『日差し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
快晴の空から降り注ぐ光が肌を焼き付ける。湿気を帯びた空気も相まって、体力が雫として流れ落ちる。病院と家、たまに買い物の日々。
「和泉くん?」
心臓が縮こまり、体に震える。前の職場の人間か、と恐る恐る振り返る。
「近衛……部長」
日傘を差し、サングラスをしているその人は、かつてお世話になった上司だ。体はあまり強くないらしいが、仕事と気遣いのできる優しい人だった。
「覚えてくれていたんだね。あぁ、そうだ。日傘はいるかな、昨日忘れた分もあってね」
差し出されるままに受け取るが、高価なものだとわかって今すぐに返したくなる。しかし、せっかくの好意を無下にするようで……。
「すみません、お借りします」
「良かった。暑い日が続くから、水分補給も忘れずにね」
退職してから少し経つが、何も成長していない。そんな私を見て、部長はどう思ったのだろう。話を切り出したときも、寂しそうにはしていたが、引き止められることはなくて。
「和泉くん、また会おう。気をつけて帰るんだよ」
「はい……部長も、お気をつけて」
借りた日傘を差し、影に守られながら家路につく。また会うといっても、連絡先も何も分からないというのに。
「……君のことをずっと待っているからね」
Title
『暑聴』
Theme
「日差し」
『日差し』
扉から出ると、
日差しは眩しさと痛さ向けてくる。
まるで私が出てくることを反対し、
攻撃しているかのようだ。
このままでは負けてしまう。
意を決して、今日も私は、
日傘を盾にして、日刺しから自分を守る。
--これからご飯食べない?
早朝に君から連絡が来たから、徹夜明けの重たい瞼を無理矢理起こして出掛けていった。寝巻きからかろうじて着替えた首元がよれたTシャツにジーンズを合わせた格好は、普段なら絶対に避けるコーディネートだ。ただコーディネートを考える頭と、近所でご飯を食べるだけという認識がどうにも優ってしまった。
駅前をうろつけば、すぐに君を見つけた。
「おはよう!」
君が駆け寄ってくるから、俺は眩しくて目を細めた。
「徹夜明けだからもっと抑えてくれ」
「あっごめん、声デカかった?」
トンチンカンな返答をする君に、俺は思わず笑ってしまった。声ではないんだよな、と。
ただの挨拶に君の笑顔が合わされば、太陽に負けないくらい眩しいのだと言ってみたかった。
『日差し』
日差し
ほかほか暖かいのも
ギラギラ照りつけるのも
結構好き
年齢を重ねてシミが現れてきた
子供達の幼い頃のおでかけ
子供達にはしっかりと日焼け止めを塗り
自分はまるっと忘れる
自身の趣味のランニング、マラソンチームのマネージャー
出かける時は念入りに
帰る時には残ってもいない
今頃慌ててケアしても遅いんだよね
でも楽しかったな
日差しの下の思い出
『日差し』
焼けないように日焼け止めを塗る。
日差しから肌を守るために。
せっかくの白い肌を守るために。
君のおかげで嫌いだった白い肌も好きになれた。
でも色白の子が好きだと言った君はもういない。
じゃあ私はなんのために
この白い肌を大切にしているんだろう。
暗い、暗い闇が私を飲み込もうとする。
空には月が浮かんでいるが、すぐに雲が覆い隠してしまう。闇は私が光の下に出ることを許さない。
何度も抜け出すことを試みた。あと少しで光の中に足を踏み入れることができたことだってある。でもその度に影から手が伸びて私を逃がしてはくれなかった。
もうすぐ夜が明ける。皆に平等に降り注ぐ日差しは、私にだけは決して当たることはない。
日差しが強い日
東京は猛暑らしい
この全てを焼き尽くしそうな暑さの中
スーツを着て、パンプスを履き
ハンカチを片手に汗を拭って人を縫うように歩く。
今日も頑張って生き抜くわたし。
一日使ったハンカチのじめっとした湿気はわたしの勲章。
誰のためでもなく、わたし自身のために、
頑張ってることを忘れそうになる暑さと今日も戦う。
少し前まで日向に座って
背中に日差しをいっぱい浴びたかったけど
ちょっともう許してくださいと
日陰に逃げたくなっている
日差しへの感覚が変わる時が
季節の変わり目なのかも
「日差し」
(「赤い糸」の2人のその後のお話です。BLですので、苦手な人は読まないで下さい🙇)
何もかも、この強い日差しのせいなんだ!
あの時は周りが気にならなかったが、今思うと顔から火が出そうな体育祭。
隼斗と一緒に居ると冷やかされたりしたが、嫌がる俺の姿を見て隼斗の威嚇が思った以上の効果を発揮し、あれから3ヶ月ーー今はもう誰も何かを言ってくる事はない。
赤いハチマキを運命の赤い糸とか言うのが紛らわしかったんだ!
結局の所、先輩と後輩。隼斗と俺の関係は何も変わらない。
まぁ、少しだけリレーで真剣に走る隼斗をカッコいいと思ったり、違う階の俺の所までわざわざ来る所が可愛い奴だと思ったりしなくもない。
少しだけ、俺の中で隼斗の立ち位置が変わったかなと言う感じかな。ほんの少しだけな!!
隼斗も今までと何も変わらない。
「今日も俺の好きなゆいちゃんだ」
「はいはい、どーもどーも」
隼斗の『好き』は一日一回以上出るので、もはや合言葉だ。
ただ、ちょっとスキンシップが増えた感はある……いや、ちょっとじゃないな、俺今羽交締めにされてるからな!!
「これ見て誰も何も言わないし、助けないのどうかと思うんだが……。いい加減離れろよ!梅雨も明けて夏本番なのに暑苦しい!!」
「だって、ゆいちゃん、この前の体育祭から注目浴びてるし、俺のってアピールしとかないと……」
「誰のせいで注目浴びて、誰のせいで現在進行形なのかって話なんだけど?!隼斗が居なければ俺は目立たない地味人間ですけど?!」
「そんな事ないよ!ゆいちゃんは自分を分かってないからなぁ」
「大体、俺のって何だよ。俺は物じゃ無いし、隼斗に所有された覚えもないんだけど?」
「運命の赤い糸を受け入れてくれたんじゃないの?ゆいちゃんが意識してくれるまで待つつもりでは居たけど、ゆいちゃんの中では、何も変わらないんだな……」
ハチマキは隼斗が勝手に腕に巻いただけじゃん。意識って何をだ?何も変わらないって……変わる訳ないだろ!
何?運命の赤い糸を受け入れたって男同士で付き合うの?冷やかしあったけど、睨んで潰してたの、冗談言うなって事だろ?違うのか?
俺は隼斗に何をどう言えば良いのか分からず混乱する。
そんな俺を見て少し寂しそうに笑うと隼斗は俺に背を向けて歩いて行った。
その日から、隼斗は俺の所に来なくなった。
派手な一年生が三年生の階に来るのが日課になっていたのが、パタリと来なくなり、俺だけじゃなく、他の人らも違和感があるらしい。
「悠一、あの派手な一年もう来ないの?存在感あり過ぎて、なんか居ないと不思議な感じする」
「知らねぇよ。もう来ないんじゃないの?」
適当に返事する。
いつも休憩時間にベッタリくっついて来るので、居ないと休憩時間が長く感じる。
ジュースでも買いに行くかと、一階まで下りると、一年生の賑やかな声が聞こえた。
廊下で固まってる一年生を見つけると、その中に真っ赤な頭が他より飛び出て目に入った。
俺と話してるよりも楽しそうではあるが、どこか意地が悪い様な、柔らかさが無くなっている様な表情の隼斗。
周りは楽しそうに笑ってるけど、隼斗の目は笑ってない様に見える。
でも、一年同士でつるむのが一番だよな。俺は来年卒業して居なくなるんだし……。
隼斗に見付からない様に自販機がある方へ向かう。
ジュースを買ったが、3年の教室に戻りたくないので、そのまま中庭の木陰にあるベンチに横になる。
「暑い……」
木陰でも葉と葉の隙間だったり、枝の長さが足りなかったりで、所々夏の強い日差しが降り掛かる。
暑いが起きるのも面倒で、もういいやとそのまま我慢して横になったまま目を閉じる。
どれ位経ったか分からないが、ふと日差しにジリジリ焼かれている部分が無くなったなと不思議に思い目を開ける。
と、目の前に隼斗の顔があり、ビックリする。
日差しが当たる所に手を当てて影を作ってくれてたらしい。
そして、俺は隼斗に膝枕をされていた。
「おはよー」
一方的に離れたクセに何もなかった様に普通に挨拶された。
座ってる分、木陰から出てしまい、手は俺に掛かる日差しの影となり、隼斗はほぼ全身強い日差しを受けていた。
鼻の頭に汗をかいていたが、気にせず俺に笑い掛けている。
あぁ、もう!!
隼斗の言う意識って言うのは何か分からないけど、愛おしい気持ちと言うのはこの事だろうと思った。
「隼斗」
俺は腕を伸ばして隼斗を抱きしめた。
「ゆいちゃん?!」
「……暑い……。お前、熱中症になるだろ?!ほら、ジュース飲め!」
「俺、暑さに強いから大丈夫!ゆいちゃん、寝れた?
……あれ?影にしてたはずなのに、顔赤すぎない?大丈夫?」
「影に居ても暑いものは暑いんだよ!日差し強すぎな!もう外で寝るのは無理だな、うん!」
隼斗の顔が見れなくて、早口に言ってその場を去ろうとする。
「あ、ゆいちゃん待って!一緒に行こう」
腕を掴まれ、そのまま手を繋がれる。
俺の顔は更に赤くなった気がする。
「ゆいちゃん、可愛い。今日は日差しが強すぎたね」
その言い方、気付かれたのではと思ってしまう。
「そうだ!今日は日差しが強すぎるんだ!」
茹でダコの様な顔をしているだろうと、俯きながら、手も汗ばんで気持ち悪いだろうなと思いながらも繋いだ手は離せず、そのまま一緒に歩いて行く。
一度愛おしいと思ったら、その気持ちは消える物ではない。
でも、俺はまだこの顔の熱は夏の日差しのせいにしておきたいと思った。
〜END〜
今回のお題は難しくてまとめるの大変でしたが、なんとか書き切れて良かったです。
お読み頂き、ありがとうございました😊
ミーンミーン
…セミがうるさい。
日差しは強いしセミはうるさいし電気代は高くなるしこの時期は嫌いだ。
早くこの季節が終わって欲しい本当鬱陶しい。
昨年よりも早くこのむさ苦しい夏が終わる事に淡い期待をして今日もまたいつも通りの日々を過ごす
日差し
新しい日傘を手に入れてから、夏のお出掛けも以前よりは楽しくなっていたのだが、それはそれ、気温も湿気も年々身体に堪える。温暖化対策にもっと協力しておけばよかったのかもしれないとすら考える。
しかしそんな不快感が優位な季節も、一年で最も彩度の高い景色を屋内から覗いてしまうと、不思議と心が踊って、後悔するのはわかっていても外出したくなる。気づけば予定を頭の中で整理して、週間の天気アプリをチェックする。この日はどこへ行こうか?そんなことを考えるのはいくつになってもわくわくしてしまうのだ。
2024.7.3
『日差し』(創作:詩)
朝の日課になりつつある庭の水やり
色とりどりの花々が生き生きと咲いている庭
何十年も水やりをしていた母の姿が浮かぶ
朝の日差しの中、私が引き継いだ日課は
健全な朝の過ごし方のようで清々しくもある
何十年も水やりをしていた母はもういない
母の育てた花々が風に揺れた
朝の日差しの向こうに母を想う
日差し
朝から照りつけるような日差しで頭が焼けてしまいそうだ。私はすかさず手エアコンに顔を近づけた。「おいっ、エアコンに顔を近づけすぎだぞ」とお父さんが笑いながら言った。今日はお父さんと週に一度のお出かけの日だ。
「今日は全国的に真夏の暑さとなっています。適度に冷房をつけるなど暑さ対策を万全にして、熱中症に気をつけましょう」ラジオで気象予報士が何度もそう言っている。
私もお父さんも暑がりのため、車の中は冷房でかなり涼しくなっている。「まだ七月になったばかりなのになぁ」お父さんが運転しながらそう言った。「そうだね。既にこんなに暑くて夏はどうなるんだろうって時々思うよ。これからもっと暑くなりそうだよね!」と私もそう答えた。
私は週に一度のお父さんとのお出かけがとても楽しみだ。私も、もう高校生だから段々お父さんとお出かけをしなくなるんだよとお父さんは前にそう言っていた事があった。だけど私は年齢など関係なくいくつになってもお父さんとのお出かけを楽しみたいと思う。
隣にあるはずのスマホを探し
アラームを止めた
どたり
生まれ落ちた子鹿のように
ベッドに沈み込んだ体は動かない
薄いカーテン越しに
朝日がさしこむ
体に日差しがあたり
少しずつ目を開ける
両手を使って
必死に体を起こし
今日も私は生まれた
〜日差し〜
日差し
買い物にいきたいんだけど夏は日差しがきつくて外に出たくないんだよな。帽子とか日傘を使えばいいんだけどちょっと人目が気になるお年頃。
まぁガチで日差しがきつくなったら帽子を使うけど今のレベルだと帽子はちょっと大げさかなって使うのを遠慮しちゃう。したほうがいいのにね。
日傘に関しては持ってすらいない。以前買おうとしたことがあったんだけど女性用ばかりで男性用がなかった。まだまだ時代遅れだな日本は。
そして外に出たくない最大の理由。単純に暑い。結局これなんだよね。エアコンの効いた部屋から出たくない。誰もが思うことだ。
【日差し】
強すぎる日差しに
白いパラソルを差し掛ける
あなたの優しさは
パラソルのように私を守った
店員「お次のお客様どうぞ〜」
客A「トマト栽培用の日差し、Sサイズをひとつ、持ち帰りで」
店員「トッピングはどうなさいますか?」
客A「水やり程度のシトシト雨を朝晩の2回でお願いします」
店員「かしこまりました お包みしますので少々お待ちください
次のお客様どうぞ〜」
客B「野球のグラウンド用の日差し、Lサイズをひとつ、デリバリーで」
店員「トッピングやオプションはどうなさいますか?」
客B「ベンチ側は雲を、紫外線量少なめで」
店員「かしこまりました
只今デリバリーは少々お時間頂いております お届けは明後日になりますが宜しいでしょうか?」
客B「それで構わないです 支払いはカードで」
涼子「母さん、今のニュース見た?
今や日差しまで、ファーストフード並みに買えるようになったんだって!
しかも、それぞれのニーズに合わせてカスタマイズだって!
まだ運用は都内だけらしいけど、こっちでも可能になったら父さんと母さんの畑仕事も楽になるわね!」
母「ま〜ったく、たまげた時代だよ」
『日差し』
太陽サンサン
アツいアツいとオバハンがつぶやいてる。
私は、夏が好きなので、アツいのは結構平気です。
夏は虫が色々いてまして、何よりそれが楽しいので
山とかへ行って、1日中ただ、探していたいのです。
世の中それを許してはくれませんよね。
もしも人生が一度きりなら、人はなぜ多くの時間を生きるための金を稼ぐことに費やして、そして死んでいくのだろう。
そして、好きでもないことを好きと言い、他の人がどう思うかをいつも気にしながら、当たり前の毎日を生きていくのがヒトなんでしょうね。
太陽サンサン ヒトに生まれたからには やっぱり一種の生物種としての運命には逆らえないのでしょうね。
標本として針で刺された 私の手はもう動かせないのですね
『日差し』
この世に無数の言葉があるけれど
不安から日差しを見出だせたのは
誰の
どの言葉だっただろう
フッ
微笑みだったかもしれない
《日差し》
夏の刺すような日差しは、人の心を開放的にさせる。
いや、開放的と言うよりは暑さで思考力が鈍るのか。
さすがに砂漠で肌を晒すような事はないが、帝都は普通の夏の気温なので皆薄着になっていく。
暖められ過ぎた身体に少しでも風の爽やかさを受けようと、出来る限り肌を出す。
女性も最近は襟ぐりを大きく開く服が流行り始めた。一時期はその影響で、男の部下達が浮足立って困らされたものだ。
僕はローブ・デコルテを見慣れているので違和感などは無く、その心境が今ひとつ理解出来ていない。いちいちそれに反応していたら切りが無い。
そう思っていたのだが。
彼女が心惹かれ足を止められていたショーウィンドウのワンピースを見た瞬間、時が止まったような気がした。
色は清楚な薄青でスカート部分も膝下まで隠れる長さではあるが、デコルテと肩を大きく出した大胆なデザイン。
デコルテと肩から下は胸下の高さまで薄手のフリルで覆われているが、その分細い腰が強調されている。
女性らしさが存分に引き出される可愛らしいデザインだと分かる。
が、僕の口から出た感想は自分でも意図しないものだった。
「ほう…これはこれは…。」
このワンピースを彼女が纏っている図を想像した時、僕の中で何かが弾けようとしていた。
これを着てほしくはない。
いや、似合うと思う。
色合いも彼女の淡い色彩にマッチしているし、デザインも彼女のスタイルを引き立てつつ清楚なイメージを崩さない。
むしろ似合い過ぎるから困るのだ。
困る?いや何故だ?
肩とデコルテか?
そうか、多分そうだ。
夏の日差しはいっそ暴力的だ。そんなに肌を晒していたら彼女の肌が傷んでしまう。
そうだ、僕が困る理由はきっとこれだ。
平常心、平常心を保つんだ。
僕は心の中でそう唱え続け、いつもの態度を崩さないよう必死に努めた。
ところが僕は思わず、そのワンピースを欲しがる彼女に紫外線と気温差の恐ろしさを捲し立ててしまった。
気が付けば、議会の討論でもここまでは勢い付けないだろうという調子で。
しまった。やってしまった。
僕は良くも悪くも昂るとつい理屈っぽくなってしまう。彼女に引かれていないだろうか。
これ以上驚かせてはいけないと、これまた僕は平常心に努める。
普通に笑えているだろうか。
しかし、そんな僕の葛藤を全く意に介した様子無く彼女は呟いた。
「でも凄く可愛いんだよね。今度の外出の時に着たいな。」
…それは次の休暇に入れている約束の事だろうか。
僕との外出の際に、自分のお気に入りの服を着たいと願う。
もしかして彼女は僕が考えてる以上に共に出掛ける事を喜んでくれているのだろうか。
本当に、貴女にはいつもしてやられてしまう。
僕の心をかき回し、いつもは奥に潜む感情を引っ張り出す。
そして、何故かそれがとても心地好い。
弾けそうだった気は緩み、つい苦笑を浮かべてしまう。
そうだ、ショールを着ければ肩を晒す事もないか。
かき回された心を必死に隠しながら提案すれば、頬を染めて喜ぶ彼女と視線が絡み合う。
その眼差しに、心が見透かされてしまうのではないか。
ギュッと啼いた心臓を合図に、僕は慌てて顔を逸らし、彼女の手を取り店内へと誘った。
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先日6月28日《夏》の別視点です。