愛してるって言って欲しい。
震える唇から溢れた言葉は単純で、まさに丁度今、そのままの気持ちなんだろう。
涙を隠すように目を固く閉じ、掠れた声で強請るきみは見ていてとても弱々しく思えた。
分からない。心にもない言葉なんて、ただの単語だというのに。
それでもきみは本気だったんだろう。本気で
ならいっそ、泣いて喚いて縋ってくれる方が良かった。少なくとも、黙って目を伏せうなだれているよりかは面白い。
そ言ってあげた。恋でも愛でもなく、同情だった。
「──────……。」
10/27/2024, 5:41:27 AM