『愛情』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
眠り姫
見渡す限り、水平線。
僕は君をのせてボートを漕ぐ。
青い空は静かに僕らを包んで、太陽は君の頬を穏やかに照らしている。僕はそれを見つめながら、ゆっくりとオールを動かす。
もうどれくらいこうしているだろうか。いまだ君は目覚めない。いつか必ず起きるから待っていて、と君が言ったのがもうずっと前のことに思える。
「好きだよ。ねえ、僕をひとりにしないでよ」
涙は枯れてしまった。このまま、君を想う気持ち───愛情という概念まで失ってしまうのではないかと、怖くなる。
ふと、冷たい雨が落ちてきた。僕は小さなパラソルを広げると、君に寄せて立てた。
そしてまた、ゆっくりとボートを進ませていく。
11月27日『愛情』
愛情
愛なのか
情なのか
どちらにせよ
執着
捨てなければ
棄てなければ
☆愛情☆
愛犬めいちゃんは、早くに親元から離れた。
(内容はお題『冬になったら』にかいてます。)
だから、ママの記憶がもうないかもしれない。
我が家にきて、まもない頃はとにかくクンクンないていた。
あまりにも可哀想で、ママの所に連れていった事がある。
ママの元に、かけよりお乳を飲む姿に、私は泣いた。
『人間って勝手だ。』って思った。
この時に私は、固く決心した。
もう、めいちゃんに寂しい思いはさせない。
絶対に幸せにするっと。
私は、正社員からパートになった。
そして、仕事時間も短くした。
私は、めいちゃんと片時も離れたくなかった。
その日から、毎日毎日仕事や、子供達の行事以外はめいちゃんと一緒の時間を沢山作った。
ちょっと出かける時は必ずめいちゃんが、助手席にいる。
私は、友達とも会わなくなった。
美容室にマツエクにかける時間ももったいないと思うようになり、行かなくなった。
私の中で、めいちゃんに使える時間は、全部めいちゃんにあげた。
私の愛情は重いかもしれない。
でも、それぐらいしか私にはできない。
めいちゃんが、ママから離れて私達の所にきて良かったって思えるなら、これからも何でもするつもりだ。
愛猫紅葉も、親猫と離れたのが3週目ぐらいだ…。
今までの子猫とは違い。
しつけが難しい。
しかも、猫かびがあるので、抱いて寝ることができず…
愛情不足のせいか、撫でられるのが苦手だ。
甘えかたも解らないみたいで…。
かなりの、ツンツンツンツンデレだ。
今は、猫かびで隔離中だが、隔離が解禁したら、めいちゃんと生活を一緒にと考えている。
お題『冬になったら』にも書いたが、ストーブが熱い危ないと教えるのは、今までずっとめいちゃんの役目だった。
どの猫にも教えた事がないが、みんなめいちゃんを見てストーブに近寄らない。
そして、めいちゃんに、ストーブが熱いと教えた事がない。
なぜなら、めいちゃんは何故だかわからないが柵が嫌いだからだ。
だから、柵に近づかない。
柵に手をかけることもしなかった。
だから、そんな事を今まで考えた事がなかった。
だが、今回は、隔離中の為そうも行かず悩んでいた。
最近、紅葉が私の言葉に耳を傾けるようになった。
ちゃんとアイコンタクトが取れる回数も増えてきた。
今まで考えていた策を今日、実行してみた。
下準備として、今まで、ストーブを点火する際にずっと『痛いよ。痛い。』『熱いよ。熱い。』といいながら点火し続けてきた。
今日は、点火して手を押さえながら、『痛いよ。熱いよ。』と言って痛いふりして倒れてみた。
しばらく薄目を開けて観察していたら、紅葉が心配そうに近寄ってきて、手を心配そうにクンクンしている姿が見えた。
これは、効果がありそうなので、ストーブの火力を調整する時も、一回一回『熱いよ。痛い。』と言いながら倒れた。
その度、紅葉は心配する素振りをする。
紅葉は、おもちゃがストーブの柵の中に入ると、取ろうとして必死になってしまう。
見ていて非常に危ない。
今日も、おもちゃが、ストーブの柵の中に入ったが、ストーブの柵に手をかける仕草は、なかった。
効果があるみたいだから、この作戦でしばらくは続けようと思う。
テーマ:愛情 #15
「泣くなよ、秋菜」
僕は泣く秋菜の背中をさする。秋菜は僕の妻だ。
「うっ、うっ」
そう言って嗚咽を必死に堪えようとしている秋菜。
ごめんよ、秋菜が泣きたい気持ちだって分かるんだ。
僕たちが先立ってしまったという後悔からの涙だからだ。
僕たちには二人の子供がいた。しかし、子どもたちをおいて死んでしまった。
それは突然のことで、僕も秋菜も気がついたら死んでいた、という感じだ。
神様は僕たちに時間を与えてくれた。でも、制限がある。ずっとここにいる訳にはいかない。
僕たちは今、その子どもたちの前にいる。
もちろん、あちら側からは僕たちの姿は見えていない。
「ごめんね…。ごめんねぇ…」
秋菜はそう言って、息子に近づくが気がつく気配はない。
「ワフ」
唯一僕たちの存在に気がついているものがいた。それは愛犬のハクだ。
ハクはまっすぐに僕たちを見ていた。
「ハク? どうした」
そういったのは、息子だ。
ハクは生きている。だから、子どもたちにも見えている。動物とは不思議なものだ。生きているものも死んでしまっているものも見えるらしい。
息子は、ハクの頭をワシャワシャと撫でた。
「悟」
僕は届くはずのない声で息子の名前を呼ぶ。秋菜は泣いていた。僕だって泣きたい。でもカッコ悪いところは見せたくない。そう思った。
「なんだ? お腹すいたのか?」
そう言ってハクを撫で続ける悟はスーツ姿だ。
僕たちが知っている悟じゃないみたいだった。僕らが知っている悟はもっと小さくて…。
子供の成長とは早いものだということを思った。
もう一人の子供、凛子は自分の部屋にいた。
生きていた頃に入っていたら確実に怒られていた。でも今は、彼女には僕たちの姿は見えていない。
凛子は高校生になった。もうすぐ受験が控えている彼女は勉強をしていた。
「凛子は、努力家だからな…」
僕が言うと秋菜も頷く。
「そして、繊細」
彼女は付け足す。凛子のことを秋菜は僕よりもよく知っていた。よく意見がぶつかり合うこともあったが、それほど仲が良かったということだろう。
シャープペンの音。教科書、ノートをめくるときの髪がこすれる音。
静かな部屋の中は電気がついていて明るいはずなのに、暗く思えた。
「「いただきます」」
数分後、凛子は部屋から出てリビングへ降りていた。悟の姿もある。なんとも言えない空気が流れている。
僕たちがいた前までは、会話がたえなかった食卓も、静かなものだった。
「ワフ」
そこにハクが歩いてくる。そして私達の隣に座る。
「ハク。僕たちのことが見えるのかい?」
僕はそう聞くと
「ワフ」
そう返事をした。秋菜は片手で止まらぬ涙を拭い、もう片方の手でハクを撫でる。ハクには触ることができるらしい。
「ハクもごめんねぇ…。もっと一緒にいられれば…」
そう言うとまた、秋菜の目に涙が浮かぶ。それをペロペロと舐めるハク。
「ハク? 何やってるんだ?」
その行為を見ていた悟がハクに話しかけた。僕たちのことが見えていない彼らにはハクが何もない空間を舐めているようにしか見えないだろう。
「ワフ、ワフ」
ハクは一生懸命伝えようとしてくれてはいるが、きっと彼らにはわからないと思っていた。
僕たちはそこを去ろうとした。ここだけにとどまっていては、秋菜がずっと泣いたままだと思ったからだ。
「母、さん? 父さ、ん?」
悟が不意にそういった。何を思っての言葉かはわからない。その悟が言った言葉に反応した凛子。
「兄ちゃん?」
「なんでだろう。今、ここにいる気がするんだ」
急にあたりを見回し始めた悟。悟は小さい頃からそういうことを感じ取る能力的なものがあった。
生きていた頃は信じられなかったが、本当にわかるのだろうか。
「悟、ここよ!」
秋菜は悟に向かって言っていた。
「母さん! 母さんの声が聞こえる!」
凛子はその場で立ち上がる。その目は僕たちを捉えていた。
「兄ちゃん。そこにお母さんとお父さんが……」
凛子には僕たちの姿が見えているらしい。こんな奇跡あり得るのだろうか。
「え? どこ?」
僕は二人の名前を呼ぶ。
「悟、凛子」
「父さん、聞こえるよ」
反応したのは悟だった。凛子には声は聞こえておらず姿は見えている。悟には姿は見えず声が聞こえるらしい。
「なにか、言っているの?」
凛子はキョトンとしている。近くに来ている凛子には、やはり声は聞こえていない。
「うん、僕たちを呼んでる」
悟は凛子に答える。
「ごめんね…二人とも」
秋菜は泣きながら彼らの頬に触れようとする。その手は虚しくも彼らを通り抜けてしまう。
「大丈夫だよ、母さん。僕たちは僕たちで頑張るから」
悟の頼もしい言葉に鼻がツンとなる。
「父さんたちは長くはいられない。でもな、またいつか会いに来るからな」
僕が言うと、凛子が涙ながらに頷いていた。
神様が遠くで僕たちを呼んでいた。もう行かなくてはいけない。本当は離れたくない。ずっと彼らと一緒にいたい。でも、それはもう敵わない。
だから最後にこれだけ、
「父さんはお前たちを愛している。遠くに離れていても、ずっと家族だ」
「えぇ、そうよ。私達はあなた達のことずっと見守っている。愛しているわ」
それら以降、彼らには姿、声が聞こえなくなっていた。
最後のチャンスをくれたのかもしれない。
神様がくれた最後のチャンス。
僕たちが生前、あげられなかった『最後の愛情』を言う奇跡の時間を。
※この作品は#14の続編です。
愛情かぁ。いい言葉のはずなのに、これほどまでに実感をともなわない事にビックリする。
「私は貴方に愛情を持っています。」
これ、なんか変。
「貴方は私に愛情を注いでくれました。」
これなら、やっとしっくりくるけど、
なんか、他人事っぽい。というか、他人の事で、なおかつ、けっこう引いた所から眺めた感じの表現。
いわば、無菌室の棚に並べてある言葉という感じがする。(我ながら上手いこと言った)
さらに、『愛情』に続く言葉は何かと考えた時、残念ながら『不足』という言葉が1番に思い浮かんだ。
何か、悪い事の原因に使われる言葉だ。実体も実感もない「愛情」が不足するって、具体的に何が足りなかったんだろうな。
#愛情
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愛情
傍らでいるこっちが照れくさいほど
愛情が漏れ出ている人を見た
大事に想ってくれる、あの人は
自分が傍にいたい気持ちを圧し殺し
遠くから、元気でいてと願っている
大事に想われている、その人は
傍にいてほしい気持ちを圧し殺し
自分にも嘘をつき、何もないふりをする
良い出会いをするって、本当に幸せなこと
愛情が行き来するって、本当に幸せなこと
あの人、その人を知るこの私は
何もできず歯痒いまま
愛情自体あったとして
それを入れる器が無ければ
きっと成立しないだろう
『愛情』
その始まりから
知らずに生きていけたなら
飢えることもなかったろうに
愛情
私はもしも子どもを迎えたら
そりゃあたっぷりの愛情を持って育てる。
私はとても優しい子に育てられるという自信がある。
でも私は子どもは産まない。
かわいそうだから。
子どもを産むなんてかわいそうなこと私はしない。
幸せになる確率は100%じゃない。
その幸せを掴めない子だったらかわいそう。
だから産まない。
子どもを産むのは罪だ。
そして子供を育てることは罰だ。
お前が産んだんだ。
責任とれ。
浮気疑愛現象化ドーナツ
涎がでちゃうほどドーナツが食べたい
今日のハイライトはダイエットの為にミスドを通り過ぎたこと
かわいいを対価にわたしはあまいを遮った
それくらいで我慢した気になっちゃうようなわたしだけど鮮やかな馬鹿ではないの
心から嘘ついてる浮気を遮る君のラインくらい簡単に気がつけちゃうんだよ
愛に情けをかけたってちっともわかってあげられないでしょ、わたしの脳みそ
みんなが使う共通言語もわたしはいつも特別な言葉に捉えてるの、だから振り回さないでね安い言葉で
身体も心も視線も名前もいつだって言葉を越えてあなたを作ってるんだから
愛がどうとか耽ってる暇があるならあなたが愛を作れる歴史を刻んでよ!!
少しだけ足りなかった愛情
私だけに注がれなかった愛情を
貴方は充分に注いでくれますか?
嬉しい言葉。
怒った言葉。
哀しい言葉。
楽しい言葉。
あなたにはいろんな言葉をもらったね。
でもその「言葉」には
あなたなりの愛情があって。
隣で過ごしていくほど実感する
あなたの「愛」
今度は私が無償の愛を…。
『愛情』
虐待は、愛から起こる。
図書館で適当に借りた実用書の中にそんな話があった。
曰く、良い子に育てたいが為にしつけが行き過ぎたり、良い人生を送らせたいが為に勉強や高得点を強要したりなど「その子が良くなる為」の行為がエスカレートしていくと、その行為はやがて愛情表現ではなく、単なる暴力へと変わっていくというのだ。
ここからはそれを読んだ後の俺の考えなのだが、まだ一人では生きられない子供にとって、親とは世界そのものであり、それを否定し、遠ざける事は、自分の安全を投げ捨てることに等しい。
だから子供は親に対して「どうやって逃げるか」ではなく「いかにして怒らせないか」を必死になって考える。
ならば、何もされなかった、無関心を貫かれた者は、完全に愛されていないのか。
……そもそも、愛情とは何だろうか。愛されるとは何だろうか。
俺を含めた人間が、こんなにも執着している愛とは、どういうものなのか。
俺の大好物である答えのない問いが、頭の中をぐるぐる回る。
ふと、視界の端に、何かが映った気がした。視線を向けると、写真立ての中から微笑みかけてくる彼女と目があう。
……愛情とは、何だろうか。
俺には、まだわからない。
愛情
「愛情を知らない子供」
僕の日々は楽しいものじゃなかった。
人を殺さなきゃ生きて行けなくて人を殺すことを強要される。だから僕は毎日、殺し暴力で生きてきた。
もちろん、僕がそうなら他の人もそうなわけで大人に殴られることもしょっちゅうあった。僕は身体中痣だらけだった。
嫌な人は殺せと教わったし、身近にいる大人は殺す方法以外は何も教えてくれなかった。
ある日、見た事のない綺麗な服を着た大人が声をかけてきた。薄汚れたこの街には綺麗な格好はすごく浮いてるように見えた。
みんなとは違う大人。僕にはそう見えた。
普通ではない人。
「僕、私たちと一緒にここを出ないか?」
その大人はおかしなことを言ってきた。
「君はまだ若いのに、ここでは十分な教育は受けれないだろう。」
きょういく?この人は何言ってるだろう?
「あんただれ?食べ物ならない。」
大人は、はははと笑った。
「あいにく、僕はお腹は減ってないな。」
「じゃあ、怒ってるの?ただで、殴られる気は無いよ」
今度は目を少し細めてくちびるをすこしきゅっと噛んだみたいなよく分からない表情をした。
「怒ってなんかいないよ。言い方を変えよう、僕と一緒に来ないか?」
一緒に来る?
「僕と暮らそう。3食昼寝付きだぞ!」
3食。なんだ、こいつなんで僕に食べ物を与えようとしてるんだ?
「とりやいず、僕に着いてきて。怪我の手当をしよう。」
僕は、他にすることを無いのでとりやいず男について行った。
「こんなに身体中、傷だらけで可哀想に。痛かっただろう?」
いたい?なにそれ。
「いたい?わかんない。でもなんか歩きにくいんだ。
動かす度に電気みたいなのが走るんだ。」
「そうか。」男は真顔だった。
だけど僕の顔は歪んでたと思う。
「さあ、終わったよ。お腹すいたろう何が食べたい?」男は笑顔でいった。
でも僕は、男を睨みつけた。
腹が立って気づいたら怒鳴りつけていた。
「そんなの知らわけないだろっ!気持ち悪いよあんた!」男は一瞬驚いたけどすぐに真顔に戻った。
僕は、怒鳴るのをやめなかった。
「僕になにがしたいんだっ!僕をなぐれよ!なにかあるなら!意味のわからないことはするな!」
男は僕の目線の高さまでかがみ僕に言った。
「君に、いいことを教えてあげよう。」
思ってもなかったことを言われたので僕は拍子抜けした。ぽかんと口を開けている僕を見ながら男は続けた。
「相手に手を伸ばすのは相手の気持ちが分かるからだ。だから僕は君を助けたい。」
僕の気持ちがわかる?助けたい?
「1回落ちつこう。暖かいご飯を食べるんだ。」
「わかった。大きな声を出してごめんね。」
男は、笑顔で細かいことを気にするやつはモテないぞといみのわからないことをいった。
「ここで待っててくれ、ご飯の支度をしてくる。」
そう言って男は僕に背を向けた。
僕はポッケからナイフを取りだし男の足に突き刺した。
男は僕の前で苦痛の叫びをあげながら倒れた。
床が濡れていた。
「僕の何がわかるって言うの?知った口をたたくな。」
男が僕に向かって手を伸ばしてきた。
僕はその手にまたナイフを突き刺した。
男はまた苦痛の叫びをあげた。
「嫌な奴だな。」
僕が胸を刺そうとナイフを振り上げる前に男は僕を抱きしめた。僕は驚いてナイフを床に落とした。
「ごめん、ごめんな。俺が悪かった。
もうこれ以上、自分を傷つけるな。」
何を言ってるんだろう、この人傷つけられてるのは自分の方なのに。
「傷ついてるのはそっちだろ。僕じゃない。」
「傷ついてるよ。だって君泣いてるじゃないか。」
僕が泣いてる?
「いいか?胸がきゅっとなって息がしずらくなったり目から水がこぼれたりする時そういう時を苦しいと言うんだ」
苦しい?僕が?
「そういう風になった時はな、自分に嘘をつくんじゃなくて素直になるんだ。そうすれば、俺が駆けつけてやるよ。」
僕は、叫んでいた。ずっと顔がびしょびしょに濡れているのも気にしないで。ただただ叫び続けた。
その間男はずっと僕を抱きしめていた。
その体は冷たいのになぜか暖かく感じた
僕までこの男みたいにおかしくなっちゃったのかな。
でも、嫌な気持ちにはならなかった。
僕も男を強く抱きしめた。何故か分からないけどそうしたくなった。
┈┈┈┈┈┈あれから5年後┈┈┈┈┈┈┈┈
「キアラ、留守番頼むぞ。」「任せて!」
僕は、あの男からキアラという名前貰った。
足と手の怪我は今は治り問題なく使えるようになった。
この5年で僕は色んなことを教わった。
人の気持ちや、自分の気持ち、字の書き方とかも。
今僕は、僕みたいな子のために勉強を教えるのが夢なんだ。
みんなの気持ちがわかる僕だからこそできる夢だとあの男は言ってくれた。
いつか絶対に助けるからねみんな。
あ、そうだ。ひとつ言いたいことがあるんだ。
この世で1番大切なものは名前なんだってよ。なんでって聞いたら愛情の証だからって、だから僕はこれから先出会う人の名前を忘れないって決めたんだ。
僕にくれた愛情を忘れないようにね。
🕊 𝕖𝕟𝕕 𓂃 𓈒𓏸 💗
【4.愛情】
"ありがとう"
お母さん お父さん
私を、 こんな私のことを...
こんなにも大切に
愛情をこめて
育ててくれて
"ありがとう"
…………。
私を大切にしてくれた人
もうこの世にはいないけど...
お空で見ててね
私、もう人生を無駄にしないから
まだ見守っててね
愛情。
今は愛情を
たっぷりと
もらってるなぁ。
私がコソッと行くと
本当に喜ぶし。
2人とも
「サプライズ」待ってるのは
愛情があるはず。
愛し愛され
幸せ。
#49 死ぬ前に私の思いを伝えないと。
病院内を歩いてみた結果、彼を見つけた。
すごく緊張していたし、
お互い入院着で恥ずかしいかったけど。
緊張で速くなる心臓を落ち着かせて、話しかけた。
愛情を彼に話す。
私が入院していること。彼が入院していること。
わからないことや衝撃を受けるような現実を見るのはやめて、短い時間でいいから、と思いを伝えた。
彼は混乱していたけど、優しくいつもの笑顔で聞いてくれた。
___愛情
愛情を注ぐと喜んでくれる。
嬉しい。苦しい。
愛情の押し付け。
自己満足。
植物も枯れてしまう。
愛情とは即ち無償の愛
見返りを求めずに人にただ与え、相手が喜んで貰えること
を喜びとすること
一種の自己満足で完結するのが愛情なのだと思います
あの頃の私はバカだったな。
未読スルーなんて当たり前で、悪びれもなく遅刻してきては、財布を忘れてきた演技をして、私に会計をさせる_そんなロクでもない男を好きだなんて。
彼といる時は楽だった。だけど、楽しくはなかった。だから、長くは続かなかった。彼も、私と居て楽しかったかな_なんて、別れたあとにグルグル考えてしまうのは、今日の天気がどしゃ降りの雨だからに違いない。生憎、手元に傘はないので、近くのコンビニに寄り、いつも買うスパゲッティと傘を購入した。冷たい身体を早く温めたくて、少し早歩きで家に向かった。「ただいま…」前までなら「おかえり」と言ってくれる人が居たから、返ってくる静寂さは未だ慣れないでいる。早急にお湯を沸かし、お風呂に入った。珍しく、42度に設定した。今までなら40度もなかった温度。私の生活はすっかりあの男によって染まっていた「なんで…あいつのことばっか考えるんだ……私」別れようと告げたのは私だし、日付だって2ヶ月は過ぎた_のに。シャワーの音も小さく感じる程、私はあいつの事を思い出している。
お風呂から上がり、髪を乾かすのはめんどくさかったので、今日は後回しだ。「今、何時だ」チラリと時計の針を見ると、時刻は19時になろうとしていた。今日は、あまりお腹に食を入れていないことに気づいて、先程買ってきたスパゲッティを取り出した。もう冷たいままでも良いやと思い、温めず咀嚼した。あぁ、バカだな_本当に。電子レンジでチンすれば温まるような愛を欲しがってたなんて。
愛に見返りを求めてはいけないのです。
私達は、誰かの愛で成り立っている1人の人間、過去でも現在でも愛の形は様々。寂しい夜も、憂いな朝も、自分の寿命が消えるその日まで一緒に愛せる人を_どうか貴方様にも見つかりますように。