『忘れたくても忘れられない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
例えば、
初めて君を見た時の吸い込まれそうな瞳とか、
鼻をくすぐった君の髪の香りとか、
それこそ鈴が鳴るような君の笑い声とか、
握った時の君の手の柔らかさとか、
抱き締めた時の君の小ささとか、
白い箱の中で眠る君の穏やかな顔とか。
食器洗いの最中に、よく思い出す。
あと、洗髪中。
詳細がよみがえる前に、ごめんね、って何度も言う。
もう許されているかもしれないけど。
ごめんねの印象の友人が数人。きっと、今後も会わないね。
【忘れたくても忘れられない】
※BL要素がありますので苦手な方はお気をつけください。
お互い忙しくて、実に二ヶ月ぶりの彼との逢瀬だった。
といっても、本当は会うつもりはなかった。声だけで伝わってくる迫力に押されて、半ば諦めで交わした約束だった。
「あれ、この場所……」
仕事帰り、俺の会社の近くで落ち合い、短い夕食を取ってから彼の車に揺られて三十分近く。
車から降りて、彼の背中を追いかけるうち、記憶の隅で眠っていた光景が徐々に鮮明さを取り戻していく。
「思い出してくれた?」
足を止めた彼は、わずかに目を細めてどこかほっとしたように告げた。
夜景が素晴らしいわけでもない。恋人との定番デートスポットなわけでもない。自然が多く遊具はほぼない、中規模な公園というだけだが、頭の中をからっぽにしたいときにうってつけの隠れ家だと彼に教えてもらった。
それ以上に彼にとっては、あの日から一番大事な場所なのだろう。
けれど、俺にとっては大事だけでなく、とんでもなく恥ずかしくて、両手で壊れないように包み込みたくて、ある意味目を背けたくて、苦しくて……喜怒哀楽が乱暴に混ぜられたような、簡単に形容できない感情がこみ上げる場所。
なぜ、彼はここに連れてきた?
「なんで、ここに?」
「……お前さ、ここで俺に好きだって言ってくれたよね」
喉の奥が詰まる。
あのときのことは、今でも鮮明に思い出せる。
彼への想いを自覚してしまっても、親友のままでいなきゃいけないと足掻いていた。
最初はうまくいっていたのに、恋情というのは全然言うことを聞いてくれない厄介者で、制御を外れて暴走しそうになるのを何度か繰り返していた。
そのたびに、心がひどく、疲弊した。
「お前がすげえやつれてるから、仕事でなにかあったのかと思って無理やり吐かせたらまさかの俺が原因ってな。本当にびっくりしたっけ」
彼は逃がしてくれなかった。内心をうまく吐き出せない俺の性格を熟知した彼なりの優しさだとわかってはいたけれど、仇になる日が来るとは想像すらしていなかった。
今思えば、心のどこかで楽になりたいと願っていたのかもしれない。
『もう、もうほっといてくれ! これは俺の問題なんだ、お前は関係ないんだよ!』
『……それじゃ、俺はもう用済みか』
『っは、なに』
『俺はお前のこと一番の友達だと思ってたし、お前もそう思ってくれてるって思ってたけど、違うみたいだな。俺の自惚れだった』
『ち、ちが』
『違わないだろ。お前は俺になんでも力になるって言ってくれるけど、お前はそうやってひとりで抱え込もうとしてるし』
『……っ言えるわけないだろ! お前が好きなんて、言えるわけ……っ!』
まるで漫画みたいな話だけれど、本当にぽろっと表に出てしまった。
それでも、いわゆる「怪我の巧妙」みたいな話で、実は両思いだったことがわかって、そのときは素直に喜びに浮かれていた。
「気づいてるか? 今のお前、そんときと一緒の顔してるぞ」
半分、予想はしていた。
思わず苦笑が漏れる。
「笑ってるなよ。お前、また無駄なことひとりで考えてんだろ」
一歩、彼が距離を詰める。反射的に後ずさろうとして、腕を掴まれた。
「なんで避ける? 俺、お前になんかしたか?」
やっぱり、会おうとしていないことに気づいていた。
――あのときと同じ。彼自身はまったく関係ない。いや、ある意味関係していると言える。悪い意味ではない。
一番は、俺自身の弱さ。俺がもう少し強い人間だったら。
あるいは、嘘がうまかったら、自然に友達に戻れていたのかな。
「……まさかとは思うけど、馬鹿なこと考えてない?」
普段から細めな彼の瞳が、一層細まる。
「い、痛いって」
「お前変なとこでネガティブだからな。ある程度想像つくけど、一応言ってみ?」
痛い。痛いけれど、俺への想いを強く感じる視線。怒りだけでなく、こちらの身を本気で案じているのがわかる。
彼の想いはまったく揺るぎない。それなのに、俺は。
「……俺とじゃ、これから先、君を幸せなままにできないんじゃないかって」
続きの言葉は、彼の肩口に消えた。
「やっぱり馬鹿なことだった。なんだよそれ」
背中に回った腕に力が加わる。
「なんでお前が勝手に決めてんの。だいたい俺たち付き合ってまだ半年も経ってないじゃん。普通ならまだ幸せオーラばらまいてるときじゃないの?」
彼らしい軽口だったけれど、笑うより泣きそうになる。
「誰かになにか言われた? それともそういう情報かなんか見て勝手に不安になった?」
違う、違うよ。
本当は、付き合えるようになったその日から、芽吹く準備は始まっていたんだ。
途中で枯らすことだってもちろんできた。できなかったのは俺の弱さのせい。世間的にはまだ物珍しい目を向けられる関係を、この先続けていけるのかわからなくなってしまった。
「で、距離を置いてどうだったんだ? 俺は情緒不安定で散々で、お前がいなきゃやっぱ無理ってなったけど、お前は違うのか?」
違う、つもりだった。
でも、どう頑張っても、一度生まれた想いが完全に消えることはなかった。
幸せにできる保証なんてどこにもないのに。彼が傷つく姿をなによりも恐れているのに。
「俺……俺、ごめん。身勝手すぎるけど、でも、俺も君じゃないと無理だって、改めて思った、よ」
もっと強くならないといけない。こんな俺を好きになってくれた彼の隣に並ぶにふさわしい人間だと、自他ともに認められるようにならないといけない。
「自覚するの、遅すぎ」
明らかに、声音が変わった。そういえば意外と素直なんだと気づいたのは、付き合うようになってからだった。
「お前みたいなネガティブ人間、俺くらいしか腰据えて付き合えるのいないんだぞ。それ、自覚してくれる?」
ただ、頷く。
「この際だから言うけど、俺は告白される前からお前のこと好きだったし、そのうち告白しようと思ってたくらいなんだ。そこで断られても、時間かけて好きにさせるつもりだったんだぞ」
初耳だ。どのみち俺は彼と付き合う運命だった、ということなのか。
抱擁を解いた彼が、少しびっくりしたように目元を拭った。
「まったく、泣くぐらいなら最初からすんなよな」
「……ごめん。だって、俺、君がはじめての恋人だから」
「だったら突っ走る前に言えって。いいか、今度から隠し事禁止な」
もう頷くしかなかった。
今日初めて心からの笑顔を見せてくれた彼は、触れるだけのキスをくれた。
お題:忘れたくても忘れられない
「響くんただいま~」
いつもの癖で言ってしまう
もちろん返事は帰ってこない
あぁ、もう君はこの家にいないんだった
君が別れを告げてから約3ヶ月……
未だに忘れられない君の香り・話し方・口癖
忘れられるもんならとっくに忘れてるよ、
ばーか……
#忘れたくても忘れられない #3
連続殺人事件を解決した探偵の勇姿を
忘れたくても忘れられない
解決後、探偵が助手に見せた微笑みを
忘れたくないのに忘れてしまう
滝壺に落ちてしまった探偵のすべてを
助手は忘れたいと思った
忘れたくても忘れられない#6
ある日、今日は星降りの夜
君の笑顔輝いてる
星の見える美しい空
今日はなぜか浴衣の君いつしか言っていた「いつか浴衣で星を見よう」ってね
あれから何年経ったのだろう
あの時の僕はいつも楽しくて浮かれていた
流れ星も流れるふたりの世界
ある日、今日は星降らぬ夜
いつだってそうだった
夏になれば無意識に空を見上げる星のない空
あの時の記憶忘れたくても忘れられないよ
あの時の君はいつも笑顔で僕も自然と笑顔になって
あの時の僕たちはいつも楽しくて
でもさ、ほら今の僕を見てよ流れ星なんて捕まえられない
流れ星は流れない独りの世界
あの時の僕たちはもう何処にもいないの
僕があの頃好きだったあの子は?ねぇ教えてよ
流れ星は?浴衣の君は?あの頃の星空
全て虚像の世界 僕の記憶は全て夢の中
それは忘れたくても忘れらない光景だった。
家中に響いた両親の悲鳴で目が覚めた。まだ五歳だった私はなにも考えず、両親の部屋へ向かっていた。走り回る音や、物が落ちる音などが響いていたのに、突然音が止んだ。両親の部屋のドアをノックしても反応はない。恐る恐る開けてみると、部屋中に血が飛び散っていて、両親は床に倒れていた。父が母を庇うようにして死んでいた。
そして、窓際にはレインコートを着た高校生ぐらいの男の人が今にも飛び降りようと構えていた。
「なんだよ、終わったと思ったのに。てか、ガキがいるなら先に言えよな」
直感で自分も両親みたいに殺されるのだと思った。だが、彼は「まぁいいや」とだけ言って出て行った。
そこからどうなったのかはあまり覚えていない。気づけば、あの顔を忘れらないまま、あの時の男と同じくらいの年齢になっていた。
そして、高校の帰り道。二十代半ばぐらいの男に声をかけられた。俺を覚えているか、と。当然、記憶になく否定すると彼は笑った。
「じゃあ、これでも見れば思い出すか?」
そう言って取り出したのは、亡き両親の死体の写真だった。暗いせいもあり、鮮明には映っていないが、それでもあの時の光景だとわかる。激昂してその首を捕えようとしたが、すぐさまかわされて後ろから締め上げるように両腕を掴まれた。
「なにがしたいの! 今度は私を殺しにでも来たわけ!?」
「そうじゃねぇよ。お前を誘いに来たんだ」
そう言って、私の腕を離すと今度は耳元に近づいてきた。
「俺を殺してくれよ」
状況が理解できないまま黙る。
「俺の代わりになる人材を探しているんだ。お前は俺に恨みがある。俺が特訓してやるから、強くなって俺を殺してくれよ」
この日から私は殺し屋として生まれ変わった。
『忘れたくても忘れられない』と思っていてほしい、と思っていてほしい。
今日という日は、いかがお過ごしでしょうか?私は今、授業中にもかかわらず、
『忘れたくても忘れられない』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⤴︎︎︎書いている途中で、間違って投稿してしまいました。なのに、8個ほどハートがつきました。
そのおかげでハートが100達成しました!ありがとうございます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
間違って投稿することも、神様が仕組んだ事なのかもしれません。これもまた、縁と言うのでしょうか。この出来事も、忘れたくても忘れられないものになりそうです。
この投稿は未完のままにしておきます。未完の姿が完成形、なんだかかっこいいでしょう?
五感の中で、最も強く記憶に残るものは『臭覚』です。
そう誰かが言っていた。
私はそれを信じて疑わない。
思わず口から溢れた「好き」に、目を丸くして、それから困ったように笑っていた。
ふんわり香る甘くて爽やかな香り。私の初恋。
【忘れたくても忘れられない】
忘れたくても忘れられないこびりついた記憶。
きっとそれは君を傷つけてしまった後悔。
嗚呼どうか神よ、私に罰を。
まさか人生で九死に一生を得る体験をするなんて思いもしなかった。海水を含みずっしりと重くなった服を引きずりながら身を起こすと、今しがた自分をコンクリートの上に載せてくれた「主」と向き合った。
「あの、ありがとうございます」
『……』
「今度から気をつけます。お礼とか、今何も持ってないんですけど必要なら」
『忘れろ』
でかい。こわい。そして響く声もひくい。如何とも言い難い「主」は簡単に忘れろなどと言うがこんな強烈なインパクト、忘れられるはずがない。
『難しいなら記憶を消すこともできる』
考えてることが筒抜けになっているかのように返事が来る。礼として命を要求されないだけマシかもしれないが、正直未知の生物に脳をいじくり回される方が怖い。
「忘れたくても忘れられないです。でも、忘れたいとも思わないです」
怖くて忘れられないのは本音だ。しかし、息を諦めて沈んでいく体を押し上げてくれた恩を忘れたくないとも思った。小銭すら入ってない上着のポケットを握りしめ目がどこにあるか分からない顔を真っ直ぐに見つめる。つるんとした表面に小さな細波が広がったのは、何の感情だろうか。
今思えばあれは隕石だとか落雷だとかの類で、人の尺度で測ってはいけない存在だったのだ。
記憶というものは儚くまた薄情なもので、過ぎ去った過去も苦い思い出も、かつて友人と呼んでいたものの顔すらも今では薄れてしまっている。
放っておけばそうやって勝手に消えていくというのに、どうして僕は
今日には春雨の中にいるみたいに掠れてしまった輪郭をなぞって、わざわざ明瞭に直そうとしているのだろう。
【忘れたくても忘れられない】
【忘れたくても忘れられない】
忘れたい記憶ほど忘れられない
そんな経験は無いだろうか
それはもう二度とその失敗を繰り返さないようにするためだって聞いたことがある
だからそんなに思い出して悲しんでまた思い出さないように心の奥底にしまい込むなんて事する必要はないよ
それは君を強くするものだから
ほら過去が無ければ未来はないって言うでしょ
その失敗の積み重ねで今の君がいるんだから
だから・・・
だからそんなに悲しまないで
君は僕が眠る石の前で泣いていた
忘れたくても忘れられない
私が忘れたくても忘れられないことは 子どもや犬に
酷いことをしたことです。
忘れたくても忘れられない
辛かったこと、苦しかったこと、もう皆は忘れてしまっているか、気にさえしていないこと。私だけが忘れたくても忘れられない。
傷が治っても傷跡は消えないように。
文章を書くようになった時、思い出したくない出来事の一つ一つが、書く文章に影響していることに気がついた。あんな出来事でも無駄ではないのかもしれないとその時初めて思った。
書くことで傷は書くための材料に変換される。思い出すとあの頃がリアルに甦り、余計に苦しくなるのに、書くのをあきらめたくないのはなぜだろう。書けば癒やされるというのは本当なんだろうか? まだ実感はない。
それでも生きづらいと思ったことや、身が縮むような恥ずかしさ、悲しかった子供の頃の仲間外れも、あの頃の私が踏ん張ってくれたから今があるのだ。忘れなくていいのかもしれない。生きてて良かった。今の私は素直にそう思えている。
#60
『忘れたくても忘れられない』
脳のメカニズム的には、思い出さなければ忘れるらしいので、「忘れたい」と意識すればするほど思い出してしまい、記憶に定着されてしまいます。
過ぎたことにこだわらず、未来に役立てたら良いように思います。
また、嫌なことを忘れるために飲むやけ酒は、決して嫌なことを忘れさせてはくれないのだそうです。寧ろ、お酒を飲むたびに思い出すのだとか。やけ酒は周りも楽しめないので、良いことが何もありません。どうせ飲むなら楽しいお酒がオススメ。
わたしの忘れたくても忘れられない記憶は、幼い頃に見ていた怖い夢です。毎晩毎晩、死体の夢を見ていました。
これが普通ではないことを知ったのは成人してからです。
今は、夢をやり直せたり出来るので、怖い夢は見なくなりました。
たまに、ひたすら漢字が並んでいる夢とか、変な夢は見ます。ずらりと並んだ漢字を読んで、何かを閃いて「わかった!!」って叫びながら起きるけど、何がわかったのか、サッパリわからないとか(笑)夢って不思議ですね。
ちなみに夢のやり直しや、夢の中で夢である自覚があることを「明晰夢」と、言うらしいです。
忘れたくても忘れられない
私はもうすぐ還暦になるが、小学生低学年の時、授業中にお漏らしをしてしまった事が、どうしても忘れたくても忘れられない思い出だ。それで、誰かに虐められたとか馬鹿にされた等、全く無かったが、何故かその事を思い出すと、恥ずかしくなり、今でも後悔してしまう。なんであの時、勇気を出して先生にトイレに行きたいと言えなかったのか、せめて隣の友達に言っていたら何とかなったのではないかと、今でも真剣に考える。
ふとその事を思い出すと、大きな溜息が出る。頭を抱えたくなり、抱き枕にギュッと顔を埋める。
タイムマシンがあったらあの頃に帰って
「先生!トイレに行ってもいいですか!?」
と、手を挙げて訴えたい。
そしたら人生が変わっていたかも?
いや?決して悪い人生ではないけれど、何かが変わるような気がする。
皆んなそんな些細な、忘れたくても忘れられない思い出ってあるのでしょうか?
ないだろうなー、、、?
知らない女性の名を
私宛のメールに紛れ込ませてしまった
貴方の過ち
言い間違えだったのか
うまく言葉が発せられなかったのか
切ない吐息と共に
二文字目からは別の名をこぼした
貴方の過ち
どうか
私の名は
他の人の前には現れないよう 願う
全て台無しにしてしまってごめんなさい。
色々やってくれてたのにすみません。