『時を告げる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題「時を告げる」
ずっと、仮初のピースだけで埋めてきた。
愛してほしいを隠すために「嫌い」を嵌めて
寂しいを隠すために「一人が好き」を嵌めた。
そうやって、時が経つのを何度も待った。
そして大抵、時が経てば「平気」に変わるはず
そう思っていたけど、その''平気''も仮で、
何度もパズルがぐちゃぐちゃになって
そのたびに自分がわからなくなるほど泣いた。
何度も、家族への「嫌い」の穴を
「そんなこと思うのは悪だ」で埋めてきた。
そのたびに何故か首が締まって息ができず
「死にたい」のピースが増えていた。
もちろん「好き」のピースだってあるのに、
中には、どこにもはまらないピースもいた。
でも、少しだけわかるようになったかもしれない。
嫌いのピースは嫌いなまま、嫌いの穴へ、
好きのピースは好きのまま嵌めていい。
正しい場所に正しいピースを嵌めていいんだ。
自分の人生、自分のために生きなきゃいけない。
嵌められなかったピースは、きっと自分の迷いだ。
「嫌い」は「嫌い」「好き」は「好き」
その境界線をちゃんと分けてあげれば、
きっとパズルは完成していく。
もう、無理やりピースを変える必要はない。
自分の思ったままの気持ちに嵌めてあげていい。
そうやって自分の人生を作っていい。
きっと私にも、その権利があるはずだから。
そう信じていいと、言われているような気がした。
もし命が終わりを告げる時
人生の終了
あなたはどちらを選ぶか
時を告げてほしいか
それとも知らずに過ごすか
やり残したことが多いと
この際だから躊躇せずにやりつくせるかも
そしたら、きっとやりきって終えて
悔いがなく終わりを迎えられる
けれど色々やると家族との時間が少なくなる
いつも悩むけど家族が一番だから
きっと家族中心になるんだろうな私
時が止まるまで何をしよう
外出る?寝る?
なんかそんなことどうでも良くなって来た
時が止まるなんていいことじゃないか
みんな生きてるだけで死なないんだから。
みんな一緒。死ぬのもみんな一緒だよ。
きっともう時が止まってたんだろう。
最初の合図がする。
『時を告げる』
満月の光が時を告げる。あぁ、もう終わりなのだと鈴の煌めく赤いチョーカーを付けた少年は目を僅かに細め月を見上げる。
「うん、楽しかった。あの頃は出来なかった仲間たちにプレゼントもあげて、ずっと行ってみたかったところにも散歩出来た。それから、大好きだったあの娘とお話しもしちゃったし!あの娘ったらこっちの姿だとちゃんと話してくれるんだね?言葉が違うってかなり厄介なものだよ…でも、満月の奇跡はここでおしまい。楽しかったな。ありがとう、みんな。ありがとう、あの娘」
カランッ
「クロマル?もしかして帰ってきたの?」
スーツ姿の女性が窓から顔を覗かせた。
「そんなわけ…ないか………」
悲しそうに眉尻を下げ目に涙を浮かべながら窓を閉め、後ろの写真に話しかける。
「今日ね、不思議な子に会ったの。クロマルみたいなさらさらの黒い髪にね、何でも私のこと分かってくれそうな優しい金色の目の男の子。その子ね、私に話しかけてくれたの。普通なら無視してたと思うんだけどなんだかほっとけなくってたくさんお話ししちゃった………んだよ」
ついにはグスグスと鼻を鳴らしながら写真立てを抱きしめる。
「私が……あの時ちゃんと…してた…らまだ………隣に居てくれた………はずな…………のに…ごめんね、ごめんねクロマル………………………………」
写真立ての中にはとびきり綺麗な黒い毛皮と金色の目を持ち、首に鈴の付いた赤い首輪の一匹の黒猫が優雅に微笑んでいた。
お題 時を告げる
#時を告げる
大嫌いなあの人へ…
残酷めに…あなたの人生を終わらせましょう…
いえいえ、あなたに拒否権はございません。
私が終わらせるんです。
悪く思わないでください。あなたが私にしたことはこんな可愛いものではありません。
(にこ
時を告げるゴングはとっくになってるぞ
何やってる。
おい
いつ始めるんだ。
ダイエット。
もう夏が終わるぞ。
綺麗になりたい。
コインランドリーに行っても綺麗になれない。
汚れていく私の身体。
血で汚れて、傷は残って。
薬を塗ったって痒みは治まらない。
傷が消えるわけじゃない。
掻きむしる。
痒み、痛みでストレスが溜まる。
そしてまた掻く。
身体に残る傷跡、血。
嗚呼、何故。
何故こんなに汚い身体に生まれたのだろうか。
こんな身体じゃ貴方に愛されるはずがない。
『アトピーでも愛す。傷跡まで愛す。』
その言葉信じていいの?
こんなに醜い私をちゃんと愛してくれるの?
卒業式4
―――卒業。
6年間とは思ったより早いものだ。
ずっと続くような気がしていた日々も今日でおしまい。
辛いこともあったが、大半はすごく充実し、楽しい日々だった。
もう、戻れない日々。
そんなことを考えていると涙が出てきた。
体育館の中ではこられたけど、教室に戻るとどっと涙が出てくる。
『もう、貴方と会えなくなる。』
彼は私とは違う学校に行くのだ。
考えただけで苦しくなる。玉のような涙が膝に落ちる。
「さようなら」は聞きたくない。
まだ、貴方と会って話したい。
だけど、あっさりその時が来てしまう。
――さようならを告げる時が。
<時を告げる>
時を告げる。
逢いに行く時間は
あっと言う間なのに。
「もう帰りなさい。」と
時を告げる。
こんな時は
ちょっと距離が
遠いのが
泣ける。
でも前はイベント毎に
行ってたから
まだ大丈夫だったのかも?
第二の別荘を
大阪に作りたい。
『時を告げる』
春風が時を告げる
まだ見ぬ出逢いに胸が騒いだ
コッ‥コッ‥コッ‥コッ…
静かな部屋に僕だけが小さく響く。
「もう少し、もう少しだけ。」
全身がピシピシ痛い。
あと少ししたら、きっと僕の役目は終わるんだと思う。
君が小さい時には、僕はもっと威勢よく大きな音で
色々な時間を伝えていたのに。
今じゃ情けないくらいに微かな音でしか、
時間を伝えられない。
『コレもかなり古いよねー。そろそろ買い替えたら?』
君のコドモが僕を見つめて音を出す。
『気に入ってるんだよ。そう簡単には手離せないなぁ。』
『ふーん。でも、音が小さいから父さん聞こえないでしょ?』
僕も気になってることを君のコドモはサラっと言う。
『不思議な事に、そいつの音はわかるんだよ。
…長い付き合いだからね。』
君はそう言うと僕を見つめる。
僕は君の優しい音が好きだった。
いつだって僕を包み込んでくれる温かい音。
君は目を瞑る。
少し微笑んでるように。
僕もあまり痛みを感じなくなってくる。
「あー…そろそろかもしれない。」
最期の時間を君と迎えられて嬉しいな。
そして、時を告げる。
コッ‥コッ‥コッ…コッ…
ポーン…ポーン…ポー…
時を告げる
時の神。
鷲崎健。
‐刻を告げる‐
刻を告げる鐘の音に
硝子の靴を打ち捨てたなら
豪奢な衣裝も役も脱ぎ捨て
脇目もふらず驅けていけ
蝶よ花よと咲き誇る
“君よ誰より美しい”
規則的かつ無機質。
時は止まらず無慈悲にも進む。
──嗚呼、
──今日も平凡な一日だった。
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#時を告げる
2022/09/06
チリリン
チリリン
別れの時を告げる小さな鈴の音。
「行かないで。」
絞り出した声を
神様は聴いてくれない。
あの人の白い肌がもっと白く輝く。
ちらり
ちらり
散っていく姿は
まるで桜のようで
止めることすら忘れて
見惚れる。
シャラン…。
さっきと違う鈴の音が
また1年始まる独りぼっちの時を告げる。
「時を告げる」
時を告げる
幼少期をともに過ごしていた友達と久しぶりに再会したのは、
私が20歳の誕生日を迎えたその日だった。
彼女とは同じ学校へ通い、毎日の登下校や、放課後の時間を一番長く一緒に過ごしていた。
たが、仲良しだったのかは分からない。
家がご近所だったから、なんとなく一緒にいただけかもしれない。
その証拠に、私は彼女のことをあまり知らなかった。
話すのはいつも彼女の方だけど、何の話をしていたか、忘れてしまうくらいにはどうでもいいことだったのか、昔のことすぎて忘れてしまっているだけか。
彼女が何を好きで、どんなことに楽しみを感じ、嫌っているか、
思い返してみても、分からないのだ。
ある時、何かのタイミングで友達を紹介するスピーチをした。
友達と聞いて頭に浮かんだのは、彼女だったけれど、私は言葉をつまらせた。
私自身が口下手なこともあったけれど、それを差し引いても
彼女について説明できることは容姿といつも自転車を乗り回していたことくらい。
でも、多分彼女も私のことを多くは話せまい。
彼女について多くを知ろうとしなかったし、私も自分のことを話したがらなかったから。
それでもいつも一緒にいてくれてたのはありがたかったなと、
彼女を思い出すたびに感謝の思いを抱く。
中学、高校と、学年が上がるたびに私たちは少しずつ疎遠になった。
思春期で周りのいろんなことに敏感になって(もともと私は周りの目や空気に敏感だった)学校へ通えなくなった。
時間のほとんどを家で過ごして、卒業するまでは数えるほどしか学校へ行かなかったし、こんな惨めな自分を見せたくなくて彼女との関係もぎこちなくなってしまったと当時の私は思っていたから。
偶然にも、私は彼女と進学先は一緒だったけれど、
周りの環境に慣れなくて、一ヶ月も経たぬ間に私はそこを去った。
私が学校を辞めることになったとき、
彼女から呼び出されたことがあった。
「学校、どうしても辞めるの?」
私は自分のことを話したがらなかったし、彼女も私のことは別になんとも思っていないだろうと思っていたから、彼女が私のことを気にかけてくれていたということに驚いたのを覚えている。
もしも、そこで彼女が辞めないでと言ってくれたら、
私はどうなっていたのかなと考えることもあったけど、
きっと変わっていなかっただろう。
ただ、何が言いたげな、苦しさとも寂しさとも言えぬ、顔を歪めた彼女の表情が忘れられない。
あの日を最後に、彼女は私の生活からいなくなったのに
またこうして再開するとは何事か。
「久しぶりだね、元気にしてた?」
そう笑う彼女は、いつだかの思い出の中の面影を残していた。
会えた嬉しさもあったけれど、私は言いようのない悲しさを感じた。
綺麗に結われた髪、可愛く着こなす洋服、大人びた顔立ちに映えるメイク。
あの日少女だった彼女が、大人の女性へと変化して、今、私の前に現れたことが、ひどく心を締め付ける。
ああ、いつの間にか、こんなにも経っていたのか。
彼女の存在が、私に静かに時を告げる。
時を告げる
スマートスピーカーから
スマートスピーカーから流れるラジオから
11時の時報
時を告げる
そろそろ昼食の支度ね
壁掛けの電波時計を見る
11時 35秒
スマートスピーカーだから、ね
タイムラグ、あるんだよ
ささやかな納得
スマートスピーカー
時を告げる
"どうしたの?"
"話聞くから、言ってごらん?"
いくら待っても、
いくら我慢しても、
自分には決して向けられない
分かってる
期待なんかしてないし、
はなから諦めてるから
そう言って自分を宥め笑うしかない
感情は、、、こもってない
別に気にかけてもらわなくたっていい
全部一人で耐えればいい
全部一人で抱えればいい
全部一人で、、、何とかすればいい
もうどうでもいい
みんなの関心なんて必要ない
僕は一人で...寂しくない
僕は...大丈夫
僕...は.....あ、、れ?
なん、、で?
僕は、、大丈夫なはずなのに...
止まらない..
止まらないよ...
あぁ...
視界が歪むほど大きな滴は、
壊れかけの僕に
"助けを呼べ"
そう告げた。
『 時を告げる』
今までの思い出
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きみとの別れが着々と近づいてきている。
あぁ、会えない関係になりたくないな。
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