持病のある無職の男、その夜彼は、寝れなかった。時計の針はいつの間にか朝方を指している。憂鬱な夜だった。小さいスクリーンに映る同世代を見ては、自分と比較し、自分に落胆するのがやっとだった。「俺はどうなりたいんだ。」天井にぼやく。到底返事など帰ってこない。かすかにカーテンから漏れる光がある。
もう別に寝なくていいやと、カーテンを開ける。やはり窓の向こう、日が昇り始めていた。こんなものを見たくて外に出る人もあるんだなと、彼はこの光に良い感情を見出せなかった。いつからだろう陽の光がサーチライトのように、人間を精査する光のように見え始めたのは。いっそ日に見つかって諦めてしまえたらいいと思うようになったのは。そう思いながら彼は、まだ日陰者でいいれればと願っている。
「日の出」
1/3/2025, 2:10:43 PM