『日の出』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
丘陵から日の出を見る。
やっと自分の任務は終わり、そして一日が始まる……気が抜けた男は武器をしまい草むらに寝転がった。
太陽が出てしまえば奴ら──鬼は活動が鈍くなる。日中は人間の時間。もう安心して大丈夫だろうと考えてのことだった。
まだ暗い時間から動いていたから疲労はひどいものだ。朝霧に濡れた葉が顔に触れて心地良い。
冬になり夜から朝方にかけてはだいぶ冷えるようになってきたが、ずっと体を動かし続けていたため、冷えなどどうということはなかった。
「これから雪が降ったらやべぇな」
寝転がれなくなる、と呟いた。雪は雪で冷たくて気持ち良さそうだが。
駆けてきたから息がまだ荒い。
「初日の出、だ」
そういえば、今日は元日だった。昨日は世話になった人に挨拶周りをし、蕎麦を打ったりご馳走を用意するのに大忙しで。
年が明け、今日も忙しい一日が始まる……その前にもう少しだけ、休息を。
「今年も頑張るか」
目を閉じて、深く呼吸をする。
草の匂いを目一杯吸い込んで、清々しい気持ちで新年を迎えるのだった。
【日の出】
【日の出】
「ご覧下さい、今年初の日の出です」
「やっぱ初日の出を見ると、新しい年が始まったって感じしますよね」
お昼のテレビで初日の出の映像が流れる。
新年挨拶のため、おじいちゃんの家に親戚が集まる。僕はお年玉を貰いながら横目でテレビに釘付けになっていた。
毎年お年玉がメインでテレビなんて気にしないのに、今年はたまたま目に映った初日の出の様子に何故か心打たれた。
「パパ、初日の出見てみたい」
パパは困ったように、えぇ?と言う。
「初日の出はもう生で見れんが、日の出が見たいのだったらこの近くに穴場があるぞ」
おじいちゃんが教えてくれる。加えて、
「だけどこの時期は寒いし、早起きしなくちゃ見れんぞ」
心配そうに言ってくるが僕は平気だ。ただパパは寒いの苦手だし、起きるのも遅い。
今度は僕が心配そうにパパを見る。パパは僕の視線に気がつくと、諦めたように言う。
「わかった。じゃあ明日見に行こうな」
その言葉を聞いて僕は明日が楽しみになった。明日は何が何でもパパを起こして連れて行ってもらおう。
「わざわざ見に行きたいとは思わないけど」
そう言いおいて彼はコーヒーを一口飲んだ。
「寒いしさ、正月は特に人混みが凄いでしょ?」
だから別に行かなくてもいいよ。
確かにその通りだと思いながら、私もコーヒーを飲む。
「TV見てれば中継で色んなところの初日の出とか見れるしね」
コタツから出るのが億劫な私は、彼の言葉に相槌を打ちながら皿に乗ったチョコチップクッキーに手を伸ばす。二人ともインドア派で、デートもお互いの家でゲームしたり漫画読んだり。それでいいしそれが心地よかった。特に会話を交わさなくても、お互いのことはよく分かっていた。――だから。
「……」
頬杖をついて、ぼんやり全国の初日の出のリレー中継を見る彼の横顔が。その瞳が、僅かに潤んでいたことに。私は思いがけず、ときめいてしまったのだった。
END
「日の出」
日の出
新年早々、私は実家に帰り、一日中ゴロゴロしています。
テレビでは初日の出のニュースをやっていました。
大学時代、男4人で藻岩山の初日の出を見に行ったことを思い出しました。
私たちのグループは冴えない、魅力のないように見えたかも知れませんが、それが私たちの青春でした。
日の出
たまにあるいつもよりちょっと早く起きちゃった日に窓から見えるピンクみたいな薄オレンジみたいな日の出の空の色が大好き
まだ誰も起きてなくて、窓を開ければ空気が澄んでて、少し嬉しいような気持ちになる朝が好き。
おはよう。新しい朝。切り換えていこう。昨日の私と交代しよう。今日は今日。昨日は昨日。ちがうのよ。でも心身は磨かれている。昨日よりも今日。今日よりも明日になるように。誰に言われるでもなく私がそう思いたいよ。さぁ、いってきます!
洗いたての日の出だけは、きっと、いつもと同じだったのです。一年を照らす灯火は、少なくとも一つはあるのです。
/お題「日の出」より
「日の出」
日の出を見て感激してる人がいる裏側で
夕日を見て一日を振り返ってる人がいる
人もまた同じ...
今終わってゆく人
今から始まる人
早い、遅い関係なく
人生を全うした人から
天に帰るらしい
悔いが残らない生き方をしないと
天に帰れないのかな...
私は自分の何を終わらせれば
人生を全うした事になるのかな...
難しすぎて頭が痛い
私の人生の日の出は
そっちに行きたくない!!とグズって迎えた
いつか迎える日の入りは
ガッツポーズで、笑顔で迎えたい
【日の出】
日の出っておいしいの?
…くらい、日の出は見てない。
日の出を見るのは、君の隣がいい。
眠りから覚めると、横には君がいて、カーテンを開けて外を眺めてる。
私も起き上がって、隣に座る。すると、彼は横を向いて「おはよ」って、ほわわんとした声でいう。
そしたら、外が明るくなってきて、日が差し込んでくる。
太陽さんも、眠りから覚めて、山のお布団から顔を出す。
それを眺めてる君の、初日の出に負けないくらいの暖かさを持った、優しい笑顔がだーいすき。
さあ、今年が始まった。今年も、毎日この笑顔が見られるといいな。
夜にふと壁のカレンダーを見ると絵が日の出だった。
あぁ、一日が終わってしまう…
この休みがずっと続けばいいのにと思う。テストやだ。
今日は最高の1日だった。明日はどうなるだろうか。
ああ、消えてしまいたい。明日にもならなければ。
今日という日を清算し、明日を早く迎えたい。
時よ過ぎないで。出来るなら明日はまだ来ないで。
今日も明日も、愛すべき日であるはず。
希望の夜。悲願の夜。整然たる夜。願望の夜。愛しみの夜。
さぁ、朝が来た。
ああ、朝が来てしまった。
やっと朝が来たか。
もう、朝が来ちゃった。
嗚呼、朝が来てくれた。
正気に満ちた朝。絶望の朝。照らす朝。光彩の朝。慈しむ朝。
[日の出]
何年か前、家族で初日の出を見に行ったことがあります。
寒いからとモコモコのダウンの上に馬鹿でかい毛布を被せられて、姉妹揃って超不機嫌になりました。
写真を見ても、2人でカメラを睨んでいて面白いです。
今は家族の関わり方がその時とは変わってきているので、懐かしい感じです。
成長なのかな。
300字小説
最初で最後の朝日
『もう疲れたんだよ』
何度目かのダンジョン探索中。俺の行く手を遮ってきたスケルトンは剣を下げた。
『宝を守ると言っても、持ち主であるマスターはとうに逝っちまってるんだ。なあ、ここの宝を全部やるから、俺を解放してくれないか』
奴は日の光を浴びれば、消滅するという。報酬が貰えれば解決するのが冒険者だ。俺は奴を連れて地上に向かった。
ダンジョンを出、小高い山を登る。
『何処まで行くんだ』
「どうせ消えるなら、こいつが良いだろう」
東の空を指す。
『……おお』
徐々に明るくなる空が日の出を迎える。眼窩の青白い光が揺れる。
『これが朝日……なんと美しい。……ありがとう』
奴はカタリと満足げに笑んだ後、サラサラと消えていった。
お題「日の出」
今年は今日から参加していきます。
今年もよろしくお願いいたします。
ひので
あたらしい はじまりのひかり
いつもの ひかり
きっとあのひともみたかった
いつもの ひかり
てのひらにあたる ひかり
ぬくもり
いつも なくなってから きがつくの
たいせつな ひかり
〝日の出〟
「一緒に初日の出見ない?」
彼から電話がかかって来た。答えに迷っていると、
「もちろんモーニングコールするから、どう?」
と、私の心を読んで、彼が追い討ちをかける。
行きたくないと言えば嘘になる。
それに、彼が気遣ってくれたのが嬉しかった。
「もちろんいいよ。でも、手間かけてごめんね」
「いいって。じゃ、また電話するね。おやすみ」
「おやすみ」
そう言って電話を切り、眠りについた。
そして、朝。
彼から電話がかかって来る前に、私から電話をかける。
「おはよ、起きてた?」
「おはよ…って、起きてたんだ。びっくりしたよ」
あなたのせいなのに、と心の中で呟く。
あなたに会えるのが楽しみで、早く起きたんだから。
初日の出は自分的には結構見るのが難しい。
寒がりすぎてずっとお家の中で温まってたい。
でもテレビとかで見るとすごく綺麗。
いつか実際に綺麗な場所で見てみたい。
同じ日の出でも季節によって印象変わるよね。
自然豊かなところで見てみたいなぁ。
日の出は見にいきませんでした。
まず見るところがありませんでした。
悲しい現実、
日の出、なんて言葉は、日が沈んでしまうからあるんだ。けれど、一日も日が沈まない場所があることをご存知かい?僕はそこへ、行ってみたいんだけれど。
「馬鹿な。ここは×××だよ。日は落ちて沈み、そうして昇り続けるんだ。これからもね」
それに僕たち、ここからは出られないでしょう?
続けてそう言うと、彼は明らかにしょんぼりとした声で、外へ出てみたいなあと吐息をふうと絞り出すように呟く。
「あ、そうだ」
この真白い部屋の中には、ひとつだけ小さな小さな窓があるね。背伸びをして、覗くのだ。そうすると、小さな小さな、水溜り程の池が見えるね。では、其処に映った、太陽を、見ようではないか。
「いいね。乗った」
彼はそう言うと、窓の方へ走った。その窓はひどく小さいのでひとり用だ。僕は彼の背中を眺めた。小さい身長で、懸命に踵を上げて彼は窓枠に手をかける。
「わあ」
彼は小さく声を上げた。太陽が昇るだけのことに、あれだけ感嘆の声をあげられるとは。その純粋な姿は僕にとってあまりにも眩しくて、少しだけ羨ましい。きっと彼が、白く輝く水面に映る、灼熱の光を、見ていることも、少しだけ、羨ましいのだ。
「僕にも見せてよ」
いいよ。そう言って彼は一度外を見たまま、瞬きをした。振り返って僕を見たその瞳には、未だにその輝きが幾分かの煌めきか残っている。
僕は窓枠に駆け寄って、窓の外を見た。水面に映った眩いばかりの太陽を見た。ちょいとこれは、僕にとっては眩しすぎる!
「……目が潰れた」
「ええ…」
僕はあまりの眩しさに、目を瞑りその上から手のひらで覆った。瞼の裏に痛いほど光が焼き付いている。 その姿は、死ぬまで忘れられそうにない。
「いつか君と一緒に、外で太陽を見たいものだ」
「…うん、そうだね」
僕たちは、厳重に外から鍵のかけられた何にも無い白い部屋で、また他愛のない一日を過ごすのだ。
《2.日の出》
一次創作のひらめきを得るためにこのアプリを始めたのですが、私はこういうよくわからないふわふわ浮いているお話がどうやら好きみたいです。思いついたまま走り書きで10分くらいで書いています。
考察妄想は皆さんに任せることにしたいと思います。読んでくださりありがとう御座いました。
今日は忙しい一日だったので
あっという間に夜が明けようとしていた。
『確か、この近く海があったはず、』
そう思い宿泊している旅館近くの海へと
走っていく。
『ッッ』
私が見た景色には
とても綺麗な日の出が
急いで走ってきてよかったな
なんて、笑
『いつぶりだろ、』
こんな時間までなんて普段起きないから
もう何十年も日の出なんて
ちゃんと見てなかった
『お母さんとこれば良かったな〜、』
これが去年の秋。
就職したての頃
仕事ではよくやらかして
先輩に怒られての毎日。
一度親孝行のため旅行に行くため
長期休暇を取らしてもらった。
当日母が体調を崩し
『風邪』だったみたいで重い病気とかじゃなくてよかったけど。
『これ、久しぶりに見たな、w』
そんな昔の私の一人旅行の写真を見て
自然と笑みが溢れる。
今年は
またこの景色を
母と一緒に
見れるといいな──────。