『愛言葉』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
バタンッ
A:本っ当むかつく!信じらんない!
B:ちょっと、帰ってきたらただいまくらい言いなさいよ。
A:…あんた、それじゃあもうお母さんじゃない。色気も何もあったもんじゃないわ(笑)
B:うるさいわね、あんたも似たようなもんでしょ。そんなことより、今ちょうどご飯出来たところだから、早く手ぇ洗って着替えて来なよ。話は食べながらゆっくり聞くわ。
A:わかった、40秒で支度する!
食卓にて
B:んで?さっきは何をそんなに怒ってたわけ?
A:そうそうそれよ!あいつら私が彼氏いないことをいいことに、「愛言葉って、知ってますぅ~?」とか聞いてくんの!しかも業務中よ!こっちは仕事できないあんたらと違って忙しいの!!喋ってる暇があるならちょっとは手ぇ動かせって話よまったく!
B:あー…とりあえず、あんたは一ミリも悪くないことが判明した。
A:でしょ!?
B:うん。それであの、あい、言葉って何?合言葉じゃないの?
A:違う違う。こうやって書くの、「愛言葉」。
B:へー、なんか……ううん、続けて?
A:愛言葉は、恋人同士とかで、お互いの愛を確認し合うために決める合言葉なんだけど、なんか、こういうことするカップルって絶対上手くいかないと思わない?わざわざ言葉で確認しなくても、本気で信頼してる相手だったら問題ないでしょ。
B:まあね(笑)でももし、私が愛言葉決めたいって言ったら、あんたはやってくれるでしょ?
A:え?うん、そりゃあ、あんたがそれで幸せならね。でも、こういうのあんた絶対すぐ飽きるじゃない。三日ももたないでしょ。
B:うん(笑)私から言い出しといてなんだけど、多分明日には忘れてる(笑)
A:だいたいさ、そんなもんで縛り付けてまで愛を確認したいってことはさ、相手のこと全く信用してないってことでしょ?信用できなくて不安だから、言質を取って安心したいっていうか。
B:だろうね。でも、GPSとかもそうなんだろうけど、それされた方としてはさ、愛が重く感じるのはもちろんだけど、相手から全く信用されてないって言われるようなもんじゃん?そりゃ百年の恋も醒めるわ。
A:うちではお互いに全部喋ってるもんね、今日の出来事。
B:そうだね、それがGPS代わりか(笑)
A:あいつらも私たちみたいにすれば良いのに(笑)そしたらもっと幸せになれるかもしれないのにね。
B:…あんたってさ、本っ当、いい人だよね。
A:えー(笑)ありがと?
B:あのさ、
A:しってる。
B:え?
A:それをあんたから言いたいのもしってる。
B:……
A:待ってるから。あんたが準備できるまで、いくらでも待てるから、私。それまでは、このままでいよう?
B:…うん。ありがとう。あと少しだけ、待っててほしい。
A:うん!
B:あのー、同僚さんたちには私は"彼氏"ってことで話してもらっても……
A:誰がそんなことするかぁ!!ボケェ!私があんたとのこと誰にも話してないのは、あんたを一人占めしたいからなの!それ以外に理由なんてないんだから。それに、、いまさらでしょ?(笑)
B:(笑)それもそうだね!
後日、海外に生活の拠点を移した二人が決めた愛言葉は、日本語で「ただいま」「おかえり」だということです。
(愛言葉)
愛言葉
私は、小さい頃ある男の子と遊んでいた。
きっかけは、お互い幼稚園が一緒で、テレビゲームが好きだったという。たったそれだけの共通点。
幼稚園では、新しいゲームを一緒に考えたり、当時流行ってる遊びを2人でやったりした。休日も、その子の家へ行って、夕方になるまでテレビとにらめっこしてたっけ。
とにかく、たったそれだけの共通点で、小学校になっても仲良くしていた。
今はお互い高校生。もう学校も違うから話すこともなくなったけど……でも、私にとってはいい思い出だった。
ただ、実は彼に対して疑問に思うところはある。
それは、ゲームの暗証番号だ。
私達がゲームをする時、お互いの持ってるゲーム機器を通信して遊ぶものだったが、そこで、本人確認のために暗証番号をうたないといけない。
設定をする時、私は2人の誕生月でいいんじゃないか。
という提案をしたが、彼は少し考えて、それを断った。そして、「33322」にしよう。といったのだ。
分かりやすいしなんで3と2なんだろう。と疑問に思った。勿論、当時の私もそう思っていたので、どうしてそれにするの?とだけ聞いた。
すると彼は、「もう少ししたら、その訳話すね。」とだけ言って、上手いことはぐらかされてしまった。
でも、3を3回。2を2回。シンプルだしいいなと思ったので、私はそれに賛成し、33322をパスワードにしたのである。
で、そこから数年以上たった今日。未だに意味が分からない。
まだ幼稚園だったので、お互いの連絡先なんて知らず。意味も聞けないままだ。
ふとそんな事を思い出し、スマホに映る数々の投稿をぼんやりとしながら指で流す。
小学校までは仲良くしていたのだが、中学にあがってから向こうの家が引っ越してしまい、そこから一切会わなくなってしまった彼。
毎日では無いが、元気かな。と考えることがある。
彼の事を思い出すと、毎回「33322」というパスワードを思い出す。
あの頃の私は、33322という数字の配列が大好きで、画用紙にクレヨンで33322というのを書いて、いつも持ち歩いてたくらいだ。
だって、この番号があれば、彼と遊べる。
パスワードを忘れてしまうから書いている。と言うより、パスワードが好きだから書いている。の方が正しかった。
あの頃が、急に懐かしくなる。
画面の目の前で目元を緩ませた私に、ぴこん。と1件の通知が入る。
友達からだ。私は連絡先に移動し、返信をする。
明日の講習会の集合時間は、いつかというものだった。メモすればいいのに。と私は笑いながら数字をうつ。
送ると、すぐに返信が来る。
「ありがとう!そういえば、クレープ好きだって言ってたよね?帰り一緒に食べよう!」と書かれたメッセージが目に映る。クレープは私の大好物だ。嬉しくなって、「好きー!食べる食べる!」と、画面から目を離さずに、キーボードは一切見ないでうった。
文をうち終わると、私はやらかしたな。と思った。
そう、私はひらがなに直さずに数字の配列にしたままうっていたのだ。
もう1回うち直さなければ。と思い、消そうとする。
すると、目に飛び込んできたのは、見覚えのある配列だった。
「33322……?」
1番最初の文字の配列が、33322だったのだ。
そして、私がうちたかった文は、「すきー!食べる食べる!」
まさか、まさか。私は33322……ひらがなの配列にもどし、数字の通りにうってみる。
「すき」
嗚呼。そういえば彼は、色んな電子機器を持っていたっけ……。 これは、偶然なんかじゃない。意図的に彼が仕込んだものだ。
小さい時、彼は私の事が好きだったんだ。
それを言えば、私だって。
幼い彼が出した暗号。上手く伝えられなかった彼からの愛の言葉。
私が使っていた合言葉が、いつの間にか愛言葉に変わっていたみたいだ。
しかし、
私も
しつこいな
未練タラタラだ
いつまで
こんなこと続けるんだろ
頭では
わかり過ぎるほど
わかっているのに
心がいつまでも
置いてきぼり
君との愛言葉なんて
たくさんありすぎて
次から次へと
浮かんできちゃうよ
愛言葉 今まで乗り越えて来たから
きっと大丈夫 今回もきっと乗り越えられる
愛言葉
…なんかむずがゆくなる言葉だぁ…。
今はこれしか言えない。
愛してる。
私の元を去る前に言って欲しかった。
〜愛言葉〜
私は貧乏神。
人々からの嫌われ者
私は人を貧乏にすることが仕事だからだ。
貧乏にすることで、お金の有難みを教える。
それが私の使命。
だがこの使命について、思うところはある。
貧乏なるということは、基本的に不幸になるということ。
誰だって不幸になりたくないので、みんな私を嫌う。
誰からも歓迎されない仕事はなかなかに辛いものがある。
どこに行っても疎まれ、払われるか追い出される。
だれからも望まれないのだ。
しかし何事も例外はある。
ハロウィンだ。
疎むどころか、歓迎してくれる。
初めての行ったときは、なにかの罠だと思ったくらいだ。
化け物どもが世界を歩ける日、それがハロウィン。
街を歩けば、コスプレのクオリティが高いとも言われた。
まあ本人なので、クオリティもないのだが。
また冗談で貧乏にしてやると言っても喜ばれる。
さすがに自分を褒めてくれる人間にわざわざ不幸にするほど趣味はない。
ちょっとだけ貧乏から遠ざけるてやるくらいだ
今まで邪魔者扱いが当然と思っていたが、必要とされることもあるというのは衝撃的だった。
そして次の日からの仕事も、いつもより充実したように感じた。
現金なものだと自分でも思う。
その年から毎年ハロウィンに参加している。
私は人のことが嫌いで、貧乏にさせるのではない
人を堕落させないためで、ほどほどに不幸にして戒める。
その不幸のあと、人は幸せつかむ。
それが私の使命。
そんな使命も辛くなることもある。
私はハロウィンに行って分かったことがある。
私には愛の言葉が必要だったのだのだ。
私はもう迷わない
今年もハロウィンへ参加する。
ハロウィンまであと5日
愛言葉
何気ない毎日に
寄り添いあって
幸せだとか言おう
それを2人だけの愛言葉にしよう
「カラオケ……行かない?」
昼時、大学の講義が終わった俺は、唐突に声をかけられた。
声の方を見ると、ふわふわに髪を巻いた女の子が顔を真っ赤にさせながら、立っている。
『……あぁ、いいよ。』
俺はその子の肩を抱き、門の方へと足を進める。
“カラオケ行かない?” は、俺をデートに誘う暗黙の合言葉。基本用事が被ってなければ誘いに乗るし、年齢も問わない。同級生はもちろん、年下年上なんでもござれ。
俺の事を愛してくれるのであれば、俺も愛を返そう。
「好き」も「愛してる」もいくらでも囁く。
その代わり、束縛は厳禁。
俺は皆から平等に愛したいし、皆を平等に愛したいからね。
友人からなぜそんなことをするのか、という聞かれたことがある。
その時はこう答えた。
『だって、誰か一人だけを大事にすれば誰かが苦しむ。それは自分の可能性もあるし。でも同じだけ愛せば、嫉妬しないでしょ?』
「でも他の人とデートしてる時点で……」
『だから束縛厳禁なんだよ。俺とはあくまでその場限りの関係。ホストとかと一緒。』
「あのなぁ……」
友人にはだいぶ呆れられていたけどこれでいい。
人間の面倒臭いのは嫌だけど、誰にも愛されず誰も愛さない人生だなんてつまらない。
特別なんていらないから、俺の事をある程度愛して?俺も同じだけ愛するから。
つまり、あの “カラオケいかない?” は、俺にとっては “今から愛させて” という愛言葉なのだ。
「あの……」
彼女の声でハッと我に返る。
気づけば、ホテルの前まで来ていた。
いけない、俺とした事が。
考え事をして疎かにするのは彼女に失礼だな。
ニコリと彼女の方を見る。
『ごめんね。何か言った?』
「あの……行くの、カラオケじゃないんですか……?」
キョトンとしてしまう。
いや、まぁ確かに誘い文句はカラオケだけれども。
でも実際カラオケに行ったのなんて、一回もない。
ホテルでそれなりの事をするのがほとんど。
今回の子もてっきりそうだと思ったんだが……
『え、あぁ……カラオケがいい?じゃあ、そっちに』
「……やっぱり、そういう事しないとダメですか?」
彼女が消え入りそうな声で聞いてくる。
正直愛してくれればなんでもいいが、そういう事以外での愛し方愛され方が分からない。
困った……なんて返せばいいのか……。
頭を悩ませ、沈黙が続く。
「……やっぱりいいです。すみませんでした。」
彼女が素早くぺこりとお辞儀すると、その勢いのまま走り去っていく。
『え、あ、あの!!ちょっと!!』
引き留めようとした手がそのまま止まる。
なんて引き止めたらいいのか、そんなの俺には分からなかったからだ。
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日向 優。大学二年生。
女なら誘えば年齢関係なくデートしてもらえると、大学内ではもっぱらの噂だった。
友人の中にも遊んでもらった子がいて、色々話は聞いていた。でも、私はそんな彼が本当の彼には見えなかった。
時は遡り、数ヶ月前。満開の桜散り始めた頃。
私は入学したてで、サークルをどうするかと頭を悩ませていたその時だった。
サァッ
『きゃっ!?』
風が吹き、桜が舞う。
思わずつぶってしまった目を開けると、桜の木のそばに人影がポツンと一つ。
そこには男の人が桜を眺めて立っていた。
風で髪はなびいて、周りを桜が舞っていて、一枚の絵のようだった。
そして桜を見ているはずなのに、どこか虚ろなその目は違う何かを見ているようにも思えた。
『綺麗……』
思わず漏れた声に気づかれ、男性がこちらを向く。
『あっ、ご、ごめんなさい……あの、』
「いや、大丈夫。邪魔だったよね。」
そういうと、男の人は静かに去ってしまった。
すれ違う瞬間、ふわりと甘い香りがした気がする。
それが彼との出会いだった。
そして今、念願の彼と話せたのに、私は今全力疾走で彼から逃げてしまっている。
「はぁっはぁっ……。」
体力に限界が来たので、止まって呼吸を整える。
振り返っても彼の姿は無い。
どうやら追っては来なかったようだ。
友人たちに桜の木での話をして、彼の名前と噂を一緒に聞いた。何度話を聞いても信じることができず、ならば直接と思って、実際に噂の検証をした。
結果は噂通りに肩を抱かれ、ホテルまで連れて行かれそうになった。
噂でしか聞いた事なかったのが実際に経験してしまったせいで、確実に現実を突きつけられてしまった。
勝手に理想を押し付けたのは私、彼は全く悪くは無い。
もし話せたら、とてもあなたは綺麗だと、そう伝えたかった。
でも話してみると、あの桜の木の時のような儚さはありつつも、綺麗さとは違うドロドロとした何かを感じた。
噂を実行するにあたって、友人から誘い文句を教えてもらった。
彼女はこれは彼とデートする合言葉、彼を愛するための言葉なんだと教えてくれた。
でも実際は、
ただ彼の本性を知っただけ。
私の理想を壊しただけ。
『こんなの……愛言葉なんかじゃないよ……』
ポツリと呟く。
その声は誰にも届かなかった。
#愛言葉
ししゃも 作者柴田恭吾
僕は給食で出たししゃもをじーっと見ていた。
「可哀想に・・・」
と思いながら見ていた。
可哀想だから家に持って帰って観察しよう
と思って給食のししゃもをポケットの中に
すっとしまった。
学校終わり僕は走って家に帰った。
早速バケツに水をはってポケットの中の
ししゃもを取り出してバケツに入れた。
じーっと
じーっと
見ていた
すると目の前が真っ暗になって倒れた。
気づいたら家の庭に寝そべっていた。
なんだろうと起き上がるとバケツが目に入った
そうだっと思ってバケツを見た
すると・・・
続く
『愛言葉』
あなたに愛言葉届くかな。思い浮かべて私、照れ笑い。
私の好きなソロ曲のフレーズで、LINEのステメにしてた。
愛言葉届いてるよ。照れ笑いしてんの可愛すぎ。
って君がステメにしてくれてた。
そして、付き合って1年記念日に、あなたに初めてを捧げた。
抱き合いながら、囁きあった愛言葉は今も忘れないよ。
愛言葉
好き。
愛してる。
一生離れない。
言葉なんて、その場だけ。
次の瞬間には、ふっ、と消えて無くなるもの。
何が本当で何が嘘か、後にならないとわからない。
贈られた言葉を信じた分、深い傷が自分に刻まれる。
もう何も聴きたくなくて、私は心に蓋をした。
耳に入る言葉はそのまま聞き流し、心で受取るのはやめた。
だけれど、態度で示してくれる貴方の言葉は心地よかった。
信じてもいいかもしれないと、私の心を惑わせた。
「死ぬ時は、一緒だよ」
私はいつもそう言って、貴方の愛を確かめた。
互いに愛し合っていることを確認する、合言葉だった。
あぁ、なぜ今こんなことを考えているのだろうか。
赤く染まった視界がぼやける。
愛しく握りしめた手は、とうに冷たくなっていた。
愛言葉…何それ。誤字?違う?
合言葉を愛っぽく作るとか。
ヤマ→カワ
ではなく
愛ヤマたれい→恋しカワ療養所
みたいな?
それはないか。
花言葉みたいなものかな。
初恋の愛言葉は愛。
嫉妬の愛言葉も愛。
横恋慕の愛言葉も愛。
花の種類の数ほど愛の種類ないし、そもそも意味は愛だし。
もう、愛の言葉でいいんじゃないかな。
「の」の入れ忘れってことにしない?
「いつまでも君を想うよ。」
君はそう言って儚げな表情を見せた。
この不思議な感情は何だ?
だから僕はこう返す。
「僕もだよ。」
「僕もだよ。」
君はそう言ってちょっと困ったように笑う。
この愛という感情。
だから私はこう言う。
「いつまでも君を想うよ。」
_2023.10.27「愛言葉」
少しのすれ違いが起きているカップルの想い。
「僕」は愛を連想させる言葉が出てこない。
「私」は愛を連想させる言葉が出ている。
貴女の「頑張れ」で
どれほど頑張れた事だろう
貴女の「大丈夫」で
どれほど安心出来た事だろう
それはきっと、
未来の私と貴女の「愛言葉」に成ってくれる。
誰に向けたものなのか分からない愛の手紙が、池に浮かんでいるのをよく見かけるようになったのはいつからだったか。
「流行りの恋のおまじないらしいわよ」
疑問を口にすると友人が答えてくれた。
なんでも、手紙に好きな人への愛を綴りそれを、好きな人がよく通る場所の水場に浮かべ、二日間好きな人に中身を見られなければ恋が叶う…というものらしい。
「へえ、面白いね。やってみようかな」
「何?アンタ好きな人でもいるの?」
「いや、いないけれど楽しそうじゃないか」
そう言うと目の前の友人は呆れたような目でこちらを見てきた。
「好きにすりゃいいわ…」
ため息交じりにつぶやく友人をよそ目に、僕は誰に向けたものか分からない愛の手紙を書き始めた。
【愛言葉】📷
【愛言葉】
相も変わらず大量の書類を机の上へと積み上げたあなたの前、応接用のソファに腰掛けて優雅に一人でティータイムと洒落込む。まったく、この国は国王の承認が必要な案件が多すぎる。制度を改革しろといったい何度忠言したかは、もはや覚えていなかった。
色濃い隈を目の下に作ったあなたの口から小さく漏れた溜息。それを無視してティーカップを傾ける。うん、やっぱりこの茶葉が一番美味しい。
ふと感じたあなたの視線。それでもあなたが口を開くまで、私からは口を出さないと決めている。手伝おうかと言いたくなる気持ちをグッと堪えた。
「……助けて、くれ」
今にも消え入りそうな声が囁いた。ことりと音を立ててティーカップをソーサーへと置き、勢いよく立ち上がる。
「はあい。いくらでも手伝いますよ、王様」
人に頼ることが絶望的に苦手なあなたの、それが精一杯の縋り方。私とあなたの間でだけ通じる合言葉。あなたが私を信頼し愛しているからこそ向けてくれる、特別な言葉だ。
不器用で責任感だけが馬鹿みたいに強いあなたの頬にそっと口づけを落として、私は机の上の書類に手を伸ばした。
愛言葉
私は幼なじみの子がいる
その幼なじみは保育園の時から一緒にいて
私の好きな人ෆ
いつも帰る時
「また明日な」って言ってくれる
けど君が引っ越すことになった時は
君に「じゃあ、、ね」
って言われて私は
涙が溢れていた
もう会えないかもしれないけど
私は「また、、明日ね」と
言った…
『愛言葉』
秘密の質問の答えは…
ロックがかかった彼女のパソコンの画面と睨めっこして早2時間
突然別れが来ると思わずなんの用意もしてないしされてないこの部屋で、1人ポツンと生前彼女が使っていた物達から何かヒントは無いかと一瞥するもあるのは私との思い出ばかり。
私の寝顔の写真まであるとは…こんな写真まで飾ってと少し恥ずかしいけど、愛されていたんだなと嬉しさが込み上げるのと同時にこの手で抱きしめることも会うことも出来ない寂しさでいっぱいになった。
なんで置いてけぼりにしたんだよ、あの日ずっと帰ってくるの待ってたんだからな…
行き場のないこのつぶやき、これからどうしたらいいんだろうなと彼女のお気に入りだったぬいぐるみを抱きしめていると
もしかしたら、と1つ合言葉が思い浮かんだ
まさかなと思い試しに入れたらやはりビンゴ
合言葉を愛言葉にするとは、なんとも彼女らしい
どんだけ私のこと愛してるのよ…
ぽつりと画面に向かって突っ込んでしまった。
「愛言葉」
私の妻が手や足をどこかにぶつけたときには、まず「大丈夫?」と聞かなければならない。
「どうしたの?」や「何をしたの?」ではなく、「大丈夫?」だ。
状況の確認や原因の追究より、まず心配をしてほしいらしい。
以前の私は、「どうしたの?」がよく先に出てしまっていたため、妻の機嫌をたびたび損ねてしまっていた。
男女のコミュニケーションの違いを絵に描いたような夫婦だと思っている。
最近では、「妻の気持ちに寄り添って共感するのが大事」と自分に言い聞かせている。
妻と二人の娘と平和に暮らしていくには、女性型のコミュニケーションに適応していかなくてはいけない。
たまには、妻に男性型のコミュニケーションを勉強して欲しいと思うこともあるが、そこはぐっと我慢。