『愛を注いで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「愛を注いで」
自分が注いだ愛は見えないけど、
貴方が優しくしてくれた時、私が注いだ愛を感じる。
貴方が誰かに愛を注いだ時、
貴方は自分の愛が見えないかもしれない。
貴方がその子に優しくされた時、
貴方も自分が注いだ愛を感じるだろう。
愛を注いで、注がれて。
愛を携えて、感じられて。
「〇〇してやったのに」とか思っちゃうようになったら、
それはもう愛とは呼べないよなぁ。
条件付きの愛はもはや無い方がマシ。
愛を注いで
並々にとは言わないけど
お湯を沸かして注ぐマグカップのように
注がれるお湯を待ってる
こぼれないように
冷めないように
両手でカップを包んで
今日も誰かに注がれるのを待ってる
「人も植物も一緒だよ」
老人はそう言って、冬枯れの庭を見つめた。
私は椅子に座る彼の傍らに膝をつき、窺うようにして見上げる。皺だらけの口元は笑っているようにも、悔やんでいるようにも見えた。
「水をあげすぎて根腐れしてしまう花もあれば、水辺の近くでなければ育たない花もある」
目の前の庭は何年も手入れがされていない。
草は伸び放題で、かつては色とりどりの花がつけていたであろう木々は草に埋もれ、葉を全て落として貧相な姿を晒していた。
「陽の光、土の養分、虫の駆除。どれも植物一つ一つで対応が違ってくる。間違った育て方をしていては駄目なんだ」
しわがれた声に疲労が滲む。
「私は·····間違えた」
一代で財を成した老人は、多くの子供と愛人に恵まれていた。全盛期にはメディアを賑わせたことも一度や二度では無い。
だが今は·····この広い屋敷にいるのは彼と私だけ。
子供達も、愛人達も、みんないなくなった。
彼が丹精込めた筈の庭は荒れ地に成り果て、広い屋敷も年月のせいで全て色褪せてしまっている。
豪奢な調度品は持ち去られ、不釣り合いな小さな椅子とテーブルだけが残されていた。
「愛情の注ぎ方を間違えた」
子供達のことか、愛人のことか。それとも庭の植物達のことか。言葉だけでは判然としない。
私は彼の膝に乗った手に自分の手を重ねる。
かさついた指。皮膚のたるんだ甲。年月を感じるそれはまるで枯れ枝だ。
「旦那様」
努めて柔らかく呼びかける。
「旦那様には私がいますから。どうかご安心ください」
庭も、彼自身も。最後まで傍にいて見守らなければ。
――彼には私しかいないのだから。
冬枯れの庭を見つめる彼の目は、虚ろで。
かさついた指が私の手に重なる。
「――旦那様?」
ぎゅ、と唐突に強い力で握られた。
「気付いていないと思っていたのか」
しわがれた声。だがその鋭さは往時となんら変わっていない。
――あぁ、私も間違えた。
そう思った。
END
「愛を注いで」
クリスマスソングが
今年も街に鳴り響き始めた。
ああ。
強制的にクリスマスモードにさせられる、この感じ。
平和と言えば平和なのだろう。
鮮血を見なければならない場所なら
きっとこんな音楽は鳴り響かない。
平和というのは、ぼんやりとしていて少し物足りない。
もしくはつまらないと感じるようなものなのかもしれない。
許容範囲の刺激を日々感じることで
現代人は平和ボケを回避しているのだろう。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今まではクリスマスだと何かしら飾っていたのだが
今年はちっともやる気が起きない。
子供が居るわけでもないし
初々しいカップルの当事者でもないからだ。
他の理由もあるといえばある。
最近の年の瀬といえば、
この1年どれだけやれたのか反省をするような時間に
なりつつある。
あれはやった、コレはまだ途中
やっぱりあの計画は達成できなかった…などなど。
毎年12月が来るたびに
己の老化と対峙するような気がして
落ち込むというのもある。
うん。あまりいい季節には感じないな。
ただ毎年一つ、思い出すことがある。
それはサンタクロースの ある顔だ。
外国の白い髭を生やした、テンプレなサンタクロース。
コーラのCMだったと思うのだけど、ひと仕事を終えて
シュワッと炭酸のよく効いたコーラを飲んでリフレッシュしながらソファで寛いでいる彼を思い出す。
毎年毎年、飽きずに子供にプレゼントを届けて
達成感のある顔をして、もう思い残すことはない!
というような充実感のある表情。
まあ大人だし、プロだよね。
(なんか見返りでお菓子とかもらってたような気もするが)
あれは私達オトナに向けて
「オイ!おまえたちいい仕事してるか?」
等のような意味合いを発信しているのではないだろうか、と巷のgeminiに聞いてみたくなるのだった。
…そんなことを考えながら、車のエンジンを切ってコンビニに入った。ファミチキが揚げたてだった。匂いがぷんぷんする。
ぱっとコーラが目に入る。
あの顔がツヤツヤなサンタが目に浮かんだ。
『良いじゃないか
それなりにやれた1年だったよ
多分コーラ、うまいよ』
喉が渇いていたのを
サンタからのお告げ、と言い訳しながら
コーラを買って家に帰った。
その日、大げさじゃなく
自分自身に 愛を注ぐように
グラスにコーラをゆっくりそそいだ気がする。
12月はコーラのいちばん美味い月、ということで。
『愛を注いで』
夫は私を愛していなかった。なぜなら私たちは親同士が決めた所謂政略結婚で結婚したからだ。
でも私は彼のことが好きだった。今は見せかけの夫婦でも、私から彼に愛を注いでいればいつかは私のことを愛してくれると信じていた。まるで種を蒔いた土に水をかけていればいつかは花が咲くように。
その希望はあっさりと踏み躙られた。
夫には真に愛する人がいて、その人との間に子供ができたのだ。そのことを問い詰めると、夫は私のことをゴミを見るような目で見た。そして夫は私に言った。「一生お前のことを愛することはない」と。
親同士の関係にも影響を及ぼすので離婚はしなかったが、元々歪んでいた夫婦関係は完全に修復不可能になってしまった。
それでも私は今も愛されたいと願って彼に愛を注いでいる。さながら割れた花瓶に水をかけるように。
わたしという未知の存在を証明する為に此処にいる
『愛を注いで』
「愛を注いで」ある本のある有名な言葉。この言葉が世界中に知れ渡っている頃には、この世界はどんな色になっているのかな。映画化とかしてたりして。今の世界より、少しは良くなっていて欲しいな。たとえ、この世界がどんな色になっていたとしても、決まっている未来はあるだから。何をしたって変わらない。 何も知らないままでいい。
あんなに俺に愛を注いでくださったこと、俺はずっと忘れません。絶対に、絶対に。
貴女が今どれだけ苦しんでいようと、どれだけご自分の価値を疑って悲しみに暮れようと、構いません。それは今一時の苦しみです。そのような苦しみから離れ、貴女の心から愛が溢れる日が、遠からず来るでしょう。
なぜなら、貴女の心には愛があるからです。
俺に注いでくださったあの愛が、今でも貴女の心からこんこんと湧きだしているからです。
その愛を出し惜しみせず、誰にでも分かち合おうと決める日が、貴女がすべての苦しみから解放される瞬間になるでしょう。
愛を注いで
溺れて死んだ花。
貴方が飲み干して、残ったのは骨だけでした。
愛を注いで
かけ違えたのかもしれない私の愛
それが正しいとさえ思っていた
あなたの顔が見えていなかった私
注ぐだけで 精一杯で
気づけなかった
本当の自分の気持ちを
もう一度注ぐから
ㅤ愛を注いで
「おはようございます。今日の紅茶は...」
モーニングティーの説明をした後、そっと差し出す。
私が用意した"それ"に躊躇いなく口をつける貴方を見てどうしようもないほどに満たされてしまう。
ねぇ、もし。
もし私の淹れた"それ"が、ただの紅茶でないとしたら?
毒なんて入ってませんよ。えぇ、勿論。
私はただ、ほんの少しの「愛」を注いだだけ。
誰より貴方を想うこの私が、貴方を傷つけるような真似をするなんて有り得ないでしょう?
ですから、どうか安心して飲み干してくださいね。
余すことなく、私の愛を。
愛を注いで
最後の日だ。ぬるい、甘い、透明な液体が唇を濡らす。それをペロリと舐めて、手元の水晶を瓦礫の欠片で粉々に割ると、ケタケタという笑い声が聞こえた。
いや、それは空耳だ。実際上がったのは呆れ声。掌に乗るくらいの小さな骸骨の声だ。
「馬鹿か、お前。その水晶」
「うるさい。いいでしょう、わたしのものなんだから」
「そりゃあそうだ。お前のものはお前のものであって、他の誰のものでもない。けど、孤独な魔女さんよ。それはお前の大事なものだったんじゃないのかい?」
あなたに何が分かるの、と言いかけてやめる。
「⋯⋯いいの。これには、わたしが望む力はなかった」
「だとしても、お前がそれを大事に思う気持ちは別物だ」
食い下がる骸骨。ケタケタ笑ってる、ように見える。あくまでそう見えるだけなのがうざいったらない。
「今ならまだ直せるが?」
うるさい骸骨だ。どうして三百年前に捨てておかなかったのだろう。そんな後悔をしてももう遅いのだけれど。
この高く高く聳え立つ時計塔には、魔女と骸骨が住んでいる。
世界は既に荒廃しきり、その上には長らく灰色の空が重く横たわっている。もうどれだけ青い空を見ていないことか。青色など、古い魔女はもう忘れた。
今日は太古の昔に預言書に記された、世界が生まれ変わる日だ。まあ神様なんて、わたしは全然信じていない。なので明確な【終わり】が浮かび上がった水晶を、むしゃくしゃして割った。預言なんかに従いやがって、この野郎と思って。
頬杖をついて小さな窓から灰色の世界を眺める。
きっと、骸骨も同じことを思っているに違いない。と思ったのだけど。
骸骨はどうも違ったらしい。もっともらしく真面目な顔でわたしの顔を見上げてくる。見返すと、顎骨を動かした。
「世界が生まれ変わったら」
「うん」
「俺の顔を見てくれるか?」
「⋯⋯うん」
ばか。
ーーーーー世界はもう終わったのに。生まれ変わる日なんて、永遠に来ないのに。神様は間違えたのに。
言うに事欠いて、そんなこと。
「ねえ、ひとつだけ、頼みがある」
わたしは物憂げに溜息をついて、骸骨に最後の頼み事をすることに決めた。
何百年もこの塔で一緒に過ごした骸骨には伝わったらしい。わたしがしようとしていること。
「孤独な魔女。……孤高の魔女。三百年前、あの大厄災のときから、」
それ以上は聞かなかった。
ケタケタ笑う骸骨。
真っ黒い空虚な眼窩の穴を見つめる。
その目であなたが何を見ているのか、ついに知らないままだった。
その日、昨日と変わらない顔をして、同じ匂い、同じ風、同じ色のまま、世界は静かに終わった。
柔らかなまま、温かいまま、綺麗なままで。
世界は終わった。
そして。
ーーーーーーその日、昨日と変わらない顔をして、同じ匂い、同じ風、同じ色のまま、世界は静かに生まれ変わった。
骸骨と魔女の、全部を注いだ“魔法”で。
何もかも同じように生まれ変わった。ただその空の色だけは、一人の魔女が願い続けた、抜けるように深い青色だった。
『推し』というのはなんとも不思議な存在で
私の他にも好きな人はいるのだろうに自分が一番好きと錯覚する
推しへの愛が強いせいか
はたまたこれは私だけなのか
愛を注げば注ぐほど
また好きになる
それが抜け出せなくなる頃には
貴方の虜になっている合図かもしれない
『愛を注いで』
《愛を注いで開く花》
芽吹くか分からない種を播く。
ひたすらに愛を注ぎ、いつか訪れる【その日】を信じて。
馬鹿にされても、自分を。この種を信じて愛を注いだ。
いつか芽吹き、花が開くその日を待ちわびて。
大好きなあの人を信じ、応援してきたことは間違いじゃないと。
いつか必ず、あの人の努力は結ばれると信じて
今日も私はあの人へエールという名前の愛を注ぐ。
溢れんばかりのもの
溢れちゃうならいらないと
慎重になってつげるなら
それじゃ足りないって言われるの
いくつあっても足りないコップ
何枚も使ったナプキン
それでもめげずに入れるの
拘りを越えられると思って
――サメの言うことにゃ、
愛を注いで
(愛をそそいで。)🦜
あのね
優しい、叔父さん。が
まだ、子供の頃の・・・
お話を
僕にしてくれたんだね。🦜
(其れは)
「有る台風の翌日、
叔父さんのお家の
ベランダに 片足と羽根の
折れた雀の子供が
風に吹き飛ばされて
動け無いで居たんだね。」
✣叔父さん。は
テッシュペーパー。で
身体を包みドライヤーで
暖ためて(動物病院。)に
行ったけど。🦜
・もう自然の中に戻れなかったそうで、🦜
【雀は、叔父さん。の家族に
成ったんだけど10年以上
生きたそうなんだって。】
❝僕を始めて、叔父さん、が見た時
余りに、その雀とそっくりで
びっくり、したんだんだって。❞
❣その雀は、叔父さん、の愛を
たっぷりそそいで貰ったんだね。🦜
・僕にも愛をそそいでくれると期待してます。
🦜🦜🦜
じっくりじっくりゆっくりコトコト愛を注いで煮込んだスープ。味見してみたけどなにか一味足りないような気がする。
塩分が足りないとか、煮込みが足りないとかそんなんじゃなくて、うーん。
でももう準備して行かなきゃいけない時間。
急いでスープを保温密閉できるポットに移し、スプーン3本、器を3つ籠に入れる。
おっと、朝焼いたパンも忘れずにね。
身支度整え荷物を持っていつもの道を足早に進む。
ポットの中のスープがちゃぽちゃぽ音を立てているけどこぼれたりはしてなさそう。
森の中のおばあちゃんのお家に着いてドアをノックする。
ガチャリと鍵が開く音がして中に入る。
奥の窓の下のベッドの上にはおばあちゃん。
鍵を開けたのは餌付け成功したオオカミさん。
おばあちゃんがテーブルに着いたらお昼のパンとスープを並べていただきます。
アレ?家で味見した時と味が違う。美味しくなってる。
そっか、3人一緒に食べるのが美味しいんだ。
3人の愛が注がれたテーブルだから美味しいんだ。
たっぷり食べてお昼寝して暗くなる前にまたあした。
(愛を注いで)
赤ずきんちゃんのオマージュ、平和な世界で愛を叫びたい
愛を注いで
君のいる毎日は
とても賑やかで
とても楽しくて
とても幸せだから
君には私の目一杯の愛を
注いであげたいと思うんだ
甘やかしすぎないよう
気をつけながら
遊んで
贈り物をして
大好きと伝えて
いつか君が辛い時に
注いだ愛が
少しでも力になれるように
「注ぐ」と聞くとワインが頭をよぎった。誕生日に、ちょっと高めの夜景が綺麗なレストランに連れて行ってくれて、「誕生日おめでとう」ってワインを注いでくれる人と出逢いたい。彼氏ほしい。
愛を注いで