『待ってて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題:待ってて
隙間から覗き込む太陽の光で目が覚めた。
……やっぱりまだ見慣れない天井だ。
昨日彼女と喧嘩した。
そのせいかここで目を覚ますのも昔のことのように感じる。
まだ1日しか経ってないのに。
着替えてからリビングにいくと、すでに彼女がいた。
「昨日はごめん。」
「その話、昨日散々したでしょ?
こちらこそごめんね。」
彼女はよっと言いながら立ち上がる。
「これからきっとまた衝突することもあるよ。
その度にぶつけ合っていこ。」
薄いカーテンから差し込む灯りが彼女を包む。
暖かな笑顔だった。
そうだ。
お互いの価値観が合わないこともある。
でも言わなきゃわからないんだ。
ぶつかることが怖くても、辛くても。
ちょっとずつ知って、受け止めていきたい。
「待ってて、コーヒー。いれてくるから。」
彼女はキッチンへ向かう。
その背中を見て思った。
こんな日々が続いてくれればいいな、と。
関連:Kiss
☆待ってて☆
あかつきの空に
薄い青の月が残る
あの日と同じ。
ここで待ってて…
あなたはそっと言った
あれからたくさんの時が流れた。
青の月を見ると
懐かしいあなたの言葉を思いだす。
待ってて
小さい頃
必ず迎えに行くから
待ってて と
君に伝えてから
随分と年月が経った
君は待ってて
くれてるだろうか
僕を忘れてないだろうか
色々な気持ちが
頭をよぎる
だんだんと
進む足がゆっくりになる
自分に声をかける
大丈夫
きっと待っててくれてる
僕の大好きな笑顔で
待ってて
まだね、こっちでもう少し
やることあるから。
だから、見守って下さいね。
いつかそちらに行くまで
お父さんと二人仲良くね。
待っててね。
持ってて
「持ってて」
梓結っちの飲みかけのペットボトルを渡される。なんの気もなく受け取って、自分も喉が渇いていることに気付く。
「飲んでいい?」
「いいよ」
パキ、とペットボトルを開けて口をつける。ごくり、と液体を飲み下すと、無性にキスがしたくなった。彼女がありがとう、とオレからペットボトルを受け取ろうとするときに、そのくちびるを拝借するつもりだ。
普段より浮わつきを見せる街は甘い香りを漂わせていた。この日のために気合いの入った人もいれば逆に、おどおどとして周囲から勇気付けられる人も目立つ。
ある人にとってはこれが勝負の日。またある人にとっては感謝を伝える日。とある国だと女性がチョコレートを渡す日らしいが、ここではそんな決まりはない。誰だって自由に渡したい物を相手に贈れるんだ。
家族たちには日持ちするお菓子とカードを付けてこの日に間に合うように送った。きっと弟や妹たちのおやつタイムに出されてニコニコと食べてくれるはず。お返しの手紙が届くのが楽しみだ。
君の髪に映えそうな髪飾りを贈り物に、部屋を彩る花を少し。仕事が入らなかったらゆっくり君と過ごせたのに。時刻は夕暮れ、甘い香りは朝より薄くなっていた。君のもとに着く頃には辺りは暗く、街もひっそり静かになる。
「遅いと食べて寝ちゃうからね」
冗談めかしていたが寂しそうな顔までは隠せていなかった。
「『待ってて』くれると嬉しいな」
こんなこと言わなくても君は『待ってて』くれると知っているけど、わざと声にだして。
さて、急ごうか。
一緒に過ごせる残りの時間をこれ以上減らす訳にはいかない。荷物を抱えて走り出した。
君が作ってくれたチョコケーキ(『伝えたい』想い)を俺だって楽しみにしてるんだ。
(昨日のお題と繋げてみました。)
勢いつけてぇ〜
そーれ、一歩ぉ〜
右足で蹴り出してホーーップ!
上がった上がった〜
つぎも思いっきり体をバネにしてぇ〜
左足でステッーープ!!
いい調子、いい調子〜
さらに勇気を出して
渾身のジャーーンプ!!!
わあ、できた、
跳べたよ跳べた
もう足もとに地面はないよ
この勢いでさらに上空へ
雲をかき分け、大気圏を抜け
どんどん進め
いま行くからね
#待ってて
大好きだった先輩が若くして癌で亡くなった。
心の傷になっている。
思い出す度、涙が溢れてくる。
あれから10年。
あなたに追いつく!
これを目標にがむしゃらに仕事をしてきた。
まだまだ、もう一息。
もうすぐかなあ。
さく
題)待ってて
今この人と付き合いたいと思える人が前の人とは違って、
新しい恋が始まった。
好きな相手と私の間には沢山の障害物がある。
遠距離だったり、
人間関係だったり、
仕事だったり、
沢山の障害物がある。
でもただ、彼に会えるのが4月。
会ってみよっかってなって。
彼が今の地元から離れて
新しい一人暮らしの生活が始まろうとしてる。
そこに逢いに行くことになった。
今日はバレンタイン。
その人に初めてチョコを。
と言いたいところだけど、
固形物のチョコのお菓子ではなく、
チョコレートのお酒をプレゼント。
喜んでくれますように。
そして、絶対会いに行くから待ってて…
私が戻るまで居場所無くさないでね
私には,あなたしかいないから
私が帰ったら
「おかえり」って言って
手を広げて待っていてね
君を見つけたら絶対に飛び込むから
受け止めてね
その時まで待っててくれると嬉しいな
─────『待ってて』
待ってて!っていっても時間は待ってくれない……
でも、きっと言えば!待ってくれる人は居るはずだ……
そう信じたい……信じたいけれど、信じていいのか不安になる……
だってそれは信じきれてないからだ。知ってる。
でも、時間とかタイミングとか考えるとさらに複雑化になるよね……待ってて!って思ってても…
なんか書いてて思ったけどこれひらめきで書いてる時あるんよね!書いてて時折寂しくはなったりするぐらいのテーマだったりあるから久しぶりに書いたらひらめきに頼っちゃったやw
まじで書ける時はとことんかけるんだけどなw
『待ってて』
その言葉が私はいつも嫌いだった。
無責任で、相手に一方的に負担を押し付ける言葉。
待つ身がつらいかね、待たせる身がつらいかねとは太宰先生の言葉だが、待つ身がつらいに決まっている。
だから口にしないと決めていた。
診察室の扉を閉め、壁に背を預けて呟く。
「余命1ヶ月……か」
浮かぶのは彼女の顔。愛らしく、幸せに笑う顔。それでも
「もう、会えないな」
考えるのは彼女のこと。どうすれば、悲しませずにすむだろうか。どうすれば、彼女の中の私を死なせずにすむだろうか。
私以外が彼女を幸せにするなんて許せない。それでも、私はいなくなる。それでも、彼女には幸せでいて欲しい。だから
私は彼女にメッセージを送ることにした。震える指、涙でまともに反応しなくなる画面。それでもなんとか時間をかけて、ゆっくりと書き込み、送信した。
『待ってて』
あぁ、これは、待たせる身もつらいものだな。
待ってて。
わたしは確かに待たせた。けどその分気持ちに答えた。
そしたらわたしが待つ番になっていた。
どれだけ待てばいいかな?
わかんないよ。もう一年はたったよ。
ねぇ、いつになったら待たなくて済むかな?
待てば待つほど辛い。
待ってて…
待ってたんだけどなぁ…
ううん、
待っててなんて失礼だよ!!
待ってなんかなかった
だってわかってたもん…
#待ってて…
いつまで待てばいいの?
どれほど待てばいいの?
何もわからないままの
待ちぼうけほど
残酷なものはない…、
そう思いませんか?
待つのは嫌いじゃない。
その間ずっと、あなたのことを考えていられるから。
「ちょっと、待ってて」
そう言うあなたは、私のことを気に留めていてくれるのかな。
お題『待ってて』
心配なんて柄じゃ無いと思った。その目的で彼女の元を訪れるのに、今の自分は全く相応しくないとも知っていた。
それでも、不安に思ったのだから、ここに来たのは間違いじゃ無いだろう。
古いアパートの一室は、鍵もかかっていなかった。ワンルームの家だから、玄関をくぐれば全てが見えた、察せられた。
カーテンは閉まっていなかったけど、この時期には珍しい厚い曇天が外には広がっていて、安い白熱灯はその役割さえ放棄して、部屋のなかを明るく照らすものは何も無かった。
吐く程飲んだのか、部屋中に安いチューハイの缶が散乱し、吐瀉物とアルコールの臭いが立ち込める。窓際のキャンパスには描きかけの作品があっただろうに、赤い絵の具で雑に塗り潰されており、破れた厚紙は部屋のそこかしこに見付かった。
アトリエでもあるから色には困らない筈なのに、闇すら存在しないその部屋は、唯一様に灰色だった。
彼女は、そんな無色の部屋の片隅で、うつ伏せに潰れて嗚咽をあげていた。
『入賞者は──』
机の上だ。この全てを作り上げた残酷な文字が、無機質な明朝体でコピー用紙に羅列されている。その机のすぐ側に、或いは彼女が今まですがってきた筈の古いガラスのトロフィーが、粉々に砕けて鈍く光っていた。
それもその筈。それは彼女が欲しかったトロフィーではないのだから。
それもその筈。彼女が欲しかったトロフィーは、自分の手の中にあるのだから。
「…………って」
しゃがれた声だった。やっとの思いで出したのかもしれない。
──待っててよ、お願いだから。
「────は、」
そんな情けない声を聞かされたから。胸の内に言葉が湧くのも早かったのだろう。
塗り潰されたキャンパスが視界に入る。やっぱり、来て良かったかもしれない。
怒りのままに、声を発したつもりだった。もっと冷めた声色になると思った。
「じゃあ、待っていようか」
それが思いの外優しく響いて、我ながら酷い奴だと笑いたくなった。随分頭に来ていたらしい。
伏せられた顔が勢いよく上げられる。顎はわなわなと震えて、既に青い顔から更に血の気が引いていく。漸く自分を捉えたその眼は、大きく見開かれたその瞳は、今しがた彼女自身が発した言葉への後悔と、自分の答えに対する絶望をありありと映した。
構うものか。一つ微笑んで、踵を返す。
ねえ、待って、違う、そうじゃない。
聞こえる声に返事をする必要がどこにあるだろう。あんなものか。もう二度と期待などするものか……期待?
そう、そうか。自分が感じたのは、彼女の作品が観られなくなる事への、不安だったのか。
ああ、残念だ。好きだったのに。
乱暴に扉を閉めて、鉄さびた階段に足をかけようとした時。
背後から、慟哭が上がった。
咄嗟に口元を覆った。最低だ、本当に。それでも。
それでも、口角が上がるのを抑えられない。
そうだ。そうだよ。泣き叫べ。踠き、苦しめ。血涙を流して、また這い上がってこいよ。
待ってて、なんて。望んでもいない事を口にするんじゃない。そんなの、誰よりもお前が、許さない癖に。
先に行くさ。同じように、足掻いて、踠いて。だから、だから。
お前が走って、追い抜かせよ。
【待ってて】
「待ってて」
あなたは、
"待ってる"とは決して言わないかった。
それが、かえって、待つ決意の強さを伝えていて。
"もうちょっと待ってて"と言葉にした私の方が、
ずっと不確かなものを抱えていた。
待っててくれて、ありがとう。
猫が動き出すまでは、温かい部屋にいよう、その時になったら、月明かりの道を探して、そっと扉を開けておいで
『待ってて』
【待ってて】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
2/14 PM 5:15
『真夜(よる)くん、ごめんね。
もう少し待っててね。
天明(てんめい)くん、まだ
教室に来られないみたい』
まぁ、そうだろうな、と思いつつ
暁からのLINEに返信する。
『図書室から校庭見えるけど、
天明、部活終わるの待ってた
女子に囲まれてるよ』
天明含め、何人かのサッカー部員が
チョコの手渡し攻めにあっている。
あれで気持ちが伝わるものなのかは
かなり疑問だ。
『だから覚悟しておいた方がいいよって
言ったのにねぇ。
天明くんは自分のモテ度とバレンタインに
懸ける女の子の意気込みを軽く見積もり
過ぎだよ』
朝の昇降口、休み時間の教室、
昼休みの廊下、そして放課後の校庭。
今日1日、何度となく天明がチョコを
押し付けられる様を目撃した。
見かける度、暁は「モテモテだ~」と
何故か満足げで。
宵は……どうなんだろう。
心をザワつかせているようには
見えなかったけれど。
宵の心が波立てば、オレにはどうしたって
分かってしまう。
だから、冷静ではあったんだと思う。
告白ラッシュは、宵にとっても想定内でしか
なかったのかもしれない。
『まぁ、とにかく、オレはここで
本を読んでるから、時間は気にしなくて
構わないよ。天明を待っててやりなよ』
『ありがとー』
多少緊張しているだろうか。
でも、宵。大丈夫だよ。
暁がすぐ側にいる。