時間よ止まれ
汗をかいたグラスの 冷えたジンより
光る肌の香りが 酔わせる
幻でかまわない 時間よ止まれ
生命のめまいの なかで
都会の匂いを忘れかけた
ただの 男と女
想い出の恋になると 西風が笑うけど
幻でかまわない 時間よ止まれ…
「時間よ止まれ」 替え歌
やっぱ、「時間よ止まれ」って言ったら、これしか思い浮かばない。良い詞だよね、好きとか嫌いとかズブズブの直接的な言葉はひとつも出て来ないけど、煌めく夏の熱い想いがさらりと描かれている。
「モンロー・ウォーク」 作詞 来生えつこ
爪先立てて海へ モンロー・ウォークして行く
いかした娘は誰 ジャマイカあたりのステップで
目で追う男たちを 無視して腰をひねり
ブロンズ色の肌 光受けなまめく
昼下がりの ざわめく浜辺
噂のうず 巻き込む潮風
胸元の汗キラリ 目のやり場にも困る
口説き落としたいのに 隙もないね君は…♪
やっぱ、プロは違うよね、これぞプロの神表現の嵐は、この一節だけで、彼女がどれほど魅力的で主人公の心を惑わせるのか、読み手(聞き手)に其々の女神、モンロー・ウォークの彼女の姿を有り有りとイメージさせる。最早文芸小説の出だしのようだ。これなんですよ、これ、素人が逆立ちしたって乗せられないフレーズをサラサラと書く、それが作家の作品の創作ってやつ。憧れるよねぇwww 憧れるのは勝手だけど厨ニの日記じゃあ、いや、逆に厨ニの日記を四十、五十で書けたらある意味天才?かも知れんがwww けれど、やっぱり俗っぽい形容詞の羅列じゃあ、詩でも物語でもないし、書きっぷりは書きっぷりで創作意欲の創作者が日記でも嗚呼、やっぱりここなんだわなと分かるよねぇ素人は素人なんよな、自称はそれこそ自画自賛伯爵だろうが芥川賞作家だろうが、日本が誇る最後の語部だろうが、優しくありたい繊細さんだろうが、天才・秀才・バカだろーが勝手にしやがれだけど、謙虚さは大事だよなとしみじみ思うのであったぁ〜。
厨ニ病は、拗らせるとやっかいだ。
世界が灰色に何時も見えて、好き嫌いが善悪の基本で、自分が嫌えば世界中がそれを嫌いだと思っている。そうでなければ駄々をこねる、自分の好きなものに対しても同じ執着を示すだからストーカー気質。自分の好き嫌いが通らないとなると、他者が悪者に見えて、自分がか弱き被害者になる。灰色の悪魔に追いかけられた可哀想な自分を助けてってなる、君のことだよ。日記だか短編だか創作意欲がないのに態々書きに来る君、文学賞にでも応募したまえ、そして、落選したら選考者が悪者なんだろ?君たちみたいな人って、おお、恐ろし。やっぱ、思った通りの馬鹿だwww「とどまれ」は「止まれ」のカナ表記 どちらも「とどまれ」とも読めます。カナにすると曖昧になり、古文ぽくなるから賢そう?www らしいですねwww バカと天才は紙一重www
わたしは、今夜も神々の作品を愛でるように模倣するだけ。自分が生きて来た現実も結構気に入っているから、それもいい。夫と子供たちと孫と、細やかなわたしの仲間家族とつくりあげたこれこそが、わたしの創作の作品なので、十五の夜のじゃなかった方の夢は夢で玉手箱の中で眠らせておいて、いや、5番街に預けておいて、たまに酒の肴にあれば良い。それはそれで、とても幸せだ。記憶が曖昧だと思う程忙しく走りまわっていた1990年代終から2000年代始め。今ようやく、古い日記の中にある先のことなど考えず、刹那に今だけにと粋がって今を生きるとか格好つけて、支え続けてくれた人の心を気遣わず寄り添わず、若さを無駄にして都会の隅で雨の日は雨に濡れ、熱い夏には日陰探して自由に生きていた、自分のことにただ忙しく生きていた青春の日々も、それはそれで馬鹿で可愛くも輝いた私たちの日々だからと、その日があるから、変わらない十五の夜の夢を笑って語れるのだろうと思う。そして、支え続けてくれた人達に心から感謝出来るようになって、道は開けたのだと思う。今ようやくゆっくりと周りの景色を楽しみながら歩ける時が来たのだ。
「時間よ止まれ〜千光年のお伽噺」
心助は、何時ものように巨大望遠鏡を覗く。
どうやら、千光年先の青い星を、今しがた心助が丁度反転させた場所は真夏のようであった。東の空が白む頃ズームを合わせた先には二人の少年がいた。朝帰りか、二人の家は向かい合わせのようで、まだ静かなうちに互いの家に戻ろうとしていたら、奥から戸を開ける音が静かな朝のまだ温まりはじめたばかりの少しひんやりとした空気を切るように響いたガラガラガラと同時に二人の母親らしき女が、同じ格好で出て来た。やおら互いの息子に気づくとカミナリがはじまって、二人は母親と取っ組み合いの喧嘩になり、母親達は互いの息子の頬にビンタした。それもそのはず、どうやらぷらぷらとして今朝も朝帰りこれから部屋に帰って また、日が西に傾く頃まで一休み一休みだとさっき二人で相談している様子で、今夜もまた、丑の刻参りの予定を二人で組んでいたのだった。心助は不思議な儀式でも見るようにその丑の刻参りを見物していた。月を読んで何時やら見た妖怪使いにでもなるのか?それなら働いてほしかろうに、二人の母親は、先ほど引っ叩いた息子たちを放り出して、朝から野良仕事に出掛けて行った。
二人は、大層な怒りようで、暫く二人で母親の悪口でも言っていたのだろうか、話込んで、やがておのおの家に入ったかと思うと、荷造りをして旅姿で出て来た。脇にはちゃっかり母親の拵えた握り飯を抱えて、頬張りながらまだ鶏が鳴き始める前に家を出て行く様子であった。
これが、世に言う家出と云うやつか!心助は興味津々見つめていた。
どれくらい歩いたのだろう、えらく大きな燃える星は歩く二人の真上に差し掛かるところだ、二人が行く路は白く埃を巻き上げ、地下からも熱が噴き上げる様で、息を吐く口は、水を貰えぬ犬さながらにハァハァと言っていることが千光年先の心助にも分かった。すると、一転にわかに掻き曇り、黒い空を連れてきてその黒を割くかのごとく稲妻が走った。さっきまで空一面我が物顔で燃え滾っていた朱色の大きい奴は、その燃え滾っている奴が吐いた息の塊が爆弾抱えて突っ込み返したみたいな奴に追いやられている、やがて黒が支配する頃、勢いよく天が破れたように水が落ち嵐がやって来た。二人は遠くに追いやられた燃える星が差す光目がけ走った。そこには、そう大きくはないサーカスのテントらしきものが見えて、青い空に赤や黄色のアドバルーンをあげていた。二人は光目指して走った。やっとの思いで嵐を駆け抜け、青い空と燃える星の下に出た。「ヤレヤレ」二人が顔を見合わせた時、サーカスのテントから男が出て来た。「おまえたち何処から来たんだ?ずぶ濡れじゃないか」そんなことでも言っているのだろうか?二人に大きな布っきれを手渡すと話し込み始めて、一人の少年をテントの中に手を引いて消えた。もう一人は、テントの方を見つめていたが踵を返し、来た道を嵐目がけて飛び込んで行った、後から一人の少年を連れて行った男が追いかけていたが、少年の足は速く嵐の中へと吸い込まれて、やがて嵐を追い越しまた燃える星の下へ出た。空は一面オレンジ色になっていて、鴉が寝床へ向け飛んでいた。少年は野良仕事を一日終えて帰って来た母親たちに、急いでもう一人の少年を向かいに行かなければ
いけないと促し、二人の母親も行こうとしたが村の男衆に止められた、見上げると空は水しぶきと風稲妻でゴォーゴォーと音を立てて荒れ狂い始めていた。明日嵐が止んたら帰って来るだろうから、もし嵐が止んでも帰って来なければ迎えに行こう、そんな話になったのだろう。その日、村の家々の戸は早々と閉ざされた。気づけば、時間が止まったように嵐は三日三晩おさまらずに、ようやく燃える星がその村に昇ったのは四日目の朝だった。けれど、あの少年は帰って来ない。村人総出で、もう一人の少年の案内で、サーカスの場所をあたるも見つからない、そもそもサーカスが来ていた噂さえない。
少年の母親は心配そうに泣き崩れ、村の男衆達は、家出だから、そのうち帰って来るだろと言い合っているようだ、そのうちに二ヶ月が経ち三ヵ月が経ち、相変わらず無し
の礫に心配を募らせる母親に、いつもと変わらぬ真夏の燃える星は頭の上を過ぎ、時間は決して止まらず季節は変わり、母親は日々の暮らしと追いかけて来る仕事に追われ季節をやり過ごしている。何処からか「あんなどら息子、いい歳してんだ、ほっときなよ」てな声まで聞こえて来そうなほど、村の暮らしぶりは時間が止まっているように変わらなかった。変わったのは
もう一人の少年、少年はあの日空で燃える星と黒い嵐が喧嘩して黒ぐろしい嵐が燃える星を端に追いやり月からの矢のような青い稲妻を地上に降らせた晩から目に見えて変わった。実に黙々とよく働く青年になった。「あの日が二人の分岐点だったのか、その場の気分感情に流れ
今だけに自分だけに生きた少年と 背中に感じるもの嵐の来る家に心寄せた少年との違いかな」心助は呟いてコーヒーを入れ替える。
「時間よ止まれ」は、決して時間は止まらないから止まれと願う人の情なのだ。けれど時間は止まらないから私たちは悲しみも苦しみも憎しみも時に委ねて生きて行ける。
「時間は止まらない」生きている限り。
いつかへ続く
令和7年2月16日
心幸
2/16/2025, 1:23:17 PM