『懐かしく思うこと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
毎日の日々を懐かしく思う。
当時は今を生きるのに精一杯で、お金も地位も名誉も経験もなかった。
だけど、過ぎてから思い返すと、その全てが懐かしく思う。
必死で悩んでいたことも、さまざまなことに触れた今から思うと次第にちっぽけなことに見える。
ハロー過去の私。今もそんなに変わらないけど、それなりにはハッピーだよ。
ほんの子供の頃、訳もわからず今はなき祖母の育てていた花胡椒の実をよくもいで遊んでいたことを思い出した。
当然お仕置きはされたが、懲りるということを知らなかった私は、ただ綺麗だったから、それで実をもぐなんて、なんて我儘だったんだろうと思い出す。
大切に育てていた祖母の気持ちを思うと、悪い事をしたとは今でも思う。
今では切ない、懐かしく思うこと。
懐かしく思うこと
「小学生の頃怜の家の庭でキャンプごっこしたよな〜。」
「したね…まあ今やってるのも日帰りキャンプで本格的なやつじゃないけど。」
「ふは…未だにキャンプ飯の後はマシュマロ浮かべたココアだもんなぁ。」
湯気が漂うマグカップの中でマシュマロを揺らす。一緒に星を見上げた頃、僕たちは純粋だった。一番の仲良しだって、疑うところもなく信じてた。
だけど、晶が先に中学に上がって、やっと僕も中学生になったと思ったらたった一年で晶は次高校に上がって。その頃の僕らを取り巻くのは、誰か異性と付き合うのが正義という風潮だった。晶ももれなく中学では女の子に告白されて付き合ってた。
僕にとって、ただの友人の枠を超えて一番になりたいと思ったのは庭でキャンプの真似をいていた頃から晶一人だ。
それがなんだかんだ時を経て、また星空の下に二人きり過ごせている。
「…一件落着すると、なんか全部が懐かしく思えるね。」
「一件落着?」
「…僕たちが互いを一番に選んだってこと。」
「あぁ、ははは。…そうだな〜、随分遠回りした。懐かしい。」
『懐かしく思うこと』
真夏のランドセルを背負った時の背中の蒸れ感。
日に当たって握れないほど暑くなった鉄棒。
冬になるとカイロ代わりになる。
スカートの下に体操ズボン。
ごちゃごちゃした柄の入った膝下までの靴下。
真っピンクの運動靴。
金曜日に給食セットと一緒に揺れる白いエプロン。
25分間の「ぎょうかん」
当時は心底どうでもよかった昔の流行を目にすると気分が上向きになる ただ あったな というだけの懐かしさで
ただのその流行がある時代の文化社会を受動的な姿勢で体験してきただけでもその感情が芽生えてくる
通り過ぎただけのものにわずかに親しみを感じる
むしろその時代の最中よりも通り過ぎた方が近さを感じる
目にした何かに対してどうでもいいと無関係を感じたとき
それは既に無ではなく遠さを持った関係を結んでいる
そして後に知りもしなかった過去の出来事と比べたとき
その無関係という関係性に相対的な近さを感じる
無関係性にでさえ遠ざかる時が心を近づけていく
時間的距離に反比例するように心的距離が縮まる
時計の針が示さないものが左回りに渦巻いていく
懐かしさは反時計回りの力を持っている
『懐かしく思うこと』
大人になってから日常を過ごしているとほとんどのものが
マンネリ化してしまう。
食事や睡眠、仕事…これらの繰り返しになってしまう。
ならば何かを変えてみようと思うが
結局いつもしている事の延長線になってしまう。
休日の日、何気なく外に散歩へと向かった。
歩いてる途中、子供や高齢者など色々な人と出会ったが、
特に感情が動くことは無かった。
歩いていると喉が渇いたなとコンビニへと入った。
そのコンビニは何も変わらないコンビニだった。
一つを除いて。
駄菓子屋コーナーがあったのだ。
幼き頃の私が親にお願いして何度も足を運んだ駄菓子屋
のようなレパートリーのお菓子たちが並んでいた。
気づいたらコンビニの籠いっぱいにお菓子が入っていた。
これだけかって1000円行かないのだから駄菓子には
頭が上がらない。
私はワクワクして帰宅した。
帰宅してから幼少期の思い出を思い出しながら、
夢中で食べていた。
緑茶を片手にテレビを見ながら食べているとなんだか
懐かしいなと思ってしまっていた。
秋の庭は荒れていた。
大きく育つ前に抜かなければならなかった雑草の色は、すっかりと秋の色に変わっていた。
もうじき冬にもなろうとしているこの季節でも、花粉は飛び交い、命を繋ごうとしている。
それらは時に害になる。
結局のところ、しょせん愛なんて、関係のない他人には害にもなりうるのだ。
女は、ふうっ、とため息をついた。
懐かしく思うこと、それから、これからどんどん失っていくであろうこと。
考えれば考えるほど、ため息でもつかなければやっていけない。
若い時に戻ればどうにかなるわけではない。
けれども今とは違う選択ができるはず。
もう一度、ため息をついた。
とりあえず草をどうにかしないと。
そうしてその後、そこに眠るのもいいかもしれない。
私は種、私という名の。
植えても育つかは、わからないけれども。
「懐かしく思うこと」
懐かしく思うとき、寂しくなった
懐かしく思うとき、悲しくなった
懐かしく思うとき、微笑ましくなった
それは今、そう思えるからかもしれない
「懐かしく思うこと」
ふわっと何処からか香る金木犀の香り
今年ももう秋か…
あの頃と何一つ変わらない景色と匂い、なのに私達はどんどん変わっていってしまった。
最近ではお互いに忙しく、同じ家に住んでるはずなのに顔を合わす事もすくなくなってしまった。
初めて出会った時も、告白して付き合う事になった時も金木犀が咲いてたっけな
あの頃みたいにまた2人で笑って過ごしたいな
そんなこと考えながらトボトボと歩いていたらふと花屋が目に入った。
こんなところにあったかな?と思い見ていたら店の中から、お姉さん、よかったら見ていきませんか?と声が聞こえた。
他に客もいないみたいでどうぞどうぞとそのまま店の中まで招かれ、あれよあれよと言う間に花束を勧められていたのだ。
どんな花が好きですかと聞かれても花なんて、実はこれっぽっちもわからずキョロキョロしていたら、何処からか金木犀の香りがした。
あの花でも花束って作れるんですか?あまり大きくないのがいいんですけど…
店員さんは優しく微笑み返してくれた。
今日はなんだか金木犀の花束が人気ですねと言いながらいろいろな花や草などと組み合わせてあっという間に可愛らしい花束が完成した。
それを、もって家に着くと、珍しく部屋の明かりがついていた。
私は嬉しくなってただいまと笑顔で帰宅すると、なんと数日ぶりに顔を合わせたはずなのに、同じ花束を手に持ち、まさに飾ろうと花瓶を出している彼女とぱちりと目が合い、彼女が驚いた顔で照れくさそうにおかえりといってくれた。
しばらくすれ違いの日々が続いていたのに、2人とも同じこと考えてたねと笑いあい、たまらず彼女を抱きしめた。
花束のおかげか、金木犀の香りと共に懐かしい思い出を語り合い、変わってしまったと思ってた懐かしい笑顔が今も変わらずそこにある事が実感できた。
懐かしく思うこと
今から三年前、コロナウィルスが蔓延して
会社がダメになる前、私は会社員として働き
この時期はカレンダーやらイベントやらで
業務に明け暮れていた。
指揮命令はもちろん私であった。
それが会社がなくなった今、同じようなこと、
業務も作業も簡易ではあるものの
同じような作業を別の会社で働いている。
アルバイトというかたちで。
似たような仕事。思い出すのは大変だったこと。
そして重なるイベントの運営。
イベントはお手伝いだったからわりに気分転換に
なり、清々しい気分になった。
そのイベントに今後は自分はお客として参加する。
以前の仲間に会いに行く。
とても懐かしい気がした。
まだ離れて三年しかたっていないのに。
その三年の間に起こった数々のことは
ジェットコースターのようだった。
だからその三年前の風景が今、目の前に広がることが
とても懐かしく思うのだ。
もう戻れないから。
しかし、それを選んだのは自分の意志であり
誰の指図でもない。
だんだん遠くなることに、いやもうすでに遠ざかった
日々であるのかもしれない。
懐かしく感じることじたいそうなのだ。
懐かしさは遠くになって思うこと。
そうだ、あの頃はもう遠い時代なのだから
今なんとか、これから何とかなることもない。
懐かしいひとときに酔いしれるだけでよい。
それが懐かしさの醍醐味である。
懐かしく思うこと。子どもの頃の記憶が懐かしいのは当然だけどわりと最近のことでもそんなのあったねって懐かしく思うことはある。
例えばコロナとかロシアウクライナ戦争とか。
どっちも今も続いてることだけどなんかもう終わった感というかまだやってるんだ感がある。
俺はもうマスクしてないけど今でもまだマスクしてる人は結構見かける。
まだコロナは終わってないしインフルエンザとかもあるからマスクするのは正しいだろうし立派な心がけかもしれないけどやってる人は一生続けるつもりなのかね。
コロナはもう風邪とかと同じで一生付き合っていかなきゃいけないものになったと思うんだよな。
そうなると当然一生マスクつけて一生ワクチン打つわけだ。
あまりにもばかばかしくてやってられなくなってもうマスクはつけないしワクチンも打ってない。
まだマスクつけてる人にいつまでマスクつけるのか聞いてみたいものだ。
【あたりまえ】
お題:懐かしく思うこと
知っているつもりだった、この日々がずっと続くことがない、と。それでも心のどこかで期待していたのだと今になって思う。一緒に笑って、泣いて、喧嘩して、そんな日々があたりまえだった。愛してるだとか好きだとかそんな言葉しか出てこないけど、その言葉以上に愛してた。失って気づくなんてありきたりだけど失って気づいた。その日々があたりまえじゃなかったことに。もうあの日々を過ごすことはないけれど、今の君を見ながら思い出に浸ろう。
「懐かしく思うこと」
過去をあざやかに思い出しては懐かしくなるのは
自分がすでに老いてきているから
『懐かしく思うこと』
眼前で目に涙を溜めている貴鬼を見て、私は自分の幼い頃を思い出した。
師からサイコキネシスの課題を出されたが、なかなか上手くいかなかった。もどかしい思いは焦りと情けなさを生み、今の貴鬼と同じように悔しくて泣いたものだった。
あの時、涙をぐっと堪えながらも強く拳を握り締めていた私に、師は何と言っただろうか。思い出しながら、それをそのまま口に出す。
「最初から完璧にこなそうとする必要はありません。焦らず、一つ一つ、ゆっくりと確実に進めなさい」
私の言葉に貴鬼はハッと顔を上げ、こちらを見た。私は微笑み、頷いてやる。「はい!」と元気な返事をすると、再び集中を始めた。その姿に私は目を細めた。私の幼い頃そっくりだ。私の師も、まるで父のように私のことを見てくれていた。
私は懐かしみ、昔の師の顔を思い出す。二百年以上を生きてその顔には深い皺が刻まれており、同じく眉間にも皺が刻まれ――あれ?
思っていたイメージと違い、私は首を捻りよく思い出す。
――そうだ、我が師は最初こそ優しく声を掛けていたが、あまりに私が何度も失敗すると最終的には苛立って「うろたえるな小僧!」と私のことを吹っ飛ばしていた。あの人に吹っ飛ばされた回数など、両手両足を使っても数え切れない。本当にあの人は見た目よりも短気で――
「うわーん! ごめんなさいムウ樣! オイラもっと頑張るからそんなに怖い顔しないでください!」
気が付くと、貴鬼が私の顔を見て泣き出していた。どうやら自分でも知らぬ間に怖い顔をしていたようだった。私は慌てて貴鬼の頭を撫でてやった。
懐かしく思うこと
SNSをみていたら
子供の頃ずっと見ていた
NHKの曲が流れてきたこと
懐かしく思うこと
今、懐かしく思うことさえも
懐かしくなる時がくるんだと思う。
人生の終末期になり、
喜びも怒りも悲しみも楽しみも
全てが懐かしく感じられたら良い。
人間の記憶力はそう万能ではないから、
懐かしく思えるくらい覚えていることが
あるだけでも、それは凄いことなんだ。
と、最近思う。
だって、4年前に行った家族旅行。
行ったことは覚えているが、
細かいことはさっぱり。
楽しかったことは覚えているが、
何が楽しかったのか、さっぱり。
想い出は懐かしく思えるほど
私の記憶に残っていて欲しい。
懐かしく思うこと
まだ考えを曲げれなかったあの頃
沢山の人に支えられて来たなぁ
思い出を懐かしく思ってあの頃に戻りたいだなんて
いうのは「今」から離れるための1つの手段でしかないよ。
━━━━━━━━━━━━━━━懐かしく思うこと
懐かしく思うことなんてすぐ思いつかない。
日常で懐かしく思うことは
やっぱり曲聴いた時だと思う。
これ私が学生の時に流行ってた曲だ!とか
懐かしいな〜とか
そんな感じだと思う。
これから先も懐かしく思うことが増えていくんだろうな
─────『懐かしく思うこと』
テーマ「懐かしく思うこと」
懐かしく思うこと…正直悩む。楽しかった思い出はすぐ忘れてしまうし、旅行や行事ごとは必ず体調不良になるので思い出すことはできない。
ただ、昔推してた人を見かけたり合唱で歌っていた曲を偶然聴いたりすると「懐かし〜!」と思う。
きっと熱中してたことや好きだったことも無意識に思い出になっているのかもしれない。
実家に帰ると、懐かしい思い出が蘇ってくる
家の近くの小さな自治会館、
そこで皆でおにごっこをしたな。
当時の親友と、近所の歳下の女の子、
あと裏に住んでたくそガキ兄弟(笑)
いつも遊ぶのはそのメンバーだった。
あの頃はあの頃できっと悩みはあった。
でも遊ぶ時は純粋に楽しんでいたし、楽しかった気持ちはなかなか消えなかった。
大人になった今の自分は、その心を失ってしまったことに気づかされる。
学生から社会人になり実家を出て、
かなり自由になったけれど、
その自由を謳歌できていない自分に嫌気が差す。
どんなに仲の良い友達と遊んだとしても、
あらゆる悩みや不安感をまとっているまま。
楽しかったはずの1日が終わればどっと疲れている。本当に楽しめたのかすらも怪しくなる。
……純粋だったあの頃に帰りたくさせる、この自治会館はもうすぐなくなってしまうらしい。