―暗がりの中で―
1日目
蝋燭のようなぼやけた明かりが小さく灯り
私の目の前でゆらゆらと揺れていた
ほら…こっちへおいで…と
もう何も怖くないから…と
私を手招きして
秘密の場所に誘い出すかのように
私は明かりに導かれるままに歩き始めた
2日目
暗がりの中で響く足音
コツコツ…コツコツ…と
石畳の上を歩くような音だけが
規則正しく木霊する
ここがどこなのかも分からないが
私の足は明かりを目指して動いていた
思考だけはおかしなくらいに冴えていた
5日目
辺りは相も変わらず静まり返っている
私の足音だけが絶えず木霊する
どれほど歩き続けただろう
時間も分からなくなってきていた
飲まず食わずで歩き続けているのに
足の疲れは全くなく
足に止まる気は更々ないようだった
10/29/2023, 1:15:40 AM