『微熱』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「微熱」
保育所から「迎えに来てください」と職場に連絡があると、なぜ嫌な思いをしながら退社しなければならないのか。
娘は小さい頃、よく熱を出した。うちは共働きなので、どちらかが迎えに行かなければならない。私の仕事を同僚がすることになるので、申し訳なさでいっぱいだ。上司にイヤミも言われる。「仕方ないことやけど、急に帰られても、困るんやけどな。まあええわ、早よ帰って。」
確かに微熱かもしれない。でもその為の有休ではないのか。その「急に」ってなんやねん。じゃなにか?2日後に娘が発熱しますと言って、前もって有休届を出せとでも?イヤミの代わりに「お大事に」と一言いうだけで、相手がどれほど救われた気持ちになるか、考えればすぐに分かりそうなものだが。
私は、家族の為に働いている。決して会社の為ではない。その大事な家族が熱を出した時に、有休を使って何が悪いと思うのだ。どうせ毎年十何日も消滅していくのに。本人の体調不良も子供の体調不良も、有休を使えばみんな一緒だ。その時は、お互いがフォローし合えばいいではないか。みんなでフォローしあえる体制を、作ればいいではないか。
お迎えもそうだが、子供が、夜中まで騒ぎまくって、なかなか寝なかった翌日に発熱なんて、珍しくもなんともない。でもそんな朝に、「休みます」の連絡を入れる気まずさと言ったら!なんでこんなにも嫌な思いをして、有休を取らねばならないんだ?なんでだ?
あなたの会社が、そんな会社ではないことを、切に願う。
うちの会社も、働き方改革という名の残業規制ばかりではなく、上司の意識改革もやってほしいものだ。
ぼーっとする、気がする
なんとなくだけど
でもこの感じがなんだか好きなんだ
ゆるーく、ゆらゆらする感じ
何かわかりそうでわからない、この感じ
――よし、今だっ
「あ。」
駅の近くにある本屋。
本棚にある1冊の小説を取ろうとして、
手と手がぶつかりそうになった。
「ああ、すいません。どうぞ。……ってなんだ中野かよ」
「小林じゃん。
なんだってなによー、もしかして、美少女と同じ本を取るなんて想像した?スマートにどうぞなんて言っちゃって!」
なんて、茶化したけど、
同じ本を取るというシチュエーションってもしかして意識させられる?
とか考えていた私が言えることではない。
だってまさか、休日に会えるなんて思わなかったから。
チャンスかなって思ったんだよね。
「そういうわけじゃねぇし。私服だから中野って分からなかったわ」
私服でも、私は小林ってすぐ分かったのにな。
意識はされてない……か。
少し悲しくなったけど、すぐにニヤニヤした顔を作る。
手を伸ばしたのがわざとだって分かられたら恥ずかしいから。
「強がっちゃってー。美少女なら良かったね?」
「ちがうっての。ほら、これ読むんだろ?」
本棚から取って、手渡してくれた。
私の好きな作者の本だ。
「小林もこの作者好きなの?」
「ん。まぁな。確か中野、前好きだって言ってたよな」
覚えてたんだ。なんだか思いがけない共通点だ。嬉しくなる。
「この作者いいよな。他にも中野のおすすめの本とか今度教えてよ。知りたいから」
え?知りたいから?なんで?って戸惑ってしまった。
私のこと知りたいとか?なんてありもしない妄想までしてしまう始末。
「この本の感想も教えて。じゃあまた学校でな」
と言って去りそうになる小林に、慌てて私も言う。
「小林の好きな本も今度教えて!……知りたいから!」
はははっと笑う小林は、少し照れくさそうな表情をしているように見えた。
気のせいかな。気のせいだよね。
きっと私とは違う、と思っても、期待してしまう。
顔が熱い。きっと私の顔は今赤くなっているだろう。
「はいよ。じゃあまた話そうな」
帰っていく小林の後ろ姿を見る。
まだ熱は引かない。
――恋する乙女ってね、ちょっとした一言で舞い上がっちゃうんだよ。罪なヤツめ。私とは意味がきっと違うってわかってるけど!けど!
などと心の中で呟く。
まるで微熱を帯びたようだ。
フワフワした心は、今日はいつになったら落ち着くかな。
君も私のこと好きならいいのに。なんてね。
微熱
私の体温は、「微熱」だ。熱いわけじゃない、私の体温は、いつも「微熱」だ。
先生、そう出そうとした声を呑み込んだ。
先生がほかの女の先生と話をしていたから、ただの仕事の会話わかってるのになぜか2人が話してるところを見ると逃げだしたくなる。
私は、いつもは先生と話して帰るところを今日のところはまっすぐ家に帰ることにした。
家にいるのは嫌いだった。考えたくないことを考えて頭から離れなくなるから。でも、あの二人が話してるのを見るのはすごい辛かった。
去年までは、こんなことなかくて毎日幸せだったのに。どうして……。
次の日、私は最悪な気持ちのまま目が覚めた。
テレビのニュースでは高校教師が女子生徒と恋仲になって捕まったという内容が流れていた。
最近こういうのばっか。なにがだめなの?
どうして好きになったらいけないの?
だって、悩みとかを親身になって聞いてくれてあんなに優しく微笑みをかけてくれる人みんな好きになるでしょ?それがただ先生だってだけ、高校生の恋と立場が違うだけ、大人だと仕事が違うだけなのに。
どうしてこうもニュースになって責め立てられなきゃいけないの?
好きって気持ちに嘘なんかあるはずないのに。
学校につくと、先生が廊下を歩いていた。
隣にはあの女がいる。それでも、私は逃げ出さずにおはようございますと声をかけた。
逃げてばっかじゃダメだと思ったから。
「おはよう」とあの女が
「いつも早いなっ!偉いぞ!」先生に褒められて私は笑顔でそうでしょ!と答えた。
すきだよ。せんせい。
1、2限目が終わり3限目はあの女の音楽の授業だけど
先生に褒められたから気分が良かった。
音楽室につくとまだ誰もいなかった。
早く来すぎたかな?私は自分の席に腰を下ろすとさっきの先生の会話を思い出していた。
周りからどう思われてもいいすき、先生そう伝えたい。
「あら、藤本さん早いのね。」後ろから当然名前を呼ばれてびっくりした。声をかけてきたのはあの女だった。
あの女は私の席の前にすわった。
「幸せそうな顔してたけど、好きな人でも考えてたの?笑」
あの女がからかうように私に言ってきた。
「そんなんじゃありません」
私ははっきりとそう答えた。
「え〜、嘘だぁ。あれは恋してる女の子の目だったよ?」「同じクラス?笑」
きもい。なんで話しかけてくんだよ。
私はイラついた。
「違います。」私は否定した。
「そうだよねぇ、だって藤本さんは中山先生が好きだもんねぇ」あの女が気持ち悪いほど綺麗な笑顔で言ってきた。
私はびっくりしてえっと不抜けた声を出した。
なんで知ってんの。
「ち、違いますよ」と慌てて否定する。
でも、あの女は私が中山先生が好きなことを分かりきっているとでも言うような顔をしていた。
「かわいい。」そう言った時人が入っていて、話は終わった。
私は、驚きとイライラで授業は全く聞いていなかった。
なに?なんなの?なにあの余裕そうな顔。
ムカつく。大人にはなんでもお見通しとでも言いたそうな顔。ほんとに腹が立つ。
授業の終わりのチャイムがなると同時に私は音楽室をとび出した。あの女の顔を見たくなかったから。
その後の授業も、全然頭に入らなくて上の空だった。
帰り際に先生と会って話したけど上手く話せなかった。あの女にバレたなら先生にもバレてるんじゃないかって怖くなった。
家に帰って、私は自分の部屋にはいってすぐクッションを投げ飛ばした。
「あの女、まじでふざけんな!」
「ちょっと、私より早く生まれて立場が有利だからって!」
ん?有利?私は自分で言った言葉に違和感を覚えた。
有利ってなんだ?あの女の何が私より有利なんだ?
あ、そっか。本当はもう気づいてたんだ。
気づいてて気づかないふりしてたんだ。
私は目から涙がこぼれた。
知ってた。知ってたよ。先生。
あなたがあの女に向ける少し熱い、微熱のような目。
そして、あの女がその先生の思いに気づいてる
嫌な女の目。私の少しだるい微熱のような痛みも。
全部、全部知ってたんだ。
でも、だからってどうすんの。どうすればいいの。
こんなのどうしたって意味ないじゃん。
受け入れてもらえるわけない。私の好きなんか。
どうしろっての。このきもち。
私は一晩中泣いた。そして一晩中考えた。
この気持ちの行き先を。
次の日、授業が終わると私はまっすぐ先生がいつもいる職員室に向かった。
また、あの女と話していたけど私は無視して先生に声をかけた。
「せんせい、話があるんですけどいいですか?」
「え?今?」先生は都合が悪そうだったけど、私のまっすぐな目を見て「わかったよ」と言った。
生徒の話はいつもしっかり聞いてくれるんだよね。
そういう所好きだよ。
先生は、なにか相談事だと思ったのか相談室に連れてこられた。そりゃそうか。告白だなんて思わないよね。
「で、話ってのはなんだ?」いつもは笑顔なのに今は真剣な顔をしてる。
私は勇気を振り絞って言った。
「好きです。せんせい。」
先生は驚いて小さくえっと声を漏らした。
沈黙が流れた。冷静になったのか、それとも何か言わなきゃと思ったのか先生は口を開いた。
「ほんとか?」先生は戸惑ったような顔をしていた。
「ほんとです」私はまっすぐに先生をみつめた。
「そうか、でもごめん生徒とは付き合えない。」
私のおもった通りの答えが返ってきた。
まあ、そうなるよね。
「ごめんな。」先生が振られたわけじゃないのに泣きながらそういった。
私の変わりに泣いてくれてるんだよね。
先生の前じゃ泣けないの知ってるから。
でも、今はその優しさダメだよ。
そういう優しいところが好きなんだもん。
人のためにこんな風に泣いてくれる人素敵な人。
私は先生以外知らない。
昇降口まで先生がおくってくれたけど、その間ずっと泣いていた。
でも最後に
「俺を好きになってくれてありがとな」って笑顔を向けてくれた。
「こんな可愛い子振るなんてもったいないですよ」
と私も笑顔を返した。
家について、私はすぐに部屋に駆け込んだ。
今まで我慢できてたのが不思議なほど涙が溢れ出てきた。
最後の最後まで優しいなんてずるい。
忘れられないよ。
ずっとずっと泣き続けた。
明日なんて来なくていいとどんなに強く思っても明日はやってくる。
高校卒業した後、友達に先生とあの女が結婚したときいて私はそうだろうなと思った。
前みたいに泣きじゃくったりはしないけど今でも私はあの女のことは大嫌いだし、先生のこともずっと好きだよ。
🕊 𝕖𝕟𝕕 𓂃 𓈒𓏸 💗
#微熱
貴方に見つめられて私の体温は上がり熱を帯びる……………と言いたいところやけど…
微熱って苦しいんよね。
熱が上がるって苦しいんよね(笑)
朝起きると少しだるいカラダ。
休みたいと思いつつも
いつも通りの日常が始まる。
重いカラダを持ち上げて支度を済ます。
学校について靴を履きかえようとした時。
隣から聞こえた声。
「おはよう」
彼のその一言で
私の体温は急上昇。
この火照ったカラダは熱のせい?
それとも……。
『微熱』
【3.微熱】
小学校に行く前
いつも通り
体温計で熱をはかる。
あれ?
"37.2℃"
熱だ!! 熱出た!
微熱?? でも熱だよね!
おかーーさーーーん!!
熱出たから今日休むーーー!!
よし!
それじゃぁ...
(ベッドに向かった)
ゲームでもしよっかな♪
君と話せない時は平熱なのに君と話せなくなるとどうしても微熱気味になる…恋の温度は君次第です…これ以上高熱にさせないでください…
#微熱
☆微熱☆
我が家の愛犬めいちゃんは、猫が大好きです。
随分前に、じぃじの家で飼っていた猫が、赤ちゃんを産みました。
母猫は、少し育児に疲れた時期があり、じぃじの家に遊びに行きめいちゃんが、子猫たちを可愛がり面倒をみていた時期がありました。
子猫たちが可愛いくてたまらないみたいで、めいはかなり舐めて子猫達をびちょびちょにします。
それはそれは、舐めてない所がないぐらい、丁寧に舐めます。
そんなある日、子猫が風邪をひきました。
猫の風邪は、犬にはうつらないと聞いていたので、めいちゃんと一緒にその日もじぃじの家に遊びにいきました。
母猫はめいちゃんが来ると、息抜きをしに子猫達から離れます。
その日もめいちゃんは、一生懸命子猫達の身体を舐めて綺麗にしてあげていました。
その次の日ぐらいから徐々にめいちゃんは、元気がなくなり…
おなかも緩くなってしまって…
キツそうだったので、病院にいくと…
めいちゃんは、熱がありました。
病院の先生に猫かぜの子猫達の面倒を見ていたことを伝えると、猫の風邪はやはり犬にはうつらないみたいですが、何らかの菌をもらったのかもしれないとの事でした。
幸いめいちゃんは、一週間程度で回復。
子猫達も元気いっぱいにそだって今は、三才になりました。
そのうちの一匹を、私の母がもらい、今現在生活を共にしています。
そう言えば、以前母は、予防接種やノミダニの駆除薬を一切しないで困っていると書きましたが、母に猫白血病や猫エイズ、それから、ノミダニの駆除の話を真剣にしました。
それからしばらくして…
先日、母から病院に猫を連れていき、検査したいと言われました。
母、進歩しました。
結果は、二匹とも陰性でこれからは、もう外に出さないと言っています。
毎月ノミダニの駆除もしてくれるそうで、良かったっとほっとしています。
#微熱
【ズル休み】
ある日の夜。理由はないが、どうしても明日学校を休みたかった。
ズル休みと言うやつだ。
その日は夜更かししていて休む理由を考えていた。
俺は、明日休むためにアイスを3個食べたり、寝る時にお腹を出して、何も掛けずに寝た。
翌朝、熱を測ってみる。
36.5… 平熱…
作戦は失敗に終わった。
俺は仕方なく、学校に向かった。
1時間目が終わる頃、頭が痛くなった。
先生に報告し、保健室に行って熱を測る。
どうせ微熱だろ。と思っていたら…
40.1… 微熱どころじゃない…
保健の先生も驚いていた。
そりゃ驚く。俺自身も驚いているのだ。
昨日、アイスを3個食べて、お腹を出して寝たことを保健の先生に伝えたら怒られた。
当然だ、怒られないわけがない。
俺は早退した。
母さんが迎えに来てくれた。
家に帰る途中の車の中、当然母さんにも怒られた。
微熱
少し体がおもたい
熱っぽさを感じる
体温計で測ってみれば微熱があった
したいことがあってもする気がでない
少しは人に頼ることも大切
「ねえ、私の大切なものになってよ」
そう言って僕の顔を覗き込む。
怖いくらい整った顔の彼女の表情から気持ちを読み取る事ができない。
大きく茶色がかった瞳に吸い込まれていく。
彼女が白く細長い手を僕の首元へ伸ばす。
僕は時が止まったように動けない。
彼女の指先が僕の喉に触れる。
「時間です」
そう言って入ってきた女性は、一直線に彼女の腕を掴み部屋から連れ出す。
彼女の顔は僕の方を向いたまま、表情は変わらない。
扉が閉まる瞬間、彼女は微笑を浮かべていた。
バタンと扉の閉じる音をきっかけに体の緊張がとれる。
わずかに触れた彼女の指先は冷たかった。
なのに触れられた部分から熱が広がる。
僕も部屋をあとにする。
この熱はきっと風邪の前兆だろう。そうでなくてはいけない。
彼女は…
心臓が締めつけられるようだ。
『微熱』
37.5℃。平熱が低い自分にとってはそれだけでも大きなダメージだ。
視界がくらくら揺れて気持ち悪い。喉が渇いて仕方ない。何か飲まなくてはと思い枕元にあったペットボトルを手に取るが、やけに軽い。…空っぽだ。
溜息を吐く気力もない。最早なんの役にも立たないそれを雑に放り投げる。カラカラと床を転がる音がして、止まった。また部屋に静寂が訪れる。
学校を休んで一番大変なのは遅れた分を取り返す事だ。
ノートは、田中に見せてもらって。でも田中は最近教科書借りたばっかだしな。由香に見せてもらおうかな、あの子ノートの取り方綺麗だし。
…あの人、心配してくれるかな。
会いたいと思った。この心細さを埋めて欲しい。知って欲しい。知った上で、受け入れて欲しい。
そんな思い伝える勇気もないくせになぁ。
#微熱
微熱
微熱はあかんで。コロナ陽性かも
のどもおかしいようなら、やばいかも。
【微熱】
37℃。
平均36℃なら、多分この温度。
ふんわりして、ぼーっとして、ぼあっとなって。
動けるけど、いつもより動けない。
休みたい、休まなくてもなんとかなる熱。
学生時代、惜しいなーってよくなった。
これじゃ、休めないんだもんね。
ちょっと暑くなってでも暑すぎない。
ほんと微妙だな。
《微熱》
君が熱くなってた
久しぶりにみた君の男になった顔
この顔が大好きなの
私以外にもそんな顔してるのかな
でも君のことをそんな顔にできるのは
私しかいないはずだから
私の顔が熱くなった
君からDMがきた
「今日もう予定入れちゃった?」
入れてたけどドタキャンしちゃったよ
君に会う方が優先だからね
4時間くらいかな
君と居れて幸せでした
微熱程度で解熱剤飲む人になっちゃいけないよ
熱が出るのは本来気持ちいいもの
熱が出たら眠りなさい
起きたときあなたは生まれ変わってるから
微熱
|田中晴海(たなかはるみ)くんとは家がお向かい同士の幼なじみだった。
「ねぇ、僕達付き合わない!?」
中学一年生の頃、突然晴海くんから告白された私は、ひとつ返事で彼と付き合うことに。
ところが晴海くんとは一年の夏休み前に小さな事で喧嘩したっきり··········。
仲直りする間もなく、夏休みに突入すると急なお父さんの転勤が決まり引っ越してしまったので、それっきり会うことも無く··········自然消滅という形で今に至る。
ところが高校の入学式で晴海くんと再開することに。
クラスも一緒になった私は、晴海くんの元へ行き挨拶をした。
「こんにちは、久しぶりだね晴海くん、私は幼なじみの|野口由奈《のぐちゆな》覚えてる?」
ところが、自分の名前を名乗った後、急に目の前がふらふらになり··········気が付けば私は保健室のベッドにいる。
(あれ? あれれ、私、ど、どうしちゃったの?)
周りを見渡すと、ベッドの直ぐ横に置いてある椅子に腰掛け、私のベッドの隅で交差した腕に顔をうつ伏せにして寝ている晴海くんの姿が目に入った。
(もしかして晴海くんが連れてきてくれたのかな?)
そう思って晴海くんの頭を撫でてると、ふぁーっと欠伸をしながら晴海くんが目を覚ました。
「あ、えっと、その由奈久しぶりだね。 ってか、いきなり倒れるんだもんびっくりしたんだからな、微熱程度だったから良かったけど、もしかして、未だ怒ってる?」
「べ、別にもう何とも思ってないけど··········」
「ところで、熱下がったのか!?」
そう言いながらおでことおでこをくっつけてきた。
いきなり過ぎて心臓がドキドキして心拍があがった私は、身体中が火照り出す。
「おっと、未だ熱っぽいじゃん!!」
寝とかないと駄目だぞって布団を掛けられる私。
晴海くんは喧嘩する前の、付き合っていた頃のように優しかった。
「先生呼んでくるからな!」
「だ、大丈夫だよ··········これは違うの、もう熱下がってるから、えへへ!!」
そう言ったけど、晴海くんは行ってしまった。
それから暫くして保健の先生が来てくれて体温を測ると正常に戻っている。
「良かった!!」
晴海くんはそう言った。
その後、先生が職員室に戻り、私達も家に帰ることになった。
ところが、二人きりになったせいでまたドキドキが増して心拍が上がった私は、身体中が火照りだし··········。
「ん!? また顔が火照ってきてるぞ!!」
そう言うと、またおでこ同士をくっつけて確認された。
「まぁ大丈夫かな、でも心配だから家まで送るよ」
その道のり、晴海くんは中学の時喧嘩の原因ともなった、私の鞄に付いていたお気に入りのうさぎのキーホルダーを自分のバックから取り出すと、私の手の平にポンと··········。
「ごめん、黙って盗んだりして··········」
「いいって、もう気にしていないから」
「ううん、由奈が良くても僕はずっと由奈のこと気にしてたよ、盗んだのは引っ越しするのが分かって、由奈と離れるのが寂しかったからなんだ!! あの、また僕と付き合ってくれますか?」
再会してからすぐの告白··········二度目は無いと思っていたのに··········嬉しかった。
「はい、喜んで!!」
そう答える私は、またドキドキが増して··········。
「あ、あれれ、由奈の熱上がってるのかな··········」
あわあわしながら、晴海くんが心配してくれている。
(えへへ、さっきから私の身体が火照ってるのは微熱じゃ無いよ)
「晴海くん心配してくれてありがとう」
「家帰ったら早く寝ろよな」
「うん!」
微熱
私は弱っているとき微熱があると言う。
優しくされたいから。
心配されたいから。
でも今ではコロナが絡んでるんじゃないか?
と思われる。
困ったもんだ。