8/11/2024, 12:33:18 AM
『終点』
あるく。あるく。
どこまで?
どこまでも。この脚が朽ちるまで、この身が褪せるまで。
私はどこに着くのか。
どこまで行ったら、必要とされるのだろうか。
どこが、終点なのだろうか。
ここに、私の居場所は無い。
歩け、進め、ないならそこは終点足り得ないのだから。
9/10/2023, 10:39:53 AM
嗚呼、痒い。
痛痒くて堪らない。
利き手でなければままならなず、如何ともし難い。
開かれぬ暗闇の中で、彼方此方へと彷徨わせてみる。
傍から見たら滑稽、なのだろうか。
誰か、私の×をさすってはくれまいか。
『喪失感』
9/7/2023, 6:03:06 AM
乾いてカサつく頬をなぞると、また別の線が残る心地がした。
忘れ物の小さな手鏡があったが、見るまでもないだろう。
それに水をやるついでに顔も拭って部屋へと戻った。
目が覚めたら水をやり、本を読み終えたら床に就く。
目が覚めたら水をやり、物を食べたら床に就く。
目が覚めたら水をやり、また本を読んで物を食べて。
ふと、花びらが耳元を掠める。
ああ。気づかなかったんだな。
『時を告げる』
9/6/2023, 4:10:37 AM
美味しい、美味しい、ご馳走の時間だ。
全てを吐かせてから。
そのまま、
炙って、
焼いて、
茹でて、
煮て、
あとは何が出来るだろうか。
隅々まで味わい尽くして、残ったそれはどこに飾ろう。
まだ、生きてる?
『貝殻』
9/5/2023, 12:13:01 AM
走り回れる貴方と動けない私。
熱いライトが貴方を照らし、暗い闇が私を包む。
増幅された貴方の声、直接届くことのない私の言葉。
ここにいる人間を合わせてやっと貴方ひとりが流す汗と同じくらいなのだろうか。
いくら手を伸ばしても、足掻いても、どうすることも出来ない。
明確な差だ。
それこそが苦しくて、愛するべき距離だ。
『きらめき』