『忘れたくても忘れられない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
忘れたくても忘れられない
大好きだけど大嫌いなあなたのことを忘れたくてもまだ忘れられない
『忘れたくても忘れられない』
長い夢から覚めるとベッドにはお父様とお母様、お兄様の他にメイドたち、そしてお医者様と神官様もいらしていた。
「あぁ、よく目覚めてくれた…!」
私の冷えた手を包むお父様の手や落ちた涙の粒までもが温かく、私の命の灯が危うかったことが伺い知れる。もう大丈夫でしょう、とお医者様も神官様も声をかけてくれるのを、心の奥底に哀しみを抱えながらぼんやりと聞いていた。
数日の後にベッドから起き上がれるようになった私は車椅子で庭へと向かっていた。
「夢魔というのは恐ろしいものでしたか?」
仲の良いメイドが車椅子を押しながら尋ねてくる。
「私の身体が死に瀕するほどだったのなら、恐ろしいものと呼べるのでしょうね」
それから私は家族にもお医者様にも神官様にも話したことのないことを口にする。
「けれど、あの方を恐ろしいと思ったことはありませんでしたわ」
由緒正しい家に生まれたが故に人付き合いも制限され、家の外には友人と呼べる人のひとりもいなかった私に、夢の中にふらりと現れた悪魔は気さくに接してはいろんな話をしてくれた。私の知らぬ世の中のこと。人の知りえぬ世界のこと。
「私、あの方と話すうちに夢の中にずっといてほしいと願ってしまったの」
けれど悪魔は払われて、もう会うことは叶わない。
命が消えかけたというのにまた会いたいという気持ちは収まらなかった。けれど周りがどれだけ心配していたかをわかってしまったから、また悪魔に会いたいとも口にできない。
「忘れてしまえればいいのに、私は忘れることをしたくないのです」
暖かな日の差す庭でぽろぽろと流す涙はメイドが差し出したハンカチにとめどなく吸い込まれていった。
もう死んでるはずなのに
無くなってはくれなくて
ぐずぐずと心に棲むから
叫びは続く 叫び続ける
喉が切れて 血が流れてさ
消えない過去が群れてさ
引っ掻いて傷口を抉るから
叫びは続く 叫び続ける
醜い血と膿で固めた個を
その過程でできた産物を
忘れたくても 忘れられない
「一人っ子の親御さんがやったら?私たちより楽してるでしょ?」
我が子が通う幼稚園の役員決めの席で、
3人の子どもを育てている、ある母親の一言。
楽をしている?私が?
一人息子の母親として、それはとうてい聞き捨てならない一言だった。
子どもが一人だろうと、それ以上だろうと、
毎日全身全霊、命を削るようにして
必死に子どもと向き合っているのは、
みんな同じのはずなのに。
一人っ子の親は、蔑まれて当然なの?
胸の奥から、ふつふつと湧き上がる怒り。
何故か勝ち誇ったように私を見下ろすあの母親の、
薄ら笑った顔。
そして、ほんの一瞬でも、
「こんな女、この世から消えていなくなれ」
と思った、私の心。
忘れたくても、忘れられない。
「忘れたくても忘れられない」
夜。高速道路を街灯が明るく照らしてくれる
車の窓を流れていく景色を眺めながら、ぼんやりと家族旅行の余韻に浸る。少し瞼が重い
車の中ではサザンの曲が流れている。それを聴きながら、旅の終わりの充足感と寂しさに浸りながらそのまま眠りに落ちるのだ
ずっと会えてなかった好きな人。
先日久し振りに映像で顔を見た。姿も声も話す口調も変わっていなかった。
わたしの好きな人はキャラクター、役なのでこの恋が叶うことはない。いっそ忘れてしまいたいけれど、彼の言葉が相変わらず優しさに満ちていて、忘れられない。
やっぱり忘れたくない。この恋を無かった事にはできないから。
♪思い出すと寂しいけど 思い出せないと寂しい事
忘れない事しか出来ない 夜を越えて続く僕の旅
♪なないろ/BUMP OF CHICKEN
ようやくあなたとは違う人に愛されて、違う人を愛して、幸せの絶頂を迎えた日に。
式場の外で安心したように笑うあなたを見て、忘れたはずの気持ちが蘇った。
忘れたくても忘れられない
あの歌は。
記憶には無いのに。
ピアノの前では弾いている。
あの歌は。
歌詞も覚えてないのに。
ピアノの前では弾いている。
あの歌は。
✡
お題 忘れたくても忘れられない
時間が無いので下書き...✍️
初めてあんたに起こされた時の、あのやわらかな光が忘れられない。目覚めた時に見た、あんたの安心した顔が脳内に刻まれてるから、忘れたくても忘れられないのだ。これが、刷り込み効果だとしても、心が温まるから、まぁ、悪くはないかな。
ハブとマングースは相性が悪いように、僕と彼女は恐ろしく相性が悪かった。彼女と言っても、恋人関係にはなく、同じ会社の同じ部署、同じ部屋の相向かいにいるだけの人の事だ。彼女は明朗快活、いわゆる誰とでも話せるタイプの人で、その切れ長の瞳はいつでも笑っている。竹を割ったようなハキハキした性格も美しくて、僕には手の届かぬような、太陽のような人だった。
ある日の外回りのこと。
「万屋、暑すぎだよねこれ」
「……あ、そうだね! 蛇谷さん」
照りつけるコンクリートの坂をちまちま登りながら、僕たちふたり、話すこともないままにそれぞれの考え事をする。その時はまだ蛇谷さんのことを好きだと思っていなかったから、ただの陰気な奴だった。彼女のことを好きになってしまった今となっては、彼女の眩しさに目が眩んで言葉が余計に出てこない。好きになればなるほど話せないのは皮肉なものだ。
「……よろずや、何か話すことないの?」
「……あつくて、なにも……」
「……そう」
僕と蛇谷さんは同期だから、フランクな蛇谷さんはタメ口だった。僕もタメ口を試みようとしたものの、恥ずかしくてダメだった。だからこそ、タメ口ができる蛇谷さんが羨ましかったわけで。
「よろずや、後で……ラーメン食おうな」
「絶対行きましょう、暑すぎる」
「ふはっ、お前!」
急に蛇谷さんが吹き出した。坂をあがってしばらくのところの住宅街。少し遠いところにラーメン屋の上りが見える開けた場所で、蛇谷さんは笑っていた。十五時頃の緩やかな日差しに当てられて僕だけに微笑むその目の弧線が、酷く心臓に刺さるみたいだ。
「暑いのに、暑いからラーメン食おうて、くく」
「先に食べようって言ったのは蛇谷さんでしょ」
「あーもう、っくく」
笑いが収まってきたのか、恥ずかしげに結んだ髪の毛の先を整えると、冷静な声色で告げられる。
「在でいいよ、進」
「ある……さん」
その時見上げるような、蛇谷さんの三白眼が、僕の心の弱い所をつつくように射抜いた。耳が、頬が、身体が暑くなってくる。ぶわっと背筋から音がするように鳥肌が立つ。恋の音だ。
初めて、すすむという僕の名前を好きになれたのも、全て蛇谷さんのおかげだ。おかげだったのに。
『今日未明。東京都の某所で、刺殺事件がありました。犯人は、僕の方を向いて欲しかった。と供述しており、懲役六年が確定しています。』
忘れられない。蛇谷さん、これで、あなたの素敵な眼は。僕のものだ。罪と共に背負うから、一生を共にしようね。
「ううん……あるさん♡」
拘置所で狂乱する一人の男性がそこにいた。
小学校5年生の時、クラスで1番美人のゆりちゃんが給食中にした事。
中華丼が美味しくて私も嬉しかったその日、
クラスの男の子がゆりちゃんを笑わせた。
ゆりちゃんは中華丼の餡を吹き出しそうになって、両手で口を押さえた。
ぶじゅぶじゅぶじゅっ〜
手の隙間から餡がぶくぶくしだした。
クラスで1番美人のゆりちゃんが給食中にした事が30年経っても 映像として脳裏にあって忘れたくても忘れられない。
【忘れたくても忘れられない】
忘れたくても忘れられない
子どもの頃
他者から受けた心無い仕打ち全て
でもその一方
私が他者にした心無い仕打ち全ても
幼い頃の記憶は、大人になって薄れていくもの。
けれど、私はあの日あの時食べたいちごのショートケーキの味を、今でも忘れられないでいる。
初めて自分のお小遣いで買ったコンビニのケーキ。
その日、親が帰ってくるのは夜遅くだったこともあって、ナイショで買ったのだ。
いつもケーキを食べられるのは誕生日から2日後の日。だいたい私の誕生日の日は平日だから仕方がない。母と父と一緒に食べるなんてことも滅多になかった。
だから今日は、ひとりぼっちで食べる秘密のアフタヌーンパーティー。お友達はクマのジョンと、うさぎのラッキー。
ぬいぐるみを友達だっていうのはおかしいって言われるけど、生まれた頃から一緒のふたりは私にとっての大事な友達だ。さすがに喋ることは無いけれど……。
「いただきます」
豪華にもふたつ入っているうちのひとつは、母のために取っておく。父は昨年家を出てしまったから揃うことの無いケーキ。ふたつとも本当は食べたかったけれど、最近母が夜啜り泣いているのを知っているからこそ、食べて欲しかった。
ケーキの甘さで、涙のしょっぱさも甘くなればいいのに。
甘いクリームに、ふわふわのスポンジ。断面を彩るいちごはちょっとすっぱい。甘さと酸味が絶妙であっという間に半分食べてしまった。残りの半分はお友達へ。ジョンは体が大きいからたくさんたべる。ラッキーはケーキよりいちごの方が気になるようだ。
だから私の取っておきのいちごをあげた。
いつからだろう。ふたりが人間の食べ物を食べたがるようになったのは。ちょっと前からおやつのビスケットを食べたがって、促されるままに食べさせた。次は唐揚げ。次は……ぱぱ。
私は知っている。ぱぱの行方。胸の内側にあるハートが一番美味しいんだって。
最後は大人になった私を食べるのだろうか、なんて。
口元のクリームをティッシュで拭った。
【忘れたくても忘れられない】
書けそうなら後で書きます。
忘れたくても忘れられない
忘れるわけのない、心に深く刻んだ君の顔が浮かんできた。
「絶対に、僕のことを忘れないでね。」と、踏切に君が立った。警報音の響きの中に、君は微笑んだ。
そう見えるように気がした。
そして君は命をなくした。
遺書の白い紙に君の姿が現れた。まるで花が咲くように笑顔になった。
今から10数年前、、
兄に付き合ってパチンコ店へ、、
初めてのパチンコ、、
兄の隣に座り玉を貰う、、
すぐに777
また777
また777
私は一瞬で10数万円を手にした😱
かの有名なビギナーズラック!!
コワくて忘れられない日となった
もちろん、パチンコはその日1度きり。
#忘れたくても忘れられない
″忘れたくても忘れられない″
空気が止まった
姉の腹を切り裂く寸前で包丁は止まった
「どうして言う事を聞けないの…!!?」
「私が悪いっていうの!?!」
何度も何度も母が叫ぶ
包丁を持った手が震えている
なんでだろう
悲しみよりも…どちらかと言うと喪失感のようなものの方が強い
人間としておかしくなっちゃったかな、私
泣きじゃくる姉、狂ったように金切り声をあげる母、それを呆然と見るだけの私
壊れちゃった
忘れたくても忘れられない
「俺のこと、忘れてくれて良いからさ」
なんて、笑う君。
その顔は何とも言えない、少しだけ困ったような笑みを浮かべているから。
……忘れるとか、そんなの無理に決まってるじゃん。
そんな僕の気持ちが伝わったのか、彼は困ったような笑みを益々、深めて。
「これは、さ。俺からの最後のお願い、とでも思ってよ」
最後。
彼の口からサラッと出てきた、その言葉が悲しいから。
俺は目に溢れてくる涙を押し留めると同時に、彼の言葉への抵抗の意味を込めて。
強く、強く、彼を睨んでやる。
そして。
「お前はさ、僕のこと、もう嫌いになっちゃった?」
黙ったまま、首を左右に振る、彼。
「じゃあ、さ。僕からの最後のお願いを叶えてよ」
なんて。
この言葉には驚いたのか、彼は目を見開く。
けど、それに構わず、僕は言葉を続けた。
「最後の時まで、僕にお前の恋人でいさせて」
僕はお前がもうすぐ、この世からいなくなるとしても。
お前を忘れるなんて、そんなの絶対に出来ないんだから。
お前が忘れてほしくても。
僕が悲しさの余り、忘れたくなる時が来たとしても。
僕はお前を、絶対忘れられないんだ。
End
辛い記憶ほど、記憶がしっかり残る。
トラウマになってしまったら、一連の出来事をトリガーに思い出が暴走し始める。
「今日も、やるかぁ」
僕はそれを忘れないために、小さなタトゥーを体に入れる。
痛みはトラウマとなり、タトゥーを見るたびに思い出す
「忘れたくなっても忘れられないように」
血に染まって絶望の顔をした君たちのことは、覚えていたい