『日の出』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
作品No.278【2025/01/03 テーマ:日の出】
※半角丸括弧内はルビです。
イライラと、踵を踏み鳴らす。ヒールがぶつかり、カツカツ、カツカツ、音を立てる。隣に立っている馬場(ばば)がオロオロするが、どうでもよかった。
「ほんと、ばっかじゃないの?」
今日何度目になるかわからない言葉を放つ。馬場がさらに落ち着きをなくすが、構いやしない。
「天気予報くらい、確認しなさいよ。こっちは、わざわざ早起きして、メイクとか色々準備をして、ここにいるんですけど?」
「あ……えと、あの……」
しどろもどろで狼狽える馬場に、あたしはさらに苛立ちを募らせる。
初日の出を見に行こうと誘ってきたのは、馬場だった。あたしは数日前から天気予報を確認して、この辺りが曇りで、初日の出が見づらいことを知っていた。もちろん、それを馬場に伝えていた。でも、馬場は聞き入れなかった。
そして、結果は案の定だ。日の出は全然見えなかった。もう空は明るいが、分厚い雲が覆い隠しているのだ。このまま待っても、ご来光など拝めないことはわかりきっていた。
「もういい」
馬場から背を向けて、あたしは背後に停めていた車に乗り込む。
「ちょ、ちょっと、愛蘭(あいら)ちゃん、どこ行くの?」
オロオロするばかりで、全然頼りにならない——なんでこんな男と一緒にいるのか、いいかげんわからなくなっていた。
「初詣。言っとくけど、一人で行くから。ついてこないで」
言って、あたしは車のエンジンをかける。そして、その場から動かない馬場に、
「じゃーね」
とだけ声をぶつけて、車を発進させたのだった。
初日の出。
年始最初の日の出である。ただの太陽。
なのに、わざわざ休みの日に、早起きして!
拝みに行こうとする人間が一定数いる。
せっかくの休みに俺は早起きなんぞしたくない。
そもそも前日の大みそかは夜ふかししても良い日なのだから次の日にはゆっくり昼まで休むべきではないか?
初詣や初日の出を見に行くよりかは、寝正月を満喫して、正月明けの学校や仕事に備えるべきでは?
そんなことをだらだら文句を言っていれば、母から
「お年玉が欲しかったらついてきなさい。寝坊したらおいてくわよ」
と人質(金)を盾にされた。
仕方がないので半分寝ぼけながら家族で神社へと向かった。近所の神社は山の上にあるので、そこから日の出も見える。初詣のついでに初日の出を眺めることができる場所だ。
寒い中震えながら待っているとようやく日が差してきた。神社の砂利や石畳がキラキラ輝いている。
眺めていると、砂利の上に何か透き通る物が光っていた。拾ってみるとそれは蛇の抜け殻だった。それも多分白蛇。日にかざしてみると、抜け殻の鱗の形が光に透けてよくわかった。
丁寧にそれをしまい、初詣を終えて帰宅した。
おみくじも引いた。
中吉
金運:神の加護あり
早起きは三文の徳とはこのことだろうか?懸賞でも当たるのだろうか
家では無事今年もお年玉を貰って一安心したので、試しに何か運試しをしてみようかと蛇の抜け殻を部屋のテーブルに飾って考えていた。
「それどうしたの?」
昨日から家に泊まっていた叔父に尋ねられた。神社で拾ったことを話すと、白蛇は縁起がいい。今年の干支でもあるから尚更だ!譲ってほしいと言い出した。
神の加護ありかもの金運アイテムをそう簡単には渡したくない。追加のお年玉を検討してくれるならと交渉した。
+5000円くらいもらえないかなと思ったところなんと叔父は諭吉2人、渋沢3人をくれた。三文の徳!!と思って喜んで金運アイテムを渡した。いい取引をした!
2ヶ月後、叔父が宝くじを当てた話を聞き、俺は神社に蛇の抜け殻を探しに行った。
毎年恒例の山登りも、登頂まで時間かかるようになってきたね。
ここは穴場だから誰も来ないんだって自慢げに話してたけど、立派なカメラ持った人が沢山来るようになったね。
明るくなってきたよ。
鼻、赤くなってるね。
皺、増えたね。
歳、取ったね。
お互いね。
『日の出』
日の出
その日の出は燃えていた
赤く
清らかに
とても暑そうで
とても暖かそうだった
その日の出は染まっていた
黄色く
純粋に
とてもきれいで
とても眩しかった
その日の出は私を見ていた
「そんんなことしていいの?」と
私は笑った
「こんなきれいに赤く、日の出に染まったね」
血だらけの君を見つめながら
ゲルダは立ち止まると振り返った。自分の数メートル後方にいる青年に向かって、手を振る。暗闇の中、カンテラを持つ彼女の姿がぼんやりと浮かび上がっている。
「ガロさん、早く早くー!」
ガロと呼ばれた彼は微苦笑を浮かべながら、返事するかのように小さく手を振り返した。
彼の姿もまた、暗闇の中に、薄っすらと浮かび上がっている。 きちんと彼がついて来ていることを確認したゲルダは、再び歩き出した。
二人は今、日の出を見るために、崖の上に向かう山道を登っているところだ。
急な提案にガロが呆然としている隙に、ゲルダはさっさと先を歩き出した。彼がはっと我に返った頃には、既に彼女は遙か先を行っていた。
出だしこそ遅れたものの、元の体力とコンパスは彼の方が大きい。すぐにゲルダに追いついた。
「ゲルダさん!」彼は彼女の腕を掴みながら言った。「夜道は危ないですから!」
小さな笑い声を上げて、彼女は彼の方に顔を向けた。
「大丈夫ですよ。最近は魔物の数も減りましたし」
「そういう問題ではありません」
まあまあ、とゲルダは彼をいなした。彼女の暢気な様子に、ガロは眉間に皺を寄せたが、何も言いはしなかった。
「ずっと洞窟にこもってばっかりじゃ心身に悪いですよ」ゲルダは花のような笑みを浮かべる。「せっかく谷の異変も治まって、魔物も少なくなってきたんですから!」
そう言う彼女の笑顔が眩しくて、ガロは思わず目を逸らした。
「さあ、行きましょう、ガロさん。ぐずぐずしてたら日の出に間に合いません」
彼女の言葉に、ガロは小さく頷くと、先導するかのように先に歩き出した。その手は腰の短剣に添えられている。ゲルダはそれを見て苦笑した。
二人はようやく崖の上へと辿り着いた。
既に空の端が明るくなっている。これならもう少しもしないうちに、日が顔を覗かせることだろう。
コンパスを使って方角を確かめると、ゲルダはガロを引っ張った。彼は大人しく為すがままにされている。
夜が白み始めた。
彼女は正面を指差した。
「ほら、日の出ですよ」
ゆっくりと日が昇ってくる。彼が食い入るように見つめているその横顔を見て、ゲルダは満足そうに微笑んだ。
日の出
照らされる
暖かい火
全てを包み込んで
私を独りで居させないでくれるの
今日も私を微睡みの中に包み込んで
冬のある日
日の出前に家を出発した
真っ暗な雪道を恐る恐る走る
だんだん明るくなってきて
雪山が輝いてきた
「冬はつとめて」の良さが少し分かった気がする
日の出
1日の始まり。
早起きした時に見る日の出は、大好き
夜更かししたあとに日の出が出ると焦る
日の出を見ると1日頑張ろうとなる。
そんな日の出が好き。
『日の出』
”日の出って何色なの?”
彼の絵を見たらつい口から出た疑問
だって、日の出をモチーフにしたという彼の絵には
紫、オレンジ、ピンク、群青、緑、黄色……
たくさんの色がグラデーションを生み出していたから
「確かめみる?」
ニヤっとイタズラに笑う彼は
”明日4時に正門集合”とだけ残して帰ってしまった
翌朝、まだ夜とも言えそうな時間帯に家を出ると
正門集合と言っていたはずの彼が家の前にいた
「あれ?なんでいるの?」
「いやー…よく考えたらこんな暗いのに女の子を1人で出歩かせるのは良くないなって思って」
「そっか、ありがと笑」
近すぎず遠すぎずの距離を保ったまま学校に着くと
彼は屋上まで私を連れていってくれた
「わぁ…悪いことしてる気分笑」
「実際悪いことだしな笑笑」
「確かに笑」
横に並んで夜明けを待っていると
ゆっくりと、でもあっという間に太陽が顔を覗かせた
「きれい……」
「ほら、日の出は何色?」
「………オレンジにしか見えない」
「はぁ??そんな単純な色なわけないだろ」
両頬をむぎゅっと鷲掴みにして目を合わせる彼
その瞳には彼が見ているであろう世界が広がっている
「……あ」
「ん?どした」
私1人では見ることの出来なかった綺麗な世界
彼のレンズを通した景色は宝石みたいに輝く朝日が昇っていた
深夜に床に倒れ込んでからどれほど経っただろうか。ふと、重い頭を窓の方に向けて見ると、カーテンと壁の隙間からは、黄色の柔い光が溢れ出ていた。
寝てるのか起きてるのかも分からない時間は、長いのか短いのかも分からなかった。
僅かながら意識がはっきりしてきたところで、私はなんとなくカーテンを開けた。
眩しい。
様々な障害物に妨げられながらも、太陽は私の目を一直線に刺してきた。
太陽が昇ると同時に鳥が朝の挨拶をする。さっきまでは闇と化していたであろう街並みは、それを忘れさせるかのように太陽の光を反射していた。
強く光り輝く太陽は、一日の始まりを知らせる。
今日も終わらない今日が始まった。
【書く練習】
お休みもそろそろ終盤
やらなければいけないことがようやく落ち着いてきた
ゆっくりお休みもしたいし、
楽しいことでもやってみたいし、
上手く行かないな
なんだか時間が足りないよ
いつか、最高の休日ってのをやってみたい
→学習の成果
朱色は魔除けや不老長寿を象徴する色である。古代は丹と言われていた。
日の出を見るたび、その朱色の力強さと包容力にさもありなんと納得させられる。
一方、同じ朱色でも夕日はオレンジ色が強く、薄紅の空も相まって、懐古を呼び起こす。
朝日夕日ともに中空にあるよりも近く感じられるが、実際には南天にある太陽が一番近い。昼間の温かさを思えば頷ける。
地球の自転と公転を習った学生時代の知識。
もしその知識がなければ、単純人間の私は天動説を信じているだろうなと思ったりする。
テーマ; 日の出
初めて書くからどう書いたらいいかわかんないけど
みんなの真似して頑張る
日の出
この時期だと初日の出だよね
今年は見れなかったけど、
(除夜の鐘打ちに行ったから起きれなかった笑)
去年はお友達と見に行ったんだよ
冬だから日の出はちょっと遅め
それでも学校のある日と比べたら全然早いから
年越しの瞬間まで起きてるの我慢した(偉い)
寒いから、そこそこ着重ねして
山の上の方にある、開けた小さな公園で
太陽が登るの待ってた、
(少しウトウトしながらだったけどね)
ちょっと早く着きすぎたみたいで
ひまだーつまんなーいって遠くを眺めてた
そしたら向かいの山から太陽が頭を出した
一瞬で目を奪われた
赤白く十字に輝き、空がいっそう橙色に染る
それと同時に、「さぁ」って「ぶわっ」って街が照らされ
熱がほんのり伝わってきた
夜明け って強く感じた。
そこから登りきるまで眺めてた
登りきった太陽も力強さや神々しさを感じたけど
一瞬の輝きの方が印象に残った
これが初めて初日の出を見た時に感じたこと
「日の出」
他人の目なんて気にしない
俺が好きな子が
俺を好いてくれている
それ以上は必要ない
年の差はある
でもそれだけだ
俺を軽蔑するのは別にいい
でもあの子が俺に向けている気持ちを
踏みにじることは許せない
自分たちの価値観を
あの子に押し付けるな
それ以上
何も言うな
日の出のイメージはふたつ
山の端に穴が空いて、太陽が真っ暗な大山を徐々に映し出していく。
海の向こう側、ほうとするほど長い水平の彼方からゆっくりと顔を出して、ほの暗い空にのぼっていく。
私は朝が苦手だから、日の出はイメージでしかわからない。モネの絵が、私の思う日の出のイメージ。
冬はつとめてというけれど、寒すぎてベッドから起き上がれない。
清少納言は私みたいに怠惰な人間のことがちっともわかってないらしい。これだから宮中暮らしは嫌だね。
今年も初日の出はみれなかった。多分来年も再来年もみれないと思う。
私はいつ本物の日の出がみれるのだろう。
きっとこんな風に夜中に物を書くのをやめた時だろうと、そんなことを考える。
日の出
過去の自分が二の句を継げなくなるくらいの
あり得ないような未来を作れたらいい
咲かない、咲こうとも思わない
なんの願いもないように思える日々の先に
こんな未来があるなんて信じられないと
感動を通り越した不信感まで抱かせてあげたい
可哀想。大きなお世話だね。でも可哀想。
昔から、あの子の嫌いな言葉は可哀想。
黒い窓の向こうにいる
面倒ごとは起こさない、厄介ではないが存在のメリットはない
そんな1人の子供を迎えに行きたい
調子が最悪な時の自分が本来のエネルギーだって
無責任な記事に書いてあった
その通りかもしれない
それでも良いよ
この際大きな問題じゃない
ナイトモード設定だっただけ
今まで時間指定だっただけ
ライトモードのスイッチは
古くさい思い出の中にあるはずだから
私はこのまま、愚かなまま、無知なまま
臆病な新参者として生きていくよ
持病のある無職の男、その夜彼は、寝れなかった。時計の針はいつの間にか朝方を指している。憂鬱な夜だった。小さいスクリーンに映る同世代を見ては、自分と比較し、自分に落胆するのがやっとだった。「俺はどうなりたいんだ。」天井にぼやく。到底返事など帰ってこない。かすかにカーテンから漏れる光がある。
もう別に寝なくていいやと、カーテンを開ける。やはり窓の向こう、日が昇り始めていた。こんなものを見たくて外に出る人もあるんだなと、彼はこの光に良い感情を見出せなかった。いつからだろう陽の光がサーチライトのように、人間を精査する光のように見え始めたのは。いっそ日に見つかって諦めてしまえたらいいと思うようになったのは。そう思いながら彼は、まだ日陰者でいいれればと願っている。
「日の出」
日の出
大晦日の夜
毎年考える
今年こそは
テレビで見るような
美しい初日の出を見られるように
早起きするぞ
今年の抱負 2024.1.2
毎年12月末まで
今年の抱負を覚えている人は
ほとんどいないんじゃないか
それでもいいじゃない
わたしは
新年特有の
すべてが新しくやり直せる雰囲気
結構好きだから
そういうわたしは
そもそも抱負すら掲げない派だけど
視界に入るのは海と空
あの時の日の出は
秋の夕暮れみたいなオレンジ色に焼けていた
自然の偉大さを身体いっぱいに感じる
大自然の中に身を置くと
なぜだか涙が込み上げてくるんだよなぁー。
こっち側のおよそ半分は暗闇で
漆黒をいいことに
溜まっていた熱量を宇宙へ押し出そうとする
黙っていたはずの月と星達が
我が物顔で空を占領する
冷えた地の種は萎え
凍りつく海で魚は眠り
私は山に登る
あっち側の半分は光で照らされているはず
頂きの上に立ち
その境目を感じよう
山稜に切り取られ
影をなくした光線は
レーザービームで地表を焦がし
海を沸騰させ
雲を白く
空を真っ赤に
境目に立っていた私は
またこれが闇に沈むことなど
すっかり忘れ
熱く燃えさかるそのエネルギィに
心を奪われてしまう
酸素が充分に行き渡ったんだろう
空は青く燃えはじめた
今日もまた夜が明けた
日の出