『時間よ止まれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
趣味で写真を撮ることがある。
被写体は主に空だ。
雲の流れ。夜明けや日暮れの色調の変化。
空は一瞬を逃すと、まったく違う表情になってしまう。
同じ表情は二度と見られない。
その一瞬を逃したくなくて、ついつい思ってしまう。
時間よ、止まれ。
私は不思議なボタンを手に入れた
綺麗な今、嬉しい今、楽しい今
色んな今を見つけた時
私はボタンをポチっと押すの
そしたらカシャって音がして
色んな今をとっちゃうの
とってきた過去の時間
それは止まって動かない
けれど頭の中では動き出す
不思議な不思議な紙になる
時間よ止まれ
汗をかいたグラスの 冷えたジンより
光る肌の香りが 酔わせる
幻でかまわない 時間よ止まれ
生命のめまいの なかで
都会の匂いを忘れかけた
ただの 男と女
想い出の恋になると 西風が笑うけど
幻でかまわない 時間よ止まれ…
「時間よ止まれ」 替え歌
やっぱ、「時間よ止まれ」って言ったら、これしか思い浮かばない。良い詞だよね、好きとか嫌いとかズブズブの直接的な言葉はひとつも出て来ないけど、煌めく夏の熱い想いがさらりと描かれている。
「モンロー・ウォーク」 作詞 来生えつこ
爪先立てて海へ モンロー・ウォークして行く
いかした娘は誰 ジャマイカあたりのステップで
目で追う男たちを 無視して腰をひねり
ブロンズ色の肌 光受けなまめく
昼下がりの ざわめく浜辺
噂のうず 巻き込む潮風
胸元の汗キラリ 目のやり場にも困る
口説き落としたいのに 隙もないね君は…♪
やっぱ、プロは違うよね、これぞプロの神表現の嵐は、この一節だけで、彼女がどれほど魅力的で主人公の心を惑わせるのか、読み手(聞き手)に其々の女神、モンロー・ウォークの彼女の姿を有り有りとイメージさせる。最早文芸小説の出だしのようだ。これなんですよ、これ、素人が逆立ちしたって乗せられないフレーズをサラサラと書く、それが作家の作品の創作ってやつ。憧れるよねぇwww 憧れるのは勝手だけど厨ニの日記じゃあ、いや、逆に厨ニの日記を四十、五十で書けたらある意味天才?かも知れんがwww けれど、やっぱり俗っぽい形容詞の羅列じゃあ、詩でも物語でもないし、書きっぷりは書きっぷりで創作意欲の創作者が日記でも嗚呼、やっぱりここなんだわなと分かるよねぇ素人は素人なんよな、自称はそれこそ自画自賛伯爵だろうが芥川賞作家だろうが、日本が誇る最後の語部だろうが、優しくありたい繊細さんだろうが、天才・秀才・バカだろーが勝手にしやがれだけど、謙虚さは大事だよなとしみじみ思うのであったぁ〜。
厨ニ病は、拗らせるとやっかいだ。
世界が灰色に何時も見えて、好き嫌いが善悪の基本で、自分が嫌えば世界中がそれを嫌いだと思っている。そうでなければ駄々をこねる、自分の好きなものに対しても同じ執着を示すだからストーカー気質。自分の好き嫌いが通らないとなると、他者が悪者に見えて、自分がか弱き被害者になる。灰色の悪魔に追いかけられた可哀想な自分を助けてってなる、君のことだよ。日記だか短編だか創作意欲がないのに態々書きに来る君、文学賞にでも応募したまえ、そして、落選したら選考者が悪者なんだろ?君たちみたいな人って、おお、恐ろし。やっぱ、思った通りの馬鹿だwww「とどまれ」は「止まれ」のカナ表記 どちらも「とどまれ」とも読めます。カナにすると曖昧になり、古文ぽくなるから賢そう?www らしいですねwww バカと天才は紙一重www
わたしは、今夜も神々の作品を愛でるように模倣するだけ。自分が生きて来た現実も結構気に入っているから、それもいい。夫と子供たちと孫と、細やかなわたしの仲間家族とつくりあげたこれこそが、わたしの創作の作品なので、十五の夜のじゃなかった方の夢は夢で玉手箱の中で眠らせておいて、いや、5番街に預けておいて、たまに酒の肴にあれば良い。それはそれで、とても幸せだ。記憶が曖昧だと思う程忙しく走りまわっていた1990年代終から2000年代始め。今ようやく、古い日記の中にある先のことなど考えず、刹那に今だけにと粋がって今を生きるとか格好つけて、支え続けてくれた人の心を気遣わず寄り添わず、若さを無駄にして都会の隅で雨の日は雨に濡れ、熱い夏には日陰探して自由に生きていた、自分のことにただ忙しく生きていた青春の日々も、それはそれで馬鹿で可愛くも輝いた私たちの日々だからと、その日があるから、変わらない十五の夜の夢を笑って語れるのだろうと思う。そして、支え続けてくれた人達に心から感謝出来るようになって、道は開けたのだと思う。今ようやくゆっくりと周りの景色を楽しみながら歩ける時が来たのだ。
「時間よ止まれ〜千光年のお伽噺」
心助は、何時ものように巨大望遠鏡を覗く。
どうやら、千光年先の青い星を、今しがた心助が丁度反転させた場所は真夏のようであった。東の空が白む頃ズームを合わせた先には二人の少年がいた。朝帰りか、二人の家は向かい合わせのようで、まだ静かなうちに互いの家に戻ろうとしていたら、奥から戸を開ける音が静かな朝のまだ温まりはじめたばかりの少しひんやりとした空気を切るように響いたガラガラガラと同時に二人の母親らしき女が、同じ格好で出て来た。やおら互いの息子に気づくとカミナリがはじまって、二人は母親と取っ組み合いの喧嘩になり、母親達は互いの息子の頬にビンタした。それもそのはず、どうやらぷらぷらとして今朝も朝帰りこれから部屋に帰って また、日が西に傾く頃まで一休み一休みだとさっき二人で相談している様子で、今夜もまた、丑の刻参りの予定を二人で組んでいたのだった。心助は不思議な儀式でも見るようにその丑の刻参りを見物していた。月を読んで何時やら見た妖怪使いにでもなるのか?それなら働いてほしかろうに、二人の母親は、先ほど引っ叩いた息子たちを放り出して、朝から野良仕事に出掛けて行った。
二人は、大層な怒りようで、暫く二人で母親の悪口でも言っていたのだろうか、話込んで、やがておのおの家に入ったかと思うと、荷造りをして旅姿で出て来た。脇にはちゃっかり母親の拵えた握り飯を抱えて、頬張りながらまだ鶏が鳴き始める前に家を出て行く様子であった。
これが、世に言う家出と云うやつか!心助は興味津々見つめていた。
どれくらい歩いたのだろう、えらく大きな燃える星は歩く二人の真上に差し掛かるところだ、二人が行く路は白く埃を巻き上げ、地下からも熱が噴き上げる様で、息を吐く口は、水を貰えぬ犬さながらにハァハァと言っていることが千光年先の心助にも分かった。すると、一転にわかに掻き曇り、黒い空を連れてきてその黒を割くかのごとく稲妻が走った。さっきまで空一面我が物顔で燃え滾っていた朱色の大きい奴は、その燃え滾っている奴が吐いた息の塊が爆弾抱えて突っ込み返したみたいな奴に追いやられている、やがて黒が支配する頃、勢いよく天が破れたように水が落ち嵐がやって来た。二人は遠くに追いやられた燃える星が差す光目がけ走った。そこには、そう大きくはないサーカスのテントらしきものが見えて、青い空に赤や黄色のアドバルーンをあげていた。二人は光目指して走った。やっとの思いで嵐を駆け抜け、青い空と燃える星の下に出た。「ヤレヤレ」二人が顔を見合わせた時、サーカスのテントから男が出て来た。「おまえたち何処から来たんだ?ずぶ濡れじゃないか」そんなことでも言っているのだろうか?二人に大きな布っきれを手渡すと話し込み始めて、一人の少年をテントの中に手を引いて消えた。もう一人は、テントの方を見つめていたが踵を返し、来た道を嵐目がけて飛び込んで行った、後から一人の少年を連れて行った男が追いかけていたが、少年の足は速く嵐の中へと吸い込まれて、やがて嵐を追い越しまた燃える星の下へ出た。空は一面オレンジ色になっていて、鴉が寝床へ向け飛んでいた。少年は野良仕事を一日終えて帰って来た母親たちに、急いでもう一人の少年を向かいに行かなければ
いけないと促し、二人の母親も行こうとしたが村の男衆に止められた、見上げると空は水しぶきと風稲妻でゴォーゴォーと音を立てて荒れ狂い始めていた。明日嵐が止んたら帰って来るだろうから、もし嵐が止んでも帰って来なければ迎えに行こう、そんな話になったのだろう。その日、村の家々の戸は早々と閉ざされた。気づけば、時間が止まったように嵐は三日三晩おさまらずに、ようやく燃える星がその村に昇ったのは四日目の朝だった。けれど、あの少年は帰って来ない。村人総出で、もう一人の少年の案内で、サーカスの場所をあたるも見つからない、そもそもサーカスが来ていた噂さえない。
少年の母親は心配そうに泣き崩れ、村の男衆達は、家出だから、そのうち帰って来るだろと言い合っているようだ、そのうちに二ヶ月が経ち三ヵ月が経ち、相変わらず無し
の礫に心配を募らせる母親に、いつもと変わらぬ真夏の燃える星は頭の上を過ぎ、時間は決して止まらず季節は変わり、母親は日々の暮らしと追いかけて来る仕事に追われ季節をやり過ごしている。何処からか「あんなどら息子、いい歳してんだ、ほっときなよ」てな声まで聞こえて来そうなほど、村の暮らしぶりは時間が止まっているように変わらなかった。変わったのは
もう一人の少年、少年はあの日空で燃える星と黒い嵐が喧嘩して黒ぐろしい嵐が燃える星を端に追いやり月からの矢のような青い稲妻を地上に降らせた晩から目に見えて変わった。実に黙々とよく働く青年になった。「あの日が二人の分岐点だったのか、その場の気分感情に流れ
今だけに自分だけに生きた少年と 背中に感じるもの嵐の来る家に心寄せた少年との違いかな」心助は呟いてコーヒーを入れ替える。
「時間よ止まれ」は、決して時間は止まらないから止まれと願う人の情なのだ。けれど時間は止まらないから私たちは悲しみも苦しみも憎しみも時に委ねて生きて行ける。
「時間は止まらない」生きている限り。
いつかへ続く
令和7年2月16日
心幸
『時間よ止まれ』
時間よ止まれ!!!
宿題が終わらないんだよぉぉ!
時間よ止まれ
時間よ止まれ!そう叫びたくなる。
いったいわたし、今までどんな有意義なことしてきた?
時間を止めて、自分の人生振り返ってみたくなる。
でも、時間は止まらない。ハラハラと指の間を砂が落ちるように、時間もサラサラと流れていくの。
昨日から今日、そして明日へ。
止まれないなら、今を味わうしかないね‥スマホで誰かの幸せ覗き見なんかしてないで。
大人
──────
「ひぃ、さむ…」
「そりゃそうでしょこんな時期に海とか」
私の一言で始まった今日のドライブデート。
ドラマで見た夜の海がどうしても印象的で、でも一人で行くのはなんだか寂しくて。彼氏に懇願したところ渋々了承してくれた。
本当はお昼から出かけたかったけど、お互いの予定が夜しか開けられなかったということで夜デートとなったのだ。なんだか新鮮な気持ちで、少し浮かれてしまう。
「砂浜やっぱり冷たいね」
「冬の夜に暖かかったらびっくりだよ」
「それもそうか」
中学生みたいな会話をしつつ、海辺に行ってみる。
月の光を反射してキラキラとした海は、テレビで見ていた以上に息を飲むほど綺麗だった。
すると突然、びゅんと吹いた風に体が押されてバランスを崩した。
うわ、ちょっと、待っ──────
「…大丈夫?」
「びっ、くりした」
海水が足に浸かる一歩手前で彼が私を支えてくれたようだ。こんな風に抱きしめて貰ったことって最近あったっけ…最近お互い忙しかったからな…と思考を巡らせていると、体がぐるんと回された。
耳に入ってきた音は、波の音ではなく私のものでは無い心臓の音だった。
「どうしたの」
「最近こうしてなかったなって」
「さっきそれ私も思った」
「…ごめんね」
「何が?」
「ここずっと、きちんと顔合わせられてなくて」
「しょうがないでしょ」
同棲もできていない私たち。
準備すらもできる余裕がなくて、連絡できる時もぼちぼち。気の迷いが相手にできてたら…と考えてしまうのは私だけかもしれないけど。
というか、夜も更けてきた頃だし明日の仕事に響くのは嫌だ、という彼の口癖を思い出した私は優しく彼から離れようと試みる。…が、更に力を強くされた。
「ん…どうしたの、そろそろ帰らなきゃいけないんじゃないの」
「もう少し、このままでいさせて」
…仕方ない。
彼の言葉を免罪符に、頭を彼の胸元にぐりぐりしながら身を委ねた。
20250216 【時間よ止まれ】
時間よ止まれ。
そう思っている時も時間は進んでる。
時間はもう戻らないみんな平等だから。
今を生きる大切さを知ろう。
楽しかった青春(いま)を楽しもう!
令和7年2月16日日曜日
時間が止まったところでアンタは俺を救えるか?
って感じの文脈で行くと必ず死ネタ直行になってしまうのでどうにかしてハピハピにしたい所存
毎度毎度こんなので申し訳ない
「時間よ止まれ」
「……もう少し良い言い方はない?」
「それってどんな?」
「ファウストが言った台詞があるんだけど、それがさ、私の読んだ訳では『時よとどまれ、お前は実に美しい』ってなってた、確か。そんな感じの」
「誰だっけそれ?」
「よく憶えてないけど、表紙の絵はバッハみたいな顔してた気がする」
「音楽家なら時も止めたくなるよね」
「止まった時間のなかでも音は奏でられる?」
「バッハなら、ね」
「時間よ止まれ」
***
「止まれっ!!!」
しかしその叫び虚しく、無情にも球は狙いの一つ先のポケットに落ちた。ルーレットで10万円負けが決まった瞬間だった。
「祐樹ほんとツイてねーな」
隣で笑いながら和彦が言う。和彦は3万勝っているらしく、機嫌が良かった。
「俺らトータルでみたら負けてんだぞ?これじゃ飯にもありつけないぞ」
「なんでトータルでみてんだよ。自分で負けた分は自分で取り返せよ」
「和彦って案外冷たいよな」
「時間を止められたらな、ポーカーもルーレットも百戦百勝なのにな」
「馬鹿、なんで俺らだけ動けるんだよ。真面目に取り戻す術を考えてくれ」
そう話しながら俺は既に次の賭けのことを考えていた。
***
結局、負けを取り戻そうと闇雲になった結果、俺はさらに5万負け、和彦も欲を出したのが運の尽き、終わってみれば3万の負けになっていた。2人して肩を落として店を後にしたが、バカをするのは2人の常だった。1週間もすれば笑い話になっていた。
しかし和彦はもういない。突然、「俺は幸せを見つけた。お前も、お前自身の幸せを探してくれ」とメールが来て、それから連絡がつかなくなったのだ。前触れは何もなかった。いや、俺が気づいてなかっただけなのかもしれない。彼女でもできたんだろうか。あるいは、もともと彼女がいて婚約したんだろうか。よく思い返してみると、俺には和彦の知らないことがたくさんあった。
「あの頃に戻りてえな」
カジノの勝ち負けなんかどうでもいい。もし今の自分があの時に戻れるなら、和彦の言ったことを肯定していたかもしれない。
「ああ、時間、止めてぇな」
「俺、あの頃の友情を取り戻してぇよ」
そっと目を閉じると、ロープの強度を確認し、首にかけていた手を離した。そして、そうしなければならない衝動に駆られて少し背筋を伸ばした後、乗っていた椅子を勢いよく蹴り倒した。
「俺、幸せを見つけられなかったよ」
心の中でそう言いながら、意識が遠のくのを感じた。
最高に幸せな時、君は心の中で「時間よ止まれ」と叫ぶ。
でもそんな時こそ、時間は急速に過ぎ去っていく。
恋する時間というのは、短く感じるものだよ。
魔法使いの猫でも、永遠の幸せを願う君の時間を止めることは無理なんだ。
もしかしたら、160億年先に炎の再生鳥がやって来て一瞬だけ時間を止めてくれるかもしれない。しかもその後、時間は逆戻りする。
だけど誰も160億年も待てないしさ。
せつない話だね。
「時間よ止まれ」
題 時間よ止まれ
時間よ止まれ。
そう言って時間が止まったら私は何をしたいのかな。
ちょっと考えてみた。
学校でみんな勉強している所を1人で抜け出して、誰も動かないグラウンドの真ん中で寝てしまう。
うん、いい感じ。
そんなことをしてみてもいいかも。
それとも他の場所に行こうか?
大きなお店に入って皆を観察しちゃうとか。
デパートやスーパーの止まっている人を見つめる。
あ、空港に行ってもいいな。
止まってる飛行機の近くに行って、中に入ったりしちゃうの。
水族館に行ってもいいかも。
止まったお魚を見たり、それを楽しそうに見つめる人を見つめるのも楽しそう。
どんな雑踏に行ってもうるさくないのは有り難すぎる。
渋谷の雑踏を歩いて静寂を楽しむのもいいな。
うん、やりたいこと沢山思いついた。
でも、でもずっとは嫌だよ。
みんなとずっと話せないのは寂しいよ。
私は1人でずっと生きられる自信がないから。
1人は楽だけどね。でも独りじゃ何も出来ない。
移動も楽じゃない。
お母さんにご飯も作って貰えない。
水道もガスも使えない。
私は1人だけで生きてる訳じゃないんだな、ってこう考えると気付かされる。
時間を止まれ!はやってみたいけど、せいぜい1時間くらいでいいかな、って私は結論づけたんだ。
男の子の夢
大抵が叡智なことをするために思うこと
(“時間よ止まれ”)
酷い寒さで目を覚ました。
大凡(おおよそ)私の住んでいる地域ではあり得ないほどの⋯⋯文字通り凍える寒さで目覚め、そして部屋の異変に驚愕する。
天井や壁には霜の様なモノが降りていて、家具は霜なのか凍っているのか分からない程薄っすらと氷に覆われていた。
とりあえず私はダメ元で暖房をつけようとしたが、やはり付かず⋯⋯ともすれば寒さを凌ぐ為にタンスかクローゼットを開けて厚着するしかない。
私は霜焼けしないように今まで掛けていた毛布を使ってタンスを開けようと試みるも、完全に凍っていて開かなかった。ハンマーか何かで氷を砕ければ開けられるかもしれないけど、家にあったか思い出せない。
次はクローゼットに挑戦する。とりあえず少し叩いてから取手を毛布越しに掴み、心持ち強めに引っ張ってみた。取っ手は見事に壊れたけど、何とか開けることが出来て私はその中から着れそうな服で、なるべく暖かいモノを選び重ね着する。
何とか暖を取れたので今度は部屋から出ようと扉を少し叩いて氷にひびを入れてから、ノブを回して体当りしつつ扉を開けた。
結果クローゼットの時よりも酷い壊れ方したけど仕方がない。そのまま両親の寝室に向かい、同じ方法で扉を開けて中に入るも⋯⋯2人は安らかな顔で眠ったまま氷漬けになっており、手遅れであるとすぐに分かった。
それから玄関のドアを開けようと頑張ったけど、ここはびくともせず開けることは出来なかった。とはいえ窓を割って外に出るわけにもいかず、私は途方に暮れることとなる。しかし、そんな非常時の中でも、身体は素直なもので―――お腹が空いたと腹を鳴らした。
私はキッチンへと向かうと食べられそうなモノを探し、何とか凍っていないモノを見つけて食べ、ついでにかなり冷たいが飲み物も確保して部屋へと戻る。
昨日まで普通に生活していた筈なのに、なぜこんな事になってしまったのか。
確かに幸せな時間が長く続けば良いなと思った事はあるけど、こういう意味じゃない。そもそも人が死ぬような永久凍土なんて誰が好き好んで望むというのか。
一応食べ物と飲み物を摂取してから色々と考えてみたが、私のような小娘如きでこの事象がなんなのかなんて分かるはずもなく⋯⋯結局、やることもないので寝ることにした。
何もかもが氷漬けにされた世界で、何故か生き残ってしまった私に出来ることなんてこれ以上何も無いから―――明日は目覚めない様にと祈りつつ、少し凍り始めているベッドに毛布を敷いて包まり眠る。
そうして次の朝が来ないようにと、切に願いながら⋯⋯私は酷い寒さの中で意識を手放した。
時間よ止まれ
君がくれたチョコレートはカバンの中。
バレンタインに「勉強の休み時間にでも食べて。」
授業終わりにこっそりくれたチョコレート。
俺が食べた事ないような高そうなやつ。
俺ん家、貧乏だから公立しか無理って言われてるし、
中学の制服も近所の兄ちゃんのお下がりだし、アパートだし。
貧乏は嫌だ。
ただそれだけで、何をしていいかわからなくてがむしゃらに勉強してきた。
私立の合格はもらえたけれど、通わせてもらえないから嬉しくもない。
あと少し、高校生になったらバイトだってできるし、奨学金借りて大学行けば貧乏な暮らしじゃなくなるよな?
君がくれたチョコレートだって、自分で買えるようになるよ。
さぁ、詰め込んだ知識の放出だ。
「はじめ」
の声と同時にカリカリと皆がペンを走らせる音がする。
俺も負けじとペンを走らせる。
残り15分。
見直しの時間だ。
途端に不安が押し寄せる。この紙切れに俺の人生がかかっているんだ。
勉強していた時、金持ちの家の奴を羨んだ時、家が貧乏で悲しかった時。君がくれた見た事ないような綺麗なチョコレートを貰った時。
フラッシュバックみたいな走馬灯みたいな記憶と焦燥感で吐きそうになる。腹も痛くなる。
お願いだから。
頼むから。
時間よ止まれ。
あーいやだ
明日から月曜日じゃん
「時間よ とまれ」って言ったって
意味ないのにね
でももしかしたら気づかない間に止まったりして
何十年後の私をのぞいたら
蒸発してる?この苦しみは
いい体験 時よ止まれと願うほど
積んでかなきゃと思うんだけど
♯時間よ止まれ
カーテンの隙間から差し込む朝日に
気がついて目を開いた
目覚まし時計を見る
仕事が始まる時間だった
『時間よ止まれ』
【時間よ止まれ】
絶対見た事あるって
このお題
遡って探してみようと思ったけど
気付けば結構な数が積み上がってる
自分のだけでも良いから
検索機能欲しい.......
時間は止まらない
あ、でも
自動ドアの前では止まったような
あの時は
逆に早く過ぎ去って欲しかったけど
時間は止まらない
ここに来るようになってから
まだ1年も経ってないけど
既に検索機能を欲しがるくらいには
過ぎた時間の足跡が残ってる
時間は止まらない
きっと
後戻りしないように
出来てるんだろう
時間は止まらない
それならもう少し
背中を押してくれればいいのに
時間は止まらない
だから
俺の箸も止まらない
時間は止まらない
だから
離れていく君を止められなかったのか
時間は止まらない
だから
留まる事も出来ない
時間は止まらない
きっと直ぐに新しい時間がやって来る
時間は止まらない
たまには止まってもいいんだぜ?
自分のことを好きな人は好き
自分のこと嫌いな人は嫌い