とわ

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懐かしく思うこと



「小学生の頃怜の家の庭でキャンプごっこしたよな〜。」
「したね…まあ今やってるのも日帰りキャンプで本格的なやつじゃないけど。」
「ふは…未だにキャンプ飯の後はマシュマロ浮かべたココアだもんなぁ。」
湯気が漂うマグカップの中でマシュマロを揺らす。一緒に星を見上げた頃、僕たちは純粋だった。一番の仲良しだって、疑うところもなく信じてた。
だけど、晶が先に中学に上がって、やっと僕も中学生になったと思ったらたった一年で晶は次高校に上がって。その頃の僕らを取り巻くのは、誰か異性と付き合うのが正義という風潮だった。晶ももれなく中学では女の子に告白されて付き合ってた。
僕にとって、ただの友人の枠を超えて一番になりたいと思ったのは庭でキャンプの真似をいていた頃から晶一人だ。
それがなんだかんだ時を経て、また星空の下に二人きり過ごせている。
「…一件落着すると、なんか全部が懐かしく思えるね。」
「一件落着?」
「…僕たちが互いを一番に選んだってこと。」
「あぁ、ははは。…そうだな〜、随分遠回りした。懐かしい。」



10/31/2023, 2:37:52 AM