時を告げる』の作文集

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時を告げる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

9/7/2024, 4:08:12 AM

時間は容赦なく過ぎていって、リミットの時が告げられる。
名残惜しいが、もう終わりだ。
ああ、楽しい時間ほどまさに刹那のように去ってしまうものだな。

9/7/2024, 4:08:01 AM

『時を告げる』

深夜2時に起きた
起きる必要はないのに
もう新聞配達は卒業したのだ

また3時間後に
新たな自分の人生の時を告げる

9/7/2024, 3:53:47 AM

ぴぴぴぴ、とヒヨコの形を模したタイマーが時を告げる。

お腹のボタンを押して鳴きやませた灰原は、目の前のポリスチレン容器の蓋の一部を剥がす。
「えっ!?何その穴開き部分!なんでそこだけはがれるのお?!」
「これは湯切りのためだよ!ここから中のお湯を捨てるんだよ」
容器を持って隣のシンクへ移動し、傾けて中の湯を流していく灰原を観察している椋に声をかける。
「ほら、くーくんもやってみて?」
「うん」
ぺりぺりと湯切り口の蓋を慎重にはがし、近くのゴミ箱に捨ててから、容器を両手でしっかり持つ。
湯を捨て終わった灰原が場所を譲ると、椋は静々とシンクの前に立ち、先の灰原を真似する角度で容器をななめに傾ければ、ジョウロのようにお湯が落ちていく。
「おぉ…」
謎の感嘆詞。
「おっかなびっくりなくーくんって初めて見た!」
「そりゃあ大抵のことはそつなくこなすぼくだってぇ初めてのことはすべて初めてがあるわ…わぁ!はーくん!!」
視線を合わせず会話をしていると、突如椋が騒ぐ。
よく話は聞くけれどやったことはない、麺を流し台にぶちまける大事件でも起きたかと持っていたソースの袋を手放して覗き込めば、シンクはいつもの銀色だった。
「キャベツ!ぼくの貴重なキャベツの欠片が落ちちゃった!」
たしかに目を凝らせば、黄緑色の欠片がチラチラと排水口に流れていくののが見えた。
「あー細かいのは仕方ないよ、諦めよう」
「はーくんが諦めるとか言うの解釈違いなんだけどお!?零れ落ちたものも救ってみせようとするのがはーくんでしょお?!」
「さすがの俺も排水口に落ちてったキャベツは助けないよ」
「そ、そんな…」
「あっでもかやくを入れる時、麺の下に入れると麺に引っかかるからあんまり流れ落ちないって聞いたことあるよ!」
「それは最初に言ってよお!」
本気なのか冗談なのかわからないが、楽しんでいるようでなにより。
「いつもくーくんには教えてもらうばっかりだから、こんなことでも教えられてよかった!」
「こんなこと、じゃないよぉ!とってもだいじなこと!」
ようやくお湯を捨てきれた椋が思っていたより真剣な顔をしていたので、灰原は笑ってしまった。



【時を告げる】

9/7/2024, 3:52:02 AM

時を告げるチャイムが鳴る
外の明るさを見て
今の時刻を確かめる
今日が終わるまでの
時間を数える
カレンダーの日付を見て
今月の終わりを数える
今年の終わりを数える
自分を見て人生の
終わりを数える

9/7/2024, 3:36:44 AM

お題『時を告げる』

 寝坊した。鳴ったはずのアラームが聞こえなかった。
 急いでスマホを確認して、目覚ましのスイッチがオンになっていたことに愕然とする。スヌーズ機能はうざいから切っていた。
 私は急いで身支度をして学校へ向かう。アラームが聞こえなかったことなんて、言い訳にならない。
 だけどそういう時に限って電車は遅れているし、人だって多い。
 私は暑さと遅刻した時に廊下に立たされることを想像して、生温いんだか、冷たいんだかの汗をだらだら流す。
 さいわいなことに最寄り駅から学校まで電車は一本だ。乗り換えがなくて済む。
 学校のある駅に着いて、おしくらまんじゅう状態を押しのけて脱出する。
 始業まであと五分。電車の中で急げなかった分、私はけんめいに走った。
 走って、走って、学校の門が閉まろうとしているのが見える。

「ちょっとまったぁぁぁぁ!!!!」

 私はこんしんの力を振り絞って、締まりつつある門を突破した。それからがむしゃらに教室まで急ぐ。
 教室のドアに担任が近づいているのが見えた。

「せんせぇ、おはようございまぁぁぁす!!!」

 私は教師を抜き去ると勢いよく教室へと入り、そのタイミングでチャイムが鳴る。
 どっと来る疲れと、達成感から自分の席についた瞬間、突っ伏してしまった。
 教団に立った担任が呆れたようにため息をつくのが見えたが、間に合ったのだから責められるいわれはないだろう。
 私は始まったホームルームを堂々と机に突っ伏しながら聞き続けていた。

9/7/2024, 3:33:58 AM

時を告げる、その音に惹かれて

うちは今でも貴方を好きでいます。

貴方は、無愛想だけど、うちには分かります。

些細なことでも分かってしまうのです。

この気持ちをどうすればいいか分からずに、

今日も猛アタックをしています。

周りは笑って見守ってるけど、うちは時間がない

うちの能力は、時間をいつでもみれる。

何の時間でも、だから、うちの寿命も見える。

だから、こそ、早く伝えたい。





"貴方が好きですよ。うちを忘れないでね。"




そうして、うちは流れる血液を見続け、

彼の腕で永遠の眠りについた。





"僕を思ってくれてありがとう。後は任せてね。"




悪魔は、闇にも笑って見守ってる。

仲間を終わらせた罪は重いぞ?

さぁて、地獄絵図を作りましょうか。

9/7/2024, 3:18:12 AM

古来、時を感じるには空を見上げた
近代、時間を感じるには壁を見た
現代、時刻を確認するには下を向く

9/7/2024, 3:13:12 AM

「もう起きる時間ですけど」

「ん〜後5分…5ふんだけ」

「だから言わんこっちゃない」

土曜日の朝なのにね、早く出かけたいんだ二人きりで

9/7/2024, 3:03:03 AM

あぁ、

また

やってしまった。







もう
起きる時間。

アラームが
うるさい。








多分
朝方
ちょっとだけ
眠れた。

体が
重くて
まだ
動きたくない。




たまに
やってくる
眠れない日。



前より
随分
マシになったと
思ってたのに。





なんで

眠れないのかな。


#時を告げる

9/7/2024, 2:59:07 AM

時を告げる
*ブロマンスです



 ボーン ボーン という聞き慣れない音に、ハッと目が覚めた。
 真っ白い天井。
 鐘の音のような音はまだ止まずに鳴り続けている。無理やりこじ開けたぼんやりとした視界。寝返りをうって隣を向くと、今度は心臓が止まるかと思った。
 目の前の光景が信じられなくて、何度も瞬きを繰り返す。俺の方に体を向けて目を閉じている。
 すやすやと、穏やかな顔で眠っている……佐治(さじ)さん。なぜ。
 佐治さんは前まで俺が所属していたチームのチームリーダーだった人で、今はデザイン部全体の総括リーダーになって。思いっきり、俺の上司だ。
 仕事上の会話しか交わしたことのない、雲の上みたいな、会社の女性社員みんなの憧れみたいな人が俺の向かいに横たわっているのはあまりにも変というか、奇想天外すぎるだろ。

 きっとこれは夢だ。そうかそうかと、仰向けに戻って目を閉じた。

 目を閉じると、残像のように朧げに昨日の記憶が少しずつ浮かんでくる。
 そうだ、昨日残業をしていて、このファイルを保存したらすぐに家に帰って明日のデートに備えて早く寝よう。なんて考えていた。そうしたら、スマホに一件の通知。
「ごめんなさい」で始まるその文章に嫌な予感がして、恐る恐る手に取った。
 付き合って三ヶ月で初めてのクリスマスイブのデート。それも土曜日だ。お泊まりなんて大胆なことは考えていなかったけれど、最近仕事があまりにも忙しくて、付き合いたてだっていうのにそれらしいデートもできなくて、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
 だから、彼女が好きだって話していた少し背伸びしたイタリアンのレストランだって予約済みだし、今までの埋め合わせをして、今後の関係性をもっと深めて。なんてひとりでいろいろと考えたりしていた。それなのに。

「ごめんなさい、私たち合わないと思う。少しの間だったけど、ありがとうさようなら」

 まるで、不用品のやり取りをするアプリの提携文みたいな、事務的な別れの言葉だった。そこからは彼女の悲しみも苛立ちもなんにも伝わって来ない。
 わかる、俺がきっと大切にしなかったせいだ。コンペの準備にかかりきりで、連絡の頻度も少なかったかもしれない。だけど本当に大切な仕事だったから。
 仕事が大好きだってことは伝えていた。好きなことを仕事にできるなんていいねって、彼女は言っていた。だからわかってくれているんだって……そう思っていた。

 なんで? どうして? 俺は好きなのに。どこがどう合わないと思うの?
 そう打とうか、それとも電話しようか。頭に浮かんでも手も指も動かなかった。
 そうやって彼女を引き止める資格が自分にはないような気がした。
 彼女が別れたいって言うなら、そうするのがいいのかもしれない。きっと悪いのは俺だ。

「わかった。今までありがとう、ごめん」
 頭にはいろんなことが浮かんだり消えたりしていたのに、結局そう送信した。他に言葉が思い浮かばなかったから。

「理由も聞かないんだね。そういうとこだよ。さよなら」
 次に来たメッセージはそれだった。
 俺の記憶には笑顔の彼女しかいない。そんな彼女からの、苛立ちと怒りをハッキリと感じた。そういうとこ……。自分を全否定された気がした。
 なんだか、バッサリと切り捨てられて急に胸がグッと締め付けられた。きっと悲しかったのは彼女の方なのに。なんだか視界がぼんやりとしてくる。
 力が抜けて椅子に座ったまま、動けなくなった。仕事は終わったし、PCの電源を切って立ち上がるだけだ。残業をしている同僚はもういない。早く、帰らなきゃ。


「市川君?」
 どのくらいの間そうしていたのか、ふいに呼ばれて飛び上がりそうなほど驚いた。佐治さんがそばで俺を見下ろしていた。
「あっ、佐治さん」
「あっ……」
 驚いたのは俺だけじゃないらしい、声をかけてきた佐治さんも目を見開いている。
 その時、頬に違和感を感じた。
「あ、なんでもないです、なんでもなくて」
 手の甲で頬を拭って、慌てて下を向いた。ズボンにぽたりと水滴。
 黙ったままの佐治さんになにか言わなきゃと思うのに、どうしよう、しか浮かんでこない。なにか取り繕うべきだ。困らせてる。

「どうしたの?」
 不意に頬に手を当てられて、思わず顔を上げた。佐治さんは心配そうに俺をみつめている。
「や、あの。大丈夫です。なんでもなくて」
「なんでもない顔してないよ? 何があったの?」
「や、そんな、佐治さんに聞いてもらうような話じゃなくて、」
「俺には、話したくない?」

 佐治さんはいつも冷静沈着だ。仕事でミスをしても受け止めてくれて、どうすればいいか対策を示してくれる。何年も一緒に働いていて、怒られた記憶もない。
 その佐治さんから感じた、初めての静かな怒りの圧だった。
 どうしよう、またそれで頭がいっぱいになってしまう。

「なんか、飲みに行こうか」
 下を向いた俺の頭に、手の重み。
 そんなのも、初めてだった。

 またハッと息をのんだ。
 飛び込んで来たのはさっきと同じ真っ白な天井。顔だけをそっと左側に向けてみるとやっぱり隣には佐治さんがいた。

 音を立てないように、ベッドを揺らさないようにそっと抜け出す。初めて来たとしか思えない部屋。佐治さんの部屋なんだろう。整理整頓されていておしゃれで、ずいぶん広い部屋だ。部屋を見回すと、大きめのソファにちょこんと腰掛けた。

 そうだ、カフェに連れて行ってもらって、泣き言をたくさん聞いてもらって。自分でも理解できないくらいに佐治さんに色んなことを話した。
 頭ではわかっていた。佐治さんとは仕事の話しかしたことがなくって、自分のことをペラペラと話すのは変だって。
 なのに佐治さんがあまりにも聞き上手で、いつもの仕事の時とはなんだか違って、まるで年上の友達みたいに優しくて、リラックスしてしまって。話題はそのうちに彼女とのことじゃなくて自分のことばかりになって、なにもかもを明け透けに、仕事の悩みや心配ごとまで、全てを曝け出していた。
 すごく自然な流れで、誘われて、佐治さんのうちにまでのこのこと着いてきて、一緒にお酒も飲んだ気がする。

 後ろを振り返ると、ベッドで眠る佐治さんが見えた。

 これは現実だ。
 話しかけるのも少し緊張してしまうような、憧れの先輩のプライベート空間に、なぜ俺はいるのか。

 また、ボーンっと一度音が鳴った。壁にかかった古い振り子時計の時を告げる音だった。七時三十分。三十分だから一回鳴ったのか。なんてぼんやりと考える。

 佐治さんと一緒に行ったカフェ、頬や頭に触れた手のひら。仕事の時とは違う、柔らかく笑う佐治さんの顔。何もかも初めてだった。
 佐治さんは仕事中に居眠りなんてしないから、寝顔だってもちろん初めてだ。

 ああ、何やってんだ、俺。
 思わず腕で顔を覆う。その白いスウェット。そうだ、服も貸してもらったんだった。

 なに、この状況。

9/7/2024, 2:39:35 AM

朝、母が歌いながら部屋に入ってきてカーテンを開ける。
朝です~窓です~光です~♪
ここから創作
小鳥の~おウチも~目が覚めた~よっ
よっで笑顔で揺すられる。
小さい頃、母がよくこうして起こしてくれていた。
とっくに起きてても寝たふりして待ってたものだ。

時は流れ、最近
朝、母は目が覚めると足がつってて
起きててもなかなか動けないらしい。なので
起きてるか~い、大丈夫か~い、起きれるか~い?
と朝起きて母に声をかけるのが日課である。
なんか歌でも考えるか?イラっとされそうだな。

(時を告げる)

9/7/2024, 2:38:41 AM

生まれつき僕は
15歳まで

他の人には多分見えづらいだろう
天使と悪魔と死神と宇宙人が見えた

どことは言えないけれど
人と違う見た目だから
見分けがついた

天使と悪魔
ハーフも居た

幽霊は見えなかった

皆忙しく人と同じように暮らし
生活して
様々な会社で働いていた

僕はある日
事故に遭った

15歳になる前の日だった

夜、僕の意識が戻った

病院を歩く影がいた
僕は瞬時に死神だと分かった

僕のベッドに近寄ると
死神は優しい声で

時が来たよ、と
僕に告げた

僕は意識を失った

次の日の朝
何事も無かったかのように

起きることが出来た

ただ
その15歳の誕生日から
僕は普通の人しか見えなくなった

今は第二の人生を
歩んでいる気分だ

9/7/2024, 2:27:52 AM

このあたりでは
12時になると音が流れる

今はどこにでも時計はあるけど
そうじゃなかった時代があるんだろう

それまではきっと
陽の傾きで時を感じていたんだろう

あえて時を告げることで
得たものも失ったものもあるんだろう

9/7/2024, 2:23:17 AM

幸せに区切りの時を告げる時があるように

シンデレラのように不幸にも終わりを告げる時がある。

ただ、その不幸の終わりの時を誰が告げるのか

それは他の誰でもない、自分だ。


「そんなのあり得ない」

そう思う人も少なくないと思う。

だけど、自分を変えることで不幸は幸福になる。


舞踏会に行こうとしたシンデレラは勇気を出して

前へ進んだ。

継母たちのいじめによってその道は閉ざされる。

しかし、それでも立ち向かおうとした彼女の勇気と

共に暮らす仲間たちへの彼女からの無垢な優しさが

功を奏したのだ。


私はシンデレラにはなれなかった。

だが、目に見えぬガラスの靴はある。

何か不安定なことがあったら、その靴を履く。

それで立ち向かえば心配していたことも

少しずつでも解決に導かれる。


あなたにもあるはずだ、そんなガラスの靴が。

それは、魔法というフワッとしたものではなく、

あなたの中にある芯の強いもの。

苦しみに耐えてきたあなたなら、すでに履いている。

あとは問題に立ち向かうのみ。


目に見えぬあなたの優しさが、ガラスの靴の引換券。

9/7/2024, 2:15:47 AM

【時を告げる】

まだ眠いのに
耳元で鳴り響く音

あと少し
あと少しだけ
柔らかい布団に くるまっていたい

まだ眠いのに
耳元で鳴り響く音

起きなさい
起きなさいと
出発の時間を 知らせてくる

大きなあくびをして
体を起こした

9/7/2024, 1:48:34 AM

風と共に時もすぎてく
だから何故か冬になると
人肌が恋しくなる
あー今日も風がすぎてく

9/7/2024, 1:48:17 AM

チャレンジ48(時を告げる)
以前住んでいた街では、夕方5時と夜9時に防災無線のチャイムが鳴っていた。夕方は定番の、夕やけこやけ。夜はヴェルナーの野ばらだった。夜のチャイムの理由が分からない。子供を寝かしつける時間ということだろうか。
夕方といえば、工場地域のサイレンも忘れられない。仕事終わりの午後5時。ほっとするような、お疲れ様の言葉が似合うサイレンである。

9/7/2024, 1:47:30 AM

時を告げる


新緑が私の目に突然
飛び込んでくる

それは初夏を告げる合図

まぶしい光との
コラボレーション

夏が来る喜び

どこまでも明るい光景は
未来を明るく照らしてくれそう

そんな気にさせてくれる

9/7/2024, 1:46:18 AM

また動く ブザービートで 萩に風

________________

笛の音で 止まった世界に弧を描く ブザービート

 と一旦していたのですが、ブザービートだけで、試合終了の時を告げる笛の音は聴こえるし、弧を描く様子も思い浮かべられるかと削り、俳句の形に変えました。
 止まったような時が動く。人も動く。試合も動く。体育館入り口から見える風を受ける萩だけはそんなことを知らぬまま。でも今の風はまるでブザービートが起こしたみたい…なのが伝わるといいな。
 ううーん。語順逆の方が良いかなぁ。
 その方が素直だけど、動くのが萩だけになりそうだから今のままで良いか…。
________________

 勉強も、片付けも、仕事も、最初あんなにやりたくなかったのに楽しくなった頃合いに、終了の時が告げられるシステムが私の世界にはあります。
 さっさとやれ?
 それな。

________________

 時を告げる鳩時計。もともとカッコウ時計だったのを、閑古鳥が鳴くという慣用句と結びついて縁起が悪いから鳩時計として売ったら売れた話が面白かったです。
 鳩だと思ったらカッコウと鳴いたんだけどって托卵された側の気持ちが味わえるんだな。よくできてる。

9/7/2024, 1:31:22 AM

--現在の時刻は午前八時二十六分です。

 アレクサから告げられた時刻に、私はパニックに陥った。枕元に置いてあるスマホを手に取って画面の明かりをつけると、アレクサに言われた通りの時刻が表示された。今一分進んで八時二十七分である。
 私の頭の中は混乱して真っ白になっていた。就業時刻は午前九時。家から会社までは電車で約三十分。家から最寄りまでは走っても五分はかかる。
 完全に遅刻だ。
 とにかく体を起こして洗面所へ駆け込んだ。ボサボサの髪の毛を雑に結いて洗顔し、歯を磨いた。磨きながらスマホで電車の時間を調べると、いつも利用する経路が赤く染まっていた。電車が遅延していたのだ。
 SNSで遅延の状況を確認すると、人身事故で三十分以上の大幅な遅延らしい。毎朝繰り返される遅延にうんざりしていたが、今日は救われたらしい。
 上司には電車遅延で遅刻すると連絡しよう。
 口をゆすいで水気を払い、洗面所を出て部屋へ戻った。床に座って化粧道具をテーブルの上にかき集めながら、握りっぱなしのスマホを見た。画面を表示すると、先ほどより五分進んだ時刻とともに日付が映った。
 九月七日 土曜日
 私は自分の目を疑った。一度暗くなった画面を再度明るくする。そこにはやはり九月七日土曜日と表示されている。
「なんだ、休みじゃん」
 一気に肩の力が抜けていくのがわかった。どうりでスマホのアラームが鳴らないわけだ。休みの日だから設定してないのだ。
 社会人になって十何年経つけれど、いくつになっても寝坊は焦るんだな、とぼんやり考えているとくう、とお腹が鳴った。そういえばまだご飯を食べていない。
 せっかくだから少し手の込んだ朝食にしよう。私は立ち上がってキッチンへ向かった。冷蔵庫を覗きながらコップ一杯の水を飲んでいると、手の中に収まっていたスマホが鳴った。
 画面を見ると、友達からメッセージが届いていた。

--ごめん、電車遅延してるから遅くなりそう
--まだ家だけど

 続けて手を合わせて謝る動作のアザラシスタンプが送られてきた。私は再び真っ白になった頭の中の記憶を辿る。

「アレクサ、今日の予定は?」
--本日は午前十時に友達と壁画前集合です。
「アレクサ、今何時?」
--現在の時刻は午前八時四十三分です。

 壁画前までは電車で十五分程度。でも休日ダイヤで電車の本数が減っていることと、遅延のことを考えるともうすでに間に合わない可能性が高い。
 私はコップを片付けて、部屋の真ん中にあるテーブル前に座り、慌ただしく化粧をし始めた。
 片手間でスマホに指を滑らせ、友達にごめん今起きたと大嘘のメッセージを送り、シマエナガがひたすら謝るスタンプを連打することも忘れずに。



『時を告げる』

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