『愛言葉』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
愛言葉 勝手に
私に法力をかけてくれた
人のぶんである
法力 いやな私の知り合いの霊能者で
宇賀神彩乃とか宇賀神龍仙とかなのっていた
私の学生時代頼みもしないのに
法力をかけられて
トラウマができて迷惑している。
愛言葉
音楽や物語で語られる愛はキラキラしているけれど
私には愛がなんなのか上手く想像できない
「愛言葉」
歌手のtani yuukiさんの曲!
恋してる時にめっちゃ聴いてたな
また恋しながら聴きたいな♥️
ほんとにおすすめなので色んな人に聴いて欲しい😍
「愛言葉」
「おかえり」
「ただいま」
それだけでホッとする。
私たちはツンデレだからね、
こういうところでしか
愛を感じられないんだ
─────
雑
愛言葉
やさしい愛言葉
ありがと
ゆっくりやすんでね
おつかれさま
ふつうに救われる…
安らぎます
むりしないでね
「母さん」
それだけ言ってまるで岩壁のような、男梅の様に眉間に皺を寄せた男—善爺さんは湯呑みを握りしめたまま新聞から顔を上げなかった。
齢八十九歳。昨年米寿のお祝いにと着せられた黄色のちゃんちゃんこを羽織っても、そのぶすくれた表情をぴくりとも動かさなかった。
さて、この無口で無愛想で岩の様に動かない善爺さんが、生涯の伴侶と出会ったのは戦後間も無い頃であった。
馴染みの床屋のおかみさんが、朴訥で浮いた話の一つもない善に是非合わせたいと、床屋の斜向かいのお隣に住まう娘、絹江を紹介した。
この絹江という娘、大層小柄でまだ中学にも上がってない様にも見えたが、今年で十三になったとのこと。
十七になったばかりの善からしてみれば、第一印象は「ガキじゃないか」のただ一点であったそうな。
だが紹介された手前、善も顔だけ合わせて帰るわけにもいかず。何度か顔を合わせれば相手も己の無口さに呆れて断るであろう、と善は踏んでいた。
しかし、想定外であったのは絹江の”おしゃべり具合”であった。善が黙っているのをいいことに、まあ良く喋る娘であった。のべつ幕なく実にかしましく、善はラヂオでも聴かされているかとさえ錯覚した。
挙げ句の果てには「あたし、五月蝿くないかしら?」と聞いて尚その癖は直らないときたものだ。
善は不思議でならなかった。どうして自分の様な仏頂面の男に話し続けて苦ではないのか、と。
そのまま絹江に問えば、彼女は頬を林檎のように赤らめてこう言った。
「父も母も忙しくて、妹も弟も皆まだ小さいから…だぁれもあたしの話なんて聞いてくれないの。友達も皆彼氏の話ばかりで…あたしそんなのいないから、あたしの話はつまらないって。でも、善さんは黙って聞いてくれるでしょう?嫌な顔もしないし、たまに頷いてくれる。だからあたし嬉しくて!」
善は思った。なら俺がこの縁談を断ったらどうするのだ、と。もう話を聞く者はいないのか?と。そう思うと、途端に不憫に思った。
「善さん。あたし、喋りすぎかしら?もしかして、嫌だったのかしら?」
絹江の問いに、善は思わず口走った。
「…聞くだけなら、別に」
「おじいちゃん!お茶なら自分で入れなよ!急須目の前じゃん」
孫娘が善に苦言を呈した。だかその言葉に答えたのは絹江婆さんであった。
「いいのよ。私が好きでやってるんですから。それにこの人は…」
善の手から優しく湯呑みを受け取ると、絹江は嬉しそうに言った。
「これしか言わない人だから」
ふふ、と微笑む絹江にため息をつく孫娘。それを尻目に善は呆れて内心ぼやいた。
(お前が喋らせないからだろうが)
≪愛言葉≫
愛言葉
あなたに降り注ぐ言葉は
何者でもない
愛ととらえるか
悪意ととらえるか
それはすべてあなたしだい
愛言葉。
最初お題を見た時は「〜言葉」とあったから、
「ああ、花言葉かあ」と早合点してしまって、ラベンダー、ベゴニア、ヒガンバナ、などと花の名前を羅列していくこと早30分。
もう一度お題をみたら、「愛言葉かいっ」となった。
愛言葉となると、おやっと思う。
花の名前のように、羅列できないのだ。
恋愛経験のなさがでてきてしまった。
多数の異性を誑かすほどの魅力はないので、それはそう。仕方ないのである。
合言葉というものがある。
玄関ドアの内と外。
どっちがどっちかは知らないが、ドアを隔てて2人がいる。
そこに合言葉を投げかけてみよ、と言葉が鍵になっちゃって、かこんとキーの解錠音が鳴るかどうかの瀬戸際外交。
当然鳴らない場合も、あり得るんだなこれが。
「愛してる」をそのまま言わぬ君こそ俺限定の作家になれよ
二人だけで通じる「待ってるね」を作りたいよ、秘めた約束
♯愛言葉
言葉通りだけど愛言葉って愛のある言葉ってことだよね
「ありがとう」とか「おはよう」とか「おやすみ」とか。。
毎朝私が自転車で、ある家の前を通ると、近所の人が「おはよう、行ってらっしゃい」って言ってくれるの
それだけで心が温まって、今日も頑張ろうってなれる
改めて言葉ってすごいなって思う
こんないい言葉があるのに使わないなんてもったいない
短い言葉で沢山の人を笑顔にできる愛言葉を
これからもいっぱい惜しみなく使っていこうと思った
使わな損損(˶ᐢᗜᐢ˶)笑
No.160『愛言葉』
愛の言葉だけじゃ信じられないよ。だって口ではなんとでも言える。
その言葉が嘘じゃないって言うなら私に──して…
愛ある言の葉紡いだら
火照る想いが冷めぬ間に
くるりころりと転がして
あなたの心に届けよう
2人の秘め言 まぁるい愛しいアイコトバ
✼•┈┈愛言葉┈┈•✼
「合言葉は?」
「ルージュの口紅」
「入れ」
俺はダンボールで覆われた基地に入る。ここは山奥で私有地ではあるが、その権利者が長年行方不明で管理されておらず荒れ放題だ。
そんな中俺たち5人で建てた超デカい基地。
ビニールで雨を凌げる簡易的な屋根を設け、貰ってきたテントにイス三脚、ソファーまである。テントとは別に6畳ほどあり、床はレジャーシートで覆われていて、周りはダンボールで覆われてそれをさらにビニールで覆っているので虫や風を心配する必要はない。
「おぉ、久しぶり」
「夕方からなんて珍しいね。もう来ないかと」
中にはユズキとサクラが居た。
ユズキは、いかにも女っぽい性格でいつメンの4人に少し舐められていて、いわゆるイジられキャラ。
サクラは、フッ軽く、逆に気分がいいときはノリがいい。
俺はこの二人は珍しいと思ったが特に気にせず大富豪しようと提案した。
大富豪も中盤、俺のカードが残り6枚。3枚の8と一枚のジョーカーで革命を起こしたときだ。
すごい勢いで扉が叩かれる。俺たちは揃って「合言葉は?」と聞くが余りにも外にいる奴の声がテンパっているので俺は扉を開けた。外にはヒロシがいる。
「良かったいた!はぁ、はぁ、あっちに」
「一旦落ち着け!...どうした?」
「し、死体が、すごい血がいっぱい」
「またか!」
俺は靴を履いてヒロシの方に駆け寄る。
ここ最近、猫の死体やら鳥の死体やらが基地周辺に捨てられていることが多いのだ。実際寿命やら食物連鎖やらで死んでしまった動物たちが大半だろうが、明らかに量が増えている。人の手で捨てられているとしか思えない。
「違う、に、にに、人間だ。人間っが、いる死んでる。」
「は?」
本当なら洒落にならない。
「嘘でしょちょっと待って。」
「う、嘘じゃない。本当だ。」
「ちょ、ちょっと、そんなつまらない冗談やめなよ!」
ユズキがヒステリックに声を荒げる。
その声で更に不安が押し寄せる。
「ど、どこで見たの?!どんな死体だったの?冗談じゃないでしょうね!?」
「ち、小さい小屋の裏だ。はぁ、はっ、男の、嘘でも冗談でも、ない」
ヒロシは息を切らしながら言い終えたとき、雨が降ってきた。夕立だ。山で雨が降れば大変だ。足元はすべり、最悪帰れない。しかし雨は遠慮もせずに雷まで呼んできた。
ヒロシが冗談だよと言い出す事を祈るが顔を青くするだけで何か話そうともしない。俺は何も考えず基地に入る。
ヒロシも何も言わず中に入る。
基地の中には静寂があった。本当なら人が死んだとなれば警察に通報して、救急隊員を呼んで、大騒ぎの筈が、俺たちはただ大雨の音を聞いていた。
軽く現実逃避をしていたのかもしれない。
これだけ大雨が続けばダンボールまで濡れるかもしれないな。もしそうなら張り替えないとなとどうでもいい事を考え始めた時だ。
「本当なの?」
痺れを切らしたかのようにサクラが声を上げた。
「あ、ああ、ナイフが刺さってて、あたりは血だらけ、目玉が飛び出て、うっ」
ヒロシはその死体を鮮明に思い出したのか口を抑えて下を向く。
「じゃ、じゃあもう警察呼ぶぞ。いいんだな?」
俺はヒロシの目を見るがとても嘘をついているとは思えない。スマホを取り出し画面を開こうとタップするが反応しない。電源ボタンを長押しすると充電がないことを知らされた。そうだ。最初は軽い気持ちできたからスマホなんて使わないと思っていた。
「充電がない。サクラ、お前が電話してくれないか」
「わかった。」
サクラは自身のスマホを取り出し電話をかけようとする。
「あ、圏外だ。え、いつもは電話繋がるよね」
「あ、雨の影響かもしれない。どうしよう」
「な、ナイフで刺されたてたって事はさ、殺人...だよね。犯人は?昨日までそんなの無かったでしょ。」
ユズキか声を振り絞って言う。確かにそうだ。
「ユズキの言う通りね。それに、この雨じゃ私たち帰れないわ。」
「ここは雨が止むのを待とう。地面が緩いことには変わりないが、雨が止めば行動範囲は広がる。」
「でもこんな大雨が続いてみて。土砂災害に巻き込まれるかも。それに何より雷よ。ここに直撃する可能性も高いじゃない」
「それはしょうがない!どうしろって言うんだよ!こんなら大雨の中足元も見えず助けも呼べない状況で下山しようってのか?」
「それもそうだけど....」
サクラは黙る
「そうだよ!そこら辺に犯人がいるのかもしれないのよ!」
ユズキが便乗する
「4対1なら負けないよ。」
「中学生の男女四人で何ができるって言うの!?犯人が一人とは限らない。ナイフを持ってるかもしれない。そ、それに....3対1っていう、可能性も捨てきれないんだよ」
ユズキはチラッとヒロシの顔色を伺う
「お、おい、俺が犯人だって言うのか?」
ヒロシが慌てる。
「だってそうでしょう、第一発見者なんだから!」
「ここに3人同時に居たからって、誰かが犯行できないことないだろう?!殺してからくることもできる!それに比べて、俺が犯人の場合第一発見者として前に出るってのは致命的だ!!犯人がそんなことする筈ないだろう!?」
「そんなの知らないわ!ま、まずそうよ。私たちは死体すら見てないじゃない。まだ信じてないからね。雨が止んだら皆んなで確認しましょう!」
「あぁ、わかった。だからそれまでは穏便に過ごそう。喧嘩で一人行動なんかになったとしたら危険度が跳ね上がる」
「はぁ、それもそうね。一度冷静になるわ。悪かった」
これを最後に会話は途絶えた。
小さな机にはトランプが散らばっていて数分でここまで空気が悪化するのかと思った。
革命をして3を出し、ジョーカーが既に全て出ているので流れ、最後嫌がらせとしてQで3を消してやるつもりだったのに。
なにもせず30分ほど経っただろうか。
「今何時?」
「5時。」
夕立のくせになんでまだ雨が上がらないんだ。雷もまだなっているからまだ続くだろう。
20分後
「雨上がったね。」
「今何時?」
「5時20分」
俺はびしょ濡れの段ボールハウスの扉を開けて手のひらを差し出す。しばらく待ってみるが雨が手に当たる感触はない。
俺は外にでて絶句した。あたりは一面真っ白、霧だ。
今までこんな事なかった。これじゃあまた下山することができない。
皆外の様子に察したようで何も言って来ない。
「電話は繋がる?」
サクラとユズキ、ヒロシが確認するが全員ダメだった。
サクラの充電は残り70%、ヒロシが60%、ユズキが98%、そして俺はゼロパーだ。
「気を紛らますために大富豪でもしようぜ。」
そう俺が提案すると、皆んな同じ事を考えていたのか賛成してくれた。
1時間前の盛り上がりはどこへやら。人数が増えたにも関わらず全くと言っていいほど楽しくない。しかし、すぐそこにある恐怖を和らげるには十分だった。
俺は推理小説を何回か読んだことがあるが、これ状況、クローズドサークルみたいだ。電波の繋がらない、船もない孤島で殺人が起こり、次々に殺されていくと言ったような類のミステリーだ。
「....クマが出たらどうしよう。少しでも地震が起きたらここは...」
ユズキが嫌な事を言う
「そんなの考えても仕方ないでしょ。雨の霧はすぐ晴れるわ。」
ヒロシは黙ってJで革命を起こす。俺は3も4もジョーカーも持っていない。大貧民確定コースだ。
3、4回ほど試合をして外の様子を見ると霧が晴れていた。俺らは深呼吸しながらもヒロシに案内してもらう。
小屋の裏なら100メートル程先だが、油断していたらそれこそ大怪我しかねない。
俺らは雛のように怯えながらヒロシの後をついていく。
途中、俺が転けそうになりながらもなんとか小屋までつく。誰もがこの裏を見たくないと思った。
しかし、自分の目で見るしかない。
俺は貯めずにサッサと見てしまおうと思い意を消して小屋の裏側をみる。後ろにはユズキやサクラが前屈みの姿勢になり、覗き込んでいる。そこには何もないかった。
小屋を一周してヒロシにも見てもらったが、何もない。
「ここに、本当にあった筈なんだよ!信じろよ!」
「でも実際ないだろう。どう言うことだよ」
「すごく不安な思いしたのになんだったのよ!」
「クマかもしれない!犯人が持っていったのかもしれない!俺はちゃんと見たんだ!ここにあったんだ!」
「じゃあ何かしら落ちてないの?落ちてたら信じられるけど、何もなかったらしょうちしないからね。」
皆で捜索を始める。やがて悲鳴が聞こえた。駆け寄るとサクラの足元には目玉が転がっていた。本物か...?正気のない、人間のものと思われる目玉。サクラが柔らかい球体をひらい、土を取ったら目だと分かったらしい。
「ヒィ...」
「気持ち悪い」
俺たちはヒロシを信じることにした。
「ここなら電話できるかもしれない。できないか?」
「できない」「できないわ」「できない....」
「.......」
「下山しよう。ここにいれば危険だ。」
「なに言ってるんだ。いくら慣れた道とはいえ危険すぎる。これから暗くなるんだぞ。基地にはお菓子もあるし、寒いかもだけど、22時くらいになれば心配して探してくれるよ」
「でも、わかった。俺だけ下山しよう。電波が届くところまで行ってすぐ帰ってくる。十分注意するし、スマホの電気もある。心配なら二手に別れよう。」
「二人でも怖いでしょう。相手が殺人犯なのかもしれないのだから。かと言ってどちらかが一人になるのは危険すぎる。」
「俺たちは四人固まって動くしかない」
「犯人も二人の時に殺せば残り二人にバレるからそんな馬鹿な真似しないだろ!」
「わかった。とりあえず夜明けまで皆んなで待とう。四人いれば大丈夫だ。変わる変わる誰かが起きていればある程度の危険は妨げる」
ヒロシは黙ってからやがてため息をついてから基地の方に戻っていった。
ーーーーーーーー
後日加筆予定
愛してるって言って欲しい。
震える唇から溢れた言葉は単純で、まさに丁度今、そのままの気持ちなんだろう。
涙を隠すように目を固く閉じ、掠れた声で強請るきみは見ていてとても弱々しく思えた。
分からない。心にもない言葉なんて、ただの単語だというのに。
それでもきみは本気だったんだろう。本気で
ならいっそ、泣いて喚いて縋ってくれる方が良かった。少なくとも、黙って目を伏せうなだれているよりかは面白い。
そ言ってあげた。恋でも愛でもなく、同情だった。
「──────……。」
お題『愛言葉』
要人の娘――メアリーの護衛を始めてから一ヶ月が経つ。最近、彼女の様子がおかしい。
彼女が危害に遭わないよう、行動を共にしていない時は、見張りの仲間を置いた上でシェルターに匿っているが俺が帰ってくると必ず合言葉を求められるようになった。
最初は、誰が来ても用心深くいることはいい心がけだと思ったが、だんだん合言葉というには違和感を覚えるものばかりになっていった。
最初は、『貴方の護衛対象は?』と聞かれて『メアリー』と答えれば入れてくれたが、
『絶対に守りたい存在の名前は?』とか『もう我慢できない、はなしたくない女性の名前は?』とか……しまいには、『メアリー、お前を愛してる。だから、いれてくれって言って』まで悪化してきてこうなるとさすがに頭が痛くなってくる。
見張り番の護衛に「なぜこうなったのか」と聞いても「どう考えてもそうなるでしょ」と取り合ってくれない。そういえば、一度メアリーが暴漢に攫われそうになった時、とっさに奴の手から彼女を引き剥がして敵を倒したことがある。その時から合言葉を求められるようになった。だが、俺は俺の仕事をこなしただけだ。
さて、上に彼女の状況を報告し、要人の様子を聞いたところでメアリーのところに戻るとしよう。
シェルターの扉の前に立ち、カードキーを通す。カードキーの上に小さなモニターがあり、メアリーがうつっている。メアリーは金の巻き髪を指にからませながらなぜか左右に体を揺らしている。最近こういう仕草をよくとるようになった。
『ただいま、愛しのハニー……って言って』
これが合言葉なのか、と頭をかかえため息をつきながらしぶしぶ
「ただいま、愛しのハニー」
と言った。メアリーは、すこし不服そうな顔を浮かべたが扉が開く。メアリーが俺を出迎えて抱きついてくる。
「甘さが足りないけど、仕方なさそうに言ってるのもポイント高いから合格! お茶にしましょ、ジェームズ」
最近、こういうことが多い。ただでさえ、命を狙われているのだから守らないといけないのに仕事には不要な『年頃の女性に抱きつかれて平常心でいられない』という問題もついてくるようになった。
俺は呆れながらメアリーのお茶に付き合うことにした。お嬢様育ちの彼女が慣れない手つきで淹れてくれた紅茶は相変わらず渋かった。
行かないでの続き
愛言葉
テレビから流れて来る
『愛してる』『可愛い』と言う言葉達
一度は、好きな人に言われてみたいと
言う憧れを持つ女性達
そんな恋愛モニター番組がなんの気なしに
付けていたテレビから流れていた。
(くだらねェ....)ハイネは、ぼーっと欠伸を
しながらそろそろチャンネルを替えようかとリモコンに手を伸ばしかけた時....
『そう言う事をちゃんと言葉に出来る
男の人って良いですよね....
せっかく彼の為にお洒落したのに
何にも言ってくれないと正直
冷めますね....』と言う番組の台詞に
何故か心にグサッと針が刺さった
様な痛みを覚えるハイネ
『両思いになった途端愛情表現をして
くれなくなったと言うか前は、キスや
ハグを定期的にしてくれて可愛いって
褒めてくれたのに両思いになった途端
言わなくても分かってるだろうって態度に
なったりして何だかそれにこっちも急に
熱が冷めてこの人と別れたいなあとか
思ったり.....』
別れたいと言う言葉がハイネの胸に矢の
様に刺さった....
ハイネは、今までの自分の行動を無意識に
振り返る。
【片思いの時 好きな子に意地悪や悪口ばかり言っていたしやっていた】
【両思いの時 キスなんてハードルが高いし自分は別に一生しなくて良いと思っていた 可愛いなんて言葉を片思いの時から
一度も本人を目の前にして言った事が
無い事に今気付く】
もしかしてこれをこのまま放置しておくと
シズクの口から....『私....ハイネと....別れたい.....』なんて言われてしまったら
どうしよう.... ハイネの中に急に
危機感が生まれる。
そうして後日....
ハイネ恋愛で困った時にはナイトミーナ
カップルに相談するのが常だった
「キスってどう言う時にすれば良いと
思う.....」ハイネぼそぼそと二人に
恋愛相談をする
それを聞いたミーナとナイトの二人は
「「え?まだしてなかったの...」」と
同時に突っ込んだ
その突っ込みにハイネ顔を赤くして
膝を抱えて俯く
「どう言う時って.....したい時にすれば良い
じゃない」
「部屋で二人っきりになった時とかじゃない」とナイトミーナがそれぞれ返答するが
「しっ したい時とかなんてねェし....
二人っきりとか....そう言うの意識したら
逆に上手く喋れなくなるし無理」ハイネ
久しぶりにヘタレの部分が出てしまう
ミーナとナイトは、溜息を吐いて
((両思いになっても手が掛かるなあこの人))なんて呆れ半分苦笑半分でハイネを
見つめていた。
「まぁそう言うのは、あまり意識せずに
普段通りにしてれば良いんだよ」
「そうよむしろ無理矢理そう言う事やったらそっちの方が最低よ!!シズクを傷つけたら
許さないからね」
そう言って二人は、「後は、ハイネ次第だよ!」「シズクを泣かせる様な事するん
じゃ無いわよ」と言って部屋から出て行った。
ハイネは、思わず二人を引き留めそうに
なったが四人で居たらハイネは何も言わず
だんまりを決め込んで何も言わず一日が
過ぎるだろう 二人もそれを分かって居る
から部屋を去ったのだろう
そうして暫くしてシズクがいつも皆が
集まる部屋にやって来た
シズクが部屋に入るとハイネしか居なかった どうやらミーナとナイトはまだ来て
居ないか 帰ってしまったらしい....
「ハイネ....」シズクがハイネに呼び掛けるとハイネは、ソファーの上で肩をびくりと
震わせる。
「? ?」シズクは、ハイネの様子が
いつもと違うので首を傾げる。
「ハイネ....どうしたの?」
「べっ....別に....」ハイネは、ちらちらと
横目でシズクを見る
すると.... ハイネの顔がシズクに近づき
シズクの前髪の方へ視線を向ける
そこには、ハイネがバレンタインデーに
シズクにあげたヘアピンが留めてあった。
「これ....」ハイネは思わず呟く
するとシズクは、ハイネが気付いてくれた
事が嬉しくて「うん!」と頷く
「ハイネがくれたの使ってみたくて
付けて来たの....あっ....無くしたりしないから大丈夫だよ....」
シズクは、嬉しそうに にっこりと笑う
そんなシズクの笑顔に堪らなくなる
ハイネ 顔に熱が上がり下を向いて
俯くのが精一杯だった。
「っ....ク.....可愛い.....」ハイネは勇気を
振り絞ってぼそりと呟く
「うん!ハイネが選んでくれたヘアピン
とっても可愛いくて気に入ってるよ
本当にありがとう!」
「馬鹿シズク!!」「え?」
シズクは、目を丸くしてキョトンとして
いたが.....実は小声でハイネは
恥ずかしさを押し隠して
『シズク.....可愛い』と言ったのだが
シズクには、最初の言葉は、聞こえなかったのでヘアピンの事を褒められたと思い
若干ズレた返答をシズクは、
ハイネにしていた。
しかし言い直す事は、ハイネの心臓的に
無理だった。
シズクを褒めるだけでいっぱいいっぱいの
ハイネ キスなんてする余裕は、
ハイネには無かった。
自分のあげた物を嬉しそうに付けてくれるシズクを見るともっとその笑顔を見ていたくて顔を近づけたい衝動に駆られたが
シズクに変に思われたく無くて
ぐっと我慢するその衝動がナイトの言って
いた キスがしたい時に繋がるのだが
ハイネがそれに気付く事は、無かった。
こうしてハイネのシズクに対する
愛の言葉は、微妙にシズクに届かず
今日もハイネは、好きと言う愛言葉を
馬鹿と言うけなし言葉に変換してしまうの
だった。....
「3月を起点とすれば『愛』はこれで4回目。『恋』も含めりゃ9回目なんよ……」
某所在住物書きは頭を抱え、天井を見上げた。
ほぼほぼ、1ヶ月に1回のペースといえる。統計として、来月で祝10回目、年越し12月で11作品を投稿する計算になる、かもしれない。
無論、所詮、過去からの統計である。
未来を保証するものではない。
「そういや『愛は食卓にある』って言葉がある」
技術に対する愛がマリアナ海溝と思われる、某魔改造番組を観ながら、物書きは呟いた。
愛が食卓にあるなら、「愛言葉」は「いただきます」か、「食ったら食器洗って片付けろ」だろうか。
――――――
誰かが執筆した同人小説の1〜2ページ。
ツバメとルリビタキの非公式カップリング信奉者による、己の好きを詰め込んだ物語。
「ツバメ」のビジネスネームを持つ世界線管理局職員、主神 公助は、昼休憩に淹れていたコーヒーをひとくち、ふたくち、喉に流し入れて数秒、
すとん、 特定の単語・概念に対する理性のブレーキが、頭と心魂と理性から外されたのを知覚した。
「愛」である。 執着であり、独占欲ともいう。
あるいは思いやりや優しさのタガが外れたのだ。
それから膝という膝、背筋という背筋からチカラが抜けて、ぱたん、床に倒れ伏して、
気が付けば、後ろ手に手首を縛られて椅子にぐるぐる巻き。個人面談用の個室の中。
コーヒーに「何か」を入れられた。
薬物に相当する物質のせいで頭が過負荷とタスク過多のツバメ。状況を把握しようと思考にもがく。
何故?誰が、何の目的で?
考えられるのは局内の抜き打ち危機管理テストと
医療班随一のマッドサイエンティスト、「ヤマカガシ」による無作為抽出の強制治験と
同期同僚の「兎」のイタズラだが、
敵対組織による襲撃の可能性は?どうだろう?
「やぁ。随分早いお目覚めじゃないか」
ツバメの背後から聞こえたのはヤマカガシの声。
あぁ、なるほど。自分は「捕まった」のだ。
ツバメはすべてを察し、抵抗を放棄した。
そろそろこの毒蛇は局に対する危険因子として「懲戒解雇」でも言い渡されるんじゃなかろうか。
「ヤマカガシ医務官。私はこれからルリビタキ部長と、閉鎖世界からの漂着物回収業務に行かなければならないので、非常に申し上げにくいのですが」
「それはそれは、良かったじゃないか。業務をサボる言い訳に、私への『協力』は非常に有用だ」
「困ります。局の業務が、とどこおります」
「率直に聞こう。ツバメくん、きみはルリビタキ部長を心魂の底から、愛しているね?」
「はい心魂の底から憧れています。
じゃなくて、ヤマカガシ医務官、私にも仕事が」
「ふむ。薬の効きは私の想定通りのようだ。君は今、『愛』という概念においてのみ、完全に正直で、素直で、私の質問にすべて事実を述べている。
素晴らしい!やはり私は天才だ。
で、ツバメくん。君がルリビタキ部長をどれだけ愛しているか、君からの愛言葉を是非聞きたい」
「はい私はルリビタキ部長からの恩を忘れません。私はルリビタキ部長を誰よりも尊敬しています。
……あの、ヤマカガシ医務官、そろそろ解毒を」
「もっと。もっとだツバメくん。愛言葉をささやき続けたまえ。君の愛を、さらけ出すのだ!」
「ヤマカガシ医務官……?」
…………………………
「――もどかしい!これは、非常にもどかしい!」
都内某所、某アパート。
かつての物書き乙女、元夢物語案内人であった社会人が、某同人誌マーケットにおける過去の戦利品を1冊1冊愛でて、昔を懐かしんでいる。
購入して飾って、そのまま読んでいないものが1冊あったのだ――己の好きなカップリングの愛物語を前提とした、拘束にお薬のシチュエーションが。
先日、ひょんなことから突然、職場の先輩宅の近所の稲荷神社の大掃除に駆り出された。
心的休息が必要であった。それがコレであった。
すなわち推しカプの物語の摂取である。
「愛だよ、愛の言葉だよ!なのに『憧れています』とか『尊敬してます』とかだって。んん……」
最高か?最高に、ぷらとにっくな愛言葉だな?
かつての物書き乙女は「誰よりも尊敬しています」の愛言葉をかみしめ、堪能し、余韻を味わっている。
完全に全年齢な愛も恋も、乙女の好物。
それらはフレッシュな新米、新茶、ボージョレ・ヌーボーを初めて胃袋におさめる幸福に似ている。
「で。ルリビタキ部長はいつ助けに来るのだ」
美しい愛言葉、ダイレクトに「愛」と言わない愛のカタチ。おお、汚れ無き物語よ。他者が執筆した推しカプのひとつの空想的日常よ。
かつての物書き乙女はページをめくり、めくり、
読了して悶絶して合掌。2周目の巡礼を開始した。
【愛言葉】*139**
愛おしさが込められた言葉
どんな甘い言葉も
伝え方次第で
意味や力が変わってしまう
自分たちだけにしかわからない
『愛言葉』…特別感ハンパなーーい
『愛言葉』
2020年代に凶悪強盗事件が急増し、警察や警備会社は頭を抱えた。
そこで従来の生体認証や音声解析技術を研究し、より高度なセキュリティシステムへと転化することに成功した。
建物や敷地に立ち入る際は住人や持ち主に呼びかけると、その音声に含まれる親愛の情が解析され、セキュリティ解除対象かどうかジャッジされる。
悪意あるものは侵入できない。
つまり、愛情の有無が鍵となるのだ。
人々はそれを合言葉ならぬ、「愛言葉」と呼んだ。
かつてない画期的なシステムだと注目を浴びたが、程なくして人々はそのシステムを取り外してしまった。
それまで仲良くしていた者が解除されない事態が相次ぎ、思わぬ形で互いの心の内を曝け出したのだ。
友人や親戚だけでなく、家族でさえも家に入れない者が続出したという。
生きている中
毎日のように使っている言葉は、
「愛言葉」なのかもしれない。
でも、気づかないさりげない言葉が「愛言葉」。