『星座』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
想い出のなかにいるあなたは
プラネタリウムにいるのです
2人で夜空も見上げたけれど
あの空間が特別だったのです
茜の空を見ているフリをして
あなたの顔を見ていたのです
そっと触れた指先が優しくて
緊張で動かせずにいたのです
わたしのなかにいるあなたは
夜空で光を放っているのです
新たな物語が始まったのです
『星座』
【星座】
「あれがオリオン座だろ?それであれがさそり座……」
キャンプの夜の醍醐味は焚き火を眺める静けさだってわかっている。
でも、俺はお前と黙って焚き火を楽しむほど人間ができていない。
2人きりに慣れない。
今夜、三十路の大人の男の余裕を見せたかったはずなのに、俺は浮ついた気持ちを夜空に向けていた。
ベラベラ喋り続ける俺にお前は文句一つ言わず、椅子にもたれて星空を見上げていた。
時折ビールを飲みながら。
焚き火の明かりは風に揺れて、お前の横顔に不規則な陰影をつくる。
美しい──そう、お前は美しい。
俺はお前の美しさに戸惑い、夜空に目を向けて喋り続けた。
知っている星座を言い尽くしたら、次は何を話したらいいんだろう。
「俺はお前のこと、ずっと前から──」
きみの背中の、たくさんのほくろがすきだった。そのひとつひとつにやさしくふれ、そのあまりのうつくしさ、いとおしさに胸を奪われていた。それらすべてをつなげて星座にして、ぼくの名前をつけてみたかった。
数年前に
富士山麓で見上げた夜空には
到底言葉に出来ないほど
夥しい数の星々が
ひしめき合い
瞬き続けていた
それは
わたしがいつも眺めていた星空とは
まるで違っていた
こんなにも神秘的で美しい星空が
果てしなく広がっていることを
それまで知らずにいたことで
余計に心を摑まれ
揺さぶられ
激しく魅せられた一夜だった
あの日から
星空や星座への想いが
大きく変わったことは
言うまでもない
# 星座 (296)
筆名に「星」が入っているが、私は星に明るくない。見つけられるのはオリオン座だけ。街の灯りの方が近くて、夜空を見上げてもよく分からない。それでも、あの星の光がこちらに届くまでにかかる途方もない年月を想うと、自然と心惹かれるものがある。
昔、プラネタリウムで満天の星空を擬似体験したことがある。星降る夜というのはこういう感じなのだろうか、と思いながら、溢れんばかりの光の粒たちに圧倒され、そして、この数えきれない星々に星座を当てはめ、季節や時間の巡りを見出した古の人々の知恵に、思いを馳せた。
とうに星になってしまった彼らの姿を見ることも、声を聞くことも、もう叶わない。しかし、星を繋いで編み出されたものは今も生きていて、星座が繋いでいるものは、きっと星だけではないのだろう、と今を生きる私は思うのだ。
/お題「星座」より
占いにはお金をかけない
でも 血液型や”星座”占いは気にかける
くそまじめで
几帳面で
情が深くて
思い込みが激しい
そうよ
わたしは
A型の蠍座の女
#星座
青銅とか銀とか金とか鉄とか…君は小宇宙を感じたことがあるか?
『ない!』
毎週父がテレビの前で叫んでいた。ヲタクの家にテレビが一台しかない(親も視聴するので落ち着かない)のは、軽く地獄だった。
『星座』
ススキが揺れる夜の田んぼ道を歩きながら
空を見つめていた。
秋口だと言うのにまだ暑さが残っている。
「今年は本当に暑いよな」
先輩が手で仰ぎながら僕に話しかけてきた。
「本当に今年はずっと暑いですよね」
そこで会話は終わってしまった。
僕は自分のコミュニケーション能力の無さに
表情を暗くした。
それを先輩は見過ごさなかったようで
「知ってるか?あっちの方角見てみろ」
と空の方を指さした。
「ペガスス座とケフェウス座の間にうっすらとギザギザの星たちがあるだろ?」
「そうですね…目をこらすと見えますね」
「あれ、とかげ座って言うんだってさ。どんなに薄くても星と星で集まれば88星座として名前残せるんだ。凄いよな」
僕はとかげ座から目が離せずに返事をするのを忘れていた。
そんな僕の頭を雑に大きな手で撫でながら先輩は
「少し良い顔になったな!明日からまた頑張ろぜ!」
「はい、ありがとうございます!」
先輩の言葉と知識で僕は勇気づけられてまた明日へと
時間を進めた。
『星座』2023.10.05
昔から星を見ることが好きだった。故郷から見えるのは南十字星座、みずがめ座、みなみのうお座、はくちょう座も見える。宝石を散りばめたという表現がふさわしいぐらいに美しい星々が見ることができる。
見るだけでも楽しかった。あれはなになにという星で、と勉強するのも好きだった。だから、オレは宇宙飛行士になった。
宇宙飛行士になったのは単純に星が好きだからという理由と、地上で見ているだけだった星座を近くで見たかったから。
「子どもの頃、星座は星座の形をしていると思ってたんですよ」
そう音楽家と同じ名前を持つ先輩宇宙飛行士に話かける。
「線で結ばれてて、わかりやすい形をしてるのだと思ってました」
「それはなかなかメルヘンだなぁ」
彼は微笑ましそうに笑って、計器の数値をチェックしている。今は、火星への航海の真っ最中だ。他のクルーたちはすっかり眠ってしまっていて、今起きているのは自分たち二人だけだ。
「ということは、土星もサークルがあると思ってたりしたクチだな?」
「イエス。天体望遠鏡で見るまで知らなかった」
彼はオレの言葉にそうかそうかと頷いて、すっと指を指した。
「あれは何に見える?」
彼の指した方向には、火星とは違う赤い星と、明るい星が三つ並んでいた。
「オリオン座ですね」
「そう、オリオン座。大きく見えても火星より遠くにあるんだ。それでも星座と認識できている。なぜだかわかるかな」
「知識として知っているからですか?」
オレがそう言うと、彼はおおげざに肩を竦めて、ハズレとでも言いたそうな顔をした。
「ロマンを忘れたら宇宙飛行士失格だよ。いいかい、なんであの星たちを星座と認識できるか。それは簡単なことだ。俺たち宇宙飛行士は生粋の星座オタクだからだ」
得意げに彼は言って、目じりの皺を深くした。
おそらく渾身のジョークのつもりなのだろうが、残念ながらオレは彼と同じ宇宙飛行士だ。それはそうかも、と頷くことしかできない。
窓の外に広がる星々。あれはふたご座、あれはおうし座、あれはぎょしゃ座。
一つひとつ指を差していき、無いはずの線を結んでそこに星座を作った。
生まれてから分けられる、十二。
それ以外にも、いくつもあって、逸話もそれぞれで。
アニメで避難されたり、性別でからかわれたり。
そんな、身近で、でもあんまり重要視されてなくて、なのにあるあるで。
”星座”はあくまでそういう感じでいいのかもしれない。
ガチガチに決めつけられたら、逸話の意味がなくなっちゃうからね。
星座
結局 自信を持って見つけられるのは
オリオン座だけで
2人で笑いながら帰った塾の帰り道
今は都会で頑張っている友
今度帰ってきたらまた一緒に探そう
きっとあの頃と変わらない
オリオン座をさ
~星座~
どうしてもオリオン座しか見つけられない
俺が星座に興味がないのには理由がある。
俺も小さい頃は、星が大好きでよく望遠鏡を覗いたもんさ。
将来は星を研究する博士になるのが夢だった。
あれは七歳の頃だったか、妖怪に出会った。
出会ってしまったんだ。
その妖怪は言った。
「お前の夢、美味そうだな。食ってやる。寄越せ」
そう言ってあいつが手をかざすと、俺の胸から小さな光の玉が出たんだ。
その光の玉は、ゆっくり妖怪のほうに飛んでいって、そのまま食べてしまったんだ。
妖怪は満足したのか、そのままどっかに行っちまった。
それからはお察しの通り、星に全然興味が無くなってしまって、それっきりさ。
え、嘘だろって。
本当だよ。
というわけで、星座に興味なんてないから、俺はこのまま帰らせてもらう。
だから興味無いんだってば。
名誉?
そういうのにも興味はない。
だから、やめろ。
何回も言ってるだろ。
やめろ。
俺を星座にしようとするのをやめろ。
俺は星座になんてなりたくない。
20231005【星座】
星繋ぎ
天空(そら)に描く絵空事
88(ハチハチ)紡ぐ 神かたり
※ 短歌モドキ
私は星座占いをよく見る。私の星座は魚座。今日の魚座はいいことが何も起こらない。あぁ、最悪だ。
星座かぁ…夜空を見上げても、オリオン座ぐらいしか分からないだろうなぁ。
星占いでみると、私は獅子座だ。
昔は、星占いをよく見ていた。雑誌やネットで見ていた。
特徴的だと思うのは、良い内容は無視して、悪い内容を重視していたことだ。良いことなんて、そうそう起こらない、と思っていたからだ。期待を持つと、のちにガッカリすることになると思っていたからだ。
でもまぁ必ずそうなるわけでは無いから…と思って、見るのは止めにした。雑誌も、占いのページはとばすようになったし、ネットで検索することも無くなった。
ただ、占いを好きな人達はたくさんいると思うので、そこを悪く言う気は毛頭無い。良いことが書いてあれば嬉しいだろうし、それで前向きになれたりしたら、それはいい事だと思う。
私は最近、仕事の方面で、ちょっとした出来事があった。占いには、どんな事が書いてあったんだろう。
「星座」
毎朝
なんとなく
見てしまう
星座占い。
1位だったら
ちょっと嬉しくて
最下位だったら
あーぁ
ってなる。
だからと言って
良いことも
良くないことも
起きる時は
起きるんだけど。
なのに
何で
毎朝
見ちゃうんだろう?
これから始まる
今日という1日が
どんな日になるのか
不安なのかな。
#星座
星座
うわ!喧嘩してる
僕はびっくりした
帰り道、道路で殴り合ってる男2人がいたから
こんな夜遅くな上に僕はクタクタだった
割って入って仲裁する…?
でも…見てられない…
待った!!!
「誰!?」
見渡しても声の主はいない
ここだよ
「どこだよ。うわ…空から聞こえる」
君さ、喧嘩に割って入ろうとしたよね
よくないよ、絶対痛い目に合うよ
「その前に誰…?もしかして神様?」
違うよ、星座だよ
「星座!?僕に何か用でもあるの!?」
僕はね、生きてる頃に人の喧嘩に首を突っ込んじゃって
巻き添えみたいになってそのまま死んだんだ
だから、止めに来た。君は星座になりたくないだろ
「そうなんだ…でもあの人達まだ殴り合ってるよ。
誰かが止めないと…」
君は無駄に正義感が強いなあ
喧嘩に割って入ったら
破滅しか待ってないって言ってんのに
仕方ない。僕が直々にやってあげよう
星座は地上に干渉しちゃいけないけど…
まぁバレないでしょ
えいっ
どーーーーーんっ!
はるか空から巨大なハサミが隕石のように降ってきて
喧嘩してる2人の辺りをめちゃくちゃにしてしまった
もう仲裁どころじゃない
「や…やりすぎ!これ以上やると人が危ない!」
やばい。加減を間違えたかも…
もしバレたら…
あっ!ヘラさん…こんばんは…
え?うーん…何かの勘違いだと思いますよ
いやいや僕は何もしてませんよ!
えっちょっと待って!
ぼーーーーーーんっっっっ!!!
凄まじい轟音が空に響いて耳がちぎれそうになった
「うわ!うるさっ!あれ?」
空を見上げるとさっきまであった星座が一つ、
消えてるような気がした
星を見た日はおまじないがかかるようで、悪い夢を見ないのだ。今日は雲一つない至極の天、星と星をなぞりましょ?
彼と家族になってはどうかと。
メルルがこの世界にたった一人になることを憂い、結婚を勧めたのは祖母だった。
祖母のなかでどんな変化があったのかは分からない。
分からないけど、人生で大きな転換期を自ら迎えることに怯えた。
「おばあ様。私、怖いんです」
「何を怖がるんだいおまえ。何も怖いことなんてありゃそんよ」
「でも…」
この世界での結婚は、民間人にとっては子供ができてからという地域も多い。王族貴族の金持ちとは違うのだ。出生死亡率も高く、大人になるまでに子が無事に生きられる保証はない。
「あの男はいい男さね」
「そうですね…」
祖母の目からみても、あの人はいい男のようだ。メルルは少しほっとする。
「男はね。同じ道を行きたいと思う男を選ぶんだ」
「同じ道…」
そう。どんな困難でも助け合い、生涯の果てを目指し同じ道を歩む相棒なのさ。一人で先に行くのも別の道に行くのもダメだという。
人にはあらかじめ決まった道筋がある。
他人と道が混じり、離れ、影響し合う。誰と行くか。どう困難を対処するか。それが方法だ。
「ごらんよこの空を」
周囲の明かりが消えた深夜。
秋の星々が天を彩っている。
「おばあ様…私、星読みは…」
星占いは専門外だ。風水師とも占星術とも違う。
「予め決まった運命がある。星は何百年経っても変わらずわたしらを見ている。それをどう読み解くかは、我々占い師の役目なんじゃないかね」
「おばあ様…」
メルルは夜風に当たりながら、目を凝らして自分の星を探した。
#星座
2人で1つ
私と貴方
「星が綺麗ですね。」
独りで2つ
私は貴方