『微熱』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
微熱
無理をすれば出来るけど
その反動が怖い
今日は休んどこ
今はただ、この温もりを感じていたい。
それすらも許されないと言うのなら、僕は
どうやってこの感情に名前をつければいいのだろう。
「36.8℃」
心が下降気味な時は微熱になる、
仕事に行きたくない朝だった。
微熱を理由に休みたい要因は幾つもあった。
グラスに3つ、大きめの氷を入れて、強炭酸水を飲む。
そして、
ズル休みを人生に引っ張り込んだ。
なんとなく、先程までのモヤモヤがすっきりしてくる。
部屋の空気を入れ替えて、
微熱の私を脱する。
微熱。最近寒いし風邪ひかないように気を付けないとな。
それで今日はジャンプの発売日。今週のジャンプは満足度高かった。
呪術、鵺と読んで三つ目に読んだのがままゆうだったけど今週はままゆうが一番面白かった。こういうのが見たかったんだよっていうのを素直に見せてくれた。
今ジャンプで一番好きだわままゆう。話に関しては微妙なとこは否めんがキャラの良さに関してはトップクラスだ。なんとか続いて欲しい。
今週のままゆうがよすぎて最初に語ってしまったが最初に読んだのは呪術。先週も面白かったけど今週も面白かった。コントの理解度が高い。
でも最後の高羽の格好とかがちょっとよくわかんなかった。そしてけんじゃくをあっさり処理。いいキャラだったけど退場か。呪術も終わりが近いんだな。
次に読んだのが鵺。新隊員は義妹。義妹って中々見ない設定な気がする。キャラデザいい感じだし闇がありそうで掘り下げが楽しみ。
キルアオ、カグラバチもいい感じだった。後は新連載も悪くなかった。
教科書通りの新連載って感じの一話。ただ題材にあまり興味持てないんだよな。一応見るけどって枠になりそう。
ジャンプの感想はこの辺でこれからの小説についてちょっと書いてみるか。
色々と書いてみて実感したのは自分の実力不足だ。展開が思い付かないし語彙力も足りない。
今のままじゃ書きたいものが書けない。頭の中にあるものをうまく取り出せない。
だからしばらく修行しようと思う。辞書を読んだり流行りの小説を読んだり。それと小説の書き方とか調べて短編小説を書いたりだな。
自分の思うがままに書けばいい。そう思って書いてたけど結局行き詰まった。実力や知識の不足を補うためにやはり努力は避けられないらしい。
なので書きたいものを書くために努力しようと思う。頑張ろう。
絡まる視線からじわじわと伝わる温度
その奥に燻る微熱が身体を支配していくような感覚
靄のかかったような頭の中、貴方だけが、貴方の触れる温度だけが鮮明に感じられた
『微熱』
#微熱
まだ万全とはいかないけれど、ようやく高熱が下がった。微熱といったところか。
人を好きになることを「熱を上げる」とはよく言ったものだ。確かに熱に浮かされたように相手のことしか見えなくなるし、自分の裁量で熱を冷ますことが難しい。
タカシの好きな歌に「一目惚れはしない方なのに、あれはしちゃうよな」って歌詞があったけれど、一目惚れなんて落ちようと思って落ちるものではない。
それを痛感したのが1年前の今日。
付き合って1年目の記念日に、私は熱が冷めている。
嫌いになったわけじゃない。あの頃の、身の焦がれるほどの熱い性欲を伴った愛情が、今は微熱程度なのだ。
好きになりかけの頃、無自覚に、でも、なんとなく意識している時も、微熱っぽく感じることがある。
急に高熱が出た私は冷めるのも早かった。
告白して、付き合って、3ヶ月もしないうちに「あれ?」ってなって。
そこからずっと惰性みたいな微熱が続いている。
いわゆる倦怠期とやらが長丁場になって、これがいつものになった。
「付き合って1年かぁ。長かったような短かったような。今までありがとう。これからもよろしくな」
記念日ディナーのテーブルの向こうでタカシがワインを掲げながら微笑んだ。
私は小さく笑みながら、「こちらこそ」と言った。
「なんか、俺さ、ユリと一緒にいると心も体もふわふわ暖かくて幸せなんだ」
「え、なにそれ」
「なんだ、笑うなよ。1人のときはずっと永久凍土に閉じ込められてたみたいだったけど、ユリといろんな所へ遊びに行ったり、美味しいものを食べたり、気づいたらポカポカしている感じでさ」
タカシの嬉しそうな顔を見て衝撃を受けた。
私が微熱と感じていた煩わしさをタカシは幸せと感じていたなんて。
「最近はいつもの店、いつもの場所が増えて、それも嬉しいんだ。ユリといつもの所って約束できるの、なんかすごいなって」
私が感じる倦怠期のだるさも目新しさのないデートも、そんなふうに思っているだなんて。
「ん?どうした?俺、変なこと言っちゃったかな」
「ううん。違うの」
反省した。そうか、そういう見方もあったか、って。
「そうだね。タカシが幸せに思っててくれて嬉しいよ」
熱は冷めていない。私はタカシが幸せだと、こんなにも嬉しいのだから。
「これからもよろしくお願いします」
改まった顔で、タカシが深々と頭を下げた。
人生は長いし、付き合いは始まったばかりだし。
微熱のだるさも心地よさに変えて。
この人と歩んでいくことになりそうだと感じた、1年目の記念日だった。
2023.11.27 猫田こぎん
お題「微熱」
タイトル「生まれた日」
雨采 ミツジ
R5/2023/11/27
お前のような何でも叶う者に、恵まれた者に、そんなこと言われても不快なだけだ!
八つ当たりだった。
後から知った。
彼女は、親を知らない。
母は産まれた直後、本当にすぐに死別し、父は、彼女の存在を知りながらも、血も繋がらない別の子供を優先して世界を旅した挙句に死んだという。
彼女は静かに話した。
悲しくはないのです。
母は確かに私を愛してくれたことを知っています。
ずっと前から何度も名を呼んで、最期に抱きしめてくれたことを知っています。
父は己の正義を貫いて、彼を守り導きました。
誇らしく思います。
叶わぬ願いなど、誰にでも、いくらでもあります。
ただ、それでも、ただ1度でも、それが最後でもよかったのです。
母がくれた名を呼んでほしかった。
抱きしめてほしかった。
ただの、わがままです。
何もできなかった。言えなかった。
あの日微かに感じた熱は、今日も僕を焦がしている。
熱を感じる。そんなわけがない。
「どうした? 顔赤くないか?」
顔を覗き込んで訊いてくる。
そんなわけがない。熱はないし、顔も赤くない。
そう返そうとした瞬間、世界が回った。
「微熱だな」
医者の不養生とはこのこと。
町医者をやっている私が倒れてしまうなんて。しかも、よりにもよって気付けば腐れ縁になっている奴に助けてもらうなんて。
「そんなわけありません」
起き上がろうとするが、無理矢理布団に寝かされる。
「いいから寝てろ。普段は俺にいろいろ言うくせに、自分に対してはどうしてそう適当なんだ」
「医者ですから、いろいろ言いますよ」
「医者ならそれこそ寝て早く治せ」
そう言って、いつもと違った様子で優しく覗き込んでくるから、調子が狂う。
なんとも言えない、よくわからない複雑な気持ちになる。だからと言って、どう文句を言えばいいのかもわからず、私は布団を深く被った。
彼は安心したような表情を浮かべると、立ち上がった。
気付けば、私は手を伸ばし、彼の服の裾を掴んでいた。
驚いた顔をして彼が振り返る。私自身も驚いている。
「どうした? 何か食べ物でも持ってこようかと思ったんだが」
「それなら早く取ってきてください」
ぱっと裾から手を離す。
彼が笑った。
「食欲ありそうで良かった。すぐ戻ってくるから」
そう言って、頭をぽんぽんと撫でてくる。その手を払う。
「レディーの頭に気安く触らないでください」
「いつもの調子が戻ってきたようだな」
優しく笑うと今度こそ部屋を出て行った。
私はさっきよりも深く頭から布団を被った。
熱を感じる。そんなわけがない。
もし微熱だと言うなら、これ以上は上がらないようにしないと。
そんなことを考えながら、ふわふわとした感覚のまま眠りについた。
『微熱』
君といるとなんだか熱っぽい。
微熱なのかな
ほらまた顔赤くて心配されちゃった。
平気平気
そう言って大丈夫そうに見せてるけど
私の心拍数は上昇中
─────『微熱』
頬を擽り
心を揺さぶられ
身体が浮かれてゆく
―「微熱」―
誰かを好きになって
身体も心も ふわふわして
出ちゃうような 微熱なら良いのに。
私の微熱は
心の 危険信号で
赤が点ると、熱が出る。
休みなさい。止まりなさいと。
…それも、有難いのだけれど。
【お題:微熱】
旧世代のかなり古いパソコン
微熱で気怠いが暇なので起動
いろいろ開いてみると轟音が鳴る
画面に触れてみると僕より高熱
オーバーヒートな働きもの
慌てて君にも冷えピタ貼ろうと
思った僕は疲れ過ぎてる
ふとんの上で電源オフ
「37.0℃ね…どうしようかしら」
そう体温計を見て母は呟いた。
俺は、不満で口をとがらせた。
今日は単元テスト。何としても休みたいものだ。
もし俺が親なら真っ先に止めるものを、この母は逡巡している。微熱だろうが関係ない、母は俺の本心に気付いているはずだ。
「どうする?」母がこちらを見て苦笑いで言う。
私は食いつき気味に「休む。」と返した。
すると、「そう」と母は受け入れた。
普段なら行きなさーい、だのガミガミ言うのに、奇妙なものだ。
すると、母は額を俺の額に擦り付けてくる。
母の前髪が乱れた。
その時、普段冷え性の母の額が、いつもよりずっと、温かく感じた。
気のせいだろうか。
微熱
年中微熱傾向にある私は、たまに風邪を引いてもすぐには気づけない。
体調が慢性的に悪いので、悪化してからようやく事態を把握することになるので、初速が遅い。
体調が悪いのに「家事をして」「ストレッチをして」「勉強をして」「塗り絵をして」倒れる。
体調を管理してくれるものが切実にほしい。
頭の痛みや重みが首と背骨を引き連れて初夏の終わりへ向かう足
『微熱』
夫が浮気をした。私はずっと信じていたのに。愛していたのに。
だから、自分の正当な権利として旦那と相手の女性に相場の慰謝料を請求してあげた。
なのに二人は「気の迷いだ。」「コイツが誘った。」とお互いに罵りあいが始まった。
ああ、私の家庭はこんな僅かな熱しかない愛で壊されたのね。
〈微熱〉
仕事柄、出勤日は毎朝検温している。36.5℃ばっかりでつまらない。
─微熱─
朝起きると、なんとなく体が怠く感じた。
動くことは出来るが、万全という訳ではない。
使わない棚の上にあった救急箱。
そこから体温計を取り出す。
熱を計ってみると、37.2度と微熱だった。
今日は休日。何も予定は入っていない。
…休日くらい、ゆっくりしてもいっか。
私は布団に潜り、また眠ろうとした。
窓からさす太陽が、ほんのり暖かい。
近くにある大通りのいちょうが、
太陽に負けじと輝いているにも気がついた。
ほら、秋はすぐそこ。
ただの休日でも、秋は見つかる。
【微熱】
俺の横では腐れ縁と称すべき幼馴染が、妙にイライラとカップ麺の出来上がりを待っている。小さな『上手くいかない』が積み重なって不機嫌になっているのだろう。そこでどうして今日に限って上手くいかないのかに全く思考が及ばないあたりが、俺からしてみると相変わらず馬鹿なのだ。
「それ食ったら今日はもう寝ろよ」
「……何で」
ギロリと睨みつけられるが、コイツが俺を傷つけることはないと知っているので何も怖くはない。わざとらしく軽く肩をすくめてみせた。
「熱あるだろ。悪化させたくなきゃ大人しくしてろよ」
「え……?」
ぱちりと目を瞬かせたソイツは、不思議そうに首を捻る。そうしていると途端に印象が幼いものに変わるのだ。
「また気づいてなかったのかよ。いいかげん自分で自覚しろって」
言いながらソイツの額に手を当てた。この感じならまあ微熱だろう。無理せず寝ていればコイツなら明日には下がってるはずだ。医者に診せる必要はないなと判断した。
「……いつも気づいてくれて、ありがとう」
「はいはい、そりゃお前より俺のほうが、お前のことをちゃんと見てるからな」
まったく、いつまで経っても俺の幼馴染は手がかかる。それを面倒とも厄介とも全く感じていないのだから、俺も俺でたいがいだとは思うが。お湯を入れて3分経ったことを示すスマホのタイマー音がピロピロと、二人きりの室内に鳴り響いた。
疲れたな
どこにも行きたくない
ずっと寝てたい
そんなとき私はいつも微熱が出る
そんなとき私はいつも忙しい
そんなとき私はいつももうすぐ楽しみがやってくる
でも、忙しいけど責任がある
でも、楽しみまではあと少し
休むことなんて…
それって
あと少しってことだよね
あと少し頑張れば
責任は達成になる
楽しみはもっと大きな楽しみになる
微熱が出て
頑張って、すっきりしたら
熱が出て
少し休んでみて?
そうしたらまたもう一回
頑張れるかもね
そうしたら気分良く
楽しみが迎えられるよね