦しい、それでいいから。と言ってもらった気がしました。
#71
暗がりの中で。そういえば寝るときに電気をつけたまま寝る人もいるらしいな。
まぁ寝ようと思えば電気ついてようがカーテン開いてようが寝れるだろうけどやっぱ暗いほうが睡眠の質が高まると思う。
結構前に遮光カーテンを買って部屋の暗さを高めて寝るようにしたら少し眠りの質が良くなった気がする。
でも遮光カーテン買う前のことあんま覚えてないからやっぱり気がするだけかもしれない。
でもいわしの頭も信心からって言うしな。プラシーボ効果とかあるしこういうのは自分がいいと思えればいいんだきっと。
そういえばこれも結構前だけど部屋の電気も紐で引っ張るタイプからリモコンでオンオフするタイプに買い換えた。
以前から電気のひもが天井からたれてて邪魔だと思っていた。だけど昭和生まれの貧乏人だからひも電気に慣れてたからそれを買い換えるという発想がなかった。
でも最近生活環境を整えようと色々便利グッズとか買ってた。その一つとしてひも電気を買い換えた。
こういうのってちょっとしたストレスだからまぁいいかってなるんだけどなくしてみると思った以上のストレスだったみたいだ。めっちゃすっきりした。
どうでもいいけどひもで引っ張る電気って今の人には通じなそう。ひもボクシングとか昭和の貧乏人くらいしか知らないんだろうな。
―暗がりの中で―
1日目
蝋燭のようなぼやけた明かりが小さく灯り
私の目の前でゆらゆらと揺れていた
ほら…こっちへおいで…と
もう何も怖くないから…と
私を手招きして
秘密の場所に誘い出すかのように
私は明かりに導かれるままに歩き始めた
2日目
暗がりの中で響く足音
コツコツ…コツコツ…と
石畳の上を歩くような音だけが
規則正しく木霊する
ここがどこなのかも分からないが
私の足は明かりを目指して動いていた
思考だけはおかしなくらいに冴えていた
5日目
辺りは相も変わらず静まり返っている
私の足音だけが絶えず木霊する
どれほど歩き続けただろう
時間も分からなくなってきていた
飲まず食わずで歩き続けているのに
足の疲れは全くなく
足に止まる気は更々ないようだった
君が現れたせいで
ここが陰だと気づいてしまった
『暗がりの中で』2023/10/29
暗がりの中で
暗がりの中で見つける小さな光
針の穴ほどの光で良い
見つけられたら
誰かが照らしてくれたら
暗がりの中から抜け出せる
その光を信じて
『暗がりの中で』 180
『もう目が慣れた』とあなたが言うから、照らす理由が無くなった。
『照らさなくても見える』と言うから、照らす苦労も無くなった。
窺い知れないあなたの表情。
……わざわざ照らす理由は如何に。
誰かに理由を伺い立てる。
……己の責務と矜恃は何処に?
猫が鳴く。
虫が鳴く。
風が鳴く。
後悔しても時は戻らず。
自業自得と──が泣く。
暗がりの中で
部屋を暗くして布団をかぶっても、意識がなくなるまで会いたい、もう考えないようにしよう、でも、、を繰り返してる。恋、片想い難航中
暗がりの中で遊ぶ
鬼さんこちら 手のなる方へ
絶え間ない笑い声が響き渡る
あともう少し
あたたかい光が迎えにきてしまうまで
こうして遊んでいたい
あともう少し
少し冷たい暗がりの中で遊んでいたい
真っ暗な部屋の隅
全てを投げ出したい夜に
浮かんでくるのは
大好きなあの人の声
なんで好きになっちゃったんだろう?
あの人を知る前に戻りたい
同担拒否が否定される世の中じゃ
いつまでも辛いまま
大好きなあの人を大嫌いになるために
何が出来る…?
そんなことを考えながら
今日もまた浅い眠りにつく
【暗がりの中で】
膝を抱え胎児のように丸まり横たわる。ここは暗くて冷たくて、もう大切なものが何処にあるのかも分からなくなってしまった。
それでも一筋の蜘蛛の糸のように貴方の声が聞こえる。
手を伸ばしたくて、能わなくて。
貴方を損なうくらいならこのまま消えてしまいたいのに、貴方はそれを許してはくれない。
『暗がりの中で』
暗がりの中で、異質なモノを見つけた事がある。ただ、直感的に、あれはダメだと肉体が拒絶するように、全身の毛穴が開いた時の痺れ具合が、あの時私の全身に走っていた。今、思えばあれはこの世で最も関わりを持ってはいけないモノだったのだろう。
なぜなら、家まで走り帰って家族に言われた言葉がなんで全身血塗れなのだと叫ばれたからだ。勿論、私はモノに触れてはいない。何より私自身が体を見ても血など1滴も付着していなかった。
けれど、見つけた事がいけなかったのだ。この後、家族は私を近くの寺に連れて行きお祓いを受けさせた。お祓いを受けている最中に、私を取り囲むようにあの異質なモノが私との距離を詰めようとしているのが見えた。私は、全身の毛穴から体の水分が全て出ていくのではないかと思う程に、汗が流れ出ていた。
だが、汗が流れる度にあの異質なモノは私の目の前から少しづつ姿を消していった。結局全て居なくなるのに、8時間近くもかかった。私は暗がりの中に、潜り込むことは二度としないと誓った。
暗がりの中を、探すな。
お終い
冬
夜と朝の区別がつかない時間帯に
外に出る
徐々に明けていく空
暗がりの中で太陽を待つ
※暗がりの中で
暗がりの中で佇む私に
彼は私に声をかけてくれる
「ひとりじゃ危険だよ。」
「...うん。」
「ねぇ帰れるかな、わたしたち」
「わかんない。きっと帰れるよ。」
「うん。」
「じゃあ行こう」
今日も私と彼は暗がりの中を歩き続ける
─────『暗がりの中で』
暗がりの中で
見つけた光
希望という名の
本音の光
#暗がりの中で
わざわざ自分で「今日から寝る時は真っ暗にするの!私はおねえちゃんだから!」と宣言した君に、いつの間にそんなに成長していたのかと驚き半分嬉しさ半分で、そっかと答えたけれど、やっぱりまだ暗がりが怖くて泣いてしまった君。
ぱぱ、一緒に寝てあげる!
そう言って私の布団に潜り込んできた君。
どれもこれも私にとっては大切な思い出。
だけど、この思い出も作れるのはあと少しかな。
そう考えると少し寂しい気もするけれど、君の成長だと思うとそれすらも微笑ましいな。
これから反抗期も来るかもしれない。
だけど、私の唯一の願いは君がいつまでも健やかに過ごすこと。
だから、あと少しだけぱぱっ子でいてくれよ。
【暗がりの中で】
電気を落とした真っ暗な家の中で身を潜める。暗い家は昔から大嫌いだった。両親の怒鳴り合う声の響く中、押し入れの片隅で膝を抱えていた日々を思い出すから。だけど。
手の中のクラッカーと電灯のスイッチとを、そっと握りしめる。どうしてだろう、君のことを思うとこの闇も怖くないんだ。君がどんな顔で驚くのか、嬉しそうに笑ってくれるのか、そういうことを想像するとひたすらに胸が弾んで、暗がりの中で過ごす時間も悪くないもののように思える。
玄関の鍵の開く音。廊下を歩く規則正しい足音。
「ただいま。あれ、いないの?」
不思議そうな君の声が耳朶を打つ。勢い良く立ち上がり、クラッカーを盛大に鳴らした。
「お誕生日おめでとう!」
スイッチで電気をつければ、あまりの眩しさに目がくらむ。電灯の真っ白な光に照らされた君の瞳が、驚愕に大きく見開かれていた。まるであの日、家を追い出されて路地裏で膝を抱えていた僕を見つけてくれた時と同じように。
『え、子供……? こんなところで何してるの⁈』
太陽の光を背負った君が、まるで神様のように見えたことを覚えている。あの日から僕の人生は君のもので、君が笑ってくれる姿が僕の生きる意味になったんだ。
「お祝いしてくれてありがとう、むっちゃ嬉しいよ!」
満面の笑みで僕を抱きしめてくれる君の温もりが、空っぽな僕の心を満たしてくれた。
夜は優しい
毎日世界を一色に近づける
暗がりの一元論
夜は教えてくれる
世界に差異を生んでるのは光だと
その光の中で見た何かに怖くなった今日
夜ではそんな何かも私と同じ色になっていく
瞼の裏と世界の差異がなくなっていく
私の中の世界と世界が重なっていく
わずかに残る感覚だけの世界に私がいる
世界にいるのは私だけなのではないか
そんなふうに独我論が私を包み込んでいく
暗がりの中でみた独りの世界が怖くなってきた
自分以外の何かの存在を信じたくなった
私以外の何か…何か…誰か…
朝は優しい
毎日夜に終わりを告げる
多元な世界へ私を連れ出す