乾いてカサつく頬をなぞると、また別の線が残る心地がした。忘れ物の小さな手鏡があったが、見るまでもないだろう。それに水をやるついでに顔も拭って部屋へと戻った。目が覚めたら水をやり、本を読み終えたら床に就く。目が覚めたら水をやり、物を食べたら床に就く。目が覚めたら水をやり、また本を読んで物を食べて。ふと、花びらが耳元を掠める。ああ。気づかなかったんだな。『時を告げる』
9/7/2023, 6:03:06 AM