『時間よ止まれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
友達と楽しそうに話して笑っている時
購買で買った好物のメロンパンを頬張っている時
授業中ぼーっと外を眺めている横顔が見れた時
時間を止めて 色んな瞬間の彼を 目に焼きつけたい
『時間よ止まれ』
夜の11時、やっと残業を終え家に向かう。疲れを感じながらの運転だが、この時間国道は朝の様な渋滞が無く走れるのがいい。
その内、コンビニ脇の赤信号で停まった。
…そう言えばここを右に曲がると旧国道だと聞いた事がある。集落の狭い道は危ないので新たに今の国道を作ったらしい。
ちょっと通ってみようか。
ほんの好奇心で入った道は噂通りの狭い道だった。本当に狭いな…と思いながらもうすぐ旧国道を抜ける時、遠くの脇道を曲がった車がこちらに向かって走って来るのが見えた。ところが何故かその車は同じ車線を走っている。
え?何で!?
慌ててクラクションを鳴らす。それでも車は真っ直ぐこちらに近づいて来た。走るのを止め、更にパッシングも加えつつクラクションを連打する。だが車はそのままの状態で、もう、直ぐそこまでやって来た。
お願いだから気が付いて!ああ、時間よ止まれ!
誰かこれは夢だと言って…
ぶつかるっ!と覚悟したとたん、車はひょいと車線変更して何事も無かったように去って行った。
…何だったんだろう、あれは。
私は暫くそこから動くことが出来無かった。
時間よ止まれ
ひび割れた 哀しみを 唄うのなら 過去の空 思うより
《時間よ止まれ》
一生にたった一度だけ、魔法が使えるとしたら。
たとえば、見たこともないような大金を手にすることができる。
たとえば、誰もが夢見る幸せな世界へたどり着くことが出来る。
たとえば、永遠に失ったはずの大切な何かをふたたび手にすることが出来る。
わたしが望んだのは、時間を止める魔法だった。
人生でたった一度だけ、自分の好きな時にその時間を止めることができるというもの。
なぜこの魔法を望んだのかといえば、時間というものがあらゆることに干渉する、とても大きな存在だから。それを操ることは、世界を操ることと言い換えてもいいから。
あと、何となくカッコイイから。
だからいま、猛烈に後悔している。
いま、わたしの目の前には、大型トラックが停まっている。
いや、停止している。
それは、エンジンを切っているという意味ではなく、わたしの魔法が発動したことによって停止している。
人生でたった一度だけの発動機会を、わたしは使ってしまったわけだ。
でもそれは仕方の無いことなのだ。
トラックの目の前、その運行先。
ほんのすぐ鼻先にいるのは、小さな女の子だ。しかもトラックに気づいていない。
そう、今私の目の前では、小さな命が失われようとしている。
それを、冷たく見過ごすことはできなかった。
考えるよりも先に、わたしは時を停める魔法をつかっていた。
そして、激しく後悔している。
それは、一生に一度しか使えない、せっかくの機会を失ったからではない。
別に、その女の子を救うことが出来ないためでもない。
女の子を抱えて、別の場所へ動かそうと、わたしは時間停止と共にすぐ駆け寄った。
しかし、わたしはみてしまった。
その女の子に向かって、同じく駆け出そうとしている人物が、むこうの方にいる(ただしその人物も停止している)。
その人物は、一年前にわたしの目の前から消えていた。
一向に探しても、どこに行ったのか分からなかったが。
そして、傍には見知らぬ相手もいた。わたしの知らない、どこかの誰か。
合点はすぐついた。
わたしは、女の子に駆け寄るのをやめた。
そして、大きく後悔してしまった。
この小さな命を救おうとした、最初のわたしがいなくなっていること。
こんな命なら無くなってしまえ、と思ってしまうわたしがいること。
こんなことなら、違う魔法にすればよかったと、激しく後悔した。
どうせなら、もっと違うもの。
そう、たとえば。
《…続いてのニュースです。
昨日の午後12:30頃、○○公園傍の横断歩道で、トラックの衝突事故が発生しました。
現場の調査によりますと、事故にあったのは、付近のマンションに住んでいたとされる片山健吾(かたやま けんご)さん・38歳。
運転席に乗っていたため、軽傷の模様です。
また、事故付近で様子をみていた丸岡さん夫婦によりますと、「うちの娘が横断歩道の真ん中にいたんです。そのときにトラックが来て…。慌てて駆けつけたんですが、間に合わなくて……」
丸岡さん夫婦の長女・丸岡ゆみちゃんは、「おっきいワンちゃんだった」と述べております。
なお、この事故で死亡した、中型犬はこの付近でよく見かけられていたものの、何処かのペットなのか分からず…………》
「時間よ止まれ」
読みたい漫画を全部読みたい
追いきれなくなった長編RPGを最新作まで全部プレイしたい
好きな曲の歌詞を見返して深掘りしたい
デッサンからプロダクトデザイン、彫刻まで、美術の基礎を勉強しなおしたい
個展を開けるくらい沢山作品をつくりたい
やるべきことに追われてやりたいことができない日常から抜けだしたい
やりたいこと全部やるには人生は短すぎる
(あとがき)
ただの自分語りです。
『時間よ止まれ』
時計の針を指で重ねて、魔法を解いていく
歯車に振り落とされた人々の少し甘い涙は
錆を舐めるような聖歌をうたい続けたまま
焦げ付く匂いは乾電池の電極を間違えさせ
端っこにこびり付く永遠を醜くも奪い合う
ゆっくりと、ゆっくりと魔法は解けていく
止まった時間の中で私は何を後悔できるのだろうか
止まった時間の中で私は何を信じられるのだろうか
時間よ止まれ
あー、無理だわ
どうすればいいんだ!
呪文を使うんだ!
動きを止まれ…
動きよ!止まれ!
アレストモメンタム!
時間よ止まれ!!
……
……
……
そしてそのものは永遠に時が止まり動かなくなった
「原作読んだり観たりしたことないけど、そのネタだけは知ってる。……結構多いと思うんよ」
たとえばそれこそ、「時よ止まれ」の漫画とか。
某所在住物書きはネットで某漫画を検索しながら、今回配信分に何で立ち向かうか画策していた。
時間が止まればどれだけ助かることか。
「『メンテが終わればメンテが始まる』の元ネタも、読んだことは無いが原作の名前も絵も知ってるし。
『だったら漕げばいいだろ!』なんて、語録大量に覚えてるが本編観たことねぇし。……あと他は?」
ところで昔々、20年以上前、海外ゲームの映画化において、「もし時間が止まったら」を簡潔かつ短時間だけ描写した場面があった。
空間内に静止している物体は、力が加わるまで静止し続ける。慣性の法則という。
時間内に静止しているナイフに対して、「同じ『時間の力』が加わるまで静止し続ける」とした。
ひょっとしたら「時間よ止まれ」は「物体よ止まれ」であり、「空間よ凍りつけ」かもしれない。
――――――
私、後輩こと高葉井は、2月末をもって今のブラックな職場を退職して、
3月1日から推しゲーの聖地にして生誕の地、都内の某図書館に転職するんだけど、
転職に誘ってくれた元同僚にして3月からの先輩の付烏月さん、ツウキさんは、
この図書館で、二度目の恋をして、ソッコーでフラれて、今ではメシ友以上恋人未満の関係らしい。
最初の恋人はどうだったの?
って、聞いたことがある。
そっちは両思いだったそうだ。
『両思いだったけど、敵対組織の悪いひとにカノジョが目を付けられて、さらわれちゃって、
助け出してからお互いがお互いのためを考え過ぎちゃって、そのせいでお互い「大嫌い」って嘘ついて、別れちゃったんだよーん』
とか言ってたから、要約すると「別れた結果はナイショ」なんだと思う。
『元カノさん元気にしてる?』
『だから、メシ友以上恋人未満』
『それは二度目のカノジョさんでしょ?』
『うん』
『え?』
『うん』
そんなこんなのハナシをしてた付烏月さんは、
どうやら、私の推しゲーの、推しカプの右の人に酷く似てる神レイヤーさんと、お知り合いらしい。
そのひとはなんと、私の推しゲーの聖地にして生誕の地、要は私が3月からお世話になる図書館に、
レアエンカウントな確率で、来るそうだ。
個人的にすごくお近づきになりたいから、
付烏月さんにワイロを渡して、是非会いたいと、伝えてもらった。
今日は、あわよくばその神レイヤーさんと会えたらの期待を寄せつつ、「あくまでそっちはサブの目的というつもりで」、
3月からお世話になる予定の図書館に、お世話になりますの挨拶をするため、
菓子箱を持って、某図書館に、行ったものの、
「マジかぁ……」
図書館って、月曜日は、休館らしい。
「付烏月さん、『月曜日にアポ無しで図書館に行ってみな』って言ったじゃん。いったじゃん……」
どんより曇り空のなか、気分下がり気味なのを頑張って、外に出てきて図書館まで来たのに、
見事に、付烏月さんにダマされたらしい。
玄関には休館日の看板。それから、利用時間外の返却はコチラみたいな矢印と案内板。
「……明日、ちゃんと連絡入れよっと」
グルチャの付烏月さんにぷんぷん、怒りマークのスタンプと、「騙したなッ!」のスタンプ送って、
秒で既読が付いたのを確認してから、
来た道を戻ろうとしたら、
「ん?」
すぐ、付烏月さんから返信が来た。
『図書館の中庭見てごらん』
「なかにわ??」
玄関から、少し歩く。
本館の一般第一開架書庫が見えてくる。
紫外線対策が為されたガラス張りで、無人のテーブルと大きい本棚が見える。
「なかにわ、」
テーブルの先が、中庭だ。
それは一般第一開架書庫と、一般第二開架書庫と、一般第三開架書庫を繋ぐように作られていて、
キレイな自然と、キレイなベンチがある。
休館日の図書館の、中庭のベンチに誰か居る。
男の人だ。読んでいた本を閉じて、大きなため息を吐いて、私に背を向けて遠くへ歩いていく。
「ひっ!!」
そこで一気に、一瞬で、私の血圧が上がった。
変な声も出た。悲鳴だったと思う。
「ル部長……ルリビタキ部長だ!!」
私から離れていくその人は、まさしく、どこからどう見ても、私の推しゲーの推しカプの、右の人にそっくりだった。完全に、その人そのものだった。
「待って、待って」
スマホで動画撮りたいけど会ってお話したいけどそもそも休館中の図書館にどうやって入れば良いんだろうで、私の頭が混乱している間に、
推しカプの右によく似た人は、私から離れていく。
「おねがい、まって……!」
ああ、時間よ止まれ。ガチでとまれ。
私の高血圧と脈拍上昇も知らず、休館中の図書館の中庭に現れたその人は、私の視界から消えた。
あとで付烏月さんに聞いたら、
その人こそ、私が「会いたい」って付烏月さんに頼み込んだ、「高葉井ちゃん曰く『ルブチョの神レイヤーさん』」、だったそうだ。
何個か前のお題です。
犬のために貧乏をしていることで有名な先輩がいて、それがわたしの好きな人だった。
犬派ですか? 猫派ですか? と分かりきった質問をして甘えていると、先輩が、猫派かな、と言い出して、この人うそみたいな人だなって思った。百瀬さんもそうでしょ、といわれたけど、なにをもってそう思ったのか、わたしはまったくの犬派である。
それから十年経ち、社会人になって、結婚したわたしは犬を飼うことになる。貧乏だったら飼わなかったと思うので、やっぱり犬のために貧乏をしたあのころの十夜先輩はおかしかったと思う。
寝室から起きてきた髪も顔もぐしゃぐしゃのわたしを見て、その十夜さんが、猫みたいだね、といった。
わたしは、十年越しの謎が解けたような、それとも深まったような、たじたじした気持ちになって、その場に立ち尽くした。
あと一年したら、あの子が来る。
彼を籠絡して、私を悪役令嬢に仕立て上げ、一生をかけても償えない冤罪を被せて、彼から婚約破棄を言い渡させて、北の牢獄に閉ざす、この物語のヒロインが。
転生したと気づいた時から、どうにか運命を避けようとした。
良い子に振る舞い、周囲に優しく、将来の国母として恥ずかしくない行いを。
それでも、物語の強制力か。母は病で亡くなり、父は宰相として野心を抱き傲岸に振る舞う。周りは私に媚びへつらい、本当の友達なんていない。
「どうしたんだい?」
やわらかい笑顔を向ける彼も、一年後には冷たい仮面しか私に見せなくなる。知っているから、黙って微笑み首を横に振る。
そう、すべてを諦めていたのに。
「お会いしたかったんですううう!!」
一年後、あの子はデビュタントで他の男に目もくれず、私めがけて走ってきて、がばりと飛びついた。
「その美しさ、強さ、聡明さに、アタシは、アタシはあああ!!」
とりあえず落ち着けとなだめても、その子は推しに出会ったオタクみたいなテンションでまくしたてる。
「大好きです! 貴女と幸せになりたいんです!!」
ああ。なんてことだろう。
もし神がいるならば、このまま時間を止めて。
お題:時間よ止まれ/たつみ暁
時間よ止まれ
時間が止まったら良いのにと思ったことはないだろうか。
ほとんどの人があると思う。それは自分にとって都合の良い未来を作りたいからである。例えば、試験勉強する時間がない時、時間を止めてずっと勉強できれば良いのに。若い見た目でずっと入れれば良いのに。と色んな場面でその思いは出てくるだろう。つまり、人は未来が不安なことが多く、それをどうにかならないかと妄想することが多い。
ということは、
なぜ人は不安になると妄想するのか。それはどうにかなるという特別な能力をもった漫画やアニメ、映画があるからだと考える。これらはこんな能力があったら良いのにから始まったと物語だと思う。
お題『時間よ止まれ』
寝坊した時、時間停止能力が使えるようになりたいと思う。
たとえば、と妄想する。
寝坊した。今から家出たんじゃ確実に仕事に遅刻する。
そう思った時、時間を停止し、ゆっくり朝食をとり、身だしなみを整え、家を出て電車に乗った瞬間に時間を動かす。
そうすれば、会社に遅刻しなくて済む。
ギリギリに行動しがちな私が欲しくて欲しくてたまらない能力である。
時間よ止まれ。
以前にも同じお題で書いただろー、と思い、文章を書くに至れない。最近私元気がないのである。
半年ほど前の話だった。
脳内に血流を止めると厄介だから、パスすることにする。時間停止よりはるかに高効率である。
“時間よ止まれ”
夜の街を歩いている
遠くで犬が吠えている
街灯が照らすアスファルトの上に
影が伸びては縮んでゆく
風は静かに頬を撫で
誰かの話し声がかすかに響く
微かに揺れる信号の光
交差点には誰もいない
耳を澄ませば
時計の針が進む音がする
微細な振動を伝えながら
世界は止まることなく回り続ける
けれど今は願う
この一瞬が永遠になることを
鼓動の合間に挟まる静寂のように
揺らめく光の間に忍び込む影のように
君が笑ったその瞬間が
風に舞う花びらのように
空に溶けた淡い茜のように
消えてしまうのが怖くて
だから願う
この指先が触れたまま
君の声が空気を揺らしたまま
夜の帳が閉じるまで
過去も未来も霞んで
ただこの瞬間だけが鮮やかに
焼き付いて離れないように
呼吸も忘れるほどに
時が過ぎれば
きっとこの感情も
思い出の中に沈んでいく
波のように寄せては返す記憶の奥へ
それでも今は
名もなき感情を抱きしめ
この瞬間の中で息をする
たとえ次の瞬間が来たとしても
君の瞳に映る光が
今を映しているうちは
この世界のすべてが美しく
心の中に永遠を宿している
だからもう少しだけ
時計の針を忘れさせてほしい
風の音が遠ざかる前に
影が闇に溶ける前に
今、この時を抱きしめる
どこまでも広がる夜の静寂の中で
楽しい時間は早く過ぎる
なのに、仕事とか嫌な時間ほど
中々過ぎない
また明日も仕事。
いっそ、時間なんて止まればいいのに
時間よ止まれ/夜凪
時よ止まれと願う場面は多い
楽しくて仕方ない時
悲しみをこれ以上感じたくない時
怒りに身を任せそうな自分を止めたい時
しかし、そのどれも実際叶ってしまったらどうなるのだろう。
人は叶うはずないと理解しながらもそう思わずにいられないのだ。絶対に起こり得ないからこそ思うのだ。実際に時が止まったのなら人は……どうなるのだろうか。
2025/02/17_時間よ止まれ/癒凪(X@yuna_popoyo)
娘がまだ歩き始めた頃
目の前で階段から転がり落ちた
あー!
一瞬時が止まったかと思った
動けなかった
無事でよかった
泣き声が嬉しかった
時間よ止まれ
なんて思う間もなかった
でも、よくよく考えてみると時間よ止まれって思った事ないかも
今日のお題
うん
時間が止まったら空中の埃とかも止まるから動けないじゃん
うん
なんてね
うん
無事でよかった
時間よ止まれ
メフィストフェレスか。化物語で知ったようなそれ以前から知ってたような、どうあれ有名なセリフだな。
これどんな状況でのセリフなんだっけ。化物語で見たはずだけど覚えてない。化物語もずいぶん昔の作品だからな。
原典となる作品も見たことないし。原典は作品なんだよな?よくわからないけど。
どれだけ有名でも古典、それも外国の作品となるとやっぱり読む機会はあまりないからな。
昔はなんでか忘れたけどアルジャーノンに花束をとか名前を聞いたことある有名な作品を読んでたこともあったけど今はしなくなったな。
というか最近は小説を読むことがほとんどなくなった。漫画はまだ読んでるけど小説はすっかり読まなくなってしまった。
今はとにかく動画の時代だよな。配信者が強いこと。無料でだらだらしながら楽しめるのは本当に強い。
小説にしろ漫画にしろ自分で先を読む必要があるけど動画はなにもしなくても勝手に進んで楽しめるからな。
その点はテレビもそうだけどテレビはこっちが時間を合わせる必要があるのが大きな違いだな。
好きな時になにもしないでも自分を楽しませてくれる。配信者が人気なわけだ。
それでも俺は小説を書く。俺は俺が書く作品が好きだから。
時間は、戻らない
何をやっても、時間は進んでいく
戻ることができないのなら、せめて止まってほしかった