『時を告げる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
チャンスをつかむのはいつだろう
もう幼い頃に掴んでいたかもしれない
今掴んでいるところかもしれない
40…50?もしかしたら、もっと先かもしれない
一生掴めないかもしれない
だからこそ、つかもうと思わなければ絶対につかめない
#時を告げる
時を告げるもの。
目覚ましのアラーム。夕方のチャイム。星が瞬く空。ただいまという声。そして、あなたと怒り、泣き、笑い合って過ごしてきた時の分だけのシワわせがたしかにここにあるんだ。
乾いてカサつく頬をなぞると、また別の線が残る心地がした。
忘れ物の小さな手鏡があったが、見るまでもないだろう。
それに水をやるついでに顔も拭って部屋へと戻った。
目が覚めたら水をやり、本を読み終えたら床に就く。
目が覚めたら水をやり、物を食べたら床に就く。
目が覚めたら水をやり、また本を読んで物を食べて。
ふと、花びらが耳元を掠める。
ああ。気づかなかったんだな。
『時を告げる』
時計をみる。
1秒1秒を正確に知らせるそれは、
今の私にとっては焦りの象徴でしかない。
いつまでたっても成長の出来ない自分。
第三者から伝えられる自分自身の欠点。
あと何回、繰り返せば変われるのか。
また大嫌いな時計に時を告げられる。
涙が流れる。時も流れる。
時間だけは平等だ。
あとは自分次第。
時間の流れは残酷だが、それと同じくらい優しいのかもしれない。
時を告げる
「ごめん」
雨が降っている。君は私を待つ。思春期。雨音が私の心をかき乱す。不安定。手に持つ湿った便箋がくしゃくしゃになっていく。見れない。自分の気持ちが分からないんだ。逃げる、逃げる。雨よ、早く去って。
いずれかの窓を閉じ、四角いベルを彼方に投げる
無関係な雑音が秩序を乱す
向き合う鏡は鏡か窓か
頼りない綱を信じる 愚か者か愚か者か
向き合うなそこは虚像だ
影はたぶんどこか遠くに とっくの昔に
音も光も熱も味も
全ては今だ 今も過去だ
恐れるな
全ては今だ 今でしかなく
恐れも不安も目を閉じた幻影と何ら変わりない
「余命1年です」
私は、ご家族の前でその時を告げた。
本人の少女は、ナースステーションの近くにあるプレイルームで遊んでいる。
無機質で何もないこの部屋で時を告げるのは、一体何度目だろうか。
「…もうあの子は、助からないんですか?」
少女の母親が、震える声で聞いた。父親は覚悟をしていたのか、それでも苦しそうに目をきつく閉じている。
「…まだあと1年くらいは、時間があります。ですが…」
言葉が詰まる。何と言えばいいのか。
一つため息をついて言った。
「明日、何かない保証はありません」
そう言った時、この無機質な部屋を唯一飾り立てていたアンティークの掛け時計が、ぽーん、と時を告げた。
僕の家の庭には2羽の鶏がいる。
毎回朝が来ると、時を告げるように2羽のうちの片方が鳴き声をあげる。鳴かなかったほうを今晩のおかずにしようと企んだ僕の考えを読んだかのように、2羽の鶏が同時に鳴いた。
【時を告げる】
アラームって改めてすごいもんだど実感する
設定したのとしないとじゃ安心感が違う
そんなに泣かないでほしい。
伝えたくてももう、僕の声はキミには届かない。抱きしめたくても触れられない。僕の墓前で泣き続けるキミをそっと見ていることしかできない。僕の姿かたちは、もうキミの目には映らない。
1人にさせてごめんね。キミを残すことがとてもつらいよ。もっと沢山、楽しい思い出を作りたかった。キミを笑わせたかった。やりたいことは山ほどあったけど、どうやらこの運命を受け入れるしかないようだ。
だけどどうか忘れないで。離ればなれになってしまうけど、僕はこの先もずっとキミのこと見守ってる。キミの幸せを誰よりも願ってる。見えなくても、触れられなくても僕はいつもすぐそばにいるから。キミが僕のことを忘れないでいてくれたなら、心はずっと一緒だよ。
僕は居なくなるけど、決してお別れじゃないよ。辛くて寂しさに負けそうな時は、これまでの楽しかった日々を思い出して。僕がどれだけキミを愛していたか。どうか忘れないでいて。
そろそろ行くね。
その時がきたから。
キミと会えて、キミを愛せて幸せだった。
本当にありがとう。
「7時だよ!起きて!」
目覚ましと同時に彼に声をかける。
「ねえ!遅刻するよ!」
毎度のことである。
起こし始めて5分程経過し、彼はようやく布団から抜け出した。
「おはよう!もう、ずっと起こしてたんだよ!」
挨拶が返ってくる。
彼の方を見ると少し微笑み頭を撫でてくれた。
朝の支度を始める彼。
いつも自分のよりも先に私の朝食を準備する。
けれども、彼と一緒に食事を摂りたい私は、目の前の食事を見ながら彼を待つ。
彼は支度を終えると玄関へ向かう。
「行ってきます」
また私の頭を撫でて、彼は家を出る。
彼が家を出たあと、私は窓の桟に登り彼を見送る。
こうして、彼と私の1日が始まる。
彼は朝起きることが苦手だ。
私のご飯代を稼いで貰わなきゃいけないから、
仕方がない、明日も起こしてやろう。
そう思いながら、私は日当たりの良い場所で体を丸くした。
時を告げるもの
最近スマートウォッチを買おうか迷っている。
本来時計は時を告げるだけの役割だったはずなのに、スマートウォッチはどの道をランニングしたか、またどのくらい深く眠れているかを教えてくれるらしい。
自分を客観的にみることで、生活に張りをあたえてくれたり、モチベーションを保ってくれて、健康な身体へ導いてくれるのなら安い買い物である。
ランニング直訳すれば走っているという意味だが、
年を重ねると、走るだけでなく、服や道具にこだわったり、美しい景色をみたりとなにかおまけの要素に楽しさを見いだすようになってくる。
我々の人生も同じで生き続けるためには、新たなものへの追及また洒脱も必要なのではないだろうか。
ツムラ
ひとりになりたい
誰のことも考えず、自然の音を静かに感じて文明から離れて流されるままでいたい。穏やかに何かを探して死にたい。
願いは叶わないもの
そう考えた方が後で後悔することは無い。本当は思考だって捨ててしまいたい。
空正にひのきしん行く
バス一本で行ける
ご恩返しのひのきしん。
教会の為に一生懸命する。
感謝の心
「『時告げ鳥』はニワトリ、時じゃないが『春告魚』はメバルにニシン、『春告草』は梅の異名。
このアプリ入れて一番最初に題材にしたキクザキイチゲはアズマイチゲの仲間、春を告げる花だわな」
時を告げるって、学校のチャイムとか普通に腕時計とか、あと他に何があるだろな。某所在住物書きは某時告げる山羊の登場する映画を観ながら言った。
外では秋を告げる花、シュウメイギクがちらほら、花を開き始めている。
「時計っつったら、日時計と水時計と、砂時計と、振り子時計あたりは知ってたが、燃焼時計なんてのもあったわ。種類豊富よな」
風時計も調べたけど、よくよく考えたら風なんざ、いつ吹くか分からんから、そもそも難しかったわ。
物書きは当然の理由に至り、納得する。
「……で、書きやすい『時告げ』はどれだ?」
――――――
最近最近の都内某所、某アパートに、人間嫌いと寂しがり屋を併発した捻くれ者が住んでおり、名前を藤森といった。
雪国出身の藤森はある日、諸事情と諸々のトラブルで、己の親友宅に一時避難中。
重大といえば重大、深刻といえば深刻な問題を抱え、未解決のまま、1週間が過ぎた。
詳細は前回投稿分、あるいは過去作8月30日と31日付近参照ということで、割愛する。
要するに、ありふれた恋愛沙汰であり、どこにでもある失恋逃走譚である。
昔々縁切った筈の自解釈押し付け厨な恋人に、今更粘着され、職場に押し掛けられ、己の住まうアパートの特定も時間の問題であった。
以下は、そんな藤森の避難先でのとある一日。
「お前のとこの後輩、『藤森先輩のヘルシーランチが恋しい』とさ」
比較的閑静な住宅街。
小さな庭先にある縁側に腰を下ろし、在宅ワークとしてワイヤレスキーボードに指を滑らせる藤森。
「『お金出すからお弁当作ってほしい』と。相変わらず藤森食堂は人気だな。加元には大不評だったのに」
その藤森の隣に座り、淹れたてのアイスコーヒーを差し出す者がある。
避難場所を提供している家主、宇曽野である。
加元とは上記自解釈押し付け厨の名だ。
「私のところにも直接メッセージが来た」
カップを受け取る藤森の耳には、小さく、静かな、しかしハッキリとした雨音が届く。
9月である。不安定な天気と、わずか涼を含んでいるような、気のせいのような風が、台風を伴って時を、秋の接近を告げる。
「……あいつ私が居なくなったらどうなるのだろう」
藤森はポツリ疑問を呈し、コーヒーで喉を湿らせた。
「逃げることにしたのか。加元から」
「仮定の話だ。たとえば私が明日、突然ここから逃げ出して、仕事も放り出して、田舎に帰ったら」
「お前はそんなことしない」
「仮定の話だと言っただろう」
「しないものはしない。少なくとも退職届は出すから、その時点で確実に俺にバレる」
「あのな」
「で、逃げたいのか。粘着してくる、ストーカー数歩手前の加元から。お前に付きまとう過去から」
「……」
再度、コーヒーをひとくち。藤森は宇曽野の問いに答えない。
ただ、曇って星見えぬ空と、さらさら泣く雨を遠くに見つめて、ポツリ、ポツリ。
「秋だな。宇曽野」
時告げる台風、その影響下にあるだろう天気の崩れを、晩夏初秋と評した。
「……そうだ、あきだ。……秋だ宇曽野!」
「どうした」
「忘れたか、そろそろ実家がキノコだの晩夏の野菜だの送ってくる、大量に、私のアパートに!」
「あっ。
もう届いてる、とかは、ないよな」
「……手遅れかもしれないが、『今年の秋は要らない』と、メッセージを送っておく……」
「ここの住所宛てに、俺の家宛てにしろ。少なくとも嫁と娘は喜ぶ」
「「はぁ……」」
何かが飛び散ったのかと思った
はじけるような音に目覚め玄関へ急いだ
ドアをあける
鳥の鳴き声と風に心地よさを感じる
混乱する頭で時間を確認すると朝の04:32だった
深夜なんだか早朝だか
電話では「夜分遅くにすみません」と告げた。
冷凍庫から立ち込める食材の腐るにおいを
嗅がされながら
待つ。
ムダになったはずの食材や時間が
引き換えにくれたものを
五感で感じる
時を告げる。
そんなロマンチックなものじゃないけれど、
確かに、私のスマホは鳴った。
彼の着信音で。
〜♪~♫〜♫〜♪
「は〜い。」
私は眠い目をこすりながら、着信の鳴ったスマホを手に取った。
「あはは、相変わらず眠そうだな…、おはよう、明里。よく眠れた?」
「うーん……、眠れたよ。」
「ふっ、それは良かった」
私と彼は、遠距離恋愛中、それも、日本と海外。時差があるから、彼の電話は朝。
けれど、電話してほしいと頼んだのは私。
いつもじゃなくて良いけれど、たまに電話をかけて私の目覚まし時計になって欲しい。
そう、彼に伝えた。
「じゃあ、もう大丈夫そうだし、切ろうか?」
「えっ?もう切っちゃう?今忙しいの?」
「ううん。忙しくないよ、こっちは夜で、もう家に着いてるし、でも、明里はこれから色々準備があるだろ?邪魔したくないから」
彼は、こうやっていつも気を使ってくれる。
彼も、明里は気を使ってくれるという。
似た者同士なのかもしれない。
「……じゃあ、少し、10分で良いから、私とお話し、してくれる?」
「ふっ、良いよ。俺も話したいし、明里の時間が大丈夫なら、お話ししよう。」
そんなこんなで、私達は10分のお喋りを楽しんだ。色々な、他愛のない話。
周りからは、よく続いてるねって言われる。
そうなのか?と、私は思う。
彼にそう言ったら、彼も、そうなのか?と言ってきた。
本当に似たもの同士だ。
「それじゃあ、またね、今度は、こっちからかけるから…、」
「…………ねえ、明里」
「うん?なあに?」
「俺、もう少しでこっちに居る任期が終わるじゃん?」
「うん、そうだね。」
「それで、さ、あの、さ……、」
彼が口籠る。何か言いたそうだ。
「なあに?お別れの話?」
「馬鹿っ!!違うよっ!冗談言うなっ!!」
「あはは、ごめん。ごめん。
………だって口籠ってるんだもん」
「………明里、」
「……なあに?」
「俺が帰国したら、俺と、結婚して」
一瞬、これは夢か、と思ったけれど、どうしょうもなく現実で、私の心がはねた。
驚きと、嬉しさで。
「もちろん。私と、結婚して 佑(たすく)」
スマホ越しから佑の笑った、ホッとした声が聞こえた。佑が帰国してきたら、改めて私もちゃんと言おう。そう、思った。
10分の電話はゆうに越え、私は若干の遅刻をした。
上司にちょっと注意されたものの、私はどこか上の空。
佑が帰国するまでもう少し。
「愛してるよー!佑!!」
誰も居ない会社の屋上で私は一人、叫んだのだった。
時を告げる
ゴーン、ゴーン、ゴーン…。
古い振り子時計が厳かに時を告げる。
今、三時になったのかと布団の中で思う。
十二時に布団に入ってから、時計が鳴るのは三回目だというのに、全く眠れる気配がしない。どうしたものか。
眠るのを諦めて活動しようにも、三時にご飯を食べて動画を見て、というのも不健康な感じがして嫌だ。
…そうだ、もう一度時計が鳴ったときに起きていたら、諦めて朝ごはんを買いに行こう。四時なら早起きで許せる気がする。
今日は休暇だ。早く起きたって、遅くまで寝ていたって、どちらでも構わないし。
心地よい眠りを得ても、大好きな時計の音を聞いても。
時を告げる音なんか気にしないで
自然のまま時を過ごしたい今日この頃
12時を告げる時計の音が鳴り響く。
蜜月の時はもう終わりだ。名残惜しそうに彼は私から腕を離れる。
「じゃあ、また明日ね」
彼はそう言ってタクシーで帰っていった。
行ってほしくなかったけど、物分かりが良いことだけが取り柄の私は素直にその言葉を飲み込んだ。
いいんだ。明日も会えるから。
……だけど。
私は慣れないロングスカートの裾を摘み、ヒールの覚束ない足取りで翻って帰路に着く。
途中でガラスのショーケースに映る自分の顔を見る。
……このままでいいんだろうか?